俺は、幼馴染を見殺しにした。
ほんの些細な、くだらない事が理由で。
それから俺は、あいつと最後に話した場所に来るようになった。
最後に”約束”した言葉が今も耳に残っている。
あの時、振り返っていれば――
何度も何度も後悔して、また同じ場所に戻ってくる。
あの日は、もう変わらないのに…
俺はいつものベンチに座って、ただ空を眺めていた。
ふと、横断歩道に目をやった。
そこで、
――時間が止まった。
あの時の、制服を着た
”幼馴染”がいた
「……え」
とっさのことで頭が混乱する
幼馴染が生き返った
いやそんなはずは...
もし生きていたら女子高生なわけがない。
でも全く同じ顔だ、雰囲気もどことなく似ている。
違う、明らかに”様子”がおかしい。
その瞬間――
彼女は、走ってくるトラックの前へ踏み出した。
気づけば、俺は飛び出していた。
ドカン、と鈍い音が響く
体が宙を舞う感覚がある
地面がゆっくりと近づく
俺の視界は、衝撃とともに暗転した。
/
――明るい
「――――」
何か...
声が聞こえる。
ここはベッドだろうか。
体を起こす
まわりが明るく視界がくらむ
時間がたちだんだんと視界が晴れてくる。
目の前には、まばゆい光
神官の服を着た人たちが魔方陣を取り囲んでいる光景が見えた
その中には、ひときわ目立つ衣装を着た端正な顔立ちの女性が立っていた。
いや、
それよりもここはどこなんだろう?
その前に事故はどうなった!!
すぐに、ここを出なきゃ
――動かない
それよりも力がうまく入らない
それならと思い、周りを見渡す
近くのステンドグラスに差し込む光の中、ガラスに反射した自分の姿が映し出される。
そこには、
長い銀髪の少女が映し出された
「―――え?」
頭の整理がつかないまま
またさっき見ていたほうに視線を戻す。
女性と目が合った
目を見開き、驚いた表情でこちらを見ている。
すぐ正気を取り戻したようで、慌てた様子でこちらに駆け寄ってくる。
顔が目の前まで迫る。
近い
思わず目をそらしてしまう
「―――」
何かを話している?
ただ何を話しているのかわからない。
そこで、脳内に無機質な機械のような声が鳴り響く
―――翻訳魔術を起動します
さっきまで聞き取れなかった言葉が聞き取れるようになる
「なぜ――が動いて…」
女性が何か言う次の瞬間…
魔法陣のほうからけたたましい声がなり響く。
「おいだれか!!血を用意しろ、あと回復魔法を使える奴は早く手伝え!!」
思わずそちらのほうに目を向ける
――赤い
魔法陣の中心。
血だまりの中、女子高生が倒れている。
視界が、あの日と重なる
「……っ」
またかよ。
また、おれは間に合わないのか!!
そんなのは嫌だ。
鉛のように重い身体を無理やり起こす。
目の前の女性を押しのける
足がもつれてうまく歩けない
何度も躓く
それでも――
神官を押しのけて
女子高生のほうに向かう
目の前についた時に、脳内に声がなり響く。
回復魔術をきど――
その声がなり響くよりも早く声を出す
「起動する!!俺の全部あげるから!!
だから……早く…この子を、助けて…」
その瞬間、眩い光とともに
女子高生の体がみるみるうちに再生し始める
体の力が抜けていく。
体の力をほとんど使い果たしたとき。
――何かを失ったような気がした。
女子高生の瞼が、ゆっくりと開く
「よかっ、た…」
震える声が、かすかに漏れる。
あの日とは、違う
ちゃんと生きてい…る
意識が暗く沈んでいく。
女子高生が何かを話そうとしている
「…ひか」
言葉を聞き終わる前に
俺は意識が途絶えた――
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