格闘家世界チャンピオン、敵なしだったので引退しサバンナに行きジャガーを狩る〜現代ダンジョンが発生したので帰還、美少女になって配信します〜   作:tetois

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第四話 あきたんの計画

 

「ただいま〜。疲れた〜」

 

 残暑の夕暮れ時………私は自宅の扉を開け帰宅した。周りにはふかふかベッドに無難な黒色テーブル、ゲーム実況用のパソコンなど馴染み深い物が私を迎えてくれる。

 

 私は東雲亜希。今をときめく21歳の大学3年生。私にはもう一つの顔がある。いんたーねっとでの有名動画投稿者、配信者の顔だ。通称あきたんっていう呼び名で活動し、ゲーム実況やダンジョン配信を始めとしたいろんなジャンルで登録者100万人を最近突破した。自分で言うのも良くないかもしれないけど大物的な感じだ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

「じゃあ今日の実況配信はここまで!皆さよあき〜!」

 

 "さよあき!"

 

 "さよあき!おもろかった"

 

 "次はダンジョン期待してます!"

 

 "次ボスは水属性魔法が適正!"

 

「よっ……と……。あ〜流石に大学終わりの配信は体力にくるものがあるなぁ……。えとコメントを見て反応を……。あっ……ダンジョン……」

 

 最近ずっと忘れられない人物がいる。数日前のダンジョン配信の際にオークから私を助けてくれた人だ。見た目はピンク髪のツインテに特徴的な兎のヘヤピン、胸元に大きなリボンを付け桃色基調の服を着用した………魔法少女みたいな感じ。彼女は助けた後直ぐに私の元を離れていったがあの時の背中の感覚が未だに忘れられない。

 

 後に知ったけどあのオークはエヴォラドオークという本来あの階層では出ないボスだったらしい。それをワンパンで倒すなんて……。その事実も私の心を惹かせる部分だった。

 

「彼女はいいって言ってたけど……私としてはちょっと何も返せていないのはモヤモヤするし……とりあえずアカウント探してみる……?ええと……魔法少女系配信者、ダンジョンで見つかるかな?」

 

 私はサイトの方でたったかたーんキーボード入力をし、彼女のアカウントを探す。この人でもない、あの人でもないとひたすらスクロールし、7分の格闘の末、ついにそれっぽい者を見つけた。

 

「魔法少女系ダンジョン配信者プリンティス?あ!この人!うさぎのヘヤピンも……ある!ちょっとまずは配信を観てみよっと……どんな人だったんだろ?」

 

 そうして私は最新の配信を視聴することにした。日付は私を助けてくれた日だった。

 視聴を続けていると魔物を倒す場面へとなった。そこで私は衝撃を受ける。何しろプロレスを主体にした技で彼女は討伐をしていたから。

 

 

 実は女子大生では珍しいかもしれないが……私はプロレスファンである。部屋に推し選手の大量のアクスタを飾っていたり、ポスターを貼っているくらいには大好きである。だからこそ彼女の討伐方法を見て、一気に心を掴まされた。

 

「よし!いけいけぇ――!バックドロップからのぉ――!グルグルでどーん!」

 

 こんな感じで動画を敵との遭遇シーンに飛ばしては独り言を言いながら時間を忘れて盛り上がっていた。そしてあることに気がつく。

 

「てかちょっと待って……。これってもしかして……このシーンもあのシーンも推しの技!?どこかで見覚えあると思ってたら……」

 

 私は確信した。全てあの人の技であると。そうとなっては御礼とは別に会う必要性も出てきた。早く会って推しについて語りたいという思いが依然増したようにも感じる。

 

「こんなの会うしかないじゃん!よしこうなったら行動あるのみよ!とは言ってもどうやって会うのがいいのかな……。連絡先が無いんだよねこの人」

 

 私が彼女と会う……それにはある難点があった。そうプリンティスは活動者であるにも関わらず個人でやりとりできる連絡先が存在しないのだ。グチッターやアウスタグラムで彼女のアカウントを検索したが、それっぽい物は見つからずダイレクトメッセージを送る事ができない。動画サイトのアカウント概要欄も見たがメールアドレスも書かれていない。

 

「コメントに書いちゃう……?ええと……コメント失礼します……東雲亜希という名前で活動している者です。前回オークから助けていただいた事がどうしても忘れられずこちらに……って!ダメダメ。皆の一目に付くような所に書いたら色々と面倒な事が起きちゃう」

 

 流石にいつどこで会うとかを誰でも見ることができる場に書くのは適切ではない。しかしこれで彼女にアポを取る方法はなくなってしまった。

 

「うーん。こうなったら方法は一つしかないよね……。相手の人怒らないか心配だけど……まあ最新の配信で次どこ行くかとか言ってるから……」

 

 私が考えた苦肉の策。それはアポなしでダンジョン入り口に待ち構えをして突撃するという事だ。少し無理矢理だがこうでもしないと多分一生会えなさそうな気がする。それに私の性分上何も返せないまま終わるのはいやだ。

 

「アポなしで会って……まだ配信してなかったら直接話しに行く!配信してたら……連絡先をなんとか渡してせめて繋がれるようにする!よしこれで行こう!」

 

 私はプリンティスに会う計画を万全に立て、この後就寝した。てか……今日会う為だけに彼女のアカウントをいっぱい調べたり、次の配信場所を言っている事を良いことに勝手に突撃しようとしてるけど……これってストーカーじゃないよね……? ……こんなのでは通報されないか!

 

 

 

 

 

 

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