転生したら『海賊狩り』に成り代わっていて、先生をする件   作:ワニノコ

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大人の力

おれは部屋を出て、少々時間はかかったが、校門に着いた。

決して迷ったわけではない、決して。

そして、おれの後ろから武装をしたアビドスの生徒が来た。

 

「おう、遅かったじゃねぇか」

 

「遅かったじゃねぇかじゃないわよ!一体、何考えてるつもりなの!?」

 

ケモ耳でツインテールの少女が何やら叫んでいる。

・・・もしかして、言い回し過ぎて理解できていなかったのか?

 

「ん、先生はここにいちゃ危ない。アヤネのところに戻って」

 

シロコが後方で支援をしているアヤネの元に戻れと促す。

危ない、か・・・確かに、キヴォトスは日常的にどこかで弾丸や爆弾が飛び交っている。

だが、ここに来てから銃や爆弾で命の危機を感じたことは一度もない。

むしろ、外の世界で賞金首を狩っていた時や、世界最強の剣士に挑んで袈裟斬りにされた時の方が命の危機を感じた。

それに、おれはこんなところでつまずく訳にはいかねぇんだ。

キヴォトスでの件が一段落したら、おれは世界最強の剣士にリベンジしに行くからな!

 

「安心しろ、ここをおれの墓場にするつもりはねぇ。・・・それにお前ら、疲れてんだろ?」

 

その言葉に、皆が動揺している。

そりゃそうだろう。

補給品や弾薬が尽き掛けるまで戦って、いつジリ貧で負けるか分からないんだ。

おれが弾薬や補給品を届けて戦えるようになったとはいえ、今のコイツらは体力的にも精神的にも疲弊しているだろう。

 

「でも先生〜?銃を持っている相手にどう戦うの?」

 

ホシノの眠そうな声が後ろから聞こえる。

どう戦うって、お前らは腰に差した刀が見えねぇのかよ。

 

「お前らにはお前らのやり方、おれにはおれのやり方があるんだ」

 

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘から抜き、『和道一文字』を鞘から抜いて口に咥え、カタカタヘルメット団に向かって歩を進めた。

 

「お前、刀で銃に勝てると思ってんのか!?」

 

「それにお前、刀を口に咥えるって、ガキかよ!」

 

カタカタヘルメット団からのヤジが飛んでくる。

これが、弱い犬ほどよく吠えるってヤツか。

 

「だったら試してみろ。てめェらの身をもってな!」

 

そう言った瞬間、おれに弾丸の雨が浴びせられた。

おれは刀で弾丸を斬り落とそうとしたのだが

 

(ガキィン!)

 

「あぁ?」

 

刀で弾丸を斬り落とすよりも先に、見えない壁によって弾かれた。

どういうことだ?

おれはそう思っていると、懐にしまっておいた『シッテムの箱』から声が聞こえた。

 

「先生!」

 

「アロナか。・・・もしかして、お前の仕業か?」

 

「はい!先生がこの『シッテムの箱』を持っている限り、先生に傷つけるをつけることはできません!先生の安全はこの私・・・『シッテムの箱』のOSであるスーパーアロナが守りますから!」

 

へぇ、楽で便利なもんを持ってるじゃねぇか。

自治区の案内もできねぇ奴だと思っていたが、これを機に見直しても良さそうだ。

 

「そいつは中々便利な機能だ。次からはしなくていいからな」

 

「えぇ!?」

 

アロナは驚きの声を上げた。

 

「何でですか!?とっても便利な機能なんですよ!?それとも、何か理由があるんですか?」

 

「理由は特にねぇな。・・・強いて言うとすれば、感覚が鈍っちまうからだな」

 

まぁ、便利なもんが悪いって訳じゃねぇが、もし『シッテムの箱』を持ち歩いてねぇ時に銃で撃たれたら刀で対応できなくなっちまうかもしれねぇからな。

 

