この二次創作は「もし大人の先生ではなく生徒がシャーレの顧問を勤めたらどういうストーリーになるのかな?」という考えの元、執筆されています。
誤字脱字があれば教えてくださると嬉しいです。
初投稿です。
初心者なので至らぬ所があるかもしれませんが、優しい目で見てください。
第0話「プロローグ」
「···い。···い。···さい」
誰かの声が聞こえる。
「···せい。おき···て···い」
その声につられて、だんだんと意識が覚醒していく。
「···○○先生。起きてください」
「うぅん···?」
むくりと身体を起こし、目を開ける。
__そして、目に入った光景に言葉を失った。
「···は?」
俺は今、電車の中にいる。
車窓から日の光が差し込み、身体を優しく照らしている。
そして窓の外には幻想的な景色が広がり、ここが現実であることを否定しているように感じる。
「···お気づきになられましたか、○○先生」
突然声をかけられ、思わず姿勢を正す。
先ほどから聞こえていた声の主。
俺はその声に聞き覚えがあった。
『···私のミスでした』
目の前に座る女性。
水色にピンクのインナーカラーが入った髪の毛に、白を基調とした制服を身につけている。
日の光で顔を上手く確認することは出来ないが、この女性に見覚えがある。
「···連邦生徒会長?」
「···はい。いかにも」
『ブルーアーカイブ』。
学園都市キヴォトスで巻き起こる様々なトラブルや事件を、生徒と共に解決していくゲームだ。
俺はこのゲームをやりこんでいたし、メインストーリーも公開されているものは全て読んだし、二次創作やssだったりも少しばかり読んでいた。
だから、この状況はとても見覚えがあった。
ゲームを始めた直後、プレイヤーが連邦生徒会長である彼女の話を聞く場面だ。
本来なら、連邦生徒会長が一人語り(?)をした後にリンちゃんに起こされてゲームが始まるのだが、どうやら違うらしい。
「きっと、戸惑っていることでしょう。ゲーム上の存在であり、謎多き連邦生徒会長が目の前にいるのですから」
「まあ、そうですね。これは···転生したということでいいんですか?」
ひとまず、一番気になっていた部分を聞いてみる。
自分が死んだという自覚はないが、ここにいる以上、転生したと考えるのが一番だろう。
「···はい、そうです。状況を飲み込むのが早くてありがたいです」
「キヴォトスに転生したりする二次創作はよく見ますから。あなたがいるのは予想外でしたが」
やはり、俺はキヴォトスに転生したらしい。
···いや、今から転生すると言った方が正しいのか?
「早速ですが、先生がここに連れてこられた理由をお話しましょうか」
「そうですね。お願いします」
そうして、連邦生徒会長から俺がここにきた理由を教えてもらった。
曰く、これから俺が転生することになるらしい世界では、連邦生徒会長のミスにより先生が来れなくなったらしく、そこで先生の代わりに連邦生徒会所属の生徒としてシャーレの顧問を努めてほしいとのこと。
···何言ってるのこの人?
一回だけのミスで先生が来れなくなったってそんなことある?
確かに先生は連邦生徒会長の指名でシャーレの顧問としてやってきてるわけだけど、その指名を忘れるってどういうこと?
というか"連邦生徒会所属の生徒"としてシャーレの顧問になるの?俺大人なのに?
「連邦生徒会所属が嫌なら別の学園所属でもいいですよ?」
いやそういう問題じゃなくてですね···!
···ちなみに、さすがに先生がいない状態のキヴォトスをこのまま去るのはマズいと思ったらしく、シッテムの箱には既にプラナちゃんも待機しているらしい。
そこは失踪しないという選択肢をとってほしかったけどなぁ···。
「もうここにいる時点で既に失踪しているので···」
だとしてもアロナの代わりにシッテムの箱のOSとして俺のことをサポートすることもできたでしょう···?
「···」
それだ···!みたいな顔しないでください。
「···まぁそんなわけで、○○先生にはキヴォトスに行ってもらうことになります」
「···別にいいですけど、本当に俺に任せて大丈夫なんですか?」
「はい!」
どこからそんな自信が出てくるんだ···。
まぁ···というわけでキヴォトスに行くことになりました。
ちなみに連邦生徒会長は本当にアロナの代わりにシッテムの箱のOSとして来ることにしたらしく、キヴォトスに着くまでに生徒としての俺の個人情報などを入念に話し合って決めたあとに、シッテムの箱を渡され、そこに連邦生徒会長が入っていった。
どういう原理なんだか···。
しばらくの間、シッテムの箱に入った連邦生徒会長とプラナと話しながら電車に揺られ続けていると、電車が一つの駅に止まった。
車窓から外を見てみると、
『···着いたようですね』
「みたいですね···」
『さぁ先生。この駅を出ればキヴォトスに降り立ちます。ここから貴方は先生ではなく、"鈴代ライカ"という一人の生徒として、生を送ってください』
「···はい」
連邦生徒会長権限で駅に送られてきた銃を持ち、これまた連邦生徒会長権限で送られてきた鏡で生まれ変わった自分の姿を見てみる。
少しくすんだ茶色に、黄色のインナーカラーが入ったロングヘアーの髪の毛。
連邦生徒会のエンブレムがあしらわれた真新しい制服に、シッテムの箱と銃をしまうためのカバン。
メガネの奥からはレモンのような黄色い瞳が覗いている。
ヘイローは五芒星の周りに円が散らばったような見た目で、連邦生徒会の制服と同じくらい真っ白な色をしている。
実際に生徒として登場していたら、結構人気が出るんじゃないだろうか。
『···先生。そろそろ出たほうがよろしいかと』
「あっうん。わかった」
口調も変えて、いよいよ駅の出口に向かう。
連邦生徒会長曰く、ここを出たら原作と同じくリンちゃん先輩に寝ているところを起こされるらしい。
「···さて。頑張りますか!」
気合いを入れ、駅の出口をくぐる。
その瞬間、眠るように私の意識は暗転していった···。
ライカの設定はアビドス編が始まる直前くらいに出す予定なのでお待ちください。