一人くらい彩葉のクラスメイトにかぐやに脳を焼かれた人が居てもバレない説【完結】   作:カウン

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遅れてしまいましたぁ!ごめんなさい!!
それととんでもない誤字をしてしまいました!重ねてすみません!
報告もありがとうございます!


復刻!伝説の竹取合戦!【後編】

「どもっす〜実況の乙事照 琴っす!前回のあらすじを頼まれたのでかるーくやっちゃうっすよ〜。にしても番外編まで出番が貰えない上に名前まで間違えられるのは、ひどスンギ」

 

「解説の忠犬オタ公で〜す!前回、帝の提案で10年前の竹取合戦を再戦しようと話があり、4対4のバトルロワイヤルで行われる事になったぞ!」

 

「それで、かぐやいろPチームはヤチヨにROKAと言う錚々たる面々。対するは!黒鬼と〜ゲストのレンゲ!まさかここでレンゲを連れてくるとは意外性しかねぇ〜!」

 

「戦いは拮抗しており、互いに残機は1。ROKAと雷はリタイアしている状態だ。にしても雷がレンゲに復活権を譲るのは予想できなかったな!」

 

「現在はトップレーン中央でかぐやいろPvs帝と乃依!そして黒鬼天守閣付近でヤチヨvsレンゲの構図だぁ!」

 

「これからどうなるか!画面の前の諸君!目を離すなよ〜!」

 

 

 

 

 

「それじゃあ、やりましょうか」

 

「だねぇ」

 

ヤチヨの返答が返ってくる。正直、過去にSETSUNAで戦った際は大差で負けているので勝算は薄い。でも、勝ち目が無いわけではない。以前戦った際はウルトが無かった。だから、それを活かせれば、勝てる見込みはある。

私は両手で武器を構え、前方に走る。ヤチヨの武器は番傘。射程は近中距離、展開すれば防御にも使える。私の武器で考えると、中距離で傘を飛ばして来るのが一番厄介だ。なんなら前回はそれが敗因だ。

 

「ま、詰めてくるよねぇ」

 

ヤチヨは余裕の笑みを浮かべながら、傘を畳んだまま、私の薙刀を受け止める。腕に力を込めるも、押し込む事ができない。

 

「ならっ!」

 

素早く武器を引き、その場でしゃがみながら下段、薙刀を取り回し、回転しながら中段に突き、突いた勢いで右上から斬撃。

 

「ふふん、ヤッチョにはお見通しなのです」

 

しかし、ヤチヨは慌てることなく、こちらの攻撃の軌道を読んでいなす。武器同士が火花を散らしてぶつかる。最後の一撃を大きく弾かれ、ヤチヨの傘が腹部に突き刺さり、鈍い音と共に私は吹き飛ばされた。しまった、距離が出来てしまう。すると私の恐れていた通り、ヤチヨの傘が開かれ、高速で回り出す。

 

「奇天烈な、回る唐傘、鋭利なり」

 

「あぁもういちいちかっこいいですねっ!」

 

悪態をつきながら、回る番傘をしのぐ。上下左右、全方位から攻撃を仕掛けてくる為、防戦一方だ。それを見るヤチヨは操ってるだけなので涼しい顔でこちらを見つめる。くっ、こっちは少しでも手元が狂ったら被弾してしまいそうなのに……!

 

「だったら……!」

 

私は数発受け切ってから、埒が明かないと判断して、賭けに出ることにした。ヤチヨの傘が一度手元に戻り、もう一度投げられた瞬間に前へと飛び出す。そして番傘との距離が近くなってきたら、体を大きく前へ倒し、前傾姿勢になる。

 

「っ持ち手か!」

 

そう、あの武器には持ち手が引っ掛かるので下段に傘のブレード部分が当てれない弱点がある。勿論、反転させれば問題ない。ヤチヨもその判断で、傘が上下ひっくり返ってUターン。だから私は軽く後方の様子を見ながら、前方へさらに踏み込む。ブーンと回る風切り音が近くなるのを感じながら、脳内でタイミングを計る。

 

「今っ」

 

「跳んで……!?」

 