「まぁ、アロナが本当におれの命が危ねぇって思った時にだけ使ってくれ」

 

「むぅ・・・分かりましたよ!でも、弾丸が当たって死にかけても私のせいにしないでくださいね!」

 

『シッテムの箱』からアロナの声が聞こえなくなった。

・・・後で機嫌を直すのが大変そうだ。

 

「・・・まぁ、今考えてもしょうがねぇな」

 

おれは自分に当たりそうな弾丸を斬り落としつつ、カタカタヘルメット団へ歩を進めた。

そして、弾丸の雨が止んだ。

いわゆる、リロードをしているのだろう。

だが、そんな猶予は与えるつもりはない。

おれは一気に距離を詰める。

 

「三刀流」

 

カタカタヘルメット団は広範囲に展開しているが、この技ならまとめてやれる。

おれは三本の刀を並べるように構え、旋風を巻き起こすほどの勢いで回転しながら周囲を薙ぎ払った。

 

 

『ー"黒縄・大龍巻"ー』

 

 

そして、巨大な竜巻が残り、一掃しきれなかったカタカタヘルメット団に追撃を始めた。

逃げようとする奴も中にはいたが、そういう奴も竜巻に絡め取られて吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。

刀で銃に勝てると思ってんのかって言ってた割には、案外あっけなかったな。

 

「お、お前ら!撤退するぞ!」

 

赤いヘルメットを被った奴がそういうと、カタカタヘルメット団は撤退を始めた。

とりあえずは、一件落着だな。

おれは『閻魔』、『三代鬼撤』、『和道一文字』を鞘に戻した。

 

『か、カタカタヘルメット団の撤退をか、確認しました』

 

アヤネが震えた声でそう言う。

・・・少し、怖がらせてしまったのだろうか?

まぁ、刀で竜巻を作り出せるとは思えねぇよな。

 

「それじゃ、アヤネのところに戻るぞ」

 

おれは校舎に入ると、アビドスの生徒も校舎に入った。

そして、アヤネのもとに戻る道中で、ホシノが真剣な表情でおれに聞いてきた。

 

「先生って何者なの?」

 

おれは何者なのか、か。

そんなもん、決まってんだろ。

 

「おれは『シャーレ』の先生だ。・・・そして、少し先の未来で"世界最強の剣豪"になる男だ」

 

 

 


 

おれたちはアヤネのいる教室に着き、さっきの戦闘の振り返りをしていた。

 

「いやぁ〜まさか先生があんなに強いなんてね。ヘルメット団もかなりの覚悟で仕掛けてきたみたいだったけど」

 

「そうですね、ホシノ先輩・・・ひとまず、学校が不良のアジトにならなくてよかったです」

 

「先生の強さが桁違いだったね。私たちではあんなに楽には勝てなかった。これが大人の力・・・すごい量の資源と装備、それに戦闘力まで。大人ってすごい」

 

「今まで寂しかったんだね、シロコちゃん。パパが帰ってきてくれたおかげで、ママはぐっすり眠れまちゅ」

 

誰がパパだよ。

 

「いやいや、変な冗談はやめて!先生困っちゃうじゃん!」

 

「そうそう、可哀そうですよ」

 

どうやら、ちゃんと注意ができる生徒がいるようだ。

名前は確か、ベージュのロングヘアの方がノノミで、ケモ耳で黒髪のツインテールの方がセリカだったな。

 

「あはは・・・少し遅れちゃいましたけど、あらためてご挨拶します、先生。私たちは、アビドス対策委員会です」

 

アヤネはそれに続け、アビドスの生徒のことをあらためて紹介した。

 

「ご覧になった通り、我が校は現在危機にさらされてます・・・そのため『シャーレ』に支援を要請し、先生がいらしてくれたことで、その危機を乗り越えることができました。先生がいなかったら、さっきの人たちに学校を乗っ取られてしまったかもしれませんし、感謝してもしきれません・・・」

