っていうか色ついとる!それもタロウと同じ赤!
前回次回予告入れ忘れてたけど、まぁええかぁ!
ちょうどこの前書きを書いているときにDimension Xenofigure のテガソード様が届きました。
ウツクシイ…MEMORIALテガソード様も買ったので届いたら並べて祭壇に飾ります。
彩葉は、自身の縁を最大限利用してかぐやについて信頼出来る人をできる限り呼んだ。その中にはタロウの姿もあった。
勿論かぐやには言っていない。現在、かぐやは隣の部屋で呑気にクソゲーをプレイしている。
「――というわけでかぐやは月に帰らないといけない。だけど、私はかぐやと離れたくない。
だから……今まで黙っていた立場でおこがましいのは分かってる。それでも私には頭を下げることしかできない。だから、私に、力を貸してください。お願いします…!」
今の彩葉に出来ることはこれしかないと、そう深々と頭を下げる。
その言葉を、覚悟を聞いて断れる人はいない。
「いいよ~。頑張っちゃう。」
「もっと早く言ってほしかったけどね。」
ジトーっと彩葉を睨む。
「ごめん…言っても信じてもらえないと思って…」
「まぁ、過ぎたことはいいよ。かぐやちゃんと離れちゃったらまた危なっかしい彩葉に戻っちゃいそうだし。いいよ、手伝ってあげる。」
「真実、芦花…ありがとう。本当にありがとう。」
「そういう言葉は全て終わってから言ってよ。」
「そうそう。」
「…うん、全て終わったあとで改めてお礼を言わせて。」
「ま、俺らはリーダーに従うよ。」
乃依と雷はあくまでもリーダーに従う姿勢を見せる。
「いいぜ。手伝ってやる。かぐやちゃんがいなくなるのは寂しいしな。そ・れ・に、かわいい妹の頼みを聞いてやるのもお兄ちゃんの務めだしな♪」
「お兄ちゃん……」
「悪いがその頼みには応えられん。既に知り合いの頼みが入っていてな。すまない。」
「そう、ですか、分かりました。ありがとうございます……。」
全て上手く行くとは思っていない。誰かしらが欠けることは予想の範疇だった。
最悪なのはタロウという強力な戦力が欠けた、ということだが。
「それに、話を聞く限り、全ての原因はかぐやが途中で仕事を放棄してこっちに来たことだ。」
「ウッ」
図星を突かれる。
「永遠の別れという訳ではないんだろう?ならばさっさと帰って仕事をさせて、そのあと戻ってくればいい。それじゃあダメなのか?」
「…月とこっちじゃ時間の流れが違うらしくて…仕事が終わってもそのころにはきっと…」
「そうか。……さっきも言った通り、俺はその日お前たちに手を貸すことはできない。だがその日までは手を貸すことができる。」
「それって……!」
「あぁ、お前らを鍛えてやる。ほら、さっさと行くぞ。時間がないんだろう?」
「ハイッ!」
彩葉たちはKASSEN備え付けの訓練場へと向かい、場にはBlack onyXの面々とタロウだけが残る。
全員の姿が消えたのを確認してから、アキラがタロウに近づいてくる。
「タロウ、あんがとな。」
その礼はアキラとしてではなく、彩葉の兄、酒寄朝日としてのものだった。
「この程度、礼を言われるまでもない。それよりも…」
「ゑ?」
アキラの首根っこをむんずと掴む
「特訓するのはお前らもだ。前々から気になるところがあったからな、丁度いい。」
脳裏によぎるのはタロウ百人切りの際の様子。
ライブの日までアレを?ずっと?そんなの、そんなのは―――
「い、嫌だァァァァー⁉だ、誰かァ!た、たす、助けてくれェェェェ!」
恥も外聞もなくアキラは叫ぶ。だがそんな抵抗も虚しく部屋に声が反響するだけだった。
真実がこの場にいなくてよかった。
「やかましいぞ。お前たちもまだまだ強くなれるんだ。何をためらう?」
タロウに引きずられていくアキラの後を雷と乃依もやれやれとついていくのであった。*1
――あの時もっと早く皆に協力を頼んでいたら何か変わったのだろうか。もっと早く言えば、きっと桃井さんも協力してくれて、もしかしたら……なんて、未練がましい妄想をしてしまう。
かぐやの卒業ライブも佳境。
尽きることのない月人の軍勢を前に、皆うっすらと理解していた。この戦いに勝ち目などないと。
既にこちらの戦力は満身創痍、頼りのBlack onyXも疲労感が拭えない。
いくらタロウに稽古をつけられようとこちらは人間で相手は電子生命体。埋めることの出来ない壁がそこにはあった。
要するに詰んでいたのだ。はじめから。それでも皆、体に鞭を打って全力で抗う。
彩葉は迫りくる敵を斬りながら走馬灯のように頭を駆け巡るかぐやとの記憶に想いを馳せる。
初めて電柱からかぐやを拾った日のこと、初めて一緒にツクヨミに入ったこと、海水浴にいったこと、ヤチヨカップで優勝したこと、コラボライブに出て歌って踊ったこと、花火大会に行ったこと。そのあとに行ったおでん屋のことも。
嬉しそうな顔も、悲しそうな顔も、得意げな顔も、寂しそうな顔も……全て鮮明に覚えている。
もっともっといろんな顔を隣で見ていたかった。それなのに――
(これで終わり…?お別れすら言えてないのに?まだ一緒に作りたい曲も、一緒に行きたいところもあるのに?……まだちゃんと一緒にいたいって、一緒に生きようって言えてないのに?)
