超かぐや姫! ~ヤチヨの最古の親友~   作:モンブラン田中

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書き溜めないのよ、遅筆なのよ、こちとら必死に話数稼いでんのよ。
何なのよ、ありがたいじゃないのよ、何なのよあんた。
みんなの評価感想で、身体が喜びで満ちていくじゃないのよ。……神様。

でも、これ以上話のストックはありません。(でも、投稿してんじゃん!)
まじのエリートは毎日投稿も疎かにしないはず、睡眠時間削ってでも書く。

ということで、ここからはクライマックスに向けて、スピーディーな執筆が待っているかも。
誤字脱字を見逃さないでね。


3話 推し活などをして日々を暮らせり

 カフェから帰ったわたしは、食事と家事を速攻で終わらせた。

 今日は待ちに待ったヤチヨミニライブの日!

 

 スマコンを目に装着し、ツクヨミに行く。

 今回は目立ちたくないので、セレナではなくセリナのアバターでエントリーした。

 

 有名人になればなるほど、サブのアバターを持つ人は増える。

 わたしもその一人だ。

 

 普通の女子高生としてのアバターであるセリナ。

 そして、ツクヨミを代表する有名ライバーのセレナ。

 この2つを目的に応じて使い分けている。

 

 セレナは配信用で、お嬢様口調が特徴的。

 青と白を基調とした上品な服装で、猫耳と尻尾を生やしている。

 

 セリナは普段使い用で、彩葉達とゲームするときや目立ちたくないときに使う。

 青い制服スカートに、黒と青のダボッとしたパーカー。

 そして、ホログラムでできたバイザーを両目が隠れるようにかけ、頭の装飾にはヘッドホン。

 バイザーやヘッドホンも相まって、SF感のある格好だ。

 モチーフの動物はセレナ同様、猫。

 

 ツクヨミのキャラクリではオッドアイを作ることができない。

 そのため、バイザーを使ってオッドアイを隠している。

 目の色を一色にしてキャラクリをすれば良いと思うかもしれないが、なぜかわたしの左目の白だけは色が変わらない。

 そのため、しょうがなく目の色を装飾品で隠すようにしている。

 

 

 目を開けると、一番に大きな赤い鳥居が目に入った。

 足元には水平線まで続く浅い湖。

 そして、水面を滑る数多の灯籠。

 空には真っ赤な夕焼けが広がっているが、

 

 

「――太陽が沈んで、夜がやってきます」

 

 

 ヤチヨの言葉に従うように夕焼けが夜空に変わった。

 いつも変わらない幻想的な風景。

 ヤチヨの視線を感じながら、夜空の下を歩いて鳥居をくぐる。

 

 そうすれば、そこはもうツクヨミの世界だ。

 出現場所は街とは少し離れた場所なので、少し歩くことになるが。

 

 

 ヤチヨミニライブまで、しばらく時間がある。

 なので、屋台の並ぶ通りで時間をつぶすことにした。

 

 屋台には、ありきたりな犬や猫といったぬいぐるみから、ヤチヨやセレナなど有名ライバーのグッズまで、さまざまなものが並んでいる。

 こういうところで、自分のグッズが並んでいるところを見ると、嬉しくなるのはわたしだけじゃないはず。

 

 

 そのままいろんなところをぶらぶらしていたら、いつの間にか時間になっていた。

 

 ヤチヨミニライブのチケットを持っているので、会場に入って時間まで待つ。

 すると、

 

 

『キタキタキター!これがないとツクヨミの夜は始まらない!本日もヤチヨミニライブの開演だあああっっ!』

 

 

 ヤチヨの大ファンである忠犬オタ公の一言が火種となり、会場に歓声と拍手が次々と広がっていく。

 気づけばその場の空気はすっかり熱を帯び、誰もがその盛り上がりの渦の中にいた。

 そして、会場が沸き上がる中、会場の巨大モニターにカウントダウンが表示される。

 

 

『10……9……8……7……』

 

 

 カウントダウンといっしょに、青い流星が一箇所に集まり始めた。

 

 やっとくる!

