転生したら『海賊狩り』に成り代わっていて、先生をする件   作:ワニノコ

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おかえり

 

おれたちはアビドス砂漠まで来て、ホシノが囚われているであろう、PMCの基地の前に来たが、目の前の門に行く手を阻まれていた。

 

「ダメですね、ビクともしません・・・」

 

ノノミがミニガンを乱射したが、弾丸が弾かれるだけだ。

 

「先生、どうする?」

 

「決まってんだろ。開かねぇんなら、ぶった斬るまでだ」

 

「ホントに!?」

 

「ホントだ」

 

おれは『閻魔』を鞘から抜いた。

 

「ッ・・・!」

 

おれのやろうとしてることに『閻魔』が反応したのかは知らないが、覇気を必要以上に放出してきた。

 

「先生、大丈夫?」

 

「あぁ、問題ねぇ。それより、少し退いてろ」

 

俺がそう言うと、シロコ、ノノミ、セリカがおれから少し離れた。

 

「はあぁ!」

 

おれは行く手を阻む門に向かって『閻魔』を振ると、門が真っ二つに斬れた。

 

「ありがとう先生。これで進める」

 

『では、早く中へ入りましょう!』

 

おれたちは基地の内部へと侵入するのだった。

 

 

 


 

基地内部にある管制室のモニターには、侵入したシロコ達の映像が映っていた。

 

「敵が基地内部に侵入、攻撃を始めています!」

 

「兵力を集結させろ!北と東からも呼び寄せておけ、北方の対デカグラマトン大隊もだ!」

 

「はいっ!」

 

カイザーPMC理事は基地内部に侵入したシロコ達を数で制圧しようとしたが

 

「北方に、少数ですが兵力を確認!」

 

「北方・・・!?」

 

「数は3人・・・あ、あれは・・・!」

 

北方を映しているモニターに映っていたのは・・・

 

 

 


 

「・・・はぁ」

 

ヒナはイオリとチナツを連れ、アビドス砂漠に援軍として来ていた。

 

『カイザーPMCの増援を発見。一個大隊の規模です、委員長』

 

「分かった、準備して」

 

ヒナはそう言い、交戦の準備を始める。

 

「どうして私もここにいるんだ・・・」

 

「(イオリはともかく何故私まで・・・)」

 

「まだ風紀委員の仕事も残ってるし、手早く片付けよう」

 

『せっかく委員長が反省文の代わりに、ということにしてくれたんですから、愚痴はそこまでにしましょうね?』

 

「(いや、アコちゃんが言えることじゃないと思うけど・・・)」

 

イオリは心の中で愚痴る。

もしここで言葉に出しても、面倒ごとになるだけだからだ。

 

「ここで全軍止める、誰一人として先生には近づけさせない。行こう」

 

そう言い、風紀委員会は戦闘を始めるのだった。

 

 

 


 

おれたちは基地内部に入ると、PMCの連中が待ち構えていた。

 

『前方に敵を発見しました!もうすぐ接敵します!みなさん準備を・・・』

 

(ドゴオォォォン!)

 

アヤネが言葉を言い終える前に、上空からPMCの連中が砲撃された。

 

「今のって、支援砲撃?」

 

『・・・L118、トリニティの牽引式榴弾砲です!一体どうして・・・』

 

おれ以外の全員はトリニティからの支援砲撃に困惑していると

 

『あ、あぅ・・・わ、私です・・・』

 

通信からヒフミの声が聞こえた。

 

「あっ!ヒフ・・・」

 

『ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!』

 

いや、頼んだのはおれなんだから、別に誤魔化さなくても良いのだが・・・

 

「わぁ、ファウストさん!お久しぶりです!ご自分で名前を言っちゃってましたが、そこはご愛嬌ということで☆」

 

『あ、あれ!?あぅぅ・・・!その、このL118は、トリニティの牽引式榴弾砲ですが・・・と、トリニティ総合学園とは一切関係ありません!砲撃を担当している皆さんにも、そう伝えておきましたので・・・』

 

もしかして、ティーパーティーの連中に何か言われて、おれに迷惑を掛けないようにしているのか?

ま、そんなことはトリニティに出向いたら聞けば良いだけの話だ。

 

「ありがとな、ファウストさん」

 

『あはは・・・えっと、みなさん、が、頑張ってください!』

 

ファウストはそう言い、通信を切った。

 

「火力支援の直後に突撃、定石通りだね」

 

『はい!敵は砲撃により混乱状態です、今のうちに突破しましょう!』

 

おれたちは、敵が混乱状態にある中、突き進んで行く。

多少、PMCの連中がいたが、銃で制圧したり、『閻魔』に『武装色の覇気』を纏わせて黒刀に変化させ、ぶった斬りながら進んだ。

そして、目標の座標地点に到着した。

 

『この辺りに、ホシノ先輩が閉じ込められているはずです!この周囲のどこかに、きっと・・・!』

 

おれたちは周囲を見渡す。

そして、辺りを見渡すと、あることに気がついた。

 

「ここ、学校か?」

 

