転生者たちは終末世界で好き勝手したい!(出来ない) 作:NATTOUGOHAN
ルミナスクエア
何時もならプルートー地区には劣るものの活気を誇っているはずのルミナスクエアが今は物々しい空気に満ちている。
それはエリー都そのものが滅びを迎えるかもしれないからだ。
零号ホロウは制御不能のまま拡大し、エリー都そのものを呑み込もうとしている。
これを終末と言わずなんと言うのか。
防衛軍のヘリが空を埋め尽くすかの様に慌ただしく飛んでいる中、ある者はホロウから逃れようと家財を持ち去り、ある者は家族の安否を心配し、ある者はこれを主の意思として受け入れようとしている。
そんな中、慌ただしい雰囲気の部屋があった。
ルミナスクエア・ディルムン社オフィス
こんな状況下でも打って変わらず、社員達が忙しそうに仕事をしているなか、CEOは外を眺めて通信を行なっている。
『ホロウ内で孤立していた転生者のうち現在79%を救出できました。』
「良くやってくれた。で現在のホロウの活性化の状況は?」
この終末の中でCEOは部下からの報告を拡大していく零号ホロウを見ながら聞いていた。
『オペレーション・パレードの完遂の影響により一時的にホロウの拡大は遅くなりましたがそれでも尚、周囲の物体を侵食し拡張速度が再び上昇しています。』
「そうか。」
CEOは分かっていたことを再度言われているかの様に投げやりに答えている。
『このスピードだと、一週間以内にエリー都はホロウに飲み込まれます。』
至って冷静に伝えている様に聞こえるがその実相当な動揺を孕んでいるのが通信越しでもわかる。
「いや、そうはならないだろうだろうから今は静観だ。」
CEOのその言葉に困惑する様に部下が聞き返した。
『どうしてですか?』
「関係筋の話によると、現在式輿の塔を14基を爆破させ周囲を侵食するものがない更地にすることでホロウの拡張を抑える計画が始動中らしい、荒療治だが恐らくそれにより拡大は止まるだろう。今からその爆破予定の塔のリストを送るからその周辺の地域の転生者を最優先で避難させてくれ。相当な規模になるぞ。」
部下はその言葉に安心したかの様に答えた。
『分かりました。』
【零号ホロウ拡大】リアルタイム情報交換スレ
841:名無しの転生者
[速報]現在、CEOによると式輿の塔爆破計画が進行しているらしいです。
今からリストを出すのでその周辺にいる方は出来るだけ離れてください。
近々正式な発表があると思います。
842:名無しの転生者
マジか
843:>>841
[赤い点と円が書かれたエリー都の地図]
844:名無しの転生者
おいおいまだそこにはまだ人がいるんだぞ
845:名無しの転生者
いくらなんでも範囲が大きすぎる
846:名無しの転生者
俺はタレットなんだぞ
逃げられないからこのまま爆死するしかないのか
847:>>841
現在、その周辺にヘリを集めているので隊員の指示に従って避難してください。
「はぁ」
そうして通信を切ったCEOはまた新たな仕事を思い出し、ため息をつくのであった。
「さてと、ライバル社の現在の状況は…」
CEOは自分のデスクに戻り、部下のハッカーが集めた被害情報のリストを読み込んでいく。
避難者の中に、ミッドサマー社の社長の名前があった。
「社長が生存したか、ああ良かった。じゃあ買収交渉の準備をしなくては」
その慌ただしく準備するその目は、エリー都という時代の終焉のその先を見据えていた。
大地溝帯ができる規模の爆発ってどう考えても気候変動とか引き起こす気がするんですよね。
次回、黒雨の中で
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