東京・原宿。足音、話し声、笑い声が重なり軈て一つの騒めきとなって通りを満たしていく。竹下通りに足を踏み入れれば、色とりどりの看板、甘い香りを漂わせるクレープの店、流行をそのまま形にしたような服を身に纏った人々が前後から通り過ぎていく。
そんな原宿へ先に参着した呪術高専1年の
「1年がたった四人って少なすぎねえ?」
「じゃあお前、今まで呪いが見えるなんてやつ会ったことあるか?」
「……ねぇな」
「それだけマイノリティーなんだよ、呪術師は」
「逆に見えていても呪術師としての才能はピンキリらしいわ。自分なんて見えてはいたけど、術式を自覚して扱えるようになったのも去年からだし」
そもそも呪術高専で1年生だけで四人も籍を置けるだけでも奇跡的だ。自らの体験談を具体例にして呪術師の特異性を付け足す美音の言葉通り、呪術師としての才覚が身に宿っていたとしてもそれを自身または他者によって発掘できるかは運次第な部分もある。今回、出迎える新しい1年生は入学自体は随分前から決まっていたらしいが伏黒は何かしらの事情があって遅れたのだろうと予測していた。
「おまたせー!おっ、制服間に合ったんだね」
「おうっ!ピッタシ!でもみんなと微妙に違ぇんだな。パーカーついてるし」
「制服は希望があれば色々いじって貰えるからね。譲や美音もそうでしょ」
「俺そんな希望出してねぇけど」
「そりゃ僕が勝手にカスタム頼んだんだもん」
虎杖といえばパーカーのイメージが定着しつつあったが制服のカスタムは五条の陰謀だったとは思わなんだ。赤いパーカーは彼によく似合ってはいるが、カスタムの希望を出さずに通していたらセンスの無い制服になったかもしれないと思うとゾッとした譲と美音がいた。
「……ま、いいか。気に入ってるし」
「気をつけろ。五条先生こういうところあるぞ」
「恵君は特に振り回されてそうだからね」
虎杖が制服のカスタムについて納得しているのなら文句のつけようはないが、それで何も言われずに済んでいる五条がニコニコと口角を上げるのも何処か気に入らないのは行動が身勝手だからだろうか。4月から交流のある譲は伏黒が時々、五条の使いっ走りのように働かされているのを見ているので決してその立ち位置を交代はしたくないという意味を含んで顔を引き攣らせた。
「それより何で原宿集合なんですか?」
「本人がここがいいって」
「あ〜っ!ポップコーン食いたい!」
「どうせならクレープも食べたい。小さい時にも食べていたけど、全然飽きない最高の代物だ」
「自分は服も買いに行きたーい」
伏黒以外は原宿に来訪した次いでにそれぞれの目的のために列に並んでポップコーンやクレープを購入して食べ歩き、服屋で気に入った洋服を買って袋を腕の関節辺りで下げたまま出歩いていた。その先で背中を埋めるサイズのリュックサックと服屋の手提げ袋を三袋程度肩から下げる茶髪の女性がじっと何かを見つめていた。その先にはスカウトに失敗した中年のスカウトマンがおり、あろうことかその女性は自らのスカウトマンにズカズカとテリトリーを荒らすように絡んで行った。
「ちょっとあんた、私は?」
(ワタシハ!?)
