うん、ありがとう——も、自由に暮らして良いのですよ?
何を今更言うか、僕は……ただ
結局は日が暮れて、日曜の朝まで日がな一日中働き、寝こけてしまっていた
はたと目が覚めれば、側にいたはずのあの子が居らず
結局はおむつを着せ替えて、かぐやの時のような失敗はしなかったのだが
「あ、いろは〜、起きた?3人分朝ご飯用意してるよ〜?」
「ありがと、かぐ——待って
目を擦り、くぁと大きなあくびをしたところで、聞き逃しかけた違和感に気がつく
その刹那———
「
「おはよ〜、いまお姉ちゃんがトースト作ってあげるから待っててね!」
猫のような白い肌、白樺の様な白い髪、虎のような黄色い瞳の、小柄な少年がそこには立っていた
その姿を見て、フラフラとして、私は意識を失ってしまった———
こき、と軽く首を曲げ、 大きく伸びをしながら城の中間にある立ち台にて、軽くあくびをする
今私がいるのはツクヨミ内にあるKASSENのSENGOKUの自陣エリアだ、現在はランダムマッチを行なって、自陣相手陣営のランダムなメンバーで行う、こう言ったゲームではよく
固定のメンバーを作らず行うため
さて、そのように考えていれば、ぴこ、ぴこと電子音が響き、ドン、と和太鼓の音が鳴り、空から素っ頓狂な叫び声が響き———
「ぐぇっ!かぐやちゃんマジ最悪〜〜!!」
大きな桃に包まれた、空からやってきたかぐや姫がそこに居た———
いや、何で…?
かぐやなら、芦花や真実がいるから、チームアップで固定パーティを組めたのでは——
などと考えていれば
「あれ!?ROKAとまみは!?どこ!?」
……などと叫ぶので、恐らくは何某かの権限保有者により、パーティを解除されてしまったのだろう
ま、推して図るべしではあるが、しかし3人目はと考えていた中で、えっさほいさとエビやタイ、ヒラメやカレイが玉手箱の様な騎乗物を運び上げ
「じゃっじゃ〜ん!♪」
「えっ!?ヤチヨ!?」
「……今回はメンバーが集まらなかったので代理ですか?」
「その通り!イサミンはやっぱり理解が早いねぇ、流石局長」
バカンと箱から飛び出して、スポーツウェアの様な様相で、髪に黒一色の櫛を刺し、くるりと骨だけの和傘を回してにっこり微笑んで
「……まぁ、色々言いたい事はありますが、とりあえず———
「よろしく!かぐやはね!かぐやって言うの!あ、こっちはヤチヨね」
「あはは、ご存知ですよ、しばし前に現れた超新星、私も登録していますから」
「え、マジ?………え?なんかみんなざわついてるけどそんな有名人なん?」
「私自身はそれほど有名とは感じていませんが……その様で」
謙遜の意を込めて頭に手を当て結びのあたりに手をかければ、視界の端で視聴者のコメントが続々と流れ
謙遜乙w
局長が有名じゃないならくろ、おにも有名じゃないじゃんw
局長こっち見て〜〜!!
などと言ったコメントが散見されはぁとため息をこぼせば、ちょいちょいとヤチヨが肩を叩き
「ご心配なされずとも、試合中のアンチコメは私めにお任せを、ヒッヒッヒ……」
「大丈夫ですよ、ヤチヨさ———」
「ヤチヨ」
「……ヤチヨさ———」
「ヤチヨって呼んで」
「………さぁかぐやさん、対戦相手に勝つために一緒児頑張りましょうか!」
「おー!あ、別にかぐやはかぐやって呼んで良いからね〜」
「ではそうさせていただきます」
「ヨヨヨ〜、イサミンがヤッチョに厳しいのです〜、かぐや慰めて〜」
「えー?今のはヤチヨが悪いじゃん〜、無理に名前呼びさせんの良くないよー?」
何故か圧を向けてきたヤチヨが泣き出し、かぐやに泣きつくも、塩辛い一言で一蹴されて、ヤチヨはぺたんと床に足をつけ、胸に抱いたメンダコにしなだれかかり
はぁ、と一つため息を溢して
「———
「———っ!うっけたま☆かっしこま☆つっかまっつり〜☆!」
結局は、かぐやとヤチヨをそれぞれ、
もっとも———
『ROKAぁ!?なんでそっちにいんの!?』
『ヨヨヨ〜、流石にこのメンバーだとヤッチョは弱体化されてるのです〜』
《どちらを優先すべきか》が悩ましいのだが
「ヤチヨ、戦況は?」
『んなことよりこっち助けてよイサミぃ〜!うわ爪飛んできた!』
『ヤッチョはギリギリ防戦一方……!遠距離技が出せなくて、近距離での戦いなのです〜』
