超かぐや姫! ~ヤチヨの最古の親友~   作:モンブラン田中

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へへへ……三連休がついにやってまいりやした。超久しぶりに一日六時間は寝れる。

お気に入り100件、評価10人ありがとうございます!
お陰様で、頑張っていけます!

1~3話にまえがきとあとがき追加したので良ければ読んでみてください。


4話 ゲームしている普通の女子高生ありけり

『帝 さんからのメッセージ

 

 セリナちゃんって今日のライブにいた?

 すっげー子がいたんだけど。

 

 居たんだとしたら、セリナちゃんはあの子と俺ら、どっちが優勝すると思う?』

 

 

 ライブの余韻に浸っていたわたしに帝からメッセージが届いた。

 ブラックオニキスのみんなとは一緒に対戦してから、定期的にメッセージを送ったり、プライベートでゲームをしたりする仲である。

 

 とりあえず、メッセージには、

 

 

『いたいた!

 あの子ってあの大声の子?

 それならあの子がヤチヨカップ優勝すると思うなー』

 

 

 と返信する。

 

 

 すると今度は電話がかかってきた。

 帝かと思ったけど、スマホの画面には彩葉の文字。

 

 なんか助けてほしいことでもあるのか?

 ツクヨミでは忙しそうにログアウトしていたし、大丈夫かな?

 

 すこし心配しながら、耳に当てる。

 電話が始まって十秒ほどが経ってから、彩葉の声が流れ始めた。

 

 

『……あ、あのさ。芹奈って今夜用事とかあるっけ?』

 

 

 少したどたどしい言い方。

 これはなにか頼みたいことがあるな。

 

 そう確信して彩葉に返す言葉を考える。

 

 

 今夜用事が無いと言ったら嘘になる。

 なぜなら、配信をする予定があったのだ。

 

 SNSでも配信の告知をしちゃったし、枠も立ててある。

 しかも、よりにもよって歌配信の予定だった。

 

 頑張って準備をして、みんなも楽しみにしている歌配信と彩葉のお願い。

 2つを天秤にかけたが、

 

 

「ないよー!」

 

 

 そんなの少しの迷いもなく選択できる。

 

 わたしにとって、配信よりも彩葉の方が大事だ。

 ヤチヨの大切な人でもあるし、わたしの大切な友人でもある。

 

 

『え、っと、私のイトコがさ、KASSENっていうゲームやりたいって言ってて、……一緒にゲームやってくれないかなって』

 

「カフェで会ったかぐやって子だよね。それくらい朝飯前!何ならわたしの方から一緒にやりたいくらいだよ!」

 

  

 ほっ。怪我とか詐欺とかじゃなくて良かった。

 

 彩葉が罪悪感を抱かないように、元気な声で答えた。

 あとは、かぐやと関わることができるのが嬉しいというのもある。

 

 

『それなら良かった。じゃあ、かぐやのフレンドコード送っとくね。私はできないけど、2人で仲良くやってて』

 

 

 LINEに数字が送られてきた。

 これが、かぐやのフレンドコードなのだろう。

 

 ゲームをガチる時は、セレナの戦闘用衣装。

 だけど今回は、楽しむ目的なのでセリナのアバターで行く。

 

 ツクヨミに入り、その中でLINEを起動。

 コードをコピーして、フレンド追加の打ち込む欄にペースト。

 そして追加。

 

 その後、十秒も経たないうちに申請が承認された。

 

 はやっ!

 

 承認されるとほぼ同時に、青い円が空中に出現。

 そして、あの時見たかぐやが足から頭に向かって、表示されていく。

 そして、

 

 

「かぐやっほー!月からやって来た、かぐやだよー」

 

 

 と、決め台詞を言い、完全顕現した。

 あのヤチヨミニライブで感じたオーラを感じる。

 

 

「ははは!なになに?配信者にでもなるの?」

 

「そうだよ!かぐやライバーになるんだ、今のは挨拶の練習!」

 

 自信のある言い方。

 

「おおっ!もしや、ヤチヨカップのため?応援してるよ!」

 

「ありがとー、かぐや頑張るから!」

 

 

 ほぼ初対面だったけれど、不思議とぎこちなさはなかった。

 言葉に詰まることもなく、会話は自然と弾む。

 