「砂漠の真ん中の学校・・・もしかして」

 

「あぁ。ここは、本来のアビドス高等学校本館だ」

 

おれは耳障りな声が聞こえた方を見ると、PMCの連中を引き連れたガラクタ野郎がいた。

 

「よくぞここまで来たものだ、アビドス対策委員会」

 

さらに後ろからPMCの連中が続々と現れる。

 

『敵の増援多数・・・!この数字・・・おそらく敵側の動ける全兵力が・・・カイザーPMCはきっと、ここで総力戦に持ち込むつもりです・・・!』

 

「砂漠化が進行し、捨て去られたアビドスの廃墟・・・ここが、元々はアビドスの中心だった。かつてキヴォトスで一番大きく、そして強大だった学校の残骸が、この砂の下に埋もれている。ゲマトリアは、ここに実験室を立てることを要求した」

 

『実験室・・・!?』

 

実験か・・・確か、神秘の裏側の恐怖を観測する実験だったか?

っていうか、神秘の裏側が恐怖?

意味が分からん。

 

「そんなことよりも、ホシノ先輩はどこですか!」

 

「あの副生徒会長なら、向こうの建物にいる。もしかしたら、すでに実験が始まっているかもしれないが・・・」

 

「ッ・・・!」

 

「彼女の元に行きたいのであれば、私たちのことを振り切って行けば良い。君たちにそれができるなら、の話だが」

 

ま、そうだよな。

これだけの兵力を集結させておいて、すんなりと通してくれるわけがない。

 

「・・・ん、じゃあここは私に・・・」

 

(ドカアァァァァン!)

 

シロコが言い終わろうとした瞬間、爆発が起こり、PMCの連中が吹っ飛んだ。

 

『また爆発!?こ、今度は何ですか?』

 

爆発によって砂煙が舞う。

そして、砂煙が晴れ、爆発を起こした張本人たちが出てきた。

 

「じゃーん!やっほ〜☆」

 

「お、お邪魔します!」

 

『べ、便利屋の皆さん・・・!?』

 

爆発を起こしたのは便利屋68だった。

 

「やーっと追いついた!けど、みんな集まってるし、もしかして大事なシーンに割り込んじゃった感じ?」

 

「いや、丁度良い時に来てくれた」

 

おれは不敵な笑みを浮かべながら便利屋68を見た。

 

「・・・ん?何、先生?」

 

「社長、なんか嫌な予感がするから、まずは状況を整理してから・・・」

 

「ふふっ、分かってるわ先生・・・」

 

カヨコがアルを止めようとするが、アルは無視して話し始め、少し間を開けて叫ぶ。

 

「ここは私たちに任せて、先に行きなさい!」

 

その言葉に、ムツキとカヨコは呆れた表情をし、ハルカはアルをキラキラとした目で見ている。

 

「ありがとな、アル」

 

「ふっ、お安い御用よ」

 

おれたちはこの場を便利屋68に任せて、校舎の入り口へと向かう。

 

「アヤネ、入り口はどこだ?」

 

『あそこです、あのバンカーの地下に!』

 

「・・・行こう」

 

「はい、急ぎましょう・・・!」

 

おれたちがバンカーの方に向かうと、どこからか、銃弾が何発か飛んできた。

おれは銃弾を『閻魔』で斬り落とし、銃弾の飛んできた方を見ると

 

『カイザー理事・・・!』

 

ガラクタ野郎が銃を持っていた。

 

「しつこい・・・」

 

「全くだ」

 

「銃を下ろしてください!さもないと・・・!」

 

ノノミはガラクタ野郎に銃を向ける。

そして、ガラクタ野郎は口を開いた。

 

「対策委員会・・・ずっとお前たちが目障りだった。これまで、ありとあらゆる手段を講じてきた・・・それでもお前たちは、滅びかけの学校に最後まで残り、しつこく粘って、どうにか借金を返済しようとして!あれほど懲らしめたのに、徹底的に苦しめたのに、毎日毎日楽しそうに!お前たちのせいで、計画がっ!私の計画があぁぁっ!」

 

ガラクタ野郎は取り乱し、冷静さを失っている。

ガラクタ野郎の正体は、自分の思い通りにいかなかったら癇癪を起こす駄々っ子か。

惨めだな。

 

「お前の計画なんて、コイツらに取っちゃ、どうでもいいんだよ。それより、ホシノを返してもらうぞ」

 

おれは『閻魔』を鞘に戻し、左上腕に巻いてある黒い手拭いを取って、頭に巻く。

そして、対策委員会のメンバーに指示を出す。

 

「お前らは先に行ってろ。おれはコイツをぶった斬ったから行く」

 

「分かったわ!」

 

「ん、行ってくる」

 

そう言い残し、対策委員会のメンバーはホシノが囚われている場所に向かった。

 

「あまり私を舐めるなよ!この前のように行くとは思わないことだな!」

 

ガラクタ野郎はそう言うと、上空から落ちて来た『ゴリアテ』に乗り込む。

『ゴリアテ』をよく見てみると、付け焼き刃程度だが、強化を施されている。

 

