超かぐや姫!とドンブラザーズの玉突き事故が起きているのを見て書きたくなりました。
誤字とかあったらごめんちゃい♡
かぐやとタロウ
それは今より少し先の未来のお話
どうしてこんなことになったのだろうか
普通に生きたいという己の願いに反して起こるここ最近の身の回りの出来事に、厄除けでもしてもらうべきだろうか、などと現実逃避をしている酒寄 彩葉の前には―
「ウマっ、タロウの料理すっごくおいしい!」
「当然だ。俺に出来ないことなどない。」
「しかし、アンタも中々やるな。敢えて点をつけるとしたら……27点だ!」
「低っ!?」
「何をいう。かなりの高得点だ。」
「えぇ~、厳しすぎ」
今さっき知り合った配達員の青年と少し前に7色に光る電柱から拾った少女が共に食卓を囲んでいた。
なぜこんなことになったかというと―
――「酒寄彩葉さんですね?サインをお願いします。」
時刻は夕方、彩葉がもうそろそろ夕食を作ろうかなどと考えていたちょうどその時である。
真っ白な制服に身を包み、段ボール箱を抱えた配達員の青年が彩葉のボロアパートを訪れた。
(宅配?)
彩葉には何かを頼んだ覚えはなかった。
悲しいことにここ最近とある事情で金も無ければ時間も無いのだ。
つまり、宛先ミスかあるいは――
「あー!やっと届いた!」
そんな彩葉の思考を遮るように溌溂とした声が響く。
声の主は最近の彩葉の頭痛の種のかぐやである。
「ちょっと、アンタ勝手に何か買ったの?」
我が家には通販を使う余裕など無いというのに
「うん!彩葉がやってるの見て私も"アレ"やりたくなってさ~」
「"アレ"…? アンタまさか…」
思い浮かぶものはただ一つ。
だがあんなものを買われた日には我が家の家計は火の車どころではなくなってしまう。
どうか"アレ"以外であってほしいと祈る、が
「わたし用のスマコンだよ!」
現実は残酷であった。
今からでもキャンセルできないだろうか?
「サインをお願いします。」
「あ、えっと…」
「彩葉が書いてくれないなら、わたしが書く!」
「ダメだ。必ずサインは本人のものでなければいけない。」
「ちぇー、……ねぇ、彩葉ぁ。」
「…はぁ、分かりました。今、書きます。」
彩葉にはここで商品を突き返す度胸も気力もなかった。
言われるがままに大人しくサインを書く。
「どうも。これでアンタとも縁ができたな!」
「縁?荷物にサインしただけですけど…」
「どんな小さな縁も縁は縁。この世では無数の縁が絡み合い、結び会い、奇跡が生まれる。そして、俺との縁は超良縁だ!」
「いいこというじゃん!わたし気に入った!」
勝手に荷物を受け取りながらそう言うかぐやに
(コイツ、まったく反省してない…!)
と苛立つが、悲しいことに怒る気力すらない。
スマコン代を稼ぐのにどれほど働けばいいか考えただけで眩暈がする。
「ん?アンタ、顔色が悪いな。」
「あぁ、少し眩暈がするくらいなのでお構いなく…それに晩御飯も作らないと…」
「そうか、ならば俺が作ってやろう。」
「えぇ、そんなことしてもらわなくても…それに今知り合ったばかりで―」
「何故一々理由を求める?今、俺とアンタ達と知り合って縁ができた。それで十分だ。」
「でも、他にも荷物とかあるでしょうし、悪いですよ。」
「案ずるな。この荷物で今日は最後だ。事務所の施錠も任されていてな。」
任されたというよりも、単純にじゃんけんに負けただけだが。
「まだアナタの名前すら知らないんですけど」
「俺の名前は桃井 タロウだ。よろしく頼む。これで問題ないな。」
「いや、それh「タロウ料理作るの?だったら私も作る!」
「おもしろい!いいだろう!」
「ちょっと」
「いいから!彩葉は休んでて!」
断ろうとした矢先かぐやに遮られ、とんとん拍子に流れが進む中で彩葉は―
(あぁ、もう疲れたしもういっか)
考えるのを、やめた。
フラフラと布団へと潜り込み、そして意識を手放した。
そして現在に至る
「なんでここまで…」
「簡単なことだ。俺とアンタ達に縁ができたからだ。そして、俺が運ぶのは荷物だけではない、幸福も運ぶ。」
「縁っていうほどのものでは…」
「どんなに小さくとも縁には変わりない。この世は縁の繋がりでできている。名前を尋ねた、道端で肩がぶつかった、あるいは目が合うだけでも縁というのはできるものだ。」
「えぇ…」
なんだこの縁結びの通り魔
「俺は以前、幸せというものが分からなかった。だから人を幸せにして幸せを運んでいた。そしてそれは今も変わらない。」
「分からなかったって、今は分かったの?」
「あぁ、少しだけだがな。」
僅かながらも仏頂面に嬉しさが混ざった顔で桃井は続ける。
「お供達と共にいることだ。」
思い浮かぶは5人の
そしてトゥルーヒーローであり、フォーエバーヒーロー*1のマスター。
「へぇ~、タロウはいい出会いに恵まれたんだねぇ。」
(お供達って何?)