 

「困っている生徒を助けるのがおれの仕事だからな。それよりも、対策委員会ってのは何だ?」

 

「ご説明いたします。対策委員会とは・・・このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です」

 

「全校生徒で構成される、校内唯一の部活なのです!と言っても、全校生徒は私たち五人なんですけどね」

 

「他の生徒は学校を転校したり、退学したりして町を出て行った」

 

「もし先生が来なかったら・・・今度こそ、万事休すってところでした」

 

「補給品も底をついていたし、流石に覚悟したね。中々良いタイミングに現れてくれたよ、先生」

 

「もうヘルメット団なんてへっちゃらですね。大人の力ってすごいです☆」

 

「・・・」

 

おれが来たことで一時的にへっちゃらになったとはいえ、あの連中はまた攻撃を仕掛けてくるだろう。

これを機に、反撃に出ないといけない。

 

「・・・おれから一つ、ヘルメット団の対応について提案がある」

 

「提案ですか?」

 

アヤネがおれに聞き返す。

そして、全員がおれの方を向いた。

 

「あぁ。このまま学校を守り続けても、いずれはジリ貧になって二の舞になるだけだ。だから今度は、あの連中との立場を逆転させるんだ」

 

「立場を逆転?・・・って、まさか!?」

 

「早い話、アイツらの拠点を奇襲してぶっ潰すんだ。今が絶好の機会だからな」

 

おれの提案に皆が考えているような表情を浮かべる。

まぁ、これは決定じゃなくて一つの提案に過ぎないものだから、やるやらないはどっちでもいいが。

おれはそんなことを思っていると、ホシノが手を挙げた。

 

「いいんじゃない。おじさんは賛成かな」

 

ホシノが賛成したことに、アビドスの生徒が驚きの表情を浮かべる。

 

「先生の言う通り、今こそ奴らが一番消耗しているだろうからさー。だから、このタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうよ」

 

ホシノはそれに続け「それに、先生もいるしね」と言った。

 

「なるほど。ヘルメット団の前哨基地はここから30kmくらいだし、今から出発しよっか」

 

「良いと思います。あちらも、まさか今から反撃されるなんて、夢にも思っていないでしょうし」

 

ホシノに続いて、シロコとノノミも賛成する。

後は、セリカとアヤネだな。

 

「・・・残ってんのはお前ら二人だぞ。どうするんだ?」

 

まぁ、断っても多数決で決まってるから、半ば強制的に参加してもらうんだが。

 

「分かったわよ!行くわよ!これで良いんでしょ!?」

 

「分かりました・・・」

 

おれ含め、賛成派の圧に押されたのかは知らないが、同意は得られた。

これで決まりだな。

 

「よっしゃ、皆からの同意ももらったことだし、この勢いでやっちゃいますかー」

 

「善は急げ、ってことだね」

 

「それでは、しゅっぱーつ!」

 

そうしておれたちは、ヘルメット団に追い討ちをかけるため、ヘルメット団の前哨基地に向かうのだった。

 

 

 

 


 

おれたちはヘルメット団の前哨基地の近くについた。

 

『おそらく敵もこちらの動きに気付いて、基地に籠城しているでしょう。皆さんは正面からの突破を、先生は基地の裏口で待機を。ここからは実力行使です!』

 

通信からアヤネの声が聞こえる。

おれは言われた通り、基地の裏口に向かう。

 

「先生、どこに行ってるの?」

 

シロコがおかしなことを聞いてきた。

 

「どこにって、基地の裏口に決まってんだろ」

 

「そっちは逆よ!基地の裏口はあっちでしょ!」

 

セリカがおれのいる方向とは真逆の方を指差した。

 

「そ、そうなのか・・・」

 

おれはセリカに言われた通りに進んだ。

 

「もしかして先生って、超がつくほどの方向音痴なんじゃ・・・」

 

「私が初めて会った時に死にかけていたのも、そのせいかも・・・」

 

後ろからはそんなことが聞こえる。

誰が超がつくほどの方向音痴だゴラ!

