一人くらい彩葉のクラスメイトにかぐやに脳を焼かれた人が居てもバレない説【完結】   作:カウン

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自信がないです(タイトル回収)。


サプライズかぐや理論

「さ、酒寄さん、かぐやさんとの関係性を教えてください……!」

 

ここは教室、放課後のため周りはざわついているものの、私達2人の間には静寂が訪れていた。

昨日、かぐやさんと酒寄さんの関係性に気が付き、居ても立っても居られず、尋ねてしまったのだ。

 

目の前に居る私のクラスメイトは表情が凍りついている。まぁそれもそうか。かぐやさんは言わば超がつくほどの有名人だ(私調べ)。秘密に気づかれたら問題ってのはわかる。

……私がやってることは不味いことなのでは……?

 

「上條さん、それをどこで……ん、上條さんの下の名前って……」

 

私が大変な事をしてしまったと悔いながら震えていると、酒寄さんから逆に質問が飛んできた。

 

「蓮夏、ですが」

 

「蓮夏……レンゲ…………昨日のレンゲってもしかして!?」

 

酒寄さんの凍りついていた表情が驚きに染め上げられる。あぁ、やってしまった……気付くのが遅れたが、推しの関係者(推測)にその事を聞いてしまうとは……脳内の反省会は大騒ぎ、それでも会話は続く。私は意を決して口を開いた。

 

「はい……私の名前がわかるってことは、酒寄さんは……かぐやさんの」

 

「まぁ、一応プロデューサーってかぐやは言ってる」

 

そこまで聞いて、私は昨日の非礼を思い出し、勢いよく頭を下げた。

 

「昨日はごめんなさい!」

 

「……は、え、なんで!?」

 

慌ててたせいで順序が逆になってしまった……とにかく説明を。そう思った瞬間、酒寄さんの足元に2つの影が。

 

「お〜珍しい組み合わせ……んでこれどういう状況?」

 

「おつかれー彩葉と……上條?」

 

酒寄さんの友達である諌山真実さんと綾紬芦花さんが……ここからでも入れる保険はありますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……ここならゆっくり話せるから、なにがあったか詳しく」

 

「教えてもらおうかな〜」

 

綾紬さん達に連れられ、憧れだったカフェに到着したが生きた心地がしない……。それもそのはず、今の私は裁判を受ける側の人間だ。

 

「じゃあ〜まずなんで二人で話してのか。上條さんが彩葉に話してる所なんて見たことなかったから」

 

私がパニックになり、目線をどこに向ければいいか荒ぶらせていると、諌山さんからまず最初の疑問が。事の発端は私だし、こっちから話そうと口を開く。

 

「えっと、かぐやさんの関係を、聞いていました」

 

それを伝えると酒寄さん以外がひっかかる事があったようで、首を傾げている。

 

「彩葉、私達以外にかぐやちゃんとの関係話してたっけ?」

 

「いやそれがね、上條さんどうやらかぐやのファンみたいで……」

 

「「ファン!?」」

 

酒寄さんがその疑問を解消させた途端、2人とも驚いた様にこっちを振り向く……そんなに意外だろうか。

 

「実はとある場所でかぐやさんを見たときに、心が奪われてしまって……それで初めて推し活、とやらをやっている感じです」

 

現実逃避気味にかぐやさんのことを思い浮かべながら笑顔で説明すると2人とも納得が言ったように頷いていた。

 

「それは分かったとして、配信で顔を出してない彩葉に気付いたのはなんで?」

 

だが、今度は別のところが引っ掛かったらしく綾紬さんからの指摘が刺さる……正直これが一番信憑性がないんだよなぁ、と思いながら恐る恐る答える。

 

「信じてもらえないかもなんですけど、実は私、他人の感情が仕草とかからなんとなくわかるんです」

 

それを言った瞬間、みんなからの視線が胡散臭いものを見る目になる。そんな目で見ないで!

……やっぱり、信用を得るためには過去を語る必要があるか。

 

「……昔から楽しみと言えるものがなくて、言ってしまえば平坦な人生だったんです」

 

私のつまらない人生の話。子供の頃から両親は付き合い方が分からないのか、私に関わろうとしなかった。与えられたのは、父親のお古のノートパソコン。それでプログラムを解析する遊びをひたすらしていた幼少期。

 

「そんなこんなで感情をあまり表に出さなかった結果……なんですかね。なんとなく相手の雰囲気や仕草で思ってることがわかる、みたいな感じです」

 

3人とも、突然暗すぎる話が投げ込まれたからか、申し訳なさそうにして聞いてくれた。流石にこのまま進めるのはずるい気がするので、流れを変えようと話題を逸らす。

 

「そしたらカフェに来るまで思ってた事を当てますよ、諌山さんは面白そうって思ってましたよね」

 

「おぉ、私そんなに顔に出てた?」

 

感心したように自身の顔をぺたぺと触る諌山さん。

 

「次に酒寄さんは面倒くささと困惑で混ぜた感じ、ですかね」

 

「え、本当に当たってるんだけど……」

 

当てたからって少し引いた表情をしないでほしい……。それから、と綾紬さんのほうを向いたら手で制される。

 

「それで、彩葉は何で謝られてたの?」

 

「実は私も理由聞けてないからわかんない。何で謝ったの?上條さん」

 

ようやく今回の本題に戻ってきた。まぁさっきの話も関係なくはないので許してほしい、と心の中で思う。

 

「それは、無理矢理酒寄さんに演奏を頼んだのが申し訳なくて……」

 

「えっ、それだけで?」

 

酒寄さんが意外そうな声をあげる。でも話の肝はそこではない。

 

「だって酒寄さん、演奏してる時少しいつもしさびし

 

と、そこまで言った時、視界の端に見慣れた金髪(・・・・・・)が。そして、話に夢中で手を付けていなかった酒寄さんのパンケーキが横から盗まれる。

 

「彩葉達だけずるーい!かぐやもパンケーキ食べる!」

 

「ジュッッッ」

 

 

 

 

 

 

「もー、また勝手に家から出てきて……」

 

「鍵は閉めてきたから大丈夫!ところで誰?」

 

 

「上條さん!?そんな穏やかな顔で気絶しないで!?芦花、手貸して」

 

「う、うん。上條、起きて!こんな場所で気絶はまずいって」

 

 

「あー……かぐやのファン、かな」

 

 

 

 

 

 

「はっ!?推しが現れる幻覚!?」

 

裁判がつらすぎて推しを幻覚として見てしまうとは……不覚。そう思い返していると、横から見ていた諌山さんが笑いながら声をかけてくれる。

 

蓮夏(・・)って意外と私と変わらないんだな〜」

 

何故名前呼び?と首を傾げようと顔を横に向けると、推しがフェードインしてくる。

 

「かぐやも居るよレンゲ!」

 

「ンピィ!?」

 

「リアクションおもしろ〜い」

 

かくして、私の裁判はかぐや乱入時の反応により罪が晴れたらしく、無罪として終わった。

 

ついでに私のキャパも終わった。

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