きっと分かっていた
結局はこうなると
自分なんかに運命は変えられないと
それでも諦められなくて
必死に足掻いて
だから――
「はーはっはっはっはっは!!」
――――だから、彼は来た
悪を討つためでも、敵を排除するためでもない
悲しみを退治するために
祭囃子が木霊する
彩葉たちも視聴者も、そして月人も動きが止まる
暗がりから朱いバイクに跨り、赤い神輿に揺られ"彼"が月明かりに照らされ、その姿を見せる
黒いサングラスに歯車のようなマゲ、そして額に掲げた輝く桃
真っ赤なボディが月明かりを反射する
雷鳴を切り裂くような笑い声と共に世界が塗り替わる
月明かりのように優しく、そして儚い雰囲気が
太陽のように力強く、そして見るものすべてを焦がすような
朱に染まる
花吹雪が舞い、天女が躍る中で朱い戦士は扇子を扇ぎ笑う
「やァやあァやァ、祭りだ祭りだ〜!
歌え!踊れ!
袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!
共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!
悩みなんざ吹っ飛ばせ!
笑え笑え!はーはっはっはっは!!」
青空のように澄み渡った声で暗雲も絶望も晴らしながら傾奇者は笑う
この場の視線を、いや、このライブを見ているものすべての視線を奪いながら
このどうしようもない世界で
全ては縁で繋がっていると
この世は楽園だと
サングラス型変身銃:ドンブラスターで敵を撃ち抜きながら
「情けないぞお前たち!かぐやを送り出すんだろう?ならば立て!胸を張れ!」
その仮面の下の人物など尋ねるまでもないだろう。こんな縁を押し付けてくる奴は世界広しといえども一人しかいない。
その鼓舞に
「あ~あ、やっぱお前、最高だよ!」
淀みのない動きで
迷いは無かった。
(そうだ…まだ、終わりたく、ない…!)
空気が変わるのを肌で感じながら芦花も真実もそして彩葉も立ち上がる。
譲れない願いのために。
その様子を見て脅威と判断したのかドンモモタロウに無数の月人が殺到する。
元々、月人はKASSENのルールに基づいて6対6を保っていたが、乱入者であるタロウにそれは適応されないのだ。
「さァ、楽しもうぜ!勝負勝負!」
だが、その程度で止まるドンモモタロウではない。
朱いバイク、エンヤライドンを駆り神輿から鮮やかに飛び出すとそれら全てを切り伏せる。
ドンブラスターの天面のボタンをエンヤライドンの側面で叩き、ドンブラスターとサングラス型の大太刀:ザングラソードのスクラッチギアを嚙み合わせ、一気に引く。
パーリィーターイム!
ヘイ! ヘイ! ヘイ! ヘイッ!カモォーン!
ドンモモタロウ!
ヘイ!かもぉん!
アーバタロ斬♪アバタロ斬♪アーバタロ斬♪アバタロ斬♪
『狂瀾怒桃・ブラストパーティー!』
いよぉぉ!どんぶらこぉ!
サングラスを外すような動きで脳人レイヤーを起動して、レイヤー内に存在するワープドアとジャンプサークルによる跳弾を利用して撃ち出された
その爆炎を突き破ってコンゴウ型とズイジュウ型が姿を現す、が――
「邪魔だァ!」
『ザングラソード・快桃乱麻!』
必殺奥義!アバ・タロ・斬!!
