転生したら『海賊狩り』に成り代わっていて、先生をする件   作:ワニノコ

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廃墟へ

 

おれたちは現在、『廃墟』に来ている。

まぁ、『廃墟』とは言っても、町一つ分ぐらいの規模はあるが。

そして、今は瓦礫に身を隠し、徘徊しているガラクタが通り過ぎるのを待っている。

 

『・・・□□□ □□□□・・・』

 

『・・・□□□』

 

『□□□□ □□』

 

うまく聞き取れなかったが、ガラクタ共は会話?をしながら通り過ぎて行った。

 

「よし、じゃあ行こう」

 

「ちょっと待て」

 

「そうだよ!一体ここは何!?あんな謎のロボットが、数え切れないぐらい動き回ってるし!」

 

「何って・・・『廃墟』だよ」

 

だーかーら、それは分かってんだよ。

おれとミドリが聞きてぇのは、あのガラクタ共が何でこんな場所で動いてるかってのを聞きてぇんだよ。

だが、モモイは『廃墟』の奥へと突き進んでいく。

それをおれとミドリが後に続く感じである。

何故か、ミドリがおれの手を引っ張って。

 

「出入り禁止の区域っていうから、ある程度の危険は覚悟してたけど・・・冷や冷やするね・・・」

 

「・・・で、あのガラクタ共は何で『廃墟』の周りを徘徊してやがる?」

 

おれはさっき聞きたかったことをモモイに聞く。

 

「うーん、私もヴェリタスからちょっとだけ聞いただけだから、分からないことだらけだけど・・・本来、ここの出入りは厳しく制限されてた、ってとこまでは先生にも言ったよね?」

 

「確かに、そこまでは聞いた。・・・一応、もう一回説明してくれ」

 

俺はそう言うと、モモイは説明を始めた。

 

「じゃあ、もう一回説明しよっか。ここの出入りを制限して、存在自体をできるだけ隠そうとしてたのは・・・連邦生徒会長だったの」

 

「連邦生徒会長って、あの?」

 

ここに来て、連邦生徒会長の名前が出てきたか。

つまり、ここには意地でも隠したい何かが眠っているってことか?

 

「そう。あの人がいなくなってから連邦生徒会の兵力も撤収しちゃって、そのまま放置されてるみたい。そのおかげでこうして入り込めたんだけど・・・とにかく!連邦生徒会の警備がいなくなって、ヴェリタスの助けも得てこの場所に来られたわけだけど。ヒマリ先輩によると、ここは、『キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる、時代の下水道みたいな場所なのかもしれない』・・・って」

 

ま、運が重なってここに入り込めたってことだな。

それにしても、ヒマリって奴の例えが中々インパクトがあるな。

 

「ヒマリ先輩って・・・ヴェリタスの、車椅子に乗った美人のヒマリ先輩?『私は何でも知ってますよ』って感じのヒマリ先輩が、『かもしれない』って言葉を使うのも珍しいね・・・それくらい、未知の世界なんだ」

 

ヒマリって奴は物知りなのか。

その物知りが『かもしれない』を使うんだから、ここはすげぇとこなんだろうな。

・・・ん?ちょっと待てよ。

 

「お前まさか・・・ヒマリって奴が言った確実性がないことだけを根拠にしてここに来たのか!?」

 

だとしたら、誰かにバレる前に引き返すべきだ。

ただでさえ、ここは出入り禁止の区域なんだ。

特に、ユウカなんかにバレたら、問答無用で廃部になってしまう。

おれはモモイの方を見ると、モモイは余裕そうだった。

 

「大丈夫だよ先生。ヴェリタスにG.Bibleの捜索を依頼したら、座標を教えてくれたの。『最後にG.Bibleの稼働が確認された座標』をね。その座標が指してたのは、『普通の地図には存在しない場所』だった」

 

「っていうことは・・・!?」

 

「そう。二つを合わせて考えると、G.Bibleはきっとここ・・・ずっと存在が隠されていた、『廃墟』にあるはず」

 

なるほどな。

それなら、確実とは言えなくても、可能性は高まる。

そういえば、大事なことを聞いてなかったな。

 

「今更だが、G.Bibleって結局何なんだ?」

 

本当は、部室で聞きたかったが、おれが『知らねぇ』って返したら、モモイが『じゃあ『廃墟』に着いたら教えるね!』っと言って部室を出てしまい、それをおれとミドリが追う形になって『廃墟』に来たわけだ。

 

「そういえば、それも説明の途中だったね」

 

そう言い、モモイはG.Bibleの説明を始めた。

 

「簡単に言うと昔のミレニアムには、ううん、昔のキヴォトスにはね・・・伝説的な、ゲームクリエイターがいたの。その人がミレニアム在学中に作ったのが、『G.Bible』。詳しい内容は分からないんだけど・・・その中には、『最高のゲームを作れる秘密の方法』が入っているんだって」

 

「・・・それ、どこかのゲームクリエイター学校の広告じゃなくて?」

 

「違うよ!G.Bibleはあるって!読めば最高のゲームを作れるようになる『ゲームの聖書』は、絶対にある!そのG.Bibleを読めば、最高のゲーム・・・『テイルズ・サガ・クロニクル2』が作れるはず!」

 

モモイは声を荒げて力説していると、後ろから気配を感じた。

 

『・・・』

 

「あっ・・・」

 

『・・・□□□ □□□□!』

 

後ろにはガラクタがいた。

そして、続々とガラクタ共が集まってくる。

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘から抜くと、モモイとミドリは目をキラキラさせておれを見てきた。

 

「ど、どうした?」

 

「先生ってすっごく強いんでしょ!?」

 

何で知ってやがる?