後、死にかけたのはおれが方向音痴じゃなくて、アロナが迷ったせいだからな!

おれが心の中で愚痴っていると、裏口についた。

確か作戦の内容は、アイツらが基地を袋叩きにして、裏口から出てきた残党共をおれがやるんだったな。

そんなことを考えていると、爆発音が聞こえ、基地の内部からは銃声と悲鳴が聞こえてきた。

数分待っていると、裏口が勢いよく開き、数人のヘルメット団が出てきて、俺を見た瞬間、驚きの表情を浮かべた。

 

「げぇ・・・!?」

 

「な、なんでここに!?」

 

基地の内部にいたヘルメット団の残党はおれを見て腰を抜かしているが、そんなことは関係ない。

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を鞘から抜いた。

 

「二刀流」

 

おれは『閻魔』と『三代鬼徹』を高速で振り抜き、周囲を薙ぎ払った。

 

 

『ー"鷹波"ー』

 

 

これで、カタカタヘルメット団の前哨基地は陥落した。

しばらくはおとなしくなるだろう。

それからおれたちは学校に戻るのだった。

 

 

 


 

学校に戻り、アヤネのいる教室に入ると、アヤネが出迎えてくれた。

 

「お帰りなさい。皆さん、お疲れ様でした」

 

「ただいま〜」

 

「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ」

 

「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです」

 

「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる」

 

重要な問題?

カタカタヘルメット団に続いて、まだあるのか?

 

「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!ありがとう、先生!この恩は一生忘れないから!」

 

おいおい借金だと?

この学校、そんな問題を抱えてんのかよ。

一応、聞いてみるか。

 

「・・・その、借金返済ってのは?」

 

おれがそう聞くと、教室の空気が変わった。

 

「あっ・・・」

 

「そ、それは・・・」

 

「ま、待って!アヤネちゃん、それ以上は!」

 

「いいんじゃない、セリカちゃん。隠すようなことじゃあるまいし」

 

「か、かと言って、わざわざ話すようなことでもないでしょ!」

 

「別に罪を犯したとかじゃないでしょー?それに先生は私たちを助けてくれた大人でしょー?」

 

「ホシノ先輩の言う通りだよ。セリカ、先生は信頼していいと思う」

 

ホシノとシロコは借金の内容を話すのに賛成のようだ。

おれとしても、悩みを聞くのが仕事の一部みたいなものだからな。

 

「そりゃそうだけど、先生だって結局部外者だし!」

 

「確かに先生がすぐに解決できる問題じゃないかもしれないけどさ。でも、この問題に耳を傾けてくれる大人は、先生くらいしかいないじゃーん?悩みを打ち明けてみたら、何か解決法が見つかるかもよー?」

 

「それでも!先生はさっき来たばかりの大人でしょ!今まで大人たちが、この学校がどうなるかなんて気に留めたことなんてあった!?この学校の問題は、ずっと私たちだけでどうにかしてきたじゃん!なのに今更、大人が首を突っ込んでくるなんて・・・私は認めない!」

 

セリカはそう言い放ち、教室から出て行ってしまった。

はぁ・・・年頃のガキってのは扱いが難しいな。

 

「セリカちゃん!?」

 

「私、様子を見てきます」

 

ノノミはセリカを追って、教室から出て行った。

そして、しばらくの沈黙が流れた後、ホシノが沈黙を破り、説明を始めた。

 

「えーと、簡単に説明すると・・・この学校、借金があるんだー」

 

それはさっき、セリカがうっかり口を滑らせていたな。

 

「その借金だが、数百万か?それとも数千万ぐらいか?」

 