時を見て、地面を踏み切る。それと同時に足元を番傘が通り抜けた。そのまま着地と同時に身体を捻って、薙刀を振るう。慌てて手元に戻ってきた番傘を防御に使うヤチヨ。が、傘を閉じず開いたまま大きく振り回す。

面で防御しながら、傘の縁で攻撃を繰り出す。くっ、これだと攻めにくいし、油断すると武器を持って行かれそうになる……!攻防一体の動きに、また私はジリジリと追い詰められる。

 

「しまっ!?」

 

手元が狂い、私の武器が後ろに弾かれて、尻餅をつく。見上げると、ヤチヨは優しく微笑み、傘を回しながら肩に柄を乗せる。

 

「詰められたときは、ヒヤッとしたけど、ヤッチョに勝つのは8000年早いよ〜」

 

ウルトは効果時間を考えれば、先に切ってしまうと負けが確定する。そもそも武器は手元にない。万事休すか……私は諦めて通信を入れようとメニューを開く。すると後方から声が響く。

 

「何諦めてるのー?」

 

「っ!」

 

ヤチヨが素早く傘を振り抜く。すると、風を切る音とともに飛来した物体が、ヤチヨを大きく後ろに下げさせる。その隙に、私はどうにか立ち上がり、地面に落ちた薙刀を拾ってヤチヨに向ける。後ろから近づいてくる足音を聞きつつ、私は笑う。そこには矢を番える乃依さんの姿があった。

 

「わざわざ助けに来てくれたんですか?」

 

「まさか。かぐやにやられたから帝の指示でレンゲのサポート。俺は帝と戦ってたかったんだけどねー」

 

リタイアしてしまったらしいが、どうやら乃依さんは私のサポートに来てくれたらしい。嬉しく思いながら、これならと深く腰を落とす。

 

「レンゲと乃依ちゃんかぁ……これは、クラゲ気分じゃ勝てそうにないねぇ」

 

ヤチヨも先程よりも力の籠もった目でこちらに傘を向ける。そんな中、乃依さんが容赦なく放った矢が戦いの再開を知らした。

 

「ヤチヨ、舞うようにノイの連射を防ぐ!」

 

「ここでさらに、レンゲが回り込みながら走って飛び込むぅ!」

 

実況を背に、私はもう一度ヤチヨに接近する。乃依さんの援護があるから、ヤチヨはかなり集中力が削がれていそうだ。そこに私は容赦なく、薙刀で突く。一撃、二撃と連続して防がれるも、乃依さんの矢が三発、直撃する。

 

「流石に不味いかな〜!」

 

それでも余裕そうに傘を振るい、攻撃を防がれる。そこで私は嫌な予感が過った。まさか時間稼ぎでは?かぐやさんが天守閣に向かっていたら?そう思い、焦って薙刀を分離させて手数を増やそうとする。

 

「慌てちゃ駄目だよっ!」

 

「っ!?」

 

その隙が仇となった。ヤチヨの傘が上に向かって上げられ、私の薙刀の片方が後方に飛ばされる。そのまま始まるヤチヨの猛攻。どうにか隠し刃側で応戦するも、また押し込まれ始める。乃依さんの矢もある程度割り切ってるのか、直撃も無視している。ここで私を差し違えてでもリタイアさせるつもりか!こっちの残機は0、向こうは1。倒せれば、やられたとしても戦力は変わらない。冷や汗をかきながら、思考をまわしつつどうにかさばき続ける。

 

「せめてもう片方があれば……」

 

私の欲しいものは少し前に後方に弾かれた。歯痒く思っていると、傘の天辺で殴られ、吹き飛ばされる。顔を上げると番傘を振りかぶるヤチヨ。駄目だ、防御も間に合わない!そう思い、腕を交差して顔を覆う。

 

「だから……諦め早すぎ」

 

乃依さんの言葉と共に、弓に番えられた物が放たれる。それは矢よりも大きく、歪な音を立てながら飛来してヤチヨの腹部に突き刺ささる。ヤチヨは自身に刺さったものを見て驚愕する。

 

「薙刀……!?」

 

「ノイ、ここでレンゲの弾かれた薙刀を弓で射出したぁ!!」

 

