格闘家世界チャンピオン、敵なしだったので引退しサバンナに行きジャガーを狩る〜現代ダンジョンが発生したので帰還、美少女になって配信します〜   作:tetois

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第三章 りすたーと
第二六話 カムバックの準備


 

 

 

 俺はあのカイとの戦いの2日後ダンジョンに来ていた。だがスマホはまだあの時のまま。つまり配信はできない状況。

 

 では何故ダンジョンに来たのか。理由は二つ。一つ目は階層を進め、強敵に出会う為。配信ができなくとも先に進めばさらなる強さを持つモンスターと出会える。また配信外な上に他の人もいない。なので、たまには自由に戦いに享受する余暇時間にしてしまおうということだ。

 

 

 

 二つ目はスマホがないブランク期間を補う為にパワーアップして帰ってくるためだ。ブランク期間が存在するとどうしても視聴者の離れは避けられない上に、話題も薄れる。

 

 だが復帰配信で階層を上げて、さらに強い奴と戦うぞ!戦闘も派手にという触れ込みをしたらどうだろうか。デュラハンの時すらまあまあ盛り上がったのだからさらに話題になるとは予測できるとそう考えたわけである。

 

 正直言うとカイの戦闘は割と絵になり、俺も楽しかった分、ルールの縛りで配信が出来ないというのはどうしても惜しいと感じられた。あのような戦闘を配信していたらきっと盛り上がったことだろう。

 

 視聴者の期待に応えるためにもこの空白期間に攻略をする。正直言うとあの事故の影響で復帰配信がどうなるかというのは少し怖くはあるが、もう過去だ。なら前に進む。

 

 というわけで俺は既に前回の配信目標だった七十五階層は既に突破している。現在は九十五階層だ。

 

 八十階層からは今までに見ない面白いモンスターが出現しはじめた。

 

 そのなかでも特に面白いのがボムスライム。固体状と液体状に変化し、それにより相手の身体にとりつき、爆発する特性を持つ。爆発を防ぐ為には同類に当てなければならない。普通のダンジョン攻略者だと魔法を使って爆破耐性などをつけて終わりというザコにしか見えないが俺のやり方だと油断すれば最後身体に多大な損傷を与える強敵に一気に変貌する。ボス部屋以外ではボコボコにする以外のパターンが無い中で非常に大きい存在だった。

 

 ――まあボムスライムを狩り回るが余りこの付近の階層では彼らは出現しなくなったのだが。

 

 自由にやるがあまりに沸かなくなるとは思ってもみなかった。もう少し進めば彼らと再び会う日は来るのだろうか。とにかくスリルがたまらないモンスターなので一向に早く出会いたい。

 

 そんなこんなでダンジョンの階層を歩く。自由に歩いていると色んなことに気がつく。柱の配置されている箇所はパターン化されているだとか、壁や床には赤と黄色を主軸にした独特な模様が現れているだとか。

 別に戦闘や配信で役に立つという訳では無いがこう見るとわりと新しい発見が多い。あのキラーの行いもプラスに考えると色んなことをフリーに楽しめる時間を作ってくれたとでも言えるだろうか。

 

 と考えていると目の前に敵だ。ヘルバウンド。狼型の噛みつきと炎魔法を得意にする敵。

 

 噛みつきを俺の腕にしようとするヘルバウンド。だが俺は逆に腕を差し出す。

 

 "ぐぎゃああああ!!!"

 

 望み通りに事が進んだ事に歓喜したのか咆哮を鳴らし、口を大きく開く。そして噛みついた瞬間。

 

「どりゃあ!」

 

 ――全速力で走り、柱に腕を押し当てた。

 突然動きだした俺の腕にヘルバウンドは反応できぬまま噛み付くが後頭部に衝撃が走る。ヘルバウンドは衝撃に耐えかねて口から涎を多量に垂らし、気絶していた。

 

 俺は配信外というのもあってどの方法だと絵になるかというのを戦闘で実践し、試行していた。ヘルバウンドならば先程の行動以外にも、地面に叩き付ける方法、あるいは口から吐き出される火を突破し、一瞬火まみれになりつつとどめを刺す方法の三つを確立した。他もゴブリンならば逆に得物のこん棒を持って反撃する、グレムリンなら角を折ったり、投げたりするなどがある。

 

 今までは割とその場のパッションと勢い、経験則で行動していたが、いざ見せることを意識して色んな倒し方をやってみると面白い。どうすれば記憶に残るかという所に関わり、モンスターごとにある程度決めておくのも悪くはないと考えた。

 

 ――まあその為には配信前にモンスター情報を把握するために一回リハーサルとして攻略しなければならないという必要があるのだが。

 

 

 だが、モンスターと出会うときの視点としては持っておいたほうが良い。それが配信内で出会った初見の敵であろうが。

 

 ★

 

 俺は百階層のボスへと来ていた。少々見せ場として残すべきか悩んだが、先に進むことを選択した。

 いつも通りの暗く、静寂の世界。まだこれには慣れない。早く遭遇できれば――。

 

 と息衝いていた時についにこのボスにたどり着く。しかし、そのモンスターは俺の期待していた奴だった。

 

 身体の構造が透け、内部に赤い石のようなものがある巨大なスライム。そう。ジャンボボムスライムがそこにはいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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