不定期ではありますが、週一投稿を保てるようにしたいところです。 ジョジョの奇妙な冒険と呪術廻戦のクロスオーバーになります。両者の時期としてはジョジョの奇妙な冒険は第6部後、呪術廻戦は乙骨憂太が高専転入後の百鬼夜行より前の時系列です。
薄暗い一室、孫の手を手元でくるくると回しながら高価な椅子に足を組んで座る白髪に黒い目隠しの男はこちらに気づいたのか口角を上げて片手を挙げた。
「やあ、
彼は自らを「五条悟」と名乗る。そして付け足すかのように「最強」を加えた。一見はふざけた態度で振る舞うが、彼をよく知る者は軽視しない。いや、その手の界隈では知らない者など存在しないからだ。呪術界、2017年時点で日本に4人しか確認されていない“特級”という区分けに位置する自他共に認める現代最強の呪術師———それが五条悟である。
「今から話すことはね、とーっても大事だからさ〜聞いてってよ。僕もあって驚くような呪術界を揺るがす大事件と気高い“黄金の精神”を育てるとある少年の話。君達が知っている物語とはまた違うお話、もちろん僕も例外じゃない。
どこから話そうかなあ…じゃあ手始めに———《
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2017年10月初旬、真夏のような熱気で蒸した天候から脱し、真昼でも過ごしやすくなっていた。横浜中華街では中華料理やお菓子、お土産、観光、占いなどで常に賑わっている。私も同じ高校の友人とたまに立ち寄って小籠包を食べ歩きしながら将来、恋愛、寿命などを暇さえあれば占ってもらっていた。
何度か顔を合わせることで顔見知りも増えてくるのだが、最近見慣れない気味の悪そうな白髪混じりの長髪でいかにもな占い師と出会い、単純に運勢を占ってもらった。私は今年中に大波乱に巻き込まれ、大切な家族さえも祟られてしまうという旨の内容だ。その占い師は古びたローブで床の埃を撒かせながら助言としてこう告げた。
「『
もう実際にこの儀式は行ってしまった。恐怖で足がすくんでいたため、仲のいい友人二人と同伴の元。そして現在、某喫茶店で1週間前の出来事の事実確認のため、私はSNSで通じただけの長身の男性に相談していた。普段なら馬鹿げた行動だと思うし、年頃の女子高生が若い男性にホイホイとついていくなんて言語道断……でも、頼るしかなかった。
「
「はい。簡単だって言われたから私……」
「沙知さん。あなたのしでかしたことは無駄でしかないんだ、無駄無駄。寧ろその儀式が呪いを激らせ、今まさに不幸が降りかかっている。しかも大切なお友達にまでね」
———安直な儀式だ。推測するに呪いを誘き寄せるために必要な最低限の“縛り”なのだろう。簡単ではあるが他人に手順通りの儀式を踏ませるとなると手間が必要だし、主犯が手慣れているとなると沙知さんだけが被害者じゃあない。重要なのは手順と参加者、飽くまでも儀式は呪いを誘き寄せる餌でノリと勢いでついてきた参加者はもれなく呪いにかかる。
「みんなは…なんとかなりますか?」
「俺に尋ねてきたのは僥倖でした。お友達だけじゃあない、君も助ける!無駄にはしない!」
内側にグリーンの裏地が入る銀のジャケットの襟元を整える。インナーに大きな蜘蛛の顔型のボタンで留められた灰色のカーディガンが特徴的で細身な黒地のスラックス、ベルトには違和感なく蜘蛛の巣のようなものがプリントされている。スパイラルパーマで青がかった髪を揺らし、立ち上がった彼の眼光に迷いはない。SNSで知り合った彼の名は『ジョジョ』、フリーの呪術師………らしい。
「それで、ジョジョさん。私はどうすれば…何かお手伝いできることはありますか!」
「呪いの形式はシンプル。解呪方法はあなた方を現地に連れ出して御涙頂戴の慈悲をもらうか………或いは俺だけで呪いそのものを祓うか」
