時空のおっさん(概念)になったので色々する   作:Revak

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全十話といったな。あれは嘘だ。
この話で終わります。


第9話

 

透は里を見て回る。

適当に屋台で焼き串買ったり公園を見て回ったり。

ただ、言っては何だが古いだけの街に過ぎなかった。魔法を使ったアトラクション施設なんてものはない。

魔ぁそんなのを作る者好き魔法使いがまずいないので仕方のないことだが。

 

しょうがないので昼になって透は転移し里を出て行った。

 

 

里から外れたある山の奥にこの幻獣園を守る幻界結界の要に神社に転移した。

作りはよくある神社そのものだ。だが神を祭っている訳ではない。

 

神社前には女が居た。

 

黒髪黒目の女だ。改造した巫女服を着ている。

 

「あら、素敵なお賽銭箱はそこよ」

「悪いが神に賽銭をくれる気分じゃないのでね」

「この神社は神を祭ってないから大丈夫よ」

「それは神社としていいのか?」

「いいのよ、別に」

 

まぁそれならば、と透は財布を取り出し五円だけ入れておいた。

 

「それで、貴女何者?ただの人間じゃないわよね」

「私は新しく賢人となった四賢人……今は五賢人の一人だ」

「四賢人?どっかで聞いたわね……」

 

なんだっけ、と巫女は頭をひねった。

 

「まぁそれはいいとして、一つ聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

透は気になっていたことを問いかけた。

 

「何?お賽銭くれたから少しは答えてあげるわよ」

「この幻獣園の居心地はどうだ?」

 

その問いかけに巫女はきょとんとした顔をした。

少し経った後、笑顔でこう答えた。

 

「そうね、悪くはないわ」

「……そうか」

 

突如異空間が開く。

星空輝く異空間だ。そこから女が出てきた。

紫色の腰まで届く長髪に金色の瞳。非常に美しい容姿。

ナイトキャップを被ったさまは少し幼く見える。

この幻獣園の管理者、神代美月だ。

 

「遅れて申し訳割りません、板倉様」

「いや、私も色々見て回りたかったからな、こちらこそすまない」

「謝る必要はありません。それで、どうでした?」

「ああ、いいところだよ、ここは」

「ありがとうございます。それで、歓迎の宴を開こうかと思うのですが……」

「ああ、いらんいらん。私はそういった騒がしいのは苦手なんだ」

 

身内でわいわいやる分には兎も角殆ど知らん人の宴会など御免被ると仮面の下で渋い顔をした。

 

「ああ、そうだ。この結界……幻界結界だが、少しほころびがある。直しておこうか?」

「な、直せるのですか?」

 

初代の巫女が張った幻界結界は既に経年劣化を起こしていた。

それで外から何も知らぬ者がたまに入ってきたりするなどの異常が起こっていたが、それを直せるものは今の幻獣園の中にはいなかった。せいぜいが劣化を遅らせる程度の物である。

 

「ああ、ほほいのほいっと」

 

透は手を軽く振るう事で結界を直した。

結界と深くつながっている巫女と神代はそれを感知した。完璧に……いやそれ以上に直っている。

 

「これであと千年は何もしなくとも持つだろ」

「あ、ありがとうございます」

 

神代は深く頭を下げた。

 

「それじゃあ私はこれで。顔合わせも済ませたからな。じゃあな」

 

そうして透は転移した。

 

 

 

 

 

 

二十年後。透は月にいた。

居る理由は単純で月とか行ってみたいと思ったからである。

月に居ても魔法で肉体を維持しているので死ぬことはない。

 

「うーん……」

 

透は己の魔法を拡張した。

 

感知するは様々な世界。

未来、過去、並行世界。まるで違う世界。

 

自分なら出来る、と思い透は剣と魔法の世界に転移した。

 

「おぉ……」

 

空の上から異世界を見る。

異世界に来ても透は魔法能力は変わらない。元の世界に戻ることも当然可能だ。

 

だが、異世界に来たからと言ってしたいこともないので透は元の世界に帰った。

 

 

 

 

それからは、特に何事もなく平和に過ぎた。

敵が出ても透の能力ならば即死させれるので塩試合にしかならない。

そして透は三十年後、ついに子を孕んだ。

 

透は東京の一等地に屋敷を構えた。

結構な大きさの屋敷だがアオスの屋敷に比べると小さい屋敷だ。といっても充分豪邸と呼べるレベルだが。

 

「まさか孕むとはなぁ」

 

椅子に座ってアニメを見ながらポツリと呟いた。

腹が大きくなっている。妊娠七か月目だ。

 

まさか女になって子を産めるとは昔はとても思わなかった。

 

「愛の結晶ですね」

 

隣に座っているジルがいとおしそうに透の腹を撫でた。

 

「ああ、一緒に暮らしていこうな」

 

こうして透は生涯平穏に暮らしていったとさ。おしまい。

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