おれはコイツらに戦ってる姿は見せていないはずだが・・・?

 

「先生の活躍はSNSで見てますよ」

 

SNSか・・・道理でおれの戦ってる姿を知ってるわけだ。

 

「とりあえず、目の前のガラクタ共はおれがやる。お前らは周囲を警戒してくれ」

 

「分かりました!」

 

「じゃあ頑張って!」

 

そう言い、モモイとミドリはおれから離れ、周囲を警戒し始めた。

 

『・・・□□□ □□』

 

『□□□□ □□□□!』

 

『□□□!』

 

何言ってるか分かんねぇよ。

ま、どうでもいいか。

 

「二刀流」

 

おれは二刀を逆手に持ってガラクタ共が撃ってきた銃弾を回転して弾きながら、直進する。

 

 

『ー"犀回(サイクル)"ー』

 

 

おれはガラクタ共を跳ね飛ばした。

そして、何故かモモイとミドリがおれの近くにいる。

コイツら、周囲の警戒はどうしたんだ?

 

「先生、チートでも使ったの?」

 

「使ってねぇよ。これは、日々の鍛錬があってのものだ」

 

「私たちも先生みたいになれます?」

 

「努力次第ではな。・・・それより、周囲の警戒はどうしたんだ?」

 

おれがそう聞くと、モモイとミドリはおれから目を逸らしやがった。

そして周囲からは、おれたちに気付いて、ガラクタ共が集まってくる気配を感じる。

 

「はぁ・・・とりあえず、あそこに工場みたいなのがあるから、一旦あそこに隠れるぞ」

 

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘に戻し、モモイとミドリと一緒に工場みたいな所に入った。

そして、ガラクタ共はおれたちの存在には気付いているっぽいが、工場に入った途端、追ってこなくなった。

 

「よく分からないけど、ラッキー!」

 

「ラッキーじゃないよ!何でこんな所で、ロボットたちに追われなきゃいけないの!」

 

「落ち着いて、ミドリ。生きてればいつか良い日も来るよ」

 

「今日の話をしてるの!そもそもお姉ちゃんのせいでしょ!」

 

まぁ、間違ってはないな。

ただ、あれだけのガラクタ共がいたんだから、気付かれるのも時間の問題だったのかもな。

 

「とにかく・・・本当にここ、何をする所なんだろ?」

 

「連邦生徒会は、あのロボットたちがいるから出入りを制限してたのかな?」

 

「あのロボットたち、実は連邦生徒会が非常時に使うための秘密兵器で・・・とかは考えてみたけど、そういうのじゃない気がするし・・・何なんだろ?うーん、何か引っ掛かってるんだよね・・・大事なことを見落としてるっていうか、それに・・・」

 

『接近を確認』

 

モモイの言葉を遮るように、どこからか声が聞こえた。

 

「何だ?」

 

「部屋全体に、音が響いてる・・・?」

 

おれたちが周囲を警戒していると、謎の声は喋り出した。

 

『対象の身元を確認します。才羽モモイ、資格がありません』

 

「え、え!?何で私のこと知ってるの?」

 

『対象の身元を確認します。才羽ミドリ、資格がありません』

 

「私のことも・・・一体どういう・・・?」

 

『対象の身元を確認します・・・『ゾロ先生』』

 

おれの名前を呼ぶと、謎の声は黙り込んだ。

 

「あれ?」

 

『資格を確認しました、入室権限を付与します』

 

「えぇっ!?」

 

「え、どういうこと!?先生はいつこの建物と仲良くなったの!?」

 

「いや知らねぇよ」

 

それにしても、資格って何の資格何だ?

 

『才羽モモイ、才羽ミドリの両名を、先生の『生徒』として認定、同行者である『生徒』にも資格を与えます。承認しました。下部の扉を開放します』

 

下部の扉?

・・・まさか!