「それはどのくらいで終わるんですか?私たちは睡眠を取っても夜中にあの森の近くまで気がついたら歩いていて、必ず足とか手とか…この前は顔から血まで流して!」
「聞きましたよ、さっきも。俺に二度も同じことを口にしなくていい。徐々に被呪者を蝕む呪い、精神まで取って食われれば君たちは永くない。良いかい?正気を保つんだ、呪いは君たちの肉体だけじゃなく魂も食うつもりだ。俺が今夜終わらせるッ」
店を後にして横浜中華街を抜けた辺りで呪いに祟られたという現実を受け入れられず、声を張り上げていた沙知さんを宥めて俺は自宅まで送り届ける。彼女のコンタクトを通じて、他二人の友人とも対面して話を伺った。沙知さんの誘いに乗り、後の症状含めてほぼ同一。一番取り乱していたのは沙知さんだが、他の被害者の足取りも既に掴んで関係者に話を聞く限り、既に精神崩壊した非術師即ち一般人から失踪者まで後を絶たない。ざっと20人は犠牲になっている。
「…随分とタチが悪いじゃあないか」
根本の解決にはならないが横浜中華街に潜む占い師を装った“呪詛師”を叩くのが理想。しかし、情報が容姿以外にあまりにも少なく肝心の容姿も被害者一人一人で容姿の不一致がかなり生じている。十中八九、呪詛師の“術式”が絡んでいる。
俺の動向がバレれば呪詛師を誘い出せない。儀式の手順は聞き込みで一致していたが、相手が姿を変えるのならば俺が客として呪詛師と対面するのは今は得策ではない。まずは呪いを叩く。このパターンは呪詛師も縛りで何かしらのリスクを背負わされている。向こうからノコノコと顔を出してくれればいいが、“保険”は重ねておこう。
「もしもし、
口角を上げ、和らげた声で対応する電話先の相手は孔時雨。俺が3ヶ月前にイタリアから訪日した時から世話になった韓国籍で元刑事の頼れる男性だ。非術師でありながらも彼の情報や捜査なしでは解決できない事件も多い。
この日本では人間の肉身から溢れた負の感情が実体化して意思を持った悪霊、【呪霊】がいる。恐らく沙知さんらを祟っている本丸がこれに該当している。その負の感情が源流となる“呪力”を操り、呪いを祓う人間が【呪術師】だ。そして呪術師に相反する呪いを持って人に仇なす存在が【呪詛師】、沙知さんらを呪霊の餌にしようと目論んだ主犯がまさにそれだ。
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日本での呪術師としての活動は兼ねてから俺が憧れていた夢だった。イタリアに滞在する父からの承諾を得る際は意外にも即答でOKだった。不自由のない生活をくれたし、「正しいと思う夢ならば実現できるまで追いかけるべきだ」と助言もいただいた。3ヶ月前の日本に辿り着くまで呪術についてある程度の学びは得ていた。言うは易し、実戦でコツを掴むことも大事だろうと父本人や父が統率する組織の団員、そして特に幼い頃からお目付け役として世話になった父の右腕との訓練は至難を極めた。
「さて、始めるか」
———当日の夜、日が完全に沈み切って暗闇に包み込まれ大浅机の森へ…大した荷物も持たずに《呪術師ジョジョ》は帳を下ろして足を踏み入れた。非公式の呪術師である彼の本名は
「………凄まじくドス黒い呪力が蔓延している。居るな、確実に大きいのが」
ライトを点けて竹林が広がる狭い山道を抜け、指定された奥地へ目指して進むたびに呪力が濃くなっていくのを肌で感じる。竹林に囲まれた大きな広場、その奥には木材もかなり傷んだ古びたお堂が立ち塞がる。異様な感覚、同時に聞き込みで得た情報を頭の中で巡らせる。
「やり口が汚かったのは呪詛師だけではなかったみたいだな。狸寝入りは無駄だ」
