超かぐや姫! ~ヤチヨの最古の親友~   作:モンブラン田中

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過去編が書きたくなったので。
結構、鬱要素あるかもです。
苦手な方は次の話へ行くべし。


導入 今は昔……。ではなくて?

 ────今は昔、あるところに青髪とオッドアイのそれはそれは大変見目麗しい女の子が産まれました。

 

 

「おぎゃあ、おぎゃあ」

 

「何て美しい子だ」

 

「名前は何にしましょうか」

 

 

 ────名を、

 

 

「そうだな。よし!この子は芹奈(せりな)だ!」

 

 

 ────芹奈となむ言いける。

 

 ────芹奈は、両親からの多大な愛を受けて育つはずでしたが、

 

 

「あの子、目の色がおかしいのよ!大丈夫なの!?」

 

「うーむ。しかし、そのことが村長にバレてしまったらタダではすまない。隠し通すしかない」

 

 

 ────2人はいい噂のない村長から我が子を隠すことに決めました。そのまま数年は隠し通すことができましたが、

 

 

「お前ら!何か隠し事をしているな?」

 

「おい!悪魔だ!こいつら悪魔を飼ってるぞ!」

 

 

 ────少しの油断で、村長にバレてしまいました。しかし、両親はタダで殺させるようなやわな性格はしていません。

 

 

「お前ら!逃げるんじゃない!」

 

「おい!アイツらを捕らえろ!難しかったら殺しても構わない!」

 

 

 ────村長から逃げる選択をしました。しかし、2人は追っ手の攻撃で致命傷を負ってしまいます。

 

 

「殺すなら俺らだけにしてくれ!この子だけは生かしてやってくれ!」

 

「この子は悪魔なんかじゃないわ!現にわたし達は何もされてないもの!」

 

「それは悪魔に取り憑かれたからじゃないのか?」

 

「「違う!!」」

 

 

 ────死ぬ直前までずっと芹奈の命のため抗議を続けました。

 ────命をかけた決死の思いは最後の最後で実を結び、

 

 

「少しでも怪しい行動をしたら、即刻追放だからな!家に連れてってやれ」

 

「わかりました」

 

 

 ────2人の命と引き換えに芹奈は生きる権利を手に入れることができました。

 ────しかし、権利だけでは生きることは難しいです。

 ────協力が必須の時代で迫害されるのは実質死刑宣告と同じだからです。

 ────それでも、親譲りのしぶとさで芹奈は生き残り続けました。どれだけ精神がすり減ろうとしても。

 

 

 * * *

 

 

 物心が着いてから、毎日が命懸けだった。

 

 食べるものの調達方法を見よう見まねで必死に覚え、毎日食料の量を数える日々。

 

 住む場所と服は用意して貰えたが、それ以外は全て自給自足。

 

 助けなんてない。

 友達もいない。

 親もいない。

 

 あるのはこの、忌々しい青髪とオッドアイだけ。

 いじめっ子の言葉から、わたしの髪と目が親を殺したことに気がついた。

 

 その事実は、どんないじめよりも怪我よりも痛くて苦しかった。

 わたしが産まれなければなんて何度思ったことだろう。

 

 親は元々とてもみんなに慕われるすごい人だったようだ。

 今、わたしが生きていけるのもそんな親の優しさが周りのみんなを止めているから。

 

 わたしは親がいなければ生きていけない悪いやつなんだ。

 親のために、生き続けなければいけないんだ。

 

 それでも、自分一人で自給自足をしなければいけないことは変わらない。

 孤独の中、必死に生きることだけを考える。

 

 羨ましがる暇なんて無かった。

 それでも、神様がいるなら、

 

 

「わたしを助けて……」

 

 

 食料調達のために来た浜辺で弱音を吐いた。

 吐いてしまった。

 

 だめだ。

 1回だけでも弱音を吐いたら。

 吐いたら……。

 

 もう、頑張れないよ……。

 

 

 * * *

 

 

 この一瞬を、最高の、パーティーにしよ。

 何十回、何百回とこの歌を繰り返した。

 

 浜辺で動くことの出来ない幽霊のような私にはこれくらいしかやることがない。

 

 でも、今日だけは違った。

 浜辺に人の助けを求める声が響く。

 

 なぜだか、どうしても助けなきゃという思いでいっぱいになる。

 

 顔をあげるとそこには、青髪の少女が泣き崩れていた。

 うわ言のように「助けて」と言いながら。

 

 

 ここに来て初めて会った人が泣いている女の子なのは、約束を守れなかった私への罰なのかな。

 

 そんなことを思いつつ、優しい言葉使いを心がけて、声をかけt。

 かけたかったが、出せないことを思い出した。

 しかし、

 

 このまま放っておくの!?