 

(ガチャン)

 

「「うわわわっ!」」

 

おれは扉が開く直前で回避したが、モモイとミドリはそのまま落ちていった。

 

「仕方ねぇな・・・」

 

扉の先がどれだけ深いのかは知らねぇが、アイツらが落ちちまった以上、おれも行くしかねぇ。

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘から抜き、扉に向かって落ちた。

 

「二刀流」

 

扉はあまり深くはないが、結構下まで続いていた。

アイツらは多分無事だが、おれは落ちたらどうなるか分からねぇ。

おれは着地する直前、地面に向かって二刀を勢いよく振り下ろす。

 

 

『ー"空狸槍(クリアランス)"ー』

 

 

おれは技の反動で体が後ろに吹き飛び、空中で体勢を整えて着地した。

そして、おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘に戻す。

 

「お前ら、大丈夫か?」

 

「何とか・・・」

 

「あまり深くなくて良かったです・・・」

 

そうしてモモイとミドリは起き上がる。

 

「そんなに深いところまで落ちたわけじゃないみたいだけど・・・ん?・・・えっ!?」

 

モモイは驚いた声を上げ、自分が見ている方に指を差す。

おれとミドリはモモイが指を差している方向を見る。

 

「どうしたのお姉ちゃん・・・?えっ・・・!?」

 

「おいおい、マジかよ・・・」

 

そこには、椅子に座って眠っている少女がいた。

しかも、全裸で。

 

「お、女の子?」

 

「この子・・・眠ってるのかな?」

 

おれたちは眠っている少女に近づいてみる。

 

「・・・返事がない、ただの屍のようだ」

 

「不謹慎なネタ言わないで!それに屍っていうか・・・ねぇ、見て。この子、怪我とかじゃなくて・・・『電源が入ってない』みたいな感じがしない?」

 

「そうか?」

 

「確かに、何だかマネキンっぽいね。どれどれ・・・」

 

モモイは眠っている少女に触った。

 

「すごい、肌もしっとりしてるし柔らかい・・・あれ?ここに何か、文字が書かれてる」

 

モモイが眠っている少女に触っていると、眠っている少女が座っている椅子に文字が刻まれていることに気が付いた。

 

「・・・AL-IS・・・アル、イズ・・・エー、エル、アイ、エス?どう読むのか分からないけど、この子の名前?・・・アリス?」

 

「ちょっと待って、これよく見ると全部ローマ字じゃなくて・・・AL-1S、じゃない?」

 

「え、そう?」

 

確かに、見え方によっては1にも見えなくはない。

ただ、問題はそこじゃない。

 

「コイツ・・・何でここにいるんだ?それに、この場所は何なんだ?」

 

この建物もそうだが、この少女が眠っている場所は明らかに異様だ。

それに、そもそも人間なのか?

まぁ、もし人間だったら、全裸になって眠る趣味のある奴ってことになるんだが。

 

「この子に聞いた方だ早いんじゃない?」

 

「起きて、話してくれるなら良いんだけど・・・とりあえずこのままじゃ可哀そうだし、服でも着せてあげよっか」

 

そうしてミドリは眠っている少女に持ってきた予備の服を着せた。

 

「・・・よし。これでいいかな」

 

(ピピッ、ピピピッ)

 

ミドリが服を着せ終えると、謎の電子音が鳴った。

 

「な、何この音!?」

 

「警報音みたいだけど・・・もしかして近くにロボットが?」

 

「いや、気配は感じねぇ。この音はコイツから聞こえた気がする」

 

「え?ま、まさか・・・」

 

『状態の変化、および接触許可対象を感知。休眠状態を解除します』

 

眠っている少女の近くにある小さなモニターがそう言い、眠っていた少女はゆっくりと瞼を開ける。

 

「め、目を覚ました・・・?」

 

「・・・」

 

少女は黙ったまま、おれたちの方を見て、口を開ける。

 

「状況把握、難航。会話を試みます・・・説明をお願いできますか?」

 

「え、えっ?せ、説明?何のこと?」

 

「せ、説明が欲しいのはこっちの方!あなたは何者?ここは一体何なの!?」

 

少女はおれたちに説明を求めてくる。

モモイとミドリは逆に説明を要求され、慌てふためきながら少女に聞きたいことを聞いた。

 

「本機の自我、記憶、目的は消失状態であることを確認。データがありません」

 

「ど、どういうこと・・・?い、いきなり攻撃してきたりしないよね?」

 

「肯定。接触許可対象への遭遇時、本機の敵対意思は発動しません」

 

「うわ、すごい。ロボットの市民ならキヴォトスによくいるけど、こんなに私たちに似ているロボットなんて初めて」

 

「うーん・・・先生、どうしましょう?」

 

「どうするって・・・そうだな・・・」

 

おれは少女と目線を合わせるようにして屈み、挨拶をする。

 

「おれはロロノア・ゾロ。一応、先生をやってる身だ。お前の名前は何だ?」

 

「回答不可、本機の深層意識における第一反応が発生したものと推定されます」

 

回答不可・・・それに、深層意識か。

そもそもコイツに名前なんてあるのか?

 

「深層意識って、何のこと・・・?」

 

「うーん・・・工場の地下、ほぼ全裸の女の子、おまけに記憶喪失・・・ふふっ、良いこと思いついちゃった」

 

「良いこと?」

 

「いや・・・今の言葉の羅列からは、嫌なことしか思い当たらないんだけど・・・」

 

「???」

 

おれとミドリは、モモイが思いついた良いことを教えてもらうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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