そもそも昼間にこの広場を散策したり、旅行客が観光してもお堂の話なんて聞いていない。その点だけがどうにも怪しいと思っていたが、「お堂はお堂じゃない」。お堂に擬態した呪霊、或いは夜間にのみ出現するお堂そっくりの呪霊。正体を看破した譲は「封印」の呪符を貼り付けようと手を伸ばしたが、抵抗するように呪霊はお堂から黒い手足を勢いよく出して振り回した。呪符は封印を目的に貼り付けるのではなく、譲は呪霊が攻撃態勢になるのを理解した上で煽ったのだ。
「手足のリーチの長さを活かした乱暴な攻撃、物理的な反撃もいけるという意思表示、威嚇ですか。術式は———」
【術式】とは本来先天的に刻まれる【生得術式】の略称。術師または呪霊は自身の術式に呪力を流し、指向性を与えて様々な能力を発動する。お堂呪霊の術式は「対象の追跡と生気の吸収」それらが作用して「夢遊病と自傷を被呪者に強制的に付与している」のが呪霊の《拡張術式》と見るのが一番正解。それは本来、術式の解釈を広げて応用する術であり、知性の低い呪霊で成せるのはごく稀。
「だが…無駄だ。呪術師ジョジョとしてのプライドに懸けて依頼人の命は必ず守る」
「グおおおおおぉぉぉ……」
「依頼成功通算記録29回目、泥を塗りたくないんだ。俺も“力”を行使せざるを得ない」
呪霊の視界には確かに映り込む。邪魔者である譲の背後から揺らりと顕現する猫背で一回り大きな長身で細身の守護霊、姿は右半身は鈍い金、左半身は黒鉄、その境界線は非常に曖昧で溶け合うように混じり合う。鉄仮面を被り、露出した口元は縫い合わされているような紋様、胸部中央に三角形の紋章、指先からは粒子が常に散っている存在。それは術式…否———
「【スタンド】……と呼ばれる呪力とは異なる生命エネルギーを源とする
負の感情が源流となる“呪力”とは異なる。“スタンド”は生命エネルギーを源流とし、持ち主の精神力で能力が作用する。しかし、スタンドは本来はスタンドを所有する【スタンド使い】にしか視認不可のはずだった。似て非なる呪霊がはっきりとスタンドを捕捉可能なのは両者共に根源たる元素が同一またはかなり近しい性質であるため。枝分かれした可能性同士である呪いとスタンドは干渉を受諾している。則ちそれは———
「アルケミア、呪霊を叩け!」
本体である譲も走り出し、アルケミアはお堂呪霊が振りかぶった右手を拳で打ち上げる。お堂呪霊の方が僅かに膂力が上回っていたと豪語できるが、不思議な力でお堂呪霊の意識が削がれた隙にアルケミアにパワー負けし、仰け反って慌てるお堂呪霊のおどろおどろしい肉体に強烈な連打が食い込む。呪霊には呪力で対抗するのが鉄則、しかし先述した関係性を持つスタンドの攻撃は呪霊に通用する。
『無駄無駄無駄無駄ァ!』
アルケミアから連呼される宣告と共に浴びせられる無慈悲のラッシュはお堂呪霊の肉体に激しいダメージを刻む。しかし、知性も侮れないお堂呪霊はわざと後ろ足で蹈鞴を踏んで砂埃を立てて視界を奪う。譲は冷静に暴れる呪力の源の気配を追い、アルケミアの能力を「砂埃」に発揮する。砂埃は散り散りになって消失し、アルケミアが正確に突き出した拳は切迫したお堂呪霊に直撃した。拳を起点に発生した小さな粒子のパワーが小さな鉛玉の如く連続でお堂呪霊の肉体を貫く。
「理解が乏しいみたいだな。二度はない、無駄だからだ。はあッ!」
「がッ……あぁぁぁぁアア………」
本体から半径5m程度離れることができるアルケミアは竹を折り、蹴りで先端を尖らせる。武器を持ったところで呪霊に太刀打ちは不可能、アルケミアは譲のイメージで物体をそれに因んだ力に《錬金》する。鋭利な竹は朽ちてアルケミアが打ち込む掌底に更なる先鋭エネルギーとして再定義し、お堂呪霊の核を貫通する。
呻き、蠢きながらお堂呪霊は灰のように崩れ落ちていく。スタンドを引っ込めた譲はお堂があったはずの付近の地面を備えていた小さなスコップで掘ってみると案の定、血で汚れた布を発見する。同時にジャケットの内ポケットでスマートフォンが振動する。