「悪いが、おれはお前如きに時間は掛けられないんだ」

 

おれは腰に差している『和道一文字』を腰から抜き、『武装色の覇気』を纏わせて黒刀に変化させる。

 

「一刀流"居合"」

 

おれは地面に片膝を付ける。

 

「隙だらけだぞ、シャーレの先生!」

 

ガラクタ野郎は叫び、ガトリング砲をぶっ放す。

だが、おれはもう『ゴリアテ』の背後にいた。

 

「じゃあな、ガラクタ野郎」

 

(パチンッ)

 

 

『ー"死・獅子歌歌ー"』

 

 

おれは『和道一文字』を鞘に戻し、『ゴリアテ』を縦一文字に真っ二つにし、乗っていたガラクタ野郎をぶった斬った。

ガラクタ野郎は真っ二つにはなってないが、胴体部分に深い傷を負っており、その傷口からは鉄くずとオイルが漏れ出ていて、黙り込んでいる。

おそらく、深い傷を負って機能を失っているのだろう。

 

「これに懲りたら、二度と悪さはしねぇことだな」

 

おれは動かなくなっているガラクタ野郎に言葉を吐き捨て、『和道一文字』を腰に差し、対策委員会のメンバーを追うのだった。

 

 

 


 

対策委員会のメンバーは、ホシノが囚われている部屋の前まで来たが、分厚い扉を破るのに苦戦していた。

銃や爆発物で無理矢理開けようとするが、傷一つ付かない。

セリカとノノミ、アヤネは頭を抱えている。そんな中、シロコは扉に向かって体当たりをする。

何度も何度も・・・

 

「ん、壊れない・・・もう一度・・・」

 

シロコは渾身の力を込め、扉に向かって体当たりをする。

 

(ドカアァァァァン!)

 

そして、扉が壊れた。

 

「ホシノ先輩!」

 

対策委員会のメンバーの声に、ホシノの体が跳ねる。

 

「あ、あれ・・・どうやって・・・どうして・・・だって、私は・・・」

 

ホシノは気力を振り絞りながら喋ろうとすると

 

「ホシノ!」

 

シャーレの先生である『ロロノア・ゾロ』がホシノの名前を言いながら、歩いて来た。

 

 

 


 

おれは頭に巻いた黒い手拭いを取って左上腕に巻き直しながら、ホシノの元に近づく。

ぱっと見、外傷は特にないようだ。

 

「・・・あぁ。そっか・・・みんなが、先生が・・・大人が、ね・・・はは」

 

ホシノはボソボソと独り言を呟いている。

そして、独り言が聞こえなくなると、対策委員会のメンバーがそれぞれ言葉をかける。

 

「・・・お、おかえりっ!先輩!」

 

「あぁっ、セリカちゃんに先を越されてしまいました!恥ずかしいから言わないって言ったのに、ズルいです!」

 

「う、うるさい!順番なんてどうでも良いでしょ!」

 

「・・・無事で良かった。おかえり、ホシノ先輩」

 

『ホシノ先輩、おかえりなさい!』

 

「おかえりなさい、です!」

 

「あはは・・・何だかみんな、期待に満ちた表情だけど。・・・求められてるのは、あのセリフ?」

 

「分かってるなら焦らさないでよ!」

 

「うへ〜・・・全く、可愛い後輩たちのお願いだし、仕方ないなぁ・・・」

 

そうしてホシノは少し間を開けて言う。

 

「ただいま!」

 

感動の再会だな。

そして、おれたちは帰路に着く。

帰り道で、ホシノに説教をしながら。

 

 

 


 

数日後。

おれはシャーレの執務室で報告書を書いていた。

あれから対策委員会は正式な委員会として承認された。

これで、非公認の時とは違い、面倒ごとに巻き込まれることも減るだろう。

だが、ホシノは生徒会長になることを断固として拒否らしく、新しい生徒会長は、まだ決まってないらしい。

柴関ラーメンは屋台という形で再開した。

大将もまだまだ引退する気はないようだ。

そして、肝心の借金だが、相変わらず9億円のままだ。

だが、無理に上がられた利子は、以前よりも少ない支払いで済むようになった。

ただ、アビドス自治区の大半はカイザーコーポレーションが所有したまま。

まぁ、これに関しては取引自体は違法じゃなかったから仕方ないな。

そして、おれが一番驚いたのはガラクタ野郎が生きてやがったことだ。

どうやら、しぶとさだけはあるようだ。

あの後ガラクタ野郎は生徒誘拐事件の主な容疑者として指名手配され、かなりの懸賞金を掛けられたらしい。

まぁ、金に困ったら見つけ出してやるか。

そんな感じで、おれは報告書を書き上げた。

一仕事を終え、おれはシャーレに置いてある冷蔵庫から酒を取り出し、グラスに注いで飲もうとすると

 

『先生、ミレニアムサイエンススクールから要請が届きました』

 

『シッテムの箱』からアロナの声が聞こえ、新たな依頼が来るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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