一人くらい彩葉のクラスメイトにかぐやに脳を焼かれた人が居てもバレない説【完結】   作:カウン

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こう言う日常回見たいなぁってことで作りました。

お気に入りや評価感謝です!!


ドタバタ酒寄研究所

どうやら犯人のせいで子供の頃に戻っていたらしい私です。

あの日から数日が経った。一応、皆から心配されたため、病院にも行ったが、特に異常はないらしい。脳に負担がかかっていたらしいが、早急に対応できた事が功を奏したみたいだ。皆には頭が上がらない。

問題なかったので、現在は仕事に復帰して、ヤチヨとかぐやのために新たなシステムを組んでいる。その名も側転システム!かぐやが配信でやってみたいと言う話になり、ついでにヤチヨにも組み込もうと言う流れになった。

 

「後はここの身体のバランスと人口筋肉の稼働率がネックになりますね……」

 

キーボードを叩きながら、ぶつくさと呟き、コードを打ち込んでいく。あぁ、ここは省略して、かぐやとヤチヨたち本人に制御してもらえば解決できますね。

ちなみにだが、あのウィルスを解析する中で【ツクヨミ内で見た目だけ子供になれる薬】が産まれてしまった。思わぬ副産物だったが、ヤチヨが面白そうと言った為、データを配信する形となった。勿論、私とFUSHIで何度も確認し、改良。結果として安全性も兼ね備えた上でなので、危険性はない筈。

 

「よし、ある程度纏ったので所長に見せに行きましょうか」

 

どうも一人だからか、独り言が出てしまうなぁ。そんなことを考えながら、USBにデータを移して所長室に向かう。

副所長室を閉めるために鍵を出した時、付いていたストラップが目に入る。それは前に芦花から貰ったものだった。最近の芦花を思い出して、ちょっとだけ恥ずかしくなる。

というのも、あの事件以降、芦花との距離感が近くなった気がする。一緒に出かけるとすかさず手を握ってくるし。何故か今までは大丈夫だったのに飲み物を味見と称しての間接キスで私が真っ赤に照れたり。挙句には目を見つめながら可愛いとか言ってきたり……。

 

「あぅ……」

 

思い出して、頭から湯気が出そうな気がしてその場にしゃがんでしまった。と、とにかくこのままでは会うだけで心臓が保たない気がする。頭を左右に振って冷却。私の煩悩、去れ去れ〜!よし治った!そうして落ち着きを取り戻した私は所長室に着いた。

 

「所長、かぐやとヤチヨのプログラム、試作品を組んできました。入りますね」

 

ノックと共に、声をかけてから入る。すると、いつもの席に彩葉が座っていた。だが何か様子がおかしい。少し慌てているような、困ったような様子だ。咳込んでもいる。気になったので近づいてから、改めて声をかけた。そして私は目を疑った。

 

「所長、どうしたんで……!?」

 

机の上と彩葉の白衣には真っ赤な血がべっとりとついていたからだ。私の顔から血の気が引いていくのを感じる。どうしよう、取り敢えず救急車を……!と、スマホを出そうとすると、彩葉が私の白衣を掴んできた。

 

「蓮夏、これトマ……ゴホッ!」

 

これ止まらないだって!?!?不味いじゃん!!更に咽た彩葉の手には新しくドロリとした血が付いている。真っ赤すぎてまるでトマトみたいじゃないか!!

なにか……今彩葉の状態を見れる物……そうだ!この前ヤチヨ達に組み込んだ健康状態を確認できる機械があったはず!確かこの部屋に試作品が!

 

「彩葉!これをつけてください!」

 

見つけて持ってきたものを指に付けてもらう。咽続ける彩葉は首を傾げていたが、気には留めず、電源を入れる。即座に、彩葉のバイタルが表示された。

 

「呼吸状態に異常がある……」

 

彩葉がこくこくと頷く。呼吸……となると、吐血に関係してくるのは……。

 

「まさか肺から出血!?」

 

「ん?!?」

 

尚の事、急がなきゃじゃないか!!万が一の事があったら皆に顔向け出来ない!私は勢いよく床を踏みしめて、さっきから握り締めたスマホ片手に駆け出そうとしていた。だが、私の踏んづけたのは床ではなく、床の上の紙……。

 

「へっ?」

 

床の摩擦が紙のせいで限りなく0に近づいたからか、私の体は前方への浮遊感と共に投げ出される。視界がすごい勢いで後方に流れ、床がその勢いで接近してくる。うわっ、前から床が!!