「妙な呪力もない。残穢くらいか…」
「そこをぜひ動かないでもらいたい、少年」
「一足遅かったじゃあないですか。もう無駄ですよ」
「そうだろうか、人質はいる」
布を拾い上げた時点で呪いの残穢は確認したが呪霊を祓ったことで術式効果は消えたと譲は安堵していた。お堂呪霊には知性があった。戦闘中に縛りを結んだ呪詛師とマーキングしていた被呪者をこの場へ呼び込み、初めから譲を討たせる目論見だった。
有山沙知を含めた被呪者だった者達が縄で縛られたまま意識を失い、呪詛師の背後で引き摺られている。その酷い有り様を僅かに動かしたスタンドで確認するが肝心の呪詛師の姿は見えない。声は成人男性特有の低さだが、気味の悪い優しさを乗せた声音だった。
「妙な動きはやめるんだ、少年。年若いというのに……大人の邪魔をして首を突っ込むもんじゃあないよ」
「俺は毎回聞くようにしているんだ、一応ね。あなたは何故こんなことを?どうして呪霊と縛りを結んでまで悪行を働いたのか」
「子供に伝わるかな……?あの呪霊はね、育ち盛りだったんだ。大勢の人間の血肉と魂が必要だったんだけど、それじゃあ効率も悪くて呪術師に嗅ぎつけられたら計画もパーだから」
「だから何故、呪霊を育てた?大勢の犠牲を払ってまでッ!」
「五条悟には敵わなくても一級術師程度なら殺せる猟犬が欲しかった!私もそれなりに狙われてんだよね。土地神のパワーの吸収に低級呪霊の捕食でぶりんぶりんになった呪霊に人の血肉を与える。縛りを踏んだら更に強くなると思わなぁい!?」
血液は特に呪術的に強い意味を持ち、お堂呪霊の強化にも役立った。眠る時間の方が遥かに長いお堂呪霊にとって積極的に術式を介して捕食するタイミングは夜間が最適、訪問する人間は少ないため捕食対象は付近の土地神のパワーと低級呪霊のみが殆ど。【縛り】とは本来、何かしらのリスクを負って呪力や術式の効果を強化する手法だが、課せられた条件を破れば相応のペナルティが生じる。個人の縛りよりも他者間の縛りの方がペナルティが重い。
「呪詛師が縛りで生贄を提供する代わりに呪霊が呪詛師を守護する」という縛りで成り立っていた誓約は譲が呪霊を打破した時点で破棄された。しかし、譲の読み通り…呪詛師は更に縛りを重ねて「被呪者となり得る人物に儀式の工程を踏ませることで呪霊の意識の覚醒、被呪者を呪霊が取り込んだ際に獲得する呪力の底上げ」を同時に確約した。
「それにしたって上手くいきすぎですね。何故こうも人を欺けたのか」
「………気づいているね?私の術式に」
「…変身の術式、付け加えるなら…占い師に扮したあなたが占おうとした対象に最も言動を信用させやすい容姿に変更する。不可解な点は二つ。一つは聞く人によってあなたの容姿がかなり異なること、もう一つは被害に遭われたというのにあなたを責めるような言動は一言も出てこなかった」
「よくお喋りが上手だって言われるんだ」
「話術が得意だとでも?惚けるな。もうお前のターンは既に絶望的なんだ」
話術が特段優れているのなら譲との会話に意識を持っていかれることなどあり得ない。会話中、譲は手で摘んでいた血の染み込んだ布を膝前に隠して《錬金》していた。布は譲の中で対象を結ぶイメージから呪詛師の足首を拘束し、アルケミアによってこちらへ強く引っ張った。有山沙知達への扱いは雑だったようだがいずれも軽傷。呪詛師のご尊顔は体育会系の高校教師のような筋骨隆々とした男、黒のジャージから張っている筋肉目掛けてアルケミアの拳が届く。
「それがッ、少年の術式か…!式神如きで私を倒せるとでも…っ……!?」
「術式……そういうことにはしてる。無駄だから二度は言わない、よーく聞いておけ。アルケミアは《錬金》するんだ」
「れん、きんんんんんゥゥ???」
「人間は《錬金》できないんだ。それでも《錬金》はしようとする」