私はすぐさま、手元にある薙刀の片割れをヤチヨに刺さったものに接続して、さらに押し込む。

 

「これでっ!!」

 

そして、ヤチヨの腹部から思いっきり薙刀を引き抜き、膝をつく。ヤチヨは驚いた顔のまま、花弁になって消えた。薙刀を支えに、どうにか立ち上がると乃依さんが軽く口角を上げながら、眠たげに呟く。

 

「ま、及第点かな」

 

対する私も嬉しそうに、息絶え絶えで返答した。どうにかヤチヨは倒せた。

 

「プロの方からの評価なら十分では……?」

 

「レンゲ、ノイ!まさかのヤチヨ撃破ぁ!残る残機は互いに0だぁ!」

 

「でもその体力じゃワンパンだよ?どーするのさ」

 

が、私の体力は残り4割を下回っていた。このまま戦ったとして、私が足を引っ張るのは明確だ。それを考え、乃依さんにさっき思いついた作戦を伝える。すると意外そうな表情をしてから、すぐにこちらを試すように笑う。

 

「へぇ、じゃあせいぜい簡単にやられないようにね」

 

「そっちこそ、頼みましたよ?」

 

私達は軽口を叩きながら、作戦開始の場所へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

「どういうことだぁ!黒鬼、このタイミングでトライデントを仕掛け始めた!レンゲ、ボトムレーン側から天守閣に向けて特攻!ノイも中央から天守閣へ!」

 

「これは何か策がありそうっすね〜おもすれ〜!」

 

私の体力じゃやれることなんて限られている。だが、向こうに体力を知るすべは無い。だったら最後くらい大立ち回りして戦場をかき回してやる!そんな意気込みとともにバイクのアクセルを全力で吹かす。ミニオンを薙刀で退けながら、どんどん天守閣に向かって行く。

そんな時、上空からこちらに向けて加速する物体が。まるで流れ星みたいだ、なんでふざけて思いつつ、バイクから飛び降り回避を行う。

 

「レンゲェ!!」

 

そんな叫びと共に叩き付けたハンマーにより地面は陥没、衝撃で私は大きく吹き飛ばされた。体勢を整えながら、返事をする。

 

「来ましたね、かぐやぁ!」

 

薙刀を後ろに構えつつ、大きく距離を詰める。ハンマー職は隙が大きいし小回りが利かない。なら近づいたほうがいい!だが、かぐやもそれは分かっている。肩にハンマーを担いでから、その場で回転。ぐるぐると回りながらこちらに突っ込んでくる。私はそれを飛び越えながら、上空で銃口を向ける。片目を瞑り、トリガーを引く。地面に向けて、閃光が迸る。

 

「いて!やべっ!」

 

直撃したらしく、かぐやの回転が止まる。着地して、そこへ一気に詰めて、武器を大きく引き絞り、かぐやへ振るう。右から左へ、左から上へ、上から下へ。手先を素早く持ち替えて連続して攻撃する。

 

「ふっ、よっ!」

 

「だーっ!推しに攻撃して楽しいか!?」

 

「心は痛みますけど、勝負は勝負ですからねっ!!」

 

さらに追撃しようとすると、たまらずかぐやはハンマーを叩き下ろして距離を取らされた。そこでちらりと横に移るマップを確認する。そこには乃依さんとヤチヨさんが接敵する様子が映されていた。

 

「そろそろですか」

 

私は一瞬目を瞑ると、力強く開いた。周囲に赤いウィンドウが点滅する。瞳が紅く輝き、片目の周りに痣が広がって、ツノが伸びる。そして、私の三つ編みがほどけ、長い髪が開かれた。

 

「ここでレンゲ、ウルトを発動!10年前のチートのオマージュかぁ!?」

 

こっちのチームのウルトはあの日私がやったチートを演出として再現させてもらった。かぐやも警戒して武器を構え直す。だが、ここで私が取る戦法は一つ!