 

「グェッ!!」

 

結果、私は顔面を床に打ち付けた。後ろでは彩葉がまだ咽ている。もうめちゃくちゃだ。だが、悪戯な神様も居たものだ。所長室の扉が開かれ、いつもの2人がやって来る。

 

「彩葉〜側転のプログラム見てもらった!?蓮夏が来てるはずなんだけど」

 

「ヤッチョも側転できると聞いて〜」

 

この部屋に踏み入った2人にはどう見えただろう。片や吐血していて、片や床に這いつくばっている。カオスだ。案の定、2人は言葉を失っていた。だが、彩葉の危機を伝えなければ。どうにか身体を起こして、2人に伝える。

 

「い、彩葉が吐血しました!」

 

「えっ!?」

「へっ!?」

 

2人共似たような反応でこちらに来る。かぐやが彩葉の元へ向かったが、何故かヤチヨがこちらに来た。そして来るなり、私の額を触り、鼻の下を拭う。

 

「蓮夏!鼻血出てるけど、この前の後遺症!?」

 

それを聞いた瞬間、頭をハテナが埋め尽くした。違います、これは今自分ですっ転んで床とキスしました。なんて言おうとしたが、ヤチヨは慌てているため聞く耳を持たない。すると、かぐやの声がこちらに響く。

 

「ヤチヨ!彩葉も本当に吐血してる!」

 

「待ってどういう状況!?」

 

「かぐや、ちがゲホッ、これトマゴホッ」

 

「血がこれ止まらないって!?彩葉死んじゃやだー!」

 

ヤチヨが急いで彩葉の方へ向かい、彩葉のバイタルを確認する。この流れさっきも見たな……?

 

「呼吸器……肺から出血!?」

 

綺麗な天丼すぎる。さっきもやったやり取りを繰り広げていく2人を見ているとなんとなく落ち着いて、俯瞰で見ることができた。まずだが、血にしてはにしては黒くないな?しかも鼻に来るのは鉄のような匂いではなく、トマト……これトマトジュースか!!ということは、さっきから彩葉はトマトジュースと訴えようと!?

 

「2人共限界かも!もう医者を連れてきたほうが早い!かぐや行ってくる!」

 

「ヤチヨは他の部屋から使えそうなものを纏めてくるっ!」

 

2人が今にも動き出しそうだったのでどうにか服を掴み、2人を止めた。

 

「2人とも彩葉は大丈夫です!それトマトジュース!!」

 

「「へ?」」

 

困惑する2人。それはそうだろう。正直、さっきまで私も勘違いしていた。でも、ここで止めなければ、リアルで病院が来い、をされてもおかしくないのだ。だが止まってくれたのは良いんだが、今度は2人がこちらに寄ってくる。

 

「って事は、蓮夏は大丈夫じゃないってこと!?」

 

「じゃあ蓮夏を病院に……!」

 

「わ、私の鼻血は自分で転んだだけです!!」

 

あらぬ心配をかけられてしまったので、顔を真っ赤にしながら、自分の痴態を叫んだ私だった。

 

 

 

 

 

「え〜!?あれトマトジュースだったのぉ!?」

 

「だからそう何度も言おうとしたんだって!」

 

あの後、散らかった床や汚れた彩葉の白衣を片付けて、全員で落ち着くために席に掛けた。それで今回の事の始まりが明かされた。

 

「要はかぐやに、お弁当作れなくて研究所でご飯を済ませるなら、ちゃんと栄養も取るように、って言われたからトマトジュースを飲もうとして」

 

「うん……」

 

「で、飲んだら意外と美味しかったから勢いよく飲んだら気管に入って」

 

「はい……」

 

「で、私が来る直前に咳き込んで、服と机にぶち撒けて、説明できないほど咽ていたと…… 」

 

「そうだね……」

 

ヤチヨ、かぐや、私からの確認で要約したが、そう言う事だったらしい。彩葉以外が安心感から机に突っ伏し、溜めてた息を吐く。

 

『よかったぁ〜!』

 

何もなくて本当によかった……彩葉の事だからギリあり得そうなのが怖かった所だ。すると彩葉は恥ずかしそうに照れながらぽつりと呟いた。

 

「今回は完全に私のせいだけど、みんなそんな心配してくれたんだ。ありがとう」

 

そんな嬉しそうな彩葉の言葉に私達3人も恥ずかしくなって少し顔を赤くしながら笑った。

笑い終わると、今度は3人がこちらを見ていた。かぐやなんかジト目で見てきている。可愛い!

 

「で、蓮夏はなんで転んだの?」

 

「あはは〜……それはですねぇ」

 

「私のために慌ててくれたんだけど、床の紙で綺麗に転んでたよ」

 

「あっ、彩葉なんで言うんですか!!」

 

どうにか痴態を取り繕うとしたのだが彩葉に本当の事を言われてしまった。うぅ、恥ずかしいんですが!

 

「蓮夏もドジで可愛いところ、あるよね〜」

 

「ヤチヨ!からかわないでください!」

 

そんな風に一件落着して4人で笑い合っていたら、ドアが開いた。そこにはお土産らしき物を持った朝日さんが。そして、ハンガーにかけてある彩葉の白衣を見て目を見開いて……あれ、これ不味くね?

 

「よー、彩葉。お土産買ってきたぞー……どうしたんだこの血!?」

 

天丼は2度目で十分ですっ!!そんな私の心の叫び声と共に、慌てて4人で朝日さんに説明する羽目になった。

ちなみに彩葉はトマトジュースはこりごりって思ったらしい。

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