齊藤百合
中学生。小柄で眼鏡をかけた地味な女の子だが、美ヘソの持ち主
タクヤ君
百合の同級生で彼女といい感じ。
夏休みにプールでデートの約束をしている
雷様
博多弁を喋るおへそを取る妖怪
百合のおへそを取ろうとするが…?
ジージージージー…
更衣室の直ぐ外でアブラゼミが鳴いている。夏休み直前のある日。
「百合っておへそキレイだよね」
「うん。縦にスッてなってる」
「えっ…? おへそ?」
水泳の授業が終わり、着替えの最中に友達から突然おへそを褒めてられて百合は困惑した。
百合のおへそは縦長の楕円形で深く窪み、フチやシワなどのない綺麗な形だった。それがしっかりと付いているお腹はくびれは無いものの、ポッコリともしておらずストンとしていた。
「うちのおへそなんてさ、なんかぐちゃってなってるし」
そのおへそは、丸い窪みに臍肉が詰まって複雑な模様を描いていた。
「凹んでるだけいいじゃん。あたしのなんか…その…出てるし」
おずおずと言った彼女のおへそは、小さなおへそにパチンコ玉ほどの臍豆がはまりこんだデベソだった。
彼女たちのおへそは皮膚下脂肪が少なく、胴体が伸びる途上のおへそだった。女性的な縦長で深い形のは珍しく、浅べそでべそも当たり前で形も様々な未発達のおへそである。
「おへそって言えばさ、3組の佐藤さん。
急におへそがなくなったらしいよ」
「えっ?何それ?」
「何でも、指摘された時に本人は小さい頃にお腹の手術をしてその時に無くなったって言ってたんだって。
でも、以前は普通におへそがあったらしいんだけど…」
「変な話しだよね。まるで雷さまに取られたみたい」
「そうなんだ…」
百合は無意識にお腹を手で抑えた。
「百合もそのおへそで頑張ってね!週末にタクヤ君とふたりでプール行くんでしょ?」
「えっ?頑張るって何を…」
「百合ってさ、ちっこくて顔地味だしムネないんだからさ、そのおへそでアピールしないと!」
「おへそ出して寝て雷様に取られないようにね〜」
「うん…(よくわからないけど)がんばる」
おへそなんて自分でも意識していなかった百合は、恥ずかしいような嬉しいような複雑な気持ちだった。
「ふぅ。雨が降る前に間に帰えれてよかった」
百合が帰宅したのは4時過ぎだった。
百合は自室の開け放った窓の側にクッションにもたれて寝そべり、スマホをいじっていた。
朝から雨が降りそうな曇天だったが、帰宅して直ぐに雨が降り出した。時おり遠くで雷の音も聞こえる。
「雷かぁ…そうだ」
百合は部屋着のTシャツの裾を結んでおへそを丸出しにした。
(おへそ…雷様に取られちゃうかも…)
雷の鳴っている中、窓全開でおへそを無防備に晒す背徳感を百合は味わっていた。
普段他人に見せないお腹がひんやりとする。親に見られたら、はしたないと怒られてしまうに違いない。
(思い切ってお腹が見える水着買っちゃったけど…タクヤ君が私のおへそを見たらどう思うかな?気に入ってくれるかな?)
ふと、自分のおへそを見つめてみる。
掃除などしたことがないし、内部がどうなっていたかも見たことが無かった。
「んっ…」
おへその両側に指をかけ、くぱっと開いてみる。
百合のおへその内部はピンク色で、シワが無くつるんとしている。
そのおかけで、おへその手入れをした事がないのに、百合のおへそはゴマの一粒も無かった。
綺麗で可愛い大切なおへそ。雷様の目に留まったらどうしよう。
(私のおへそはお腹にしっかり付いているから、雷様でも取れないのだ…うふふ)
自分のおへそを見つめながら、うっとりと呟いた。
ピシャーン!
かなり大きな音がした。そう遠くない場所に雷が落ちたらしい。
「ん?」
なんだかおへそがムズムズする。まるで誰かにおへそを見つめられている様な感覚。
(な、なんか身体が痺れる…?