アルケミアの拳を確かに呪力を纏った両腕で受け止めたはずの呪詛師。しかし、彼の中で意識が混濁して口が回らないまま激痛が腕から伝播する。お堂呪霊へのダメージ同様、呪詛師の腕には注ぎ込まれたスタンドパワーによって「《錬金》を試みる圧力干渉」が生じ、継続的なダメージを負うこととなる。呪術的な呪詛に近く、錬金対象ではない人間や呪霊にとってある意味での猛毒に等しい。
「大勢の人間を犠牲にしたお前には再起不能になってもらう。強い吐き気と疼痛に苦しむといい……そして…依頼成功通算記録を30回目に塗り替えるッ!この言葉を送ろう、
「うげェ!おええええ!!待っ……待ーッ」
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!無駄ァッ!!』
呪詛師・
******
後日、改めてお礼も兼ねて被害者の方々と対面した。横浜中華街に立ち並ぶ店のお土産を差し出されたので遠慮なくいただいた。沙知さんとも数日後に顔を合わせると窶れた顔からすっかりハリのある年相応の活発な女子高生として復帰していて、お友達と笑顔で過ごす姿は微笑ましかったがもちろん依頼料は受け取った。
「それで…ジョジョ……!連絡先、交換しない?」
「そういう個人的なのはあまり…身バレもしたくないのでね。丁重に遠慮しておきます」
「えー、残念…じゃあ本当の名前教えてよ!」
「嫌ですよ。でもまた何か困ったら遠慮なく。今後ともご贔屓に」
事件を解決してからかなり馴れ馴れしいが、彼女本来の活発さなのだろう。原因は多分年齢を明かしてすごく驚かれたからその後からだと思う。もちろん本名を語るのもお断りした。女子ってのは噂話が好きな生き物だろう。何処でいつ俺の情報が堅苦しくて面倒臭そうな呪術総監部に行き渡るかわかったものじゃあない。
「お手柄だな、譲」
「その名前、外ではあまり呼ばないでください。これで三度目ですよ、時雨さん」
「固いね〜。フォーチュンクッキー、食ってもいいか?」
横浜市を軽く散策した後、高台の塀から街並みを見下ろしていると時雨さんが声をかけてきた。淡々と言葉のキャッチボールを繰り返し、受け取ったお土産がベンチに積んであることを知ってフォーチュンクッキーを個包装から開封して齧っていた。
「ほーん、『今ある関係を大切にしよう』だとよ。ありきたりなもんだな」
「時雨さん、これ報酬です」
「……分配ミスってないか?」
「相手は女子高生ですよ。出せても2、3万だと思って相談に乗ってましたから。4万もらえたのでいい方ですよ」
「ツラが良いってのは得するもんだな」
フォーチュンクッキーの中身にはおみくじがある。時雨さんは興味なさげにそれを読み上げたが、報酬を薄い茶封筒で渡すと不満げな顔で見上げてきた。時雨さんには占い客として大或転助に接触してもらった。呪詛師側のカラクリを見破るため、ある程度の呪術であれば対応可能だと信じて囮にしていた。更に接触時にはGPSを取り付けてもらい、俺と呪霊が交戦中の場に大或転助が到着した時点で連絡を一通入れるように頼んでいた。これでも呪術総監部に直接、呪詛師を引き渡すというリスクの大きい仕事を委任している身のため感謝はしている。因みに配当金は15000円。
「おみくじ、お前はどうだったんだよ」
「『夢の道は至難を極めるが、あなた次第』だそうで」
「こりゃ大変だな、見届け人も」
「報酬の格上げは無駄ですよ」
新たなジョジョの奇妙な冒険が今、始まる——!!
《パラメータ》
【STAND NAME】 【STAND MASTER】
アルケミア 金城譲
破壊力-C スピード-C 射程距離-C 持続力-D 精密動作性-D 成長性-A
_______
【術式名】 【術者】
不明(追跡・生気の吸収) お堂呪霊
等級-準1級呪霊
_______
【術式名】 【術者】
不明(変身) 大或転助
等級-2級呪詛師