とある真っ白い空間。
その空間に1人の男――
「ん··········ここは?」
目を覚ました竜一は体を起き上がらせ、辺りを見渡すが、周りには誰もいなかった。
しかしその時、彼の周りに8つの光の玉が現れる。
その光の玉は、竜一の周りで止まり、やがて人の形へと変わっていき、光が弾け飛んだ。
何が起きたか理解できなかった竜一だったが、光が弾け飛んだ所に横たわっている8人を見て驚いた。
「進ノ弐!新三!翔肆郎!五来!陸慎!七流!景八!政玖!」
竜一は立ち上がり、8人の元へ駆け寄る。
横たわっていたのは竜一の弟達、
駆け寄った竜一は、8人の体を揺する。
すると8人の目蓋がゆっくりと開き、体を起こす。
「ん·······?」
「あれ········?」
「ここは·········?」
「いったい·········?」
「どこだ·····?」
「俺·······」
「何してたん·······」
「だ?」
「ちゃんと意識はあるな」
「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」
8人に意識があるのを確認し、一安心する竜一。
その竜一の声を聞いた8人は、一斉に竜一へ顔を向けると目を見開いた。
『『『兄貴(兄さん/兄ちゃん)!!』』』
「どわっ!?」
8人を一斉に竜一へと抱き付き、支えきれなかった竜一は後ろへと倒れてしまう。
何がどうなってるのか分からず、抱きついてきた7人の顔を見ると、7人は涙を流していた。
「ど、どうしたんだお前達?何故泣いてるんだ?」
「何故って!」
「
「涙も出てくる!」
「その通りだ!」
「「「「うんうん!」」」」
「死ん······だ·········?」
そう言われた瞬間、竜一の頭に記憶が流れ込む。
それは竜一が死ぬ直前までの記憶だった。
思い出した竜一だったが、8人の様子を見て疑問を抱く。
「お前達、俺が死んでどれくらいだ?」
「えっ?今は2027年だから、4年········か?」
「あぁ。そのくらいだな」
「何言ってんの進兄に新兄?今は2033年で、竜兄が死んで10年だぞ?」
「竜兄さんに気をとられていたが、どうして
「それを言うなら翔兄さんや来兄さんも、
「あぁ。それに今は2038年だ」
「うんうん」
「あぁ」
「は?俺達が死んだ?········ぐっ?!」
「な、なんだ!?」
「兄ちゃん達、大丈夫?······ッ!?」
「ぐっ?!あ、頭が?!」
話していた8人は竜一同様、頭に痛みが走りおさえる。
そして8人にも竜一同様、死ぬ直前の記憶が流れ込んでいた。
「い、今のは·······」
「まさか········」
「死ぬ直前の······」
「記憶か·········」
「これはいったい·········」
「何が·········」
「どうなって·········」
「いるんだ········?」
「分からん。はっきり言って異常n「どうやら全員、無事に目を覚ましたようだな?」ッ!!」
「「「「「「「この声は!?」」」」」」」
記憶が流れ込み、状況が理解できず混乱していた9人の耳に、9人以外の声が聞こえる。
その声に聞き覚えのあった9人は、一斉に声が聞こえてきた方へ顔を向ける。
するとそこには、2人の男女が立っていた。
『父さん(親父/父ちゃん)に母さん(お袋/母ちゃん)!?』
「よぉ、お前たち」
「元気そうね皆♪」
そこにいたのは、9人の両親である、父親の
「な、なんで父ちゃん達が!?」
「ある人物に呼ばれてな?お前達を迎えに来た」
「迎えに?」
「アルちゃん、姿を見せて」
「はいは~い」
「「「「「「「「················え?」」」」」」」」
その場にいる誰でもない声が響く。
同時に、竜一達は背後から1つの気配を感じ取り振り返った。
そこには、白い服を着た男性がいた。
「「「「「「「「「誰っ!?」」」」」」」」」
「やぁ♪僕の名前はアルマ♪君達のご両親の友人だなよ♪」
「「「「「「「「「神様!?」」」」」」」」」
突如現れた男――アルマの発言に驚く竜一達。