まさか雷様私のおへそを狙って…)
ドーン‼︎
百合の部屋の直ぐ外に雷が落ちた。
「はわわわわ…」
つい、おへそが気になり丸出しのお腹を覗き込んだ。
「よかった。おへそまだある」
百合がほっと一安心した次の瞬間、頭上から聞き慣れない声が聞こえた。
「きれーなおへそやね〜」
「そうでしょう?だからきっと雷様が狙って…って…誰⁉︎」
「雷様よ〜」
「えぇっ⁉︎ まさか、本当に来るなんて!」
空から見えるよーにおへそ出しとったってコトは、ウチにおへそあげるってことやろ〜?
「ち、違うよ!」
慌てておへそを隠そうとした瞬間
「えいっ!」
雷様が人差し指を百合のおへそに挿れた。
「ひゃっ⁉︎ な、何するのぉ…⁉︎ あれ、体が動かない⁉︎」
雷様の指から発せられる電気で百合の全身の筋肉が硬直し、逃げることも、おへそを守ることもできなくなってしまった。
「うわぁ〜 柔らかいおへそやね〜」
雷様はおへそに差し込んだ指を上下左右に動かしかしたり、ぐいっと押し込んだりおへその感触を楽しんでいる。
指の動きに合わせておへそはぐにぐにと変形し、良い様に姿を変える。
「や、やめてぇ! 私のおへそがぁ…」
おへそをいじられる感触に耐えながら百合が懇願した。
雷様は聞く耳を持たずに、百合のおへそをいじくり倒したのち、おへその両側に指を当てて強く押した。
にゅる…
おへその底が盛り上がり始めた。
「や、やめて…お願い!」
にゅぽん!
百合のおへそが裏返って完全に飛び出したデベソになってしまった。
「まるでお花の蕾やねぇ。可愛か〜」
初々しいピンク色で、てっぺんにバツ印の様なシワが入った変わり果てたおへそを見た雷様が呟いた。
「じゃっ、お花摘みの時間やね!」
「摘み…? いやっ!やめて!おへそ取らないで…おへそ大事なの!」
「ごめんけど、ちょっと無理やね。こんな美味しそうなおへそ、そうそう食べれんやろうし♡」
雷様の指がデベソをキュッと摘んだ。
「あ…ああ…おへそが…」
「あ、あれ?」
雷様が急に百合のおへそを離した。
「あっ、いかん!雲が晴れよぉ!」
雷様の言った通り、窓の外では雨雲が風に流されて雨が止みかけていた。
「あ〜。もうちょっとやったのに〜」
雷様の姿が次第に半透明になっていき、そのまま消えてしまった。
「…い、今のは夢?」
百合は身体が動くようになった。
しかし、お腹の真ん中は飛び出したままである。
「押し込んだら、引っ込むかも…」
人差し指をデベソのてっぺんの×印にあて、にゅっと押し込んでみる。
すると、スルスルとデベソが引っ込んでいき、元の縦長のおへそに姿を戻した。
「あ、よかった…!」
おへその危機が去って、百合はホッとささやかな胸を撫で下ろした。
窓の外は綺麗な夕焼けが広がっていた。
翌朝。
着替えの最中にふと姿見に写ったおへそを見て、百合は驚いた。
「な、なにこれ…」
昨日まで引き締まった縦長楕円形のおへそが、まんまるのおへそに姿を変えていた。
登校中も、おへそに違和感があった。歩くのに合わせて、なんだかお腹の真ん中が揺れているように感じられた。
「おはよう〜百合」
「あ、おはよう」
「昨日雷凄かったね。おへそ大丈夫だった?」
「おへそ⁉︎ …い…いや、何でもない!」
「?」
お昼ごろには更におへそが変化していた。
正面を向いていた窪みが下を向き、横にだらしなく広がっていた。
さらに、歩いたり体を動かす度にお腹の肉とは無関係におへそがグラグラと動いている。
「ど、どうなってるの?私のおへそ…」
夕方には更に状況が悪化していた。
昨日雷様によってデベソにされた時と同じ様に、おへその中身がお腹の外にはみ出していた。
あまりのおへその様子を見て、百合はおへそに絆創膏を✖︎印に貼りつけた。