 

「逃げますっ!」

 

「えぇ!?」

 

「レンゲ何を考えてか、かぐやに背を向け全力疾走!中央に向かって走り出した!!」

 

全力で距離を取るために、走る。そしたら私の推しは絶対追いかけてくるはず。だって負けず嫌いなの知ってるからね。

 

「うおぉ!逃がすかぁ!!」

 

「ここでかぐやもウルトを切った!!」

 

かぐやの衣装があのライブの物に変わる……なんて見てる余裕はない。全力で岩場を飛び越え、中央を目指す。木を躱し、丘を越え、ウルトの加速のおかげで難なく中央が見えてきた。乃依さんの攻撃を傘で防御するヤチヨの姿を捉える。後ろでは変わらずかぐやが逃げるなとこちらに向かって叫んでいる。

 

「レンゲ?!どうしてこっちに?!」

 

当然ヤチヨに気づかれるが、計算通りだ。

 

「ノイさん!行ってください!!」

 

「おっけ、任せた」

 

ここで乃依さんがウルトを発動。ツノが伸び、目の前に痣が広がる。そして、さっきの私のように全速力でトップレーン側へ。ヤチヨが意図を理解して追いかけようとするが、もう遅い。

 

「行かせません……よっ!!」

 

ウルトで速度が乗った一撃を両手でヤチヨに見舞う。ヤチヨは傘で受け止めるも大きくノックバック。ウルトの効果が切れる前に、素早く回り込み乃依さんを追わせないように立ち塞がる。そこで髪が戻って普通の黒鬼衣装に戻った。かぐやも追い付き、ヤチヨと並び立つ。

 

「ノイちゃん、帝の援護に行ったみたい……!」

 

「イロハがヤバいじゃん!」

 

慌てて乃依さんを追いかけようと、かぐやが飛び立とうとするが、私がそれを銃撃で牽制する。ニヒルに笑いながら、薙刀を構えて挑発する。

 

「ここを通りたくば私を倒していきなさい、ってやつです」

 

そう言うと、ヤチヨとかぐやは好戦的に笑ってそれぞれ武器を構える。

 

「「上等っ!!」」

 

そこから2人の猛攻が始まる。ヤチヨが番傘を飛ばしてきたと思うと、横からはかぐやがジェットを吹かしながら迫ってくる。番傘をしゃがんで避けて、かぐやのハンマーはスライディングですり抜ける。

 

「かぐや、使って!」

 

ヤチヨの声掛けと共に、かぐやは番傘を手に取り、私に振りかざす。攻め方が変わるだけでかなりやり辛い。被弾が増えて、体力が2割を切る。

 

「ヤチヨパス!」

 

いつの間にかウルトを切っていたのか、ライブ衣装のヤチヨが投げ渡されたハンマーを掴み取り、振りかぶる。

 

「久しぶりだけど……っ!!」

 

ジェットを唸らせたハンマーが私の側面を強打する。激しい衝撃音と一緒に私は空の彼方へふっ飛ばされた。視界がきり替わる直前、爆ぜる天守閣の前で腕を突き上げる帝さんとあざとくピースする乃依さんが映った。歓声が爆ぜて、勝ち鬨を飾る。私達の、勝ちのようだ。

 

「決まった〜!レンゲの足止めにより、ノイと合流した帝がいろPを退け、天守閣を取ったぁ!勝者ブラックオニキスー!」

 

天守閣下で復活すると雷さんが無表情のまま、拳を突きだしてきたので、私も乗っかって拳を合わせる。

 

「やりましたね!」

 

「ナイス判断だ、レンゲ」

 

コツンと拳を合わせて、私は嬉しくなって笑った。雷さんも表情は変わらなかったが、とても嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

その後、かぐやのサインだけでなくヤチヨ、ROKA、更にはいろPまでもがサインした色紙を受け取り、この大きな祭りは幕を下ろした。

 

ちなみに私は戦う前に炎上について恐れていたが、あとで知った事実で、帝さんが以前のクイズ配信の後にかぐやファンのライバル認定をしてくれた為、そこまで叩かれなかったし、認知されていたらしい。なんか私って意外と他人から好かれたりする体質だったりするのだろうか。

 

「と言うか何で誰も言ってくれなかったんですか!」

 

「えー、だって言わないほうが面白いと思って」

 

「すまん!知ってるものかと思って伝え忘れてた!」

 

「秘すれば花なり」ピース

 

悪ノリがすごいなここは!!

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