 カフェで築いたパンケーキの絆のおかげだろう。

 

 あのふわふわの円盤には、どう考えてもただの小麦粉以上の何かが詰まっている。

 時間も空気も、ついでに人の心の壁すらも、あっさり溶かしてしまうらしい。

 

 ぎこちなさ? なにそれ美味しいの、と言わんばかりの勢いで、会話はするすると続いていく。

 

 恐るべし、パンケーキ。

 

 ――やはり、パンケーキは時空を超える。

 

 

 そんなこんなで、わたしとかぐやはテレポート用の鳥居を潜り、KASSENのロビーにたどり着いた。

 

『KASSEN』。

 

 ツクヨミ内で遊べる戦国時代の合戦をモデルにしたフルダイブ型アクションゲーム。

 まるで本当の戦にいるような360度の視点と音声による没入感、高度な操作性・戦略性を併せ持つ、文句無しの神ゲーだ。

 ここ数年のゲーム業界を席巻しており、プレイヤー数は国内外合わせてぶっちぎりのナンバーワン。

 『KASSEN』専門のプロゲーマーも数多く存在し、しのぎを削っている。

 

 1v1の対戦格闘モード『SETSUNA』、3v3の陣取り合戦『SENGOKU』、7v7のバトルロイヤル『KASSEN』の3つのモードがあり、今回プレイするのはSENGOKU。

 このモードはKASSENで一番人気であり、ゲーム大会でもよく使われるモードだ。

 

 わたしとしては、戦略というところに苦手意識があるため、あまりやりたくはない。

 他にも、野良の人に迷惑かけてしまうかもという考えが浮かんでしまうからでもある。

 なので、フルパならまだ大丈夫ではあるため、彩葉たちとはよくこのモードで遊んでいた。

 

 

「おおー!ここがKASSEN!」

 

「そうそう。ここからモードを選んで対戦、という流れだね」

 

「じゃあ、さっそくやろっ!」

 

「ちょっと待って、あと一人誘うから」

 

 

 もう一人にメッセージを送る。

 すると、すぐに返信が来た。

 5分だけ待ってとのこと。

 

 空き時間ができたため、かぐやで時間を潰すことにした。

 

 

「ライバーにはいつなる予定なの?」

 

「わかんないけどー、できれば明日やる予定!」

 

 

 早いな。準備時間とかあるのか?

 おそらくこの感じだと、準備途中で配信する予定だろうな。

 

 

「明日って、準備とかはできてるの?」

 

 なので聞いてみた。すると、

 

「ぜんぜん!でも、やる!」

 

 と返ってきた。

 失敗を恐れない、周りを巻き込んで笑顔にする。

 少しの会話と今までの経験からかぐやの人物像が少しわかってきた。

 

 

「それならさ、わたしが手伝ってあげようか?」

 

「ほんとう!?」

 

 

 自分の配信もバイトもある。本当なら干渉などするつもりはなかったけど、

 かぐやと会話をしていると、なんだか無性に助けたくなる。

 

 セレナの知名度を使って、少しだけお手伝いをしてあげよう。

 そう心に決めた。

 

 

 5分が経ち、パーティにもう一人が入ってきた。

 

 

「今日は誘ってくれてありがと」

 

「こちらこそ!きてくれてありがとアサヒ!」

 

 

 今回誘った相手は帝アキラ。

 わたしと同じでサブアバターでの参戦だ。

 

 ライブのあの子——かぐやと一緒にやることを伝えたら喜んで来てくれた。

 

 ヤチヨに頼もうかとも思ったけど、自己嫌悪させてしまうかもしれないからやめた。

 やるとしたら、彩葉もいっしょにいる時、かな?

