鹿目まどかの兄だった   作:紡縁永遠

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鹿目家

Sideほむら

 

 あれから救急車が来て、まどかは運ばれていった。その時に八花つるぎも運ばれた。骨折したのが当たり前だというように。「自力で行くから」と周りの人を困らせていた。

 私達は翌日にお見舞いに来た。

 

 「まどかは……」

 「軽症みたいだけどね、まだ目を覚まさない」

 「なんだ、揃っているのか」

 

 八花つるぎは腕にギプスを付けて肩から下げていた。

 

 「ある程度事情は聴いた、内臓を強く叩かれたからソッチのほうが今は問題らしい、まぁなんとかする方法はあるが、貴方はそれを使わないだろうしな」

 「何が言いたいの?」

 「ここじゃ話しづらい、場所を移そう、」

 

 そう言われて、私達はついて行った。彼が住むしんげつ荘にはインキュベータが拘束されていた。

 

 「マミ、これを外してくれないか?」

 「そうね、つるぎ、解いてくれるかしら?」

 「逃げるから嫌だ、さて、魔法少女については巴が説明してくれ、俺はその辺を知らない」

 「全く……」

 

 そうして語られた、インキュベータによって一部隠された魔法少女の話を。

 

 「なるほど……分かった、一つ聞きたい、これは親としての意見だ。その様子だと二人ともこの件については話してないんだろう、けどな、その命はお前たちだけのものじゃない。八花くん、君もだ、」

 「俺は鬼だ、関係ない、それに、魔法少女についての疑問もあるでしょう」

 「そうだね、キュゥべぇといったかい?ソウルジェムを手放す、もしくは壊れたらどうなるんだ?」

 「魔法少女には成れないね」

 

 その言葉は、死ぬことを指していなかった。嘘を言っていないからこそたちが悪い、ここで私が何か言うのも、問題だ。インキュベータに必要以上に情報を渡すことになる。

 

 「それだけじゃないだろ、俺の質問に対して全て黙秘を通しているが、いや、いい、鹿目まどかが完治するという願いを、美樹さやかが叶えられるか?」

 「ちょっ……」

 「あくまで可能性だ、」

 

 なるほど……確かにその方法なら確実に助かる。

 

 「できるよ、死んでいた場合はまどかの因果律が大きすぎて手が出せないけどね」

 「美樹さやか、そんな願いはするなよ」

 「は、はい!」

 「八花つるぎ、君が聞きたいことはもういいかな?」

 「まだあるが、今はいいだろう、後は俺のやっていることだな」

 

 納得していないみたいだけど、これ以上は巴マミの精神が問題ね、そこを案じてではないみたいだけど、そこは置いておきましょう。まどかの安全を最大限優先すればいいから。

 

 「俺は魔法少女ではなく、専門家、不死身の怪異を專門とするハンターだ。孵卵器、キュゥべぇについては専門家内での問題と考えてくれ、

 「そして願い事以外で鹿目まどかを救う方法があるが、これに関しては、病院にバレ…はしないか、軽症らしいし

 「それに、巴、お前が通い続けたら回復させられるだろう」

 「確かに、回復魔法は得意だけど……」

 「気持ちは嬉しいが、自分の身を案じろ、魔法を使えば穢れがたまる、なら自分のことに使え」

 

 これも否定する、まどかのことを優先はするけど、それでも親としての姿勢を崩さない。私達には分からない事柄だ。

 

 「ならつるぎの方法は……」

 「鬼の血を飲ませる……正確には人間もどきの吸血鬼もどきの血だ」

 「!?」

 「後は俺の髪の毛を使ってDNA鑑定をしてください、俺も知りたい、鬼として、鬼を狩ってきた、それでも、鬼になる前がどんな人間だったかを知りたい……血のことは別として、お願いします」

 「分かった、その血はDNA鑑定に影響はないんだな?」

 「はい、吸血鬼もどきですから、」

 「まどかの回復はまた考える、無茶はするなよ?」

 

 これで今日は解散した。でも魔法少女である私達は帰らなかった。

 

 「ねぇ、なんでキュゥべぇを敵視するの」

 「敵視はしていない、ただ、此奴は四季崎記紀の1000本の変体刀に関わっている可能性があるからだ、」

 「確かにボクは四季崎記紀について知っている、けど、変体刀という物事は知らない、ボクはただ技術提供をしただけだ。形にできたのは彼だけだったけどね」

 「そうか……巴、暁美、言われた通り無茶はするなよ」

 「ええ」

 「わかったわ」

 