ドンブラスターと一緒にチャージしていたザングラソードで両断する。
宙に7色の残光が煌めく。
その残光には目もくれずタロウはエンヤライドンで駆ける、ハッピーエンドを願う少女の下へと。
「来い!彩葉ァ!!」
「ハイッ!」
なんで、なんて聞かない。迷わずその手を取る。
彩葉には確信があった。信頼があった。
タロウはワープドアによるワープとジャンプサークルによる跳躍であっという間に城の上にあるステージへと至る。
だがかぐやは既にはるか上空だ。
タロウは誰も居なくなったステージでエンヤライドンの向きを整え、そして――
アクセル全開で跳んだ。
向かってくるリョウサン型を足場に驚異的な速度でかぐやたちに近づく。
だが、それでもあと少し、僅かに届かない。
しかし、それで十分だった。
「そら、行ってこい!!」
「行ってきますッ!」
彩葉の手を掴み、全力で放り投げる。
「それじゃあ、そろそろ行こっか。」
かぐやはボサツ型に連れられて帰還船に乗っていた。
背にファンからの声援を受けながらかぐやはあの青年の言葉を思い出し、物思いに耽る。
(いっぱい貰いすぎちゃったなぁ…)
現実世界で彩葉に伝える。届くことのないこの想いを。
「いろは、大好き。」
言いたいことは言えた。これでもう思い残すことはない。
溢れるこれまでの記憶と彩葉への想いを必死で押し殺す。
胸に一抹の寂しさと物足りなさを抱きながら、自分には十分すぎるハッピーエンドだったと、そう自分に言い聞かせる。
嗚呼、それでも、やっぱり、叶うことなら、「最後に彩葉の声、聞きたかったなぁ…」
その声は誰にも届くことなく宙に消える、筈だった。
「かぐやー!」
声が、届く
聞き間違い?いや聞き間違えるわけがない。何度聞いても聞き足りないその愛おしい声を
忘れるわけがない。彼女を、彩葉を――
「いろ、は?」
振り返り、飛んでくる彩葉の体を咄嗟に抱きとめる。
体が触れ合う瞬間感じる筈のない温もりを感じる。
すぐさま護衛の月人が動くがそれをボサツ型が手で制し、様子をうかがう。
彩葉はずっと考えていた。もし、万が一、届くのであれば何と声をかけようかと。
(ありがとう?さようなら?もっと一緒にいたい?違う!そんなんじゃない!だったら――)
「かぐや、また、明日。」
「!うんッ、また明日!」
彩葉をリョウサン型の月人が丁寧に抱え、ステージに降ろす。
彩葉が下りたのを確認するとボサツ型はかぐやに羽織のようなナニカを着せる。すると彼女の顔から表情がスッと消える。それに合わせたかのように月人もまた集う。
花火のような眩さと儚さを持ったそれらはかぐやたちを中心に螺旋を描き、ゆっくりと月に向けてその歩みを進め、そのままかぐやを乗せた帰還船は月明かりの中に溶けて消えていった。
主役が去った戦場を沈黙が支配する中、タロウはエンヤライドンに寄りかかり扇子で己を扇ぐ。
そんなタロウに近づく存在があった。
ライブが終わり役目を終えたカメラである。
狙いはもちろん、このライブで一際異彩を放っていたドンモモタロウをカメラに収めることだ。
当然、タロウは近づいてきたカメラに気付くが動いたりすることなく不動の姿勢を貫く。
タロウの一挙手一投足を画面の前の視聴者は固唾を飲んで見守る。
何を口にするのだろうかと。
感謝だろうか。それとも――
「ん?今俺を見たな?これでお前とも縁が出来た!」
乃依「ムカつくけど腕は確かだしね。ムカつくけど!クッソ、ムカつくけど!」
じか~いじかい
かぐやは月に帰った。だがこれで終わりではない。
むしろこれからが始まりだ!
彩葉もかぐやも約束に向かって進んでいる。
俺は…どうだろうな。
しばらくお供達の顔も見てないし久しぶりに帰るとするか。
『そめゆくこころ』
さァ楽しもうぜ!
もう少しだけ続くんじゃ。
ちなみに何でロボタロウにならないかって?
どうやっても完全勝利にしかならないからだよ!加減しろバカ!
……加減とかできないわコイツ!
要望があったらドンブラザーズ全員による蹂躙バージョンも書くかもしれません。