「モデルよ、モデル。私はどうだって聞いてんの」
「いや…あの、今急いでるんで」
「なんだコラ、逃げんなや。ハッキリ言えや」
ハッキリ申し上げるとかなり癖が強く、自己主張の強いタイプの女性なのだがあれが例の1年生らしい。これからスカウトマンのように今度は自分達がその女性に話し掛ける立場になるのだが、横の虎杖も「2018」という派手なサングラスにポップコーンを食い漁っているのでどっこいだろう。
譲はクレープを平らげているが、美音の持っていた手提げ袋を手から下げたまま新しいメンバーになるであろう横暴そうな女性とも仲良く過ごせることを願った。躊躇いも無く、五条が彼女を呼び付けるとその人は400円のロッカーコーナーに荷物を入れたが、譲が持つ手提げ袋が美音の物だと知ると快く一緒に入れてくれた辺り良い人なのかもしれない。
「
「…………あれ、自分って女にカウントされてない?」
「え、いやいやいや!めっちゃかわいいでしょ。正直びっくりした、地球ひっくり返るレベル。1年は男だけって聞いたからつい」
「自分は3年の鈴原美音。よろしくね、釘崎」
「よろしく、鈴原先輩!先輩は野薔薇って呼んでください。そっちの方が仲良くなれそうなんで」
「ありがとう。遠慮なく、野薔薇って呼ばせてもらう。野薔薇も自分のことは美音って呼んでもらって良いから」
「じゃあ、美音先輩!可愛くて美人でモデル体型って逆に何を持ち得ないんすか!」
そのまま早速意気投合して先輩後輩の図が出来上がってしまい、男子組は置いてけぼりになっていた。学年では上でもきっと呪術を身につけるのは釘崎の方が早かったろうにそんな序列など気にせず、美音とだけでも気さくに会話を交わせるのなら悪い気はしない。釘崎の言わんとしていることは譲から見てもよく頷けることだ。少しでも誰かが離れると美音の元へスカウトマンが少なくとも十人は生息していることがわかるのだから。そうでなくとも視線は常に確保している。本人はもう慣れっこのようだが。
「俺、虎杖悠仁!仙台から」
「伏黒恵」
「金城譲です。
釘崎の視点では男子の見る目がかなり変わっていた、悪い方向に。虎杖は芋臭く子供の頃に鼻糞を食ってたタイプ、伏黒は名前だけを名乗る偉そうな男で重油塗れのカモメに火を付ける奴、譲は本性は腹黒くて道案内を引き受けたと思ったら知ってて真逆の方向を笑顔で教える男だと偏見で決め付けた。
「はーあ、私ってつくづく環境に恵まれないのね」
「今、絶対こっち見て言いましたね。君」
「人の顔見て、ため息ついてる」
「これからどっか行くんですか?五条先生」
やれやれと言った具合で男子組を遇らう釘崎、先程まで蚊帳の外にしていた挙げ句には態度もよろしくないので譲はそこを指摘し、虎杖はあまりの失礼さにポカンと口を開けていた。ロッカーの前でたむろするのも他の通行人や観光客の邪魔になるので、伏黒は五条に行き先を聞く。
「フッフッフッフ。せっかく1年が四人揃ったんだ。しかもその内の二人はお上りさんときてる。行くでしょ、東京観光」
「「トーキョー!トーキョー!トーキョー!ウィーラブトーキョー!」」
「ええ…」
「東京ってそんなによく見えるの?」
五条の甘い提案は上京したばかりの虎杖と釘崎を道端だというのに興奮を昂らせるものだった。東京に住み慣れている美音と常に落ち着いている伏黒は二人の感情に共感はできていなかった。TDLだの中華街だの妄想を膨らませているが、どれも東京の観光地ではない。
「それでは行き先を発表します。六本木!」
「「六本木……ッ!」」
しかし、彼らが連れられたのは六本木であろうとなかろうと古びた廃ビルであって呪いの気配で満たされていた。その事実という壁にぶち当たって虎杖と釘崎は五条を嘘つきと罵り、観光の話は何処に消えたのかと阿鼻叫喚していた。地方民を弄んだ五条に非はある。
