ガルデモの『Morning Dreamer』という曲を聴いてみて、ふと浮かんだ思い付きを文章にしてみました。

わかりやすい概要


日向君はおっぱい魔神。

以上

実際に曲を聴きながら読んでいただければ、案外楽しんでもらえるかも



1 / 1
GIG 意味 小規模なライブ。主にロックミュージシャンなどが使う

布団マン 布団に食べられると、なる



Track1 Morning Dreamer

 

耳元で目覚まし時計がけたたましく鳴っている。

 

「うーん、あと5分……」

 

 

「おい、いつまで寝てるつもりなんだよ」

 

ん? 誰だろ

 

 

「ユイ、起きろ」

 

身体を揺さぶられる

 

 

誰だろう?

薄目を開けて確認してみる。

 

 

見慣れた顔の

 

 

 

「何だひなっち先輩か、もうちょい眠らせて下さいよぅ」

 

 

布団に潜り込む

 

 

「おいおい、今日は新曲の練習するんじゃなかったのかよ」

 

 

あ、そうだった

 

 

「でも昨日はGIG(ライブ)でめっちゃ大変だったんですよ〜」

 

「知ってるよ、一番前で見てたんだから」

 

……むう

 

「ひなっち先輩はほっといて岩沢さん達と飲みにも行ったんですからね」

 

 

「お前らまだ未成年だろうが」

 

「もちろんジュースですけど!」

 

シャキーンとポーズを取る

 

 

「ったく、いいから起きろ」

 

 

布団を剥がされかける

 

 

「ぎゃー、暴力反対っ! 安眠妨害はんたーい! 毎日真面目に生きてるユイにゃんから安らぎを奪わないで下さいっ!」

 

「誰が真面目だって?」

 

 

「それはもちろんこのあたしめ……いだだだだ、ギブギブ!」

 

 

いつものように関節技を掛けられた。バンバンと布団を叩いてギブアップの意思を示す。

 

 

「新曲を俺に一番早く聴かせてくれるんだろ?」

 

 

「まあ、そうですけど……あ、あと5分寝たらちゃんと起きますから。そしたら先輩に、新曲ばっちり披露しちゃいますよ!」

 

 

「…………」

 

 

「も、もちろん弾き語りで! あ、ひなっち先輩ハモりはお願いしますねっ!」

 

 

先輩が頭をかく

 

「あのなあ、俺がそんなの出来ると思ってんのかよ」

 

 

「ユイにゃんが手取り足取り優しく教えてあげますから、音楽初心者のひなっち先輩でも、なんの心配もないですよ」

 

 

 

何でかよく分からないけど、先輩の顔が赤くなった

 

 

「じゃ、じゃあ教えてもらお……」

 

 

「あ、すいません先輩っ、そういえば1弦切れてました。買ってきてもらえますか」

 

 

 

「そんなこったろうと思ったよ! 畜生!」

 

先輩がアパートの扉を開け、走り去っていった

 

 

先輩はあたしの行きつけの店を知ってるから、まあ大丈夫だろう。

 

帰ってくるまで、もう少し寝よう。

 

 

「くぅくぅ」

 

 

〜〜

 

 

「…い」

 

「…ユイ」

 

 

また誰かがあたしを呼んでいる。

 

 

「起きろユイ!」

 

 

 

「むにゃあ、あと5分」

 

 

「朝っぱらから人をパシりに使いやがって、な・に・があと5分だ。俺が起こしにきてから、もう30分は過ぎてんぞ」

 

 

ゼーハー荒い息をした先輩が文句を言う

 

「いやー、あたしもそろそろ起きなきゃなあ、とは思ってるんですけど」

 

「布団から出られないんですよぅ! はっ! さてはこのお布団は呪いのアイテムなのでは?」

 

眠りの呪いも重ねて掛かってます、と口にしたら先輩の額に青筋が浮かび、

 

 

「呪いが掛かってんのは、てめぇの脳みそだ! 死んでも治らねえ、馬鹿って呪いがなっ!」

 

 

再び関節技を掛けられた、解せぬ。

 

 

 

 

「うう、悪魔じゃ、悪魔がおる。エクソシストの皆様、ここに大悪魔ひなっち先輩がおりますよ〜」

 

 

ぐったりしながらも、ひなっち先輩をジトッと睨むが

 

 

「というか、悪魔ルックはお前の専売特許だろ」

 

 

先輩には全然こたえてないみたいだった。

 

 

 

 

「そういやこの前のレコード屋への売り込みはどうだったんだ?」

 

 

少し落ち着いた先輩がそう尋ねてきた。

 

 

……あたしがつくった曲

 