 無茶、そんなもの何度もしてきた、まどかを救うためだけに、でも今回の怪我は私の及ぶ範囲にない、回復魔法はできないわけじゃないけど、それでもまどかの親は魔法を使わせてくれないだろう。

 

 「ああ、そうだ、巴、五徹したら帰ってくるから、レモン風味のチーズケーキを作っておいてくれ、代金はこれだ」

 「わかったわ、貴方も無茶しないでね」

 「問題ない、戦闘はしないから」

 

 鬼の範囲で、この意味は分からない、でもこの人は確実に無茶をする、だって、骨折していた腕がもう回復しているもの、怪我を怪我と認識していない、そう感じる。

 

Sideつるぎ

 

 巴と暁美が帰った後、先輩からの連絡でワシントンD.C.を目指す。人形便を使って往復二日、点検、募集に三日、これで報酬は心渡と夢渡の作る方法だ、作れたとしてもレプリカのレプリカではあるが、肉体にしか記録がないのであれば、これで十分と言える。

 

 「久しぶりですね阿良々木先輩」

 「そうだね、でも阿良々木はやめてくれ、今の私は違う」

 「そうでしたね、娘さんは?」

 「ここにいるよ」

 「じゃあ、刀を見せてくれませんか?頑張って作りましたから」

 「それもそうだね」

 

 阿良々木暦、今の名前は違う。歴史的大事件に巻き込まれた、一つの家族、彼が万全に動けるように、刀の点検をしに来た。

 

 「問題はないです、質問ですが、やはり妖刀は作れませんかね」

 「無理じゃな、造れたとしてもコスパというものが悪すぎるじゃろう、夢渡などもってのほかじゃ、そんなものなくともうぬ等は十分強い、一年、一年じゃ、この短い期間でも十二回の断食をした鬼、回復を売りにしない吸血鬼ということを考えるに、それだけで十分じゃ、」

 「はい、」

 「それじゃあドラマツルギーさんによろしく頼むよ、僕はもう動けないからね」

 「はい、」

 

 これで俺の仕事は終わりだ。また一日かけて人形便を使い帰るのである。

 

 「それじゃあ行くよ、お姉ちゃんがまた見つけたらしいから急がないとね」

 「ああ」

 「例外の方が多い規則(アンリミテッドルールブック)

 

 はるか上空をとんで、俺は日本へ、見滝原に帰ってきた。着いた頃には五日目の昼、そのまま病院に向かう。

 問題はここからだ、

 

Sideマミ

 

 今日はつるぎが帰ってくる日、アメリカ言ってくるって言われたときはびっくりしたけど、それ以上に、不正渡航って何?専門家の特権?私は何も聞いてないし、知らない、そういうスタンスを取ることにした。

 けどそれ以上に、つるぎ、鹿目家の関係が明らかになる日、チーズケーキは作ってきたけど、それとは別に、まどかさんには少しずつ回復魔法をかけてきた。三日前に決めたことだから。

 

 「来たね、」

 「はい、」

 「先に結果を見させてもらった……結果は……八花つるぎは私達の息子だ……」

 「そうか……」

 「本当?」

 「ああ、まどか、よかったな……いや、よくはないか」

 

 良くはない、だって、この数日目を覚ましたまどかさんと話して、どれだけ兄が好きだったかも知った。だからこそ、可哀想、だってつるぎにとっては五年前の記憶は無いから、関係性も合ってないようなものだから、これ以上、私達が出来ることは無いのかもしれない。

 

 「ふぅ……覚悟はしていた。見滝原は見覚えがあったから、貴方達のことも初対面だとは思わなかった……だからこそ、家族と分かったからこそ、言わせてもらう、俺はもう、貴方達の家族としては過ごせない」

 「五年のうち、中学にはいる前の二年は何をしていたのか来いてもいいかい?」

 

 私が魔法少女として戦い始めてから、ソレよりも前から、ハンターとして生きている、その説明は私も聞いている。けどそれだけで、私自信知っていることはそれからの二年と少しだけ。

 

 「……これについては、いや……聞く権利はあるか……」

 「それと、つるぎが言っていた治療法だが、あの後二人から話を聞いて、二人の力を借りている。退院見込みになっている。後はつるぎの方法を実践したい」

 「分かりました。後悔は?」

 「してないよ、それに、お兄ちゃんが言ってくれたことでしょ」

 「そうか、わかった」

 

 指を少し切り、出てきた血を飲ませる。完全な鬼じゃないから少し出血すれば無くなるものらしい。つるぎにとって親がいることは枷になるのかもしれないのに。

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