 

 ヤチヨはもっと自信を持ったほうがいいと思う。

 わたしはヤチヨに救われたし、きっと彩葉もそうだ。

 

 そんなことを考えていると、対戦相手が見つかった。

 桃隕石として、戦場にエントリー。

 かぐやと私でトップレーン、アサヒは一人でボトムレーンに行った。

 

 

「まずは、牛鬼を倒すとこから!」

 

 わたしとかぐやのコーチングをしながらのプレイが始まる。

 

 *

 

 合計で2時間ほどゲームをやった。

 かぐやは、言動からは想像できないが、スジが良くどんどん上手くなり、最初とは見違えるほどの実力に。

 プロが2人いるから当然っちゃ当然だけど、勝率は100%。

 いらいらすることもなく、すっきりした気持ちで終えることができた。

 

 かぐやともたくさん話して仲良くなれたし。

 良い2時間だった。

 歌配信はまた今度やることにしよう。

 

 かぐやとはまた今度ゲームをしようと約束して、落ちることに。

 

 

 * * *

 

 

 『かぐやっほー!月からやって来た、かぐやだよー──』

 

 終業式がおわり、エゴサしようとしたらかぐやチャンネルというのを見つけた。

 手書きのカクカクアバター、元気でかわいい無邪気な声、不協和音のジングル、そして放送事故の顔バレ。

 

 準備してないって言ってたけど、ここまでとは。

 

 でも、これでこそかぐやって感じだし、伝説の始まりって感じがする。

 

 

 さて、今日は昨日休んじゃった分の配信をしなきゃ。

 歌配信の枠を立て直し、SNSで告知。

 すると、心配のコメントがたくさんついた。

 

 

『今まで休んだことなかったけど、大丈夫だった!?』

『たくさん休んで』

『生きてる?』

『大好きな歌配信を休むってどんだけ?たくさん休んでくれ!』

 

 

 みんなの優しさが罪悪感をかきたてる。

 そんな心配することないのに。

 

 

 配信開始寸前。

 ボタンを押して、オープニングの映像を切り、アバターを表示させる。

 

 

「おはセレナ~☆」

 

『おはセレナ~』

『おはセレナ』

『セレナ様~!!』

 

 心配や困惑の雰囲気は消え、いつも通りの配信が始まった。

 

 *

 

「みなさんかぐやチャンネルというのをご存知で?」

 

 

 歌の合間の休憩時間。

 そこで、わたしはかぐやのことを話題に上げる。

 

 

『なにそれ』

『だれ?』

『知ってる!ヤチヨミニライブに居た子でしょ?』

『チャンネルあったんだ』

 

 

 反応はまちまち。

 でも登録者8人にしては、良い方なのではなかろうか。

 やはり、ヤチヨミニライブがいいように働いている。

 

 

「そうですわね!あのヤチヨミニライブで目立ってた子ですわ!」

 

 

『当たり前のようにヤチヨミニライブ行ってて草』

『やはりセレナ様は行っていたか』

『あの子がどうしたの?』

『当選できなくてもお金で解決してそうw』

 

 

「わたくしの勘があの子は大物になると言ってましてよ!」

 

 

『勘がよく当たると話題のセレナ様が!?』

『よく当たる(約9割)』

『まじか!』

 

 

 わたしの勘がよく当たるというのをよく知る視聴者たちが騒ぎ始める。

 

 今までの配信でわたしは勘が……、という話をよくしてきた。

 そして、そのほとんどを的中させ、神聖視する視聴者を増やしてきた。

 

 そんなわたしの勘でかぐやが大物になる予想をしたのだ。

 そんなことをすれば、すぐに話題になる。

 

 

「いつか一緒にコラボでゲーム配信してみたいですわね!」

 

 

『トレンド入りしてて草』

『こりゃたまげたな』

『セレナとゲームコラボって結構上手くないと無理くね』

『見てみたい!』

 

 ちょっとした雑談は雪崩のようにどんどんと大きくなった。

 チャンネル登録者数もどんどんと増え、1000人を突破。

 

 だんだん焦りが顔を見せてくる。

 

 

「そろそろ休憩終わりますわ!じゃあ、次の曲はヤチヨの──」

 

 

 少しわたしの知名度を舐めていたかもしれない。

 

 少しの気まずさを感じながらも、話を切り替えるために休憩を終える。

 

 その後も何曲か歌ったが、あまり上手くは歌えなかった。




ランキングに乗りたい?
いやいや、たくさんの人にお気に入り登録してもらって、悩んでたらぜいたくってもんよ。
押忍っ!お陰様で、頑張っていけます!

ところで、今からライバー活動の話を書いていくんですけど、ダイジェスト多めで早く進めるのか、しっかり書いていくのか、どっちが良いですか?


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