IS <Infinite/stay night>   作:雪風冬人 弐式

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 Fateのアポ完結、fakeとGrand Oderの始動記念で書きました。
 説明回的内容ですので、オリ主は出ません。オリキャラは出ますが。


幕間

 とあるビルの中になるオフィスの円卓が置かれた会議室の中、一人の青年が席に付いて取り出した懐中時計を見ていた。

 

「そろそろか」

 

 眉を顰めた厳しい表情の青年が呟くと同時に、空席だった席にホログラムの人影が投影される。

 

「『光の国』、黒部ハヤタ」

「『立花レーシング』、藤岡タケシ」

「『番犬所』、小西コウガ」

「『地球防衛軍』、松岡シンイチ」

「『蒼き艦隊』、興津グンゾウ」

「『聖堂教会』、言峰ニセイ」

「『魔術協会』、ウェイバー・エルメロイ。本日の司会は、私が勤めさせていただく」

 

 人影がそれぞれ名乗ると、初めからいた青年、ウェイバーの言葉に一同は頷くが、未だ空席が二つ残っていた。

 

「今回の定期報告会だが、『アベンジャーズ』のニック・フューリーと『X-MEN』のプロフェッサーだが、先日起きたウルトロンとセンチネルが暴走した事件の残党が燻っているため、欠席と連絡を受けている。そのため、本日の重要事項以外の採決はこちらで決定しても問題ないとのことだ」

 

 ウェイバーの報告に、各々は違ったリアクションを取るが苦虫を噛み潰した顔になったことは共通していた。

 

「そうすると、アメリカはしばらくそれに係り切りになるか」

「『アベンジャーズ』の管轄下の『ベンタラ』も同様に忙殺されるわけだな」

「日本からも人員を派遣した方が良くないか?」

「それは大丈夫だろう。まだ救援要請が来ないということは、向こうで対処できているということじゃないか?」

「静粛に!皆様の懸念は最もですが、アメリカは問題ないということで保留させていただきます」

 

 アメリカの現状報告から脱線しかけた会議を立て直したウェイバーは、咳払いをして会議を進行させていく。

 

「まず、各々方からの報告だ。『光の国』から順に頼みます」

「了解した。私達からの報告だが、スパークドールズらしき反応が確認された。この結論の根拠だが、未知のエネルギーが感知された地域を衛星で確認したところ、その地域にある山中でウルトラマンと怪獣が戦闘していた。詳しい調査はこれからだが、戦闘していたウルトラマンがギンガだったため、スパークドールズがある可能性は高いだろう。以上だ」

「続いて『立花レーシング』からだ。都心を中心にロイミュードの活動が活発化しているが、重加速状態でも問題ないカブト系のライダーとドライブで対処しているところだ。それと、先日襲来したメガヘクスだがまだ活動を続けている個体がいる可能性があるため、警戒をお願いしたい」

「『番犬所』からは特にないな。強いて報告するなら、ゼドムの分体の塚が全て発見できていないため、引き続き調査中だ」

「『地球防衛軍』からも特にない。例のゴジラの封印も問題なしだ。ただ、レジェンダリー版のゴジラらしき生物を記した文献を発見したため、真偽の検証中だ」

「『蒼き艦隊』はいつもどおりだ。相変わらず、深海棲艦は湧き続けて発見次第撃破の繰り返しだ。出現地域が固定されているのも謎だ。それと、マラリア海溝の亀裂も再びKAIJUが出てくる兆候は見られない。『パシフィック・リム』は当分先だろう」

「『聖堂教会』からは、冬木市で邪神の落とし仔を多数確認されるようになったことだ。これは、原作の開始時期だからだと予想される。実際、先日も討伐の報告があった。後は、今日の重要課題に被るので割愛する」

「『魔術協会』からとしては、ルーマニアにあった大聖杯の解体が完全に完了したことだな。これで、『Apocrypha』は終結したと見て間違いないだろう。それでは、これより本日の重要事項の件に移りたいが異論がある者は?」

 

 一度言葉を区切り、議場を見渡すウェイバーだが異論を出す者はいなかった。

 

「ではこれより、重要事項の采配に移る。予め通達した通り、第何号か数えるのが億劫になるほど聖杯を解体してきた我らだが、また新たに聖杯出現を感知した。情報源は例のルーラーであり、ニセイ殿のご子息にも確認を取ったため間違いないと判断し、調査した結果、出現場所の特定に至った。それが、IS学園だ」

 

 一拍置いて手元に置かれた水を飲んで喉を潤し、ウェイバーは話を続ける。

 

「すでに聖堂教会から監査役として、『Apocrypha』において現界したルーラーが憑依した彼女の派遣が決定し、事務手続きも終わっている。そして、聖杯を解体するためにユグドミレニアのアーチャーの派遣の許可も出た。資金や資材も我々や彼の財閥が支援するため、問題はない」