 そんなの、かぐやには出来ない!

 

 そんな思いが届いたのだろう。

 私の意識がウミウシの犬DOGEに入り込み、言葉が溢れた。

 

 

「大丈夫!?」

 

 

 第一声は切羽詰まったかのような勢いになってしまった。

 間違いを訂正するかのように咳払いを挟んで言い直す。

 

 

「どうしたの?風邪でも引いちゃった?」

 

 

 イメージはヤチヨと彩葉の包み込んでくれるような優しさ。

 

 言葉をかけられた子はゆっくりと視線を(ウミウシ)に向ける。

 すると、

 

 

「あれ!?芹奈!?」

 

 

 見知った顔だった。

 一緒にゲームして、私のために戦ってもくれた、私の友達。

 

 いつもと様子は違うが、特徴的な青髪とオッドアイを見間違えたりはしない。

 

 

『▒▒▒▒▒?』

 

 

 知っている筈なのに、言葉が分からない。

 それに、芹奈は私の事を知らないように感じる。

 服装も原始人みたいなのだし。

 

 勘付いてはいたけれど、もしかしてめっちゃ昔の地球に来ちゃったの!?

 かぐやってばどれだけドジ!?

 

 

 強制送還に怖がっていた時、私に言ってくれた。

 『もしかぐやのことを知らないわたしと出会ったら、わたしのことを助けてあげて。そしたらきっと、かぐやは耐えきることができるから』と。

 あの時はわからなかったけど、今ならわかる。

 きっとこの状況のことを言っていたんだろう。

 

 

 しばらく寄り添っていたら、だんだん推定芹奈は泣き止んだ。

 言語は伝わらないし、原因も分からないからただ待つしか無かった。

 

 彩葉が私を泣き止ませようとした時、こんな思いだったのかなぁ。

 

 そう、しみじみ感じる。

 

 しかし困った。

 どうやってコミュニケーションをとろう。

 

 思念体の月人にとって、現地言語の解析と再現はさして難しいものではない。

 しかし、難しくは無いが、最低でも数日はかかってしまう。

 今すぐ事情を聞きたい私にとっては致命的な欠点だ。

 

 しかし、私にはお得意のボディランゲージがある。

 

 言葉が伝わらなくても動きだけで笑わせてみせる!

 

 そこからは大変だった。

 とにかく、この子は感情表現がない。

 笑う気配なんてこれっぽっちも無かった。

 

 本来の芹奈なら、絶対笑うような場面でもだめ。

 私が困った様子をしていても反応なし。

 

 

 そのまま時間はすぎ、夜になり始めた。

 すると、芹奈ははっとしたような表情をして、駆けて行った。

 

 

「待って!また、明日もまたここに来て!」

 

 

 また話したい。私の話も聞いて欲しい。

 そんな思いで、言葉を発した。

 

 芹奈に反応はない。

 言語が伝わらないから当然っちゃ当然。

 

 でも、

 

 

「寂しい」

 

 

 *

 

 翌日。

 あの様子だと、また会うことはないだろうと思った。

 でも、また今日も来てくれていた。

 

 今日は木の実をすりつぶすなどの作業をしながら。

 

 話を沢山した。

 いっぱい(ウミウシ)を動かした。

 いっぱいいっぱい思いを伝えた。

 

 

 またその翌日。

 今日も来てくれた。

 

 今日は魚の下準備と焚き火で焼く作業をしながら。

 

 この日から、芹奈もだんだん話をしてくれるようになってきた。

 淡々とした言い方だけど、言語習得に必要なので、凄くありがたい。

 あと、心を開いてくれたような気がしてすごい嬉しい。

 

 

 またまた翌日。

 

 今日は木の実を煮たりしながら。

 

 少しずつ言語が分かってきたので、単語だけの会話をした。

 ボディランゲージも頻度が少なくなり、少し寂しくなったので、芹奈の手伝いなんかもしつつ話す。

 

 すると、今日は芹奈がくるみを分けてくれた。

 すごく嬉しくて泣いてしまった。

 それでも、私には食事は必要ないので気持ちだけ頂く。

 

 芹奈は首をかしげていたが、お腹がすいていたのかすぐに食べてしまった。

 

