植物魔法使いの魔境攻略譚 ~超物騒に魔改造した植物の種子を添えて~ 作:バターもどき
リベンジに大した苦戦はしなかった。
だけどこのクマが俺に敗北を刻んだことは教訓としてしっかり覚えておこうと思う。
調子乗らないこれ大事。
クマ魔獣の討伐証明部位は鋭く硬い爪。
あれだけの爆発の中で原形を保っているあたり本当に硬いのだろう。
だがこの爪でも俺の鎖は破られなかった。
三か月の魔改造は無駄じゃなかった。
ちゃんと強くなってた。
それがわかっただけで心が晴れた。
爆発の中心にいたクマ魔獣の死骸を確認する。
毛皮は燃え尽き焦げ切ってっているが、中の肉はいい感じに焼けている。
肉はこの場でおいしくいただいてその他は持って帰って売却しよう。
多分食べきれないが食べるだけ食べよう。
追加でちょっと焼いて....あっおいしい。
臭みもないし生前の硬さが信じられないくらい柔らかい。
塩が欲しくなってくるがさすがに調味料は持ってきてない。
つくれないかな塩のなる木。
「おーい君大じょ....いい匂い!…じゃなかった。爆発がこっちのほうで起きたけど大丈夫だったかい?」
「大丈夫…っていうかそれ起こしたの俺です。お騒がせして申し訳ありません」
爆発音を聞いたのか冒険者四人がこちらに近づいてきた。
おそらくパーティを組んでいるのだろう。
「無事ならよかった」
「爆発が必要な相手って…やっぱりクマ魔獣か。あいつ火に弱いとはいえよく一人で倒せたね」
「俺ソロでこいつ倒したことないや。ソロ近接だと氷で死ぬから」
「ほんと近接と植物魔法使い殺しだよねー。炎魔法使いいればだいぶ簡単に倒せるけど」
「そうですね。初めて会ったときは死にかけましたよ。
…あっそうだ皆さん肉いります?
俺一人じゃ食べきれなさそうなので」
「いいのかい?じゃあありがたくいただくとするよ。クマ魔獣の肉おいしいから好きなんだよね」
「塩ないけどそのまま自然の味が通ってもんよ「俺調味料持ってる」やっぱ調味料っていいよね」
急ににぎやかになった。
そこそこ強そうな人たちだが悪い人たちではなさそうだ。調味料分けてくれたし。
まぁ人襲うくらいなら魔獣襲ったほうが効率いいか。
ばれたら冒険者組合総員から袋叩きだもんな。
「あーおいしい。魔境帰りの肉は格別だわ」
「えっお兄さんたち魔境に行ってたんですか?」
「うん。とはいっても表層…まだ浅いところだけどね」
「魔獣の強さ自体はあんまり変わらないけど数がぐんと増えるんよ」
「ずっと魔境にこもってられる人らマジやべぇわ…クマ肉おいしい」
「君も魔境目指すならパーティ組みな?ソロで潜ってる馬鹿強い人たちマネしちゃだめだよ」
「ははは、命を無駄にするつもりはないですよ」
・・・
「俺はもう少し活動してから帰ります」
「それなら…肉のお礼と言っちゃなんだが、クマ代わりに持って帰ろうか?ここで相場の値段払うよ。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「肉おいしかったよ。ありがとね」
「くれぐれも無茶はしないようにな。それじゃ俺たちは町に帰るわ」
「またねハタ君!」
・・・
いやーいい人たちだった。
肉を食べながらいろいろと興味深い話を聞かせてもらった。
特に魔境についての話は世間に出回る情報が少ないこともあり、とても貴重な話であった。
聞いた話を総括する。
魔境の表層では魔獣の強さ自体はさして変化しない。
ただしやたら数が増える。
ふむふむ。
いけるな。表層攻略。