「近所にデカい霊園があってさ、廃ビルとのダブルパンチで呪いが発生したってわけ」
「やっぱ墓とかって出やすいの?」
「墓地そのものじゃなくて、墓地=怖いって思う人間の心の問題なんだよ」
「人間の負の感情が溜まってその場所が受け皿になるんだ」
「あー、学校とかも似た理由だったかも」
「ちょっと待って。
伏黒と譲の説明で虎杖は初めて呪いと遭遇した夜間の宮城県杉沢第三高等学校での体験を思い出し、やっと納得した。事情を知らない釘崎に虎杖が特級呪物・
「君たちがどこまでできるのか知りたい。まっ、実地試験みたいなもんだね。野薔薇、悠仁、二人で建物内の呪いを祓ってきてくれ」
「あれ?でも呪いは呪いでしか払えないんだろ?俺、呪術なんて使えねえよ」
「君はもう半分呪いみたいなもんだから、体には呪力が流れているよ。まっ、呪力のコントロールは一朝一夕じゃいかないから、これを使いな」
肉体に呪力を帯びている状態ということは呪いに干渉できる特性を保有していることとなる。即ち、それまで効力の無かった打撃が通用する。五条は保険として刀身には二つの穴が空いており、柄の部分は布のようなもので巻かれている短刀、
「ああ、それから宿儺は出しちゃ駄目だよ。アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど近くの人間も巻き込まれる」
「分かった。宿儺は出さない」
「早くしろよ!」
「宿儺」の単語が飛び出した時に譲は虫が這い回るような悪寒に身震いをした。虎杖の中に眠る宿儺に恐れを成し、足が竦んでいるのだと身を持って感じていた。釘崎に急かされた虎杖は駆け足で追いかけ、近所の不良共にスプレーで落書きされたであろうシャッターを上まで押し上げて呪いの巣窟へと侵入する。
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錆びついた扉は押したり引いたりすると軋み、剥がれたタイルや階段に靴裏を合わせるとコツ……と乾いた足音がやけに大きく響く。それは壁に反射し、遅れて返ってくる……誰かが後ろを歩いているかのように。廃ビルの内部を二人で見回る中、イライラしていた釘崎は虎杖に当たりつつも、時短で呪いを祓うために二手に分かれることを提案した。釘崎は上階から一階ずつ、虎杖は下からだ。
「やっぱ、俺も行きますよ」
「無理しないの、病み上がりなんだから」
「でも、虎杖は要監視でしょ」
「まあね。でも今回試されてるのは野薔薇の方だよ。悠仁はさ、頭イカれてんだよね。異形とはいえ、生き物の形をした
「最近まで普通の高校生だった人ですからね。本来であればこの世界に足を踏み入れるなんて無駄なことだ」
才能があっても呪いを祓う嫌悪と恐怖に打ち勝てずに挫折した呪術師は沢山存在する。その頃、蟷螂のような呪霊と相対した虎杖は天井から首を裂かれる前に相手の腕を屠坐魔で切り落とし、紫色の血飛沫を上げる。もう片方の振り上げた鎌を仰け反りながら避けつつ、懐に入って真正面から滑り込み、呪霊の腹を裂く。体勢を崩すために足を一本、二本と切断してから飛び上がって脳天に屠坐魔を深く突き刺した。のたうち回る呪霊の動きはやがてピタリと止んだ。
「今日は
経験者である釘崎の才を確かめるには打ってつけ。何故ならば人口に比例して呪いは強大に、多勢になる。地方と東京とでは呪いのレベルは段違いの傾向にある。最上階、釘崎は飾られた複数のマネキンの中央に佇むそれを呪霊だと見破る。五寸釘を二本取り出し、小さなハートが刻まれた金槌を構える。呪力を込めた五寸釘二本を金槌で打ち飛ばし、マネキンの頭部に差し込む。マネキンが倒れ込みそうになった所でその顔面に瞳が浮き出た。