それから竜一達9人は、アルマや零司から話を聞き、竜一以外が鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる。
「えーっと、2人の話を要約すると、ここは生と死の狭間と呼ばれる空間で、俺達9人と親父とお袋の2人の死は、俺達の運命が書かれた運命の書とやらを、見習い神様が破き燃やした為に起こった事故のようなこと·········で合ってるか?」
「合ってるけど、君は弟君達と違って驚かないんだね?」
「これでも驚いている。だが、俺が死ぬ前に見たコイツ等の姿と、今の姿が違うのを見ると理解せざるおえない。それにストッパー役が必要だろうしな」
「ストッパー?」
「あぁ。お前達、今頭の中で考えてる事を、口に出して言ってみろ」
『『『今すぐその見習い殴らせろ!!』』』
「揃ってる!?」
「ほらな」
7人の口から出た言葉が揃っていた事に驚くアルマと溜め息を吐く竜一、フッと笑う零司とクスクス笑う和子。
「お前達、今は落ち着け」
「兄さんは何も思わないのかよ!!」
「俺だって同じ考えだ。だが、その件より本題が気になる」
「本題?」
「その見習い神の不手際とはいえ、俺達10人が死んだのは紛れもない事実だ。普通ならあの世にいておかしくない。にも関わらず、俺達はこの生と死の狭間で目覚めた。ほぼ同時にな?」
「っ!?そうか!!普通であれば、先に死んだ筈の竜兄や、竜兄の次に死んだ進兄と新兄が俺達よりも早く目覚めて話を聞いててもおかしくねぇ」
「だが、竜兄さんが目覚めた時には僕達7人も倒れていた。そして全員が目覚め、アルマさんから説明を聞いた」
「場所はあの世じゃなく、狭間での説明。これらを考えると、あの世で説明しないんじゃなくできない········ということか」
「理由はおそらく、何かイレギュラーな事が起きたため」
翔肆郎、五来、七流、政玖の言葉に頷いた竜一はアルマに視線を向ける。
視線を向けられたアルマは、やれやれといった感じに肩をすくめる。
「流石は零司くんの息子さん達だ。その通り、君達をあの世に連れて行かないんじゃない、連れて行けないんだ」
「何故?」
「その·······さっき話に出た見習い神が、君達を転生枠に暴走して勝手に組み込んでしまって」
『『『やっぱ殴ろう!!その駄目神!!』』』
アルマの話を聞き、再び殴ろうと言い出す竜一以外の纏季家兄弟。
溜め息を吐きながら再度止めようとする竜一の前に、和子が出て注意する。
「駄目よ皆?そんな事したら、お母さん怒るわよ?」
『『『···············はい』』』
「素直に聞き入れた!?」
「流石は和子·····だな」
「相変わらず尊敬できるぐらい凄いな、お袋は」
和子の言葉で大人しくなった7人を見て驚くアルマと、どこか誇らしげな零司、苦笑いする竜一であった。
「それでアルマさん?転生する世界も決まってるのか?」
「うん。名探偵コナンっていう推理系の世界だよ」
「名探偵コナン········名前は知ってる。進ノ弐達は?」
竜一の言葉に、進ノ弐達弟組は首を横に振る。
「因みに聞きたいんだが、転生先はそちらで決めるものなのだろうか?」
「ううん。また見習い神が勝手に決めてしまってね?しかも、調査中の世界で転生先の対象外になってた世界なんだ」
「対象外?」
「うん。その世界は別世界の因子も混ざっていたから、まだ転生先にはしてなかったんだ。ましてや、ほぼ戦いとは無縁な世界なのに、戦いの因子が混ざってる世界なんだ」
「やれやれ、困った神だな」
アルマの話を聞き、頭をおさえる竜一。
「そしてここからだけど、君達に転生特典を決めてもらう。正確には、あの世界で使っても問題ない君達に合った転生特典を決めるよ」
「俺達に合った?」
「「「「「「「特典?」」」」」」」
アルマの言葉に対し、竜一達は首を傾げる。
そんな9人をニコニコしながら見たアルマは、その場で指を鳴らす。
すると9人の目の前に、光の玉が現れた。
「コレは?」
