5回の転生を経て元の世界に戻ることに成功した俺、脳を焼かれた奴全員登場して大変なことになった件。 作:黒芋炒め
「うーん、実に清々しい朝だ」
窓から入ってくる涼しい風と小鳥の鳴き声で起きる朝、本当に素晴らしい。今ならなんでも出来そうである。カーテンでも開けるか、と思い右を見─
「カズくんおはよう」
「うわあああああああああああ!!!」
びっくりしすぎて死ぬかと思った。実際5回くらい死んでるけど。
「「いただきます」」
部屋から出て階段を降り、リビングに入るとそこには準備された朝食がズラリと並んでいた。
どうやら愛理は朝早くから準備をして待っていたらしい。本当に申し訳ない。
どうして起こさなかったのかを聞いてみれば、『あなたに迷惑をかけたくはないから』らしい。
そこは声をかけていてほしかったなあ。
自分が朝早く起きない事をどうにか他責思考で人になすりつけようか考えていた時、ふと気がついた。愛理が全く朝ごはんに手をつけないのである。
「愛理大丈夫か?」
「?どうしたの?」
「いや、何も食べないなあと思って…」
「カズくんより先にご飯は食べないよ?」
「別に気にしなくても…」
作ってもらった料理は先に食べてもらいたいと作り手は思うのだろうか。それとも愛理流のマナーのようなものがあるのだろうか。
謎は深まるばかりだ。
そのまま愛理と2人で朝ごはんを食べる。パンから漂う小麦の香ばしい香りに、完璧な焼き加減のベーコンエッグ。そして牛乳である。
今は春休みのため学校はない。あと2週間で高校に入学する予定である。ちなみに春休みだからってのんびりしすぎて両親はとっくに仕事に行っていた。てへぺろ。
それにしても、愛理が家に花嫁修行……もとい専業主婦みたいなことをし始めてから3日が経っていて、慣れ始めている自分がいることにびっくりしている。このままだと愛理なしでは生きていけなくなりそうだ。
「カズくんも国立草薙学園に通うんだよね?」
「もちろんそのつもりだ」
どうやら新女神はちゃんと俺の願いを叶えてくれたらしい。希望を言った内の一つ、『高校を5年に伸ばして、何もかも規模の大きい高校を作ってそこに通わしてほしい』という願いは届いている。ありがとう新女神、フォーエバー新女神。
「でもカズくん大丈夫?」
「何が?」
心配そうに見つめてくる愛理。
ふっ、心配はいらないさ。これから俺の輝かしい青春が幕を開けるというのだ。これまで頑張りすぎていた分、ここで巻き返しを───
「草薙学園は全寮制だから荷物とかまとめて置かないといけないけど」
「すみません愛理さん、本当に助けてほしいお願いがあるのですが」
聞いてないぞ新女神、どういう事だ新女神。
「そう言うと思って、私の方で全部用意しておいたよ」
「ごめんよく聞こえなかった、もう一回言ってくれない?」
「カズくんは準備していないと思って、私の方で服とか必要なものは一式準備しておいたよ」
拝啓、新女神様。私は本当にこの子がいないと生きていけなくなりそうです。