 

 そんな日々が続く。

 言語習得が完了してしっかりとした会話もした。

 一緒に海を泳いで魚取りなんかもした。

 芹奈の愚痴を聞いてあげたりもした。

 

 でも、笑う気配は一切ない。

 どうしたものか。

 

 私の知っている方法は一つを除いて全て試したはず。

 その残り一つも今の時代では無理。

 私が悩んでいると、芹奈が話しかけてくる。

 

 

「今日ね、いいことがあったんだよ。いっぱい木の実が取れたんだ。これで3日間は大丈夫」

 

 

 私がずっと元気に話し続けたおかげか、芹奈は当初とは比べ物にならないほど明るくなった。

 それでも、あと一歩が足りない。

 あと一つのピースが。

 

 

 * * *

 

 

 そんな悩みも今思えば良かったのかもしれない。

 何か、目標があって、そのことにたいして悩んでいたあの時間は、孤独だった時間よりも何倍も何十倍も時間の進みが早かった。

 

 時間の進みが早いということはそれだけ頑張ったということ。

 

 頑張る目標になってくれ、私の約束が果たされるその日まで着いてきてくれる芹奈は結果的に私を救ってくれた。

 どんなエンドにも着いてきてくれる親友はとても心強い。

 

 何度も芹奈に支えてもらったなぁ。

 あの時は私が支える側だったのに。

 

 

「ヤチヨ!今日はいいことがあってね!孫が見舞いに来てくれたんだよ!」

 

「……芹奈は、また死んじゃうの?」

 

「大丈夫だって!また生まれ変わるから!それに、今まで約束破ったことないでしょ?」

 

 

 芹奈は私に合わせるためにループをしている。

 

 死んだら記憶を持ったまま転生。

 そして、私の近くに生まれ変わってまた私に会いに来るというループを。

 

 今の芹奈は84歳。体調は優れず、ベッドで寝たきり。

 そろそろ死んでしまう。

 また生まれ変わってくれるのは嬉しくもあり、悲しくもある。

 でも、そのことを言うと、

 

『約束だからね!私が決めた事だし心配しないで!なんなら私にとっては嬉しい事だから!』

 

 と返されてしまうため、何も言い返せなかった。実際嬉しそうではあるからね。

 

 

「そろそろかも」

 

「……そう」

 

 

 また会えるとしても、別れは悲しい。

 たった数年。されど数年。

 8000年を鑑みればちっぽけな期間。

 それでも、いやなもんは嫌だ。

 

 

「わたしが生まれ変わって、高校生になる頃にはさ。ツクヨミ、できてるかな?」

 

 

 仮想空間『ツクヨミ』。

 私が考案して、芹奈と一緒に設計をした夢の空間。

 みんなが争うことなく好きなものを共有する世界。

 

 昔を思い出すなぁ。

 

 一緒にサイト作ったり、2chをしたり。

 戦争を乗り越えて再開したときなんか号泣しちゃったなぁ。

 

 

「絶対作っとくよ、ツクヨミ」

 

「ふふっ。じゃあ、そしたらわたしライバーになっちゃおうかな〜。昔からやりたかったんだよね〜。それに、現代だと再会は難しそうだし、ライバーになれば簡単に見つけれるでしょ?」

 

「……そうだね。じゃあヤチヨもライバーになるよ。いつか、一緒にコラボしようね」

 

「うん。わかった。約束ね」

 

 

 お嬢様口調に、青髪のオッドアイ。それに猫耳。ライバー名はセレナ。

 

 お互いのなろうとしているライバーの情報を教えあった。

 ツクヨミができたら、この情報を元にお互いを探そうとの事。

 

 その話をした後、芹奈は命を引き取った。

 

 でも、寂しさを感じている暇なんてない。

 芹奈と約束したから。

 ツクヨミを完成させるって。

 

 (ヤチヨ)なら作れるはず。

 そしたら、再会もできる。

 

 ヤチヨなんでしょ、頑張れ。

 そう言い聞かせる。

 

 

 * * *

 

 

 月日は流れ、2026年1月22日。

 ついに私はツクヨミをオープンすることができた。

 そして、オープンと一緒にヤチヨとしてデビュー。

 みんなが知ってる有名なライバーになった。




とりあえず話の流れだけ書きました。
芹奈が笑うようになった理由など詳しいことは過去編でですね。

公式の"超"ヒット御礼PVめっちゃ良くないですか!?
私はいろは連呼がめっちゃ好きです!!

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