一つの学校がする借金の額だったら、これぐらいの額が妥当だろう。

おれはそんなことを考えていたが、ホシノは首を横に振った。

 

「うんうん・・・実は、9億円ぐらいあるんだよねー」

 

「正確にいえば、9億6235万円です」

 

おいおい冗談だろ・・・

逆に何をすれば、それだけの借金ができるんだよ・・・

おれは言われた額に呆然としていると、アヤネが説明の続きを始める。

 

「アビドス・・・いえ、私たち『対策委員会』が返済しなくてはならない金額です。これが返済できないと、学校は銀行の手に渡り、廃校手続きを取らざるを得なくなります。ですが、実際に完済できる可能性は0%に近く・・・ほとんどの生徒は諦めて、この学校と街を捨てて、去ってしまいました・・・」

 

「そして私たちだけが残った」

 

どおりで街に人の気配がないわけだ。

要は、この借金が根本的な問題で、街や学校から人がいなくなって、廃校の危機になったんだろう。

とりあえず、なんで借金をすることになったのかを聞かねぇとな。

 

「とりあえず、なんで借金をすることになったかを説明してくれ」

 

おれはそう言うと、アヤネは借金をすることになったのかを説明した。

アヤネ曰く、借金をするきっかけは数十年前にまで遡る。

アビドス自治区の郊外にある砂漠で、砂嵐が起きた。元々砂嵐は多かった地域だったが、この砂嵐想像を絶する規模だったらしい。

それで、アビドス自治区のいたる所が砂に埋もれて、砂嵐が去ってからも砂が溜まり続け、それを克服するために、多額の資金を投入するしかなかった。

だが、巨額の融資をする銀行はなかなか見つからず、悪徳金融業者に頼るしかなかったらしい。

 

「最初のうちは、すぐに返済できる算段だったと思います。しかし、砂嵐はその後も、毎年ごとに巨大な規模で発生し・・・学校の努力も虚しく、学区の状況は手が付けられないほど悪化の一途をたどりました・・・そしてついに、アビドスの半分以上が砂に呑まれて砂漠と化し、借金は膨れ上がったのです・・・」

 

なるほどな。

毎年に対策以上の規模の自然災害が来るから、闇金に借金をしないといけない。

完全に悪循環だな。

 

「私たちの力だけでは、毎月の利息を返済するので精一杯で・・・弾薬も補給品も、底をついてしまっています」

 

いや、むしろ利息を返せているだけでもすごいことだ。

 

「セリカが神経質になってるのは、これまで誰もこの問題にまともに向き合わなかったから。話を聞いてくれたのは、先生、あなたが初めて」

 

「・・・まぁ、そういうつまらない話だよ。でも、先生のおかげでヘルメット団っていう厄介な問題が解決したから、これからは借金返済に全力投球できるようになったってわけー。もしこの委員会の顧問になってくれるとしても、借金のことは気にしなくていいからねー。話を聞いてくれるだけでもありがたいし」

 

「そうだね。先生はもう十分力になってくれた。これ以上迷惑はかけられない」

 

十分力になってくれた、か。

気にしなくていいと本人たちは言っているが、こんな話聞いちまったら、見捨てることなんてできねぇだろうが。

 

「いや、おれもここに残って、お前たちに手を貸す」

 

「そ、それって・・・」

 

「聞こえなかったか?おれもここに残って、お前たちに手を貸すって言ったんだ」

 

「あ、はい!よろしくお願いします、先生!」

 

「へぇ、先生も変わり者だねー。こんな面倒なことに自分から首を突っ込もうなんて」

 

「良かった・・・『シャーレ』が力になってくれるなんて。これで私たちも、希望を持っていいんですよね?」

 

「あぁ。困っている生徒を助けるのがおれの仕事だからな」

 

とはいえ、まずはセリカをなんとか説得しねぇとな。

あぁいう奴って、どうやって説得すればいいのやら。

おれはセリカを説得する方法を考えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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