その夜。
百合はおそるおそるおへその絆創膏を剥がしてることにした。はみ出したおへその中身の重さで絆創膏は今にも剥がれそうだった。
ぺりっ
ぽろっ…ぽとん
「え…?」
お腹の真ん中から、ピンク色の何かが取れて、床に落ちた。
絆創膏の下はツルツルのお腹だった。
窪みも出っ張りも何もない、カエルの様なお腹になってしまった。
慌てて床に落ちたものを拾い上げる。
それは、ピンク色の梅干しほどの大きさで、×印のシワが入っている。
「おへそが…取れた…?」
お腹に押しつけてみても、何も起こらない。
「どうしよう…私のおへそがぁ… 取れちゃった…こんなお腹…タクヤ君に見せられないよぉ…」
真夜中
ゴロゴロ…ピシャーン‼︎
「ひぃやっ¡¿」
轟音で百合は飛び起きた。
「か、雷かぁ… あっ!」
お腹がひんやりとした。かけていたタオルケットを蹴飛ばし、パジャマがはだけてお腹が丸出しになっていた。
「おへそは…付いてるかな…」
慌てて枕のそばの灯りをつけて、眼鏡をかけた。
百合はおへそがくっつくようにと願って、お腹に絆創膏でおへそをくっ付けて寝ていた。
お腹の真ん中の絆創膏は剥がれていた。お腹は相変わらずのっぺらぼうのままだ。
「おへそが!どこにいったの?」
「ここよー」
声がした方向を向くと、昨日おへそを取ろうとした雷様がそこにいた。
「雷様⁉︎、じゃあもしかしてそれは…」
「うん。やっぱりおへそ取れとったねー」
百合の視線の先には雷様の指につままれているピンク色の塊があった。よく見ると絆創膏がついている。
「わざわざお腹に付けとった上でまる出しやったけんね〜そんなにウチに食べて貰いたかったっちゃねぇ」
「ち、違うの…おへそ…返して…」
百合は泣きながら懇願したが、雷様は全く聞かずに
「おへそは取れたてが美味いっちゃけど、女の子のおへそはお腹にひとつしか無いけんね。
文句言ったらバチかぶるけん食べちゃらんと」
そう言って百合のおへそを口に入れ、モグモグと食べてしまった。
「ありがと!おへそくれて。美味しかったよ〜」
そう言って雷様は窓の外に消えて行った。
「ああ…おへそが…ひどいよぉ…雷様…」
百合のおへそがなくなったお腹に涙がポタポタと落ちた。
それから数日後
「百合、次はあそこ行こうか」
「うん!」
念願のタクヤ君とのプールでデート。
「ごめんね、こんなところでも眼鏡で」
「いいよ。そっちの方が百合らしくてさ。
ところでさ、百合。そろそろどんな水着か見せてくれないか?」
近眼の百合はプールでも眼鏡をかけていた。せっかくのヘソ出し水着だったが、そのおへそがお腹に無いので水着の上にパーカーを羽織っていた。
「笑わないって、約束してくれる…?」
「約束する。どんな百合でも俺は引かないよ」
「じゃあ……実は私、おへそが無いんだ…」
パーカーのファスナーを開けて、彼に見せる。
「百合…ごめん」
彼の顔から笑顔が流れて落ちていった。
「えっ…」
「俺、へそが無いってのはちょっと…
ご、ごめん百合!」
タクヤが百合に背を向け、立ち去って行った。
「タクヤ君…」
百合はおへその取れたお腹を出したまま、放心していた。
(あの子、おへそがないわ)
(おへそ無いのに、よくあんな水着着れるね)
(あんなお腹ならまだでべそのほうがマシだよね)
(カエルみたいなお腹の子だね)
周囲のヒソヒソ話が百合の耳にも入って来る。
「…っ…うぅ…」
百合はお腹を押さえて、静かに泣いた。
この日の事がトラウマになり、百合は結婚はおろか、恋愛すらもできなくなってしまった。おへそが無いことを知られたくないがために水着を着たり、温泉に入ることも出来なくなってしまった。
そんな事はつゆ知らず、雷様は今日も女の子からおへそを奪っていた。