「よし、二人とも余裕ありそうだな」
『そんな事ない
そんな二人の言葉を無視して、ヤチヨにある事を尋ねる
「ヤチヨ、いま戦ってる
『一人だよ〜、相手がね……!っと……!まみまみちゃんやるねぇ〜』
『え、まみもそっち居ん——ぎゃ〜〜!!爪が追ってきた〜〜!!!』
「かぐや!周囲を警戒!後ヤチヨもかぐやも、櫓を警戒して———」
そう言葉を紡いだ刹那、眼前より
ガリ
そんな空を掻いた様な音が響き、ギャァンと遅れて鉄の音が響く
空気を割くような音と共に、 黒い影が跳躍し、自身から4〜5mか少し離れた箇所に飛び降りる
その姿は、黒い
「……弱いやつばっかりと思って居たが、そうか……お前が居たのか」
「……確かに、全速力でミドルを走ればたどり着くでしょう、しかし何故?トップやボトムには牛鬼が——」
「つまらないだろう」
「……つまらない?」
男の言い回しに違和感を覚え、カチ、と両刀に手をかけて抜き切ってしまう
おそらく相手の武器はグローブ型か徒手格闘系、武器効果で射程が伸びる可能性があるゆえ、上位層でも小細工を弄するプレイヤーがよく使う武器だ
つまり素手が強い上に小細工に対応でき、遠距離に関する小技がある可能性がある
今回の場合は———
「味方が敵を倒せば、リスポーン地点はここになる、だからこそここでリス狩りをしようとした、と……」
「
「……
短刀を構えた左半身を前に出し、右半身を後ろに引いて、両刀を下げて構えながら、そう尋ね返す
「
瞬間、ガリ、と地面から音が響き、咄嗟に短刀を横に構え、刀の腹を向ける
刹那、男が、黒虎が眼前まで迫り切り、片手で短刀を握りギリギリとおとをたてていた
長刀の切先を上に向け直し、 即座にしたから切り上げれば、ギャンと空いていた左手で刃先を受け止められ、ギチギチと軋む音が響く
『イサミ!? どしたの!?くっそ……!ねぇROKAさぁ!手加減してくん……無理ですかそーですか!!』
「厄介な相手にで———いや……!かぐや、ヤチ———」
ふとアイデアを思いつき、それを味方に伝えようとした瞬間、左手で構えていた短刀を押し上げられ、咄嗟に両手から、武器を手放し距離を取る
数瞬の瞬きが視界で起こり、自身の胴があった場に
「チ……読まれていたか、目が良いのだな、貴様は」
「いいえ、ただ……貴方の武器の特性は、概ね把握できましたよ……何故接敵するまで気がつけなかったのかと言う謎も」
「ほう、ではなんと?」
「
「———正解だ、故に僕は消える間際を見たと思ったのだが——」
「——
「……なに?」
「恐らくはレア種武器、ハイランカーで出回っている物でしょうが、弱点が幾つかあるはずです、彼女は平等性には煩いですからね……まずは音、透明化の際に、起動を示す異音、また相手に接触、あるいはダメージを負えば透明化は解除されるのでしょうね」
「そこまで分かったのは素晴らしい、初見でソレは初めてだ、だがしかし、武器が無い貴様では———」
「——弱点その2は、恐らくは複数相手は不利を被るのであろう点、貴方は頭が良い、敵陣に誰も居なければそのまま人数の少ない方へ行く、ミドルでで会えばそこでやり合う、ミドルに複数来た場合、味方を呼び寄せ戦闘を行う予定だった———」
「だが、油断しすぎですね」
私が一歩足を引く、刹那、トップレーンから轟音が響き、私の背にだるまが出現し——
「うぉらぁ!」
「なっ……!」
かぐやが勢いよく横から黒虎の頭を振り抜き、吹き飛ばす
武器はその場に置き去られ、黒虎は残機を消耗して自陣に戻ってゆく様に花びらを散らす
「ありがとうございます、かぐや」
「いーのいーの!それよりこっからは!?」
何故、かぐやが居るのか?
結論から言えば彼女は芦花に大敗を喫した、わざと
自身が死亡した場合、数秒間の間をおいて、自陣へのリスポーンを行うことができる
彼女は芦花に負け、リスポーンして背後を取るまでの間、私は時間稼ぎのために語りを交えていたのだ
「かぐやはヤチヨを支援、私は来るであろう芦花を対処します、現状では1:1交換で、こっちが———いや!かぐやはすぐにトップレーンへ!私はヤチヨの支援に向かいます!」
「え!?あ、うん、倒せばいいの!?」
「
このままでは——コールド負けのリスクがある……!