【仮題】私の中の響け!ユーフォニアム   作:alc

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なかよし川日記シリーズ。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24488581

同じ大学に進学した優子、夏紀、希美の3人。
大学の講義が始まった最初の週末。お疲れ様会と称して集まることになったのだが……


【なかよし川日記】連れ込み厳禁_2017/4/14

『ねぇ、大学開始1週間目のお疲れ様会しようよ!』

 

 私が『南中カルテット』と名付けたSNSのグループチャットに、その言葉が書き込まれたのは昨日の出来事だった。

 私、アイツ、希美、みぞれがメンバーのそのグループを作ったのは、高校の卒業式の日。今まで毎日のように顔を合わせていたが、大学自体が違うみぞれや、同じ大学でも学部が違えば会う機会も自然と減るアイツと希美とも、つながりをちゃんと残しておきたかったから作ったグループだった。

 「もしかして、寂しいんですか~?」と、からかい気味にその時言われたけれど、あながち間違ってはいなかったので何も言い返せなかったわけだが。

 

『お、いいねぇ。どこでやる?』

『せっかくみんな独り暮らし始めたわけだし、誰かの家に遊びに行くついでにそこで、ってのはどう?』

『ナイスアイデア!誰の家がいいかな?』

『優子の家が1LDKだから広くていいんじゃない?』

『ちょっと勝手に決めないでよね!』

『ごめん。わたしはいけない。金曜夜と土曜日は大学のオーケストラの見学に行く』

『そっかー。残念だけど、みぞれはまた今度ってことで!』

 

と、とんとん拍子に話は進み、同じ大学の3人組で私の家で集まることになった。隣のアイツは1Kの部屋だし、確か希美の部屋も同じくらいの間取りだと聞いた記憶がある。私の部屋が一番広いのは間違いないし、今回は仕方ない。次回以降は別の人の家にしようそうしよう。

 金曜日の講義終わりに、3人で大学の正門で待ち合わせ、そのまま私の家の最寄り駅へ。駅から自宅への導線上にある(もちろん家を選んだ決め手の一つだ)スーパーに立ち寄り、宴会用のもろもろをかごに投げ入れていく。

 

「ちょっとあんた、何買おうとしているわけ?」

「何って…ビールだけど?」

「ダメです!お酒は20歳になってから!」

「あははは。相変わらず優子はお堅いねぇ~」

 

 アイツも希美もすでに学部でできた友人に感化されているのだろうか。お酒に関するハードルが下がっているようだ。他所で何をしようが私は関与しないので正直どうでもよいのだが、今日は私の家が会場になるのだ。20歳になるまでは持ち込ませやしない。――もちろん、みんなでお酒をたしなみながらパーティをするのは楽しいだろうから、今は我慢だ。

 

 

 買い物を終え、オートロック付きのマンションのエントランスにたどり着いた私たち。 スーパーから徒歩5分。駅からも徒歩10分かからない距離に位置するマンションは、仲介してくれた不動産屋によるととても人気のマンションとのことだ。そんなマンションの一室の居住権を得られたのは幸運だったに違いない。隣にアイツが引っ越してきたのも――直接言うことはないが――幸運だった。いや、不運か?

 この2週間ですっかり慣れたオートロックの解除を行い、エレベーターへ乗り込む。最初のころは降りる階のスイッチを押すのにもいちいちボタンの位置を確認しながらだったが、今では自然と手がその位置に伸びるようになっていた。

 

「あ、優子。私先に家に荷物置いてくるね」

 

 目的のフロアについた後、その一言を告げてアイツは小走りで部屋に向かっていった。特に返事をすることもなく、アイツが駆け込んだ部屋の隣の私の部屋のドアに鍵を差し込み、ロックを解除する。

 

「あの…優子?」

「ん?何?希美」

 

 鍵を開ける間、スーパーの袋を持ってくれていた希美が、気まずそうな表情をしながら問いかけてきた。

 

「今、夏紀は『家に荷物置いてくる』って言っていたよね?」

「そうね」

「今、優子が鍵開けた部屋の隣に入っていったのは間違いじゃないよね?」

「そう、残念ながら間違いじゃないね」

「えっ…もしかして示し合わせてのお隣さん…?」

「断じて!違いますから!」

「だ、だよねー!さすがに違うよねー!」

 

 少し希美が冷や汗をかいているように見える。何でだろう。一呼吸置き、

 

「でもさ、優子。夏紀か優子に彼氏ができたとき、隣に中学からの同級生が住んでいたらなかなか連れ込めなくない?」

「?別に彼氏に遊びに来てもらうのと、隣が知り合いであることは何も関係が――」

 

 そこまで言って、希美が何やらほほを紅潮させていることに気が付いた。そういう意味で言っていたのか。希美の言葉の真意に気が付き、私の顔も何やら温度が上がってきた。

 

「そうそう。優子の家は連れ込み厳禁だよ」

 

 自宅に荷物を置いたアイツが合流し、私の肩に手をまわしながらそう言った。

 

「優子の部屋は私を連れ込むようだからね」

 

 私の顔の紅潮は最大限に達した。

 

 

§

 

 

「ねぇみぞれ。この間優子の家に遊びに行ったんだけどね。なんと!夏紀が独り暮らししている家とお隣さんだったんだよ!」

「お隣…?」

「そうそう。なんか偶然夏紀が優子の部屋の隣に引っ越してきたんだって。なんだかんだであの二人仲良いよねー!」

「私たちのほうが…仲良し…」

「?もちろん私たちも仲良しだよー」

「あの二人よりも仲がいいことを証明するためには…一緒に住む…?」

「えっ」

「すぐ楽器の吹ける防音室のあるマンション探す。お金なら、お父さんとお母さんに相談して、出す」

「ちょっと…?みぞれさーん!?」

 

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