 ヤチヨとは親友だけど、大ファンでもあるのだ。

 このヤチヨミニライブも久しぶりの当選。

 嬉しくないはずがないのだ。

 

 

『「4……3……2……」』

 

 

 モニターのカウントダウンが、会場の声が、生中継を見守る声が、ヤチヨの登場を待望する。

 数字が減るごとに声は大きくなり、

 

 

『「0!!」』

 

 

 みんなが『0』と叫ぶと、突然現れた巨大鳥居の上に期待の人物が現れた。

 その人物は軽く笑ってみせ、端麗な顔立ちを見せつける。

 遠くにいるため、しっかりと見ることはできないはずだが、その美しさだけはどれだけ離れていても薄れることはない。

 

 

「ヤオヨロー!神々のみんな~、今日も最高だったー?」

 

 

 ヤチヨのその一言が、会場を爆発させた。

 会場は更に3段階ほど熱気を帯び、声の大きさも増す。

 ヤチヨに答えるように歓声を上げる人もいる。

 

 

「うんうん。よーし、今宵も皆をいざなっちゃうよ☆Let's go on a trip!」

 

 

 そして、ヤチヨミニライブが始まった。

 

 

 * * *

 

 

 はぁ~~~~っ!

 さいっこう!

 

 改めて、ヤチヨのことが好きなんだなと感じることのできたライブだった。

 ヤチヨの顔も姿も歌も全部が美しい。

 はぁぁああ。今死んでも悔いはないかも。

 

 いや、ヤチヨとの約束があるから死んでも死ねないか。

 

 

「イェーイ、感謝感激雨アラモード!ヤチヨは果報者なのです。あ、ここでお知らせ!」

 

 

 推しの言葉に合わせて空間に映像が投影される。

 映像には大きく『YachiyoCUP!!』の文字。

 

 

「イベントを開催しま~~す☆その名も『ヤチヨカップ』!FUSHI、詳細よろしくぅ」

 

「参加資格があるのはツクヨミの全ライバー!1ヶ月の期間の中だけで最も多く新規ファンを獲得した人が優勝だよ。優勝者にはなんと、ヤチヨとのコラボライブの権利を進呈!世界一盛り上がるコラボライブステージを一緒に作れるよ!」

 

 

 お、これがヤチヨの言ってたイベントってやつか。

 

 なんで知ってるのって?

 親友の特権さ!

 

 ちなみにわたしはこのイベントには参加しないつもりだ。

 いつもコラボやってるからね。

 

 普段からやっているわたしじゃなくて新しい人とコラボしたほうがいい。

 でもそうすると、ヤチヨが大好きな彩葉にとって阿鼻叫喚だろうが。

 

 まあ、おそらくあのグループが優勝するし、心の準備はできるかな?

 

 

 後ろからド派手な爆発音が轟いた。

 気になって後ろを振り向く。

 するといつの間にか運ばれてきた屋形が割れ、その中からよく知る人物が現れた。

 

 

「よう、子ウサギども。お前らの帝様が来たぜ」

 

 

 ブラックオニキス。

 わたしとよくゲーム対決をしている三人組のプロゲーマーユニット。

 通称黒鬼。全員が鬼のような見た目で、実力も高い。

 ゲーマーとしても、アイドルとしても人気で話題の人たちだ。

 

 右から地雷系少女の男の娘、乃衣。

 赤鬼みたいなセクシー男、帝。

 ローブを着た寡黙な男、雷。

 

 豪雨のごとく降り注ぐ歓声の中、虎車の上で帝アキラは指をぱちんと鳴らす。

 すると、会場のモニターがジャックされたかのように映像が流れる。

 

 ヤチヨ情報だと、しっかり許可をとって流してもらっているらしい。

 見た目と言動からは想像できないくらいしっかりとしている集団だ。

 

 流れる映像ではブラックオニキスの経歴がまとめられていた。

 

 

『onyX CUP』優勝。

『MAD RABBITS CUP』優勝。※宵月セレナ同率。

『crazy MOON CUP』優勝。※月見ヤチヨ同率。

『Twin Moon CUP』優勝。※宵月セレナ同率。

 *

 *

 *

 

 

 数々のeスポーツ大会の優勝記録やライブ映像が流れ、その間に三人はファンサをする。

 ファンサをするたびに歓声が爆発しているようだ。

 そして最後に、

 

 

「俺たちに優勝してほしいよな?底なしの夢を見せてやるぜ!」

 

 