 

「それが全然駄目で、『くだらない』って鼻で笑われちゃいました」

 

 

酷くないですか? と笑ってみせる。

 

 

「……何だよそれ。ふざけんなよ」

 

先輩は壁を殴ろうとして、ここがあたしのアパートだということを思い出したのか、当たる寸前で止めた。

 

「お前は毎日、あんなに頑張ってたじゃねぇか」

 

 

日向先輩は歯を食いしばり、拳を強く握り締める。

 

 

「いくらなんでもあんまりだ、畜生っ!」

 

 

その姿が何故かすごく嬉しかった。あたしの為に怒ってくれる、そんな人が居てくれるって……いいなぁ

 

 

「断固抗議するぞ、音無やゆり、TKと松下五段も呼ぶか」

 

 

そんな事しなくてもいいよ

 

 

「…日向先輩、どうもありがとう。今回はあたしの実力が足りなかっただけだから」

 

 

「たとえそうだったとしても、その対応はあんまりだって……おい、泣くなよユイ、泣くなって」

 

 

違うよ日向先輩、あたしは悲しいから泣いてるんじゃない、嬉しいから泣いてるんだよ。

 

 

結局、あたしが泣き止むまで、日向先輩はずっとあたしを抱き締め、頭を撫でてくれていた。

 

〜〜

 

 

「よーし、美少女ユイにゃんふっかーつ!」

 

 

「こらこら、本当の美少女は自分で美少女なんて言わない」

 

 

先輩があきれたように笑う。

 

 

「だから…俺が代わりに言ってやんよ」

 

「あーあー、マイクテス、マイクテス、ゴホンっ、美少女ユイにゃんふっかーつ!」

 

 

その全く似ていない声真似のせいで、布団の中でしばらく笑い転げてしまった。

 

 

そんなあたしを見て満足げにしている先輩を見たら、いたずら心が湧き上がってきた。

 

 

「ひなっち先輩、ひなっち先輩ちょっとこっち来て下さい」

 

 

疑問符が浮かんでいる先輩を敷き布団に座らせ、目をつぶってもらう。

 

 

その先輩に後ろから布団ごと抱き付く。勢いが強かったから、そのまま横倒しになった。

 

 

「ひなっち先輩もこれで布団マンの仲間入りですね」

 

 

「…………」

 

 

先輩が何も言わないので、少しはドキドキしましたか? と尋ねてみる。

 

「お前……相変わらず胸無いな」

 

返ってきたのはそんな言葉だった、もちろん関節技を掛ける。

 

「これから大きくなるんじゃ〜! このおっぱい魔神がぁ〜!」

 

 

「いでででで、止めろユイ、止めろって」

 

 

 

〜〜

 

 

「ったく、お前ときたら油断も隙もあったもんじゃねぇな」

 

 

「はいはいっ、ひなっち先輩、いい加減そろそろ起きますよ〜」

 

 

「お前、俺が寝てたみたいな言い方するなよ」

 

 

 

「あ、先輩お湯沸かして、眠気覚ましにコーヒー飲むから。あと戸棚にクッキーがあるから、それも取って」

 

 

 

「全く、人使いの荒い。何でこんなやつ好きになっちまったんだか」

 

 

ブツブツ言いながらも、素直にお湯を沸かしにいってくれる先輩。

 

 

 

 

大変だったり、努力しても認められなかったり、毎日色々なことがあるけど、

 

 

「おーい、ユイ、ひょっとしてクッキーってのはこれの事か?」

 

 

あたしは今、とっても幸せです。

 

 

おしまい

 





音無「真っ先に俺の名前を挙げるなんて……やっぱりお前、コレなのか?」

そのうち直すかもしれない点


・布団マン以降のくだりは手直しの余地あり。

・つまりアホですね


・はっちゃけ過ぎでは?


ガルデモの曲は大体好きなのですが、『Morning Dreamer』という曲は個人的に結構好きな曲です。

ABもリトバスも両方好きです。話もですが、特にキャラクターが魅力的で。金髪の子とか金髪の子とか、黒髪の子とか、フィッシュ斎藤とか某(21)の人とか



~ここから裏設定~

実は、この日向君は若干ヤンデレ気味だったりします。飲み会の会場にもこっそり忍び込んで、ユイに悪い虫がつかないようにボディガード(自称)していました。

あと、ユイのアパートの合い鍵を勝手につくっちゃったり……

ユイ、彼は一途に尽くす男なんだよ、根は悪いやつじゃないから、許してやって


あ、目覚まし時計ががが……


はいはい、そろそろ起きますよ

それではまたどこかでお会いできる日を願って


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。