「その玉は特典玉。触れた人物に適した特典を与えてくれる。本来この玉、特典を決められない人用に作ったんだけど、今回の世界は調査しきれていない為、どんな特典を持っていけるか分からない。その為、この玉には転生先のデータをインストールしてある。触れればその世界で使用して問題ない特典が付与されるよ」
「了解した」
「あれ?父さんや母さんは?」
零司と和子の前にだけ特典玉がない事に気づく景八。
対して零司と和子は腕を組み、ピースしてみせた。
「私達は既に特典は貰ったから大丈夫よ♪」
「さ、お前達も特典を受け取れ」
「·········分かった。お前達、やるぞ」
「あぁ」
「おう」
「分かった」
「うん」
「了解」
「よし」
「やるか」
「さっさとな」
零司に言われた竜一達は、それぞれの目の前にある特典玉へと目を向け触れる。
するとそれぞれの特典玉が光だし、9人の頭上へ移動して光の粒子となって9人の体へと入っていた。
それを確認したアルマは、目の前にタブレットを出現させ確認する。
「うん。ちゃんと全員に特典が付与されてるね。特典内容を言っていくけど、大丈夫?」
「あぁ」
竜一の返事に続くように、進ノ弐達弟8人が頷く。
「じゃあ竜一君からね。竜一君の特典は仮面ライダーアクセルに関する力と、ガイアメモリを生み出す能力だよ」
「アクセルか·····」
「次は進ノ弐君だね。進ノ弐君の特典は仮面ライダードライブに関する力と、シフトカー等を作る技術力だね」
「ドライブか〜」
「次に新三君。新三君の特典は仮面ライダーガタックに関する力と、変身はできないけど、ザビー・ドレイク・サソード等のゼクターだね」
「ガタックか·····てか、他のゼクターもかよ!?」
「次の翔肆郎君の特典は、仮面ライダーダブルに関する力と、単独用にロストドライバーとガイアメモリを生み出す能力だよ」
「ダブルって·······2人いなきゃ変身できないだろ?てか、単独用って?」
「それは次の五来君の特典に関わるよ。五来君の特典は仮面ライダーダブルに関する力と、単独用にロストドライバーとガイアメモリを生み出す能力だよ」
「成る程。僕と翔肆郎は生前も名コンビと言われていたから、それでかな?単独用にロストドライバーがあるのは助かるね」
「次の陸慎君の特典は、仮面ライダーバースに関する力と、オリジナルを含めたセルメダルとコアメダルメダルを生み出す能力だね」
「ふむ、バースか」
「七流君の特典は、仮面ライダーメテオに関する力と、コズミックスイッチやゾディアーツスイッチ、オリジナルのスイッチを生み出す力だね」
「メテオか······俺向きだな」
「景八君は、仮面ライダータイクーンに関する力と、オリジナルを含めたバックルを生み出す能力だよ」
「タイクーンか〜。好きなライダーの力で良かった」
「最後の政玖君は、仮面ライダーノクスとノクスナイトなね関する力と、オリジナルを含んだカプセムを生み出す能力だね」
「ノクスか。使いこなしてみせる」
「以上が君達の特典だね。何か質問はあるかい?」
アルマの問に対し、竜一達は首を横に振る。
「それじゃあ皆、転生させるよ?」
アルマはそう言うと、再びタブレットを操作し始める。
すると、11人の足下に魔法陣のような物が出現する。
「今から君達11人を転生させる。転生の順番は、君達家族と変わらない」
「了解した」
「さぁ皆、第2の人生の始まりよ!!」
「楽しそうだな、お袋」
「相変わらずだよな?」
「そうだな」
「来世でも頼むぜ、五来?」
「僕こそ頼むよ、翔肆郎?」
「さて、次の人生はどうなるのやら」
「どうなると思う景八?」
「分からないけど、この家族なら大丈夫な気がする。ね?政玖?」
「あぁ」
アルマの話を聞いた11人は、やがて魔法陣から放出された光に包まれ、魔法陣ごとその場から消えた。
こうして11人家族の纏季家は転生した。
この時、兄弟達は思ってもみなかった。
転生した先の世界で、ハチャメチャな人生を送ることを。
という事で、オリ主9人のライダーとコナンのクロス作品になります!
次回は転生してからの纏季家の話になります。
次回も是非読んでください!