 帝の決めポーズと、それに合わせて炸裂音と共に舞う紙吹雪でしめられた。

 

 

「というわけで、俺たち優勝するから。ヤチヨちゃんコラボよろしくね」

 

「そういう運命なら、もちろんヤチヨは従うよー」

 

 

 この時点で、たくさんの人の心を撃ち抜いたブラックオニキス。

 おそらく、彼らが優勝するだろう。誰もがそう思った。

 が、

 

 

「ヤぁぁぁぁあああーー!!チぃぃぃぃいいいーー!!ヨぉぉぉぉおおおーー!!」

 

 

 会場中に一人の少女の声が轟いた。

 自信のある元気な声。

 

 これは大物になる予感!

 

 わたしの勘が断言した。

 何十回も……いや、もっとかもしれない。そういう経験のせいか、わたしの勘はよく当たる。

 これはもしかするともしかするかもな。

 

 コラボライブの結果、わからなくなってきた。

 

 

「ヤチヨカップ優勝するのはかぐやだから!!そんで絶対コラボライブする!いろh……むぐっ」

 

 

 声の発生源を見つける。

 そこには、知っているアバターがいた。

 

 あれ、彩葉!?

 てことは、あの子はあのカフェにいたパンケーキの子!?

 

 こんな偶然あるんだなぁ。

 

 

「……いとかわゆし」

 

 

 ヤチヨからも認知されてる。

 ブラックオニキスの登場すらも踏み台にして、会場全員にすごい子がいると思わせたかぐや。

 もしかして、あのかぐやがヤチヨの言っていたかぐやなのか?

 

 そう考えていると、

 

 

「ほいでわ、ライブはいったんおしまい♪みんなとちょこっとお話させてね。さらば~い」

 

 

 とヤチヨが言って、ライブ後の雑談タイムに移った。

 一人ひとりがヤチヨと対面でお話できる夢の時間。

 チケットをゲットした豪運な人だけができる至福のひととき。

 

 まあ、わたしはいつでも対面で喋ることができるんだけどね。

 だから、ここで話したいこととかは特にない。

 

 

 なので、かぐやを見ることにした。

 が、ヤチヨが来て少し会話をしたらすぐにログアウトしてしまった。

 その後、握手をしてから彩葉もログアウト。

 

 

「いつも来てくれてありがとね。彩葉っ♪」

 

 

 彩葉がいなくなったため、わたしはヤチヨに近づいて気になっていたことを聞く。

 

 

「ヤチヨって彩葉のこと知ってたの?」

 

 

 彩葉のアカウント名は『iro』。

 なので、管理者であるヤチヨでも知ることはできないはずだ。

 

 

「うん。ヤチヨの大切な人。というかセリナも来てくれてたんだね」

 

 

 ヤチヨの言ってた大切な人って、彩葉のことだったの!?!?

 

 昔からずっと話にでてた大切な人がわたしの近くにいたなんて!

 ぜんぜん気付かなかった。

 

 

 もちろんですとも!ヤチヨの大ファンですからっ!

 そう言って、驚きを隠す。

 なんか小っ恥ずかしい気がしたから。

 

 

「というか、さっきの大声の子がかぐやなの!?」

 

「あはは、そうだね」

 

 照れ隠しの笑い。

 ヤチヨにとってかぐやは理想の自分。

 

 そしてヤチヨは、約束を守れなかったダメな自分、とでも思っているだろう。

 でも、

 

 

「ヤチヨはヤチヨの良さがあるよ。だいじょうぶ!」

 

 

 嘘じゃない。

 本当に思っていること。

 

 ヤチヨはすごい。いままで頑張り続けてきたし。

 

 

「そういうのはいいから、というかこの後配信あるんでしょ?」

 

 

 少し明るくなった顔で教えてくれる。

 ヤチヨの気が少し楽になったなら良かった。

 

 ヤチヨとの約束、いつまでもヤチヨといっしょに歩いていくからね。

 

 

「ああっ!そうだった!じゃあね!」

 

 

 ヤチヨを元気にするために、少し大きめな声で元気に返事をした。

 そして、ログアウトをする。

 

 

「……芹奈も昔からヤチヨのためにありがとね」

 

 

 桜のエフェクトになる前。

 後ろからヤチヨの声が聞こえた気がした。




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