「あぁ、いい縁に恵まれた。」
「じゃあ、見返りとか、求めないんですか?」
「求めない。人に好かれたいと言う気持ちは分かる。だが、そのために何かすれば卑しくなるだけだ。」
「えぇ~本当に?」
「あぁ、俺は生まれつき嘘がつけん。」
「うっそだ~」
「本当だ。俺は嘘をつくと死んでしまうからな。」
(それこそ噓でしょ。)
「じゃあさ、なんか嘘ついてみてよ。例えば~、『俺は、女だ。』って言ってみて。」
「いいだろう。俺は女da」
言い終わるや否やタロウの体が倒れる。
「ちょっと、ウチで寝られると困るんですけど」
反応はない。
「?、あの…」
体を揺らそうとタロウに触れると抵抗なく体がコトンと動く。
まるで、本当に死んでいるかのように。
まさか、いや、そんなはずはないと思いながら脈を図る。
脈がない。
胸に耳を当てる。
心臓が動いてない。
つまり―
「うそ、死んでる…」
「えぇ!?どうするの!?」
騒ぐかぐやをそっちのけにして彩葉の頭に最悪の考えがよぎる。
『昨日、夕方ごろ配達員の男性が都内の配達先のアパートで死亡するという事件が発生しました。警察は事件性を調べており―』
(どうすれば…救急車?いや、死んでるなら警察?手続きとかどうするの!?なんて説明すれば、『噓つかせてみたら死にました』って?絶対無理!信じてくれるわけが…)
「ハッ!」
「起きた!」
「えぇ!?」
「言っただろう。噓をついたら死ぬと。」
まさか本当に死ぬなんて予想できる奴なんていないだろう。
もう訳が分からないと思考を放棄し、タロウが作ってくれた味噌汁を啜る。
「はぁ、あっこの味噌汁美味しい。」
「当然だ。」
「彩葉、彩葉!私が作ったコンポタも食べてみて!」
「味噌汁の後にコンポタって…」
「いいから!」
「…美味しい」
「でっしょ~!」
「そういえば、タロウはさ、怖いものとかないの?」
「そんなものは…いや一つだけ*2ある。」
「へぇ~以外。てっきり『そんなものはない』っていうかと思った。」
「確かに。桃井さんって何が怖いんですか?虫とか?お化け?」
「いや、あれはそんなものではない。なにせこの俺が生まれて初めて恐怖を感じたくらいだ。」
(この桃井さんにそこまで言わせるって、一体どんな魑魅魍魎*3なの…?)
「―それじゃあ、俺はこれで失礼する。邪魔したな。」
「ご苦労様デシタ…」
休ませてもらったはずがとんでもなく疲れた気がする。
扉の閉まる音と共にタロウは去っていった。
タロウが帰った後―
「アンタねぇ…ウチが今金ないの知ってるでしょ」
「だってぇ…彩葉と一緒にやりたくて…」
「くッ」
そう上目遣いでこちらを見てくるかぐやに怒る気力を削がれそうになる、が何とか持ち直してかぐやを叱る。
「だからってそんな気軽に買っていいものじゃないの!」
「いろは~ごめんって~」
「反省の色が見えない!そうだ洗い物を…ってもう洗われてる?いつの間に…」
「さっきタロウがやってたよ。面白い人だったねタロウ!」
「もう関わりたくないけどね。」
「えぇ~なんで~」
「噓つくたびに死なれたらこっちの心臓がもたないの!そうじゃなくても台風みたいな人なんだから。」
1日にも満たない僅かな時間であったが、2人の中には桃井タロウという男のことがしっかりと刻みこまれた。
1人は面白かったからもう一度会いたいと思い、もう1人は金輪際出会うことがありませんように、と正反対のことを胸に抱きながら少女たちは元の日常へと戻っていくのだった。
じか~いじかい
ようやくツクヨミに入れる!
って思ったらあれ?タロウ?
なんでここに?
あの人なんかすっごい怒ってるんだけど!?
『こまざわのいかり』
さァ楽しもうぜ!
Q.最終回後のタロウの職場って何だっけ?
A.シロウサギ宅配便
また玉突き事故起きとるやんけ!
評判が良かったり、気が向いたら続き書きます(全3,4話くらいになる予定)