「それ、抜いた方がいいわよ。私の呪力が流れ込むから」
二本の五寸釘を通して釘崎の呪力が呪霊の頭部を木っ端微塵に破壊した。マネキンに化けていたそれはクタクタにへたり込み、祓われた。釘崎は余裕そうに術式が決まったことに笑みを溢していたが、部屋の奥で聞こえてきた物音に警戒を強めた。積み上げられた木材の影に体育座りをした男の子が震えていた。遊びで忍び込んでいたところを呪いに目をつけられたのだろう。
「ほら、もう大丈夫、おいで。……………えー、子供は美人に懐かないってのは本当みたいね。虎杖呼ぶか」
「待って!置いていかないで!」
「人質?この呪い、知性がある!」
巧妙に隠れていた呪いは壁からすり抜けるように姿を露わにし、子供を人質に取った。頭部を鷲掴み、指先の鋭い爪を子供の首に当てがって血がスッと流れ落ちている。子供が怯えていたのは野薔薇ではなく、まだ潜んでいる呪霊に対してだった。レベルといっても単純な呪力総量だけではなく、知恵を身につけて狡猾さを武器にしてくるのだ。その武器こそ、「命の重さをかけた天秤」なのである。
「クソクソクソクッソー!こんな呪い、全然大したことないのにッ!4級、せいぜい3級の下の下でしょ!(落ち着け、私!私が死んだらその後に子供も死ぬ。子供が死んでも私は死なない!合理的に考えて私だけでも助かった方がいいでしょ!?)」
それを自覚してるが故の狡猾さ、人質作戦。自己暗示をかけるように自問自答を繰り返し、言い聞かせていたはずの釘崎野薔薇は常人の域で踏み止まった。強く握り締めた金槌も五寸釘が仕込まれた腰のポーチも床に落として両手を上げた。降伏、降伏の合図だ。
「丸腰よ。その子を逃がして」
釘崎野薔薇は自分を馬鹿だと心中で罵倒した。明らかに合理的とはかけ離れた愚かな行動、舐めてかかった呪いの反撃は手痛いものだった。当然、呪いは口角を上げて白い歯を見せびらかして不気味に笑い声を上げたまま子供を解放しない。目をぎゅっとしたかと思えば、釘崎は覚悟を決めたかのように無表情を作った。
「最期に沙織ちゃんに会いたかったな…」
ボソリと消え入るように呟くその一言は誰も拾い上げることはない。しかし、運命というのは儚げで、そして…唐突である。呪霊の背後の壁から拳が飛び出した。ヒビが入り、煙と砕けた壁の破片が宙を舞って、突破したのは虎杖。呪霊は目を見開いてたじろいでいる。子供をどうにかするよりも先に屠坐魔で子供を拘束する呪霊の腕、指を細かく切り離す。子供を腕でキャッチし、同時に呪霊の腹を蹴り飛ばす。
「逃がすか!虎杖、その腕寄越せ!」
「藁人形?うっわ、陰湿〜」
「《
窓際から透けるように建物外へと飛び跳ねた呪霊、次こそは判断を見誤るものかと釘崎は虎杖から投げ渡された呪霊の腕に藁人形を投げ付ける。その上で五寸釘を金槌で打ち込むと逃亡した呪霊本体から突き破るように巨大な釘がぐちゃぐちゃにして消滅させた。釘崎野薔薇の術式は《芻霊呪法》、刺さる釘から呪力を流す生得術式。「共鳴り」は対象から欠損した一部に藁人形を重ね、同時に呪力を打ち込むことで対象本体にダメージを与える技。
「いいね、ちゃんとイカれてた」
「とんでもない術式だ。彼女も中々やるじゃあないか」
五条と譲もそのイカレっぷりと術式の性能を遠目で堪能した。釘崎野薔薇は今後も心強い仲間になることを確信していた。そんな釘崎は想起していた……小学1年生の頃、東京から村に越してきた沙織という少女と親しくなった。釘崎には人形のように可憐で、聖母のように優しく見えていたのだ。そんな沙織を村の者は除け者にしていた。
“田舎者を馬鹿にしている”と勝手に被害妄想を膨らませ、自宅へ雪を意図的に積み上げ、車に落書き、ガラスにヒビを入れ、指を差し続け、村から追い出した。そんな村のやり方に釘崎はこれまで嫌悪感を抱いていた。釘崎には聞いたことのない名前の手作りのお菓子を「お店のはもっと美味しいんだよ」と笑ってご馳走してくれた沙織の方が余程大好きだった。