「確かに、彼のアーチャー、《始まりの男》でありそのサポートの彼の《聖女》となれば、人材面では申し分ないな」

「然り。それにしても、ヘルヘイムの浸食が過去に何度も起きていたとは驚かされたな」

「原作でも、なぜ古代からヘルヘイムの伝承があるのかやその辺りは解明されてなかったしな」

「それでもって、今まで大聖杯が実は過去に破壊した黄金の果実の欠片が使われていたことにも驚きだったな」

「それに加え、ヘラクレスに射られた鏃と伝えられていた聖遺物が、実は彼が黄金の果実を求める争いの際に砕いた剣の破片だったとは」

 

 一同が口にするのは、『始まりの男』の過去。一年程前にルーマニアで勃発した『Apocrypha』と呼ばれる事件の終結へ導いた立役者の一人にして、太古の昔、ヘルヘイムの浸食より(地球)を守り抜いた名も無き英雄。

 

「重ね重ね申し訳ないが、静粛に!本題はこれからです!」

 

 再び脱線した会議にウェイバーが諌めたことで、会話が止まる。

 

「場所が場所だけに、いつもみたいに戸籍や様々な情報の偽装を凝らして潜入することができません。何せ、世界中の国々が、最強の兵器と言われるISの情報を得ようと謀略を巡らしているのですから」

「そこで、皆の知恵を借りたいのでこうして集まってもらったのだ」

「アーチャーからは、サポートとしてセイバーも頼みたいと要望があったが、こちらはルーマニアからの研修生という形で落ち着いた」

「となると、アーチャーか。確かつい先日、世界初の男性でISを動かせた人物が発見されたんだよな?」

「ええ、その通りです。名前は、織斑一夏。裏には一切関わりのない、日本国籍の中学三年生の男性です。ただ、両親が幼少の頃に行方不明となっており、姉が彼を育てていたようです」

「なるほどね。では、アーチャーもISを動かせたことにすればいいのでは?」

「それも考えましたが、学生として潜入するため授業で操縦できなければ退学になるため、却下しました」

「ん?だったら、ISっぽいスーツ作って、その実験としてIS学園に出向させるのはどうだ?」

「なるほど。『アベンジャーズ』のトニー博士のアイアンマンなんて、まさにそれだからな。アメリカの協力は必須だが、なんとかなるだろうな」

「そうすれば、彼本来の力もそのパワードスーツによるものだとすれば、問題なさそうだな」

「ふむ。では、私はIS学園に出資している企業に掛け合ってみよう」

「では、彼はISに準ずるパワードスーツのテスターとして、データ取りに最適でISの知識を学び取り入れるためにIS学園に出向するという方針で良いだろうか?賛成の方は挙手を」

 

 満場一致で手が挙がり、反対する者はいなかった。

 

「では、本日の定期報告会はこれにて終了させていただきます。詳しい方針は、決定次第追って連作させていただきます」

 

 ウェイバーの言葉を〆にして、出席者達はこれから連絡の通達や人員の選定に奔走されるであう『魔術協会』と『聖堂教会』の代表に労いの言葉を掛けてから、姿を消していく。

 

「科学の聖地とされる地に降臨する聖杯。これは荒れますな」

「然り。誰が用意したのか、目的は何か、未だ不明。今まで以上の警戒が必要ですね」

「頼みますぞ、ウェイバー殿」

「こちらこそ、頼りにしていますよ」

 

 会議室に最後に残ったニセイの姿が消えると、ウェイバーも部屋を出る。

 彼の胸には不安がよぎるが、あのアーチャーならやってくれるだろうとも安心感もあった。

 自分はバックアップしかできないが、それでも友の助けとなるならば全力で取り組もうと決意するウェイバーだった。

 

 

 

 

 

 

 旧き時代の噺をしよう。

 かつて、この星に異次元からの浸食が起きた。

 原因は、ヘルヘイムと名付けられた植物の繁殖行為であった。

 理由なき悪意と皮肉られたその侵略は、瞬く間に星を汚染し始めた。

 だが、その脅威に立ち向かい阻止することに成功した人物がいた。

 『始まりの男』という呪いをその人物が受けた代償によって、星はヘルヘイムの侵略より守られたと思われた。

 しかし、その爪痕は大きかった。

 星に散ったとある(・・・)欠片が、膨大な力を秘めていたためその欠片を巡る争いが起きた。

 さらにヘルヘイムの浸食は時代を経て、幾度なく再開されてその度に多くの血が流れ、もはや彼の心は摩耗する一方であった。

 やがて、彼に転機が訪れた。

 一年前のルーマニアで起きた、『Apocrypha』と呼ばれる亜種聖杯戦争の一つ。

 数奇な運命から、参加することになった彼は、自身が守りたいと想う存在と邂逅した。

 そして、数々の障害をかつての友や仲間の絆と共に乗り越え、彼はようやく呪いから解放されたのだった。

 これより始まるのは、『始まりの男』から『守りし者』となった彼の物語……。

 

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