「何食って育てば素手で壁ブチ破れんのよ!」
「鉄コンじゃなかったんだよ!」
「鉄コンじゃなくても無理よ!普通!」
「普通って……しかしさ、俺もしこたま聞かれたけどさ、お前なんで呪術高専来たんだよ?」
「なんでって…田舎が嫌で…東京に住みたかったからッ!!」
「はあーーッ!?」
「お金こと気にせず上京するにはこうするしかなかったの」
壁を簡単に突き破る虎杖の普通も歪みまくっているが、高専に入ることを決めた釘崎の本来の目的も普通とはかけ離れていた。その為に多数の呪いを相手にして自らの命を投げ出す試練が重なり続けるからだ。キラキラとした瞳でそんな魂胆を吐露する彼女に虎杖は唖然とした。
「そんな理由で命かけられんの?」
「懸けられるわ。私が私であるためだもの」
———あの村に居たら、私は死んだも同然。沙織ちゃん、私…東京に来たよ。いつか会えたらあの時に言ってたお店、連れてってね。
「そういう意味ではあんたにも感謝してる。私が死んでも私だけが生き残っても、明るい未来はなかったわ。ありがと!」
「まあ、理由が重けりゃ偉いわけでもねーか」
「はいッ!お礼言ったからチャラー!貸し借りなーしッ!!」
「……なんだコイツ」
純粋に自分の願望に従っている釘崎が子供の頭を優しく撫でながら、虎杖に笑いかけた。すぐに切り替えて、お礼を口にしたからという理由で虎杖の助力の貸しを帳消しにしようとしていた。いや、もう彼女の中では帳消しになったのだろう。夕方、子供を送り届けた五条が生徒達を今度こそディナーに誘うのだった。
「ビフテキ!」
「シースー!」
「三人は?」
「ぜひ、行かせてください」
「当たり前に行きまーす!」
「……」
今日一番の働き者であり、功労者は虎杖と釘崎なので二人の要望を聞いて五条は他の三人も連れて行こうとしていた。伏黒だけは無視してスマホに指を滑らせていたので、置いていかれそうになるが慌てて後を追った。
「あ、今日一番の収穫忘れてた。
「はあ?なんで俺が?貸し借り無しっつったろ」
「私の呪力で勝てたのよ、文句ある?」
「俺の実力知らねえだろ」
「ゲテモノ食い、馬鹿力」
「だけじゃねえよ。な?伏黒!あれ?どったの?伏黒」
また変な火種で口論が発生しているのだが、これは恐らく日常茶飯事になりそうだと譲は予想していた。やけに静かな伏黒は出番が無くて拗ねているのだと五条から告げ口され、みんなは嘲笑していたが伏黒は一同を軽く睨みつけた。
「待って、そういえばさ…譲が荷物まとめて小さくすればよかったんじゃないの?」
「あ」
「なんで肝心な時に使わないの!?能力!」
「…………完全に抜けてた。美音ちゃん、たまにないウッカリだから許して。悟先生も恵君も知っててなんで言ってくれないんですか」
「いいじゃん、面白いし。譲がヘマするの初めて見たかも、おもしろー!」
「………すまん。俺も忘れてた」
譲の
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記録——2018年7月、西東京市・英集修道院。同・運動場上空。特級仮想怨霊(名称未定)。その呪胎を非術師数名の目視で確認。緊急事態のため、高専1年生四名、3年生が一名派遣され——内一名死亡。
「おい、なんだアレ」
「どれ?」
「アレだよ!卵みてぇな!!」
「だからどれだよ!!」
争いの火種は呪いから———!!
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《パラメータ》
【術式名】 【術者】
芻霊呪法 釘崎野薔薇
等級-3級呪術師