5回の転生を経て元の世界に戻ることに成功した俺、脳を焼かれた奴全員登場して大変なことになった件。   作:黒芋炒め

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第1話 自宅での一幕

「和也ー!ご飯よーっ!」

「ちょっと待って母さん、ちょっと今いいところだから待って…」

「つべこべ言わずにすぐ来る!」

 

ドアを激しくノックされる。

 

 一人っ子で育てられてきた自分にはあまり分からないが、両親にここまで育てて貰えたのは感謝しかない。あまり口にはしないが。

 そのおかげか、長い事親の声を聞けずにいたのもあって親に催促されると強く断れなくなっている自分がいる。どれもこれもあのクソ女神が悪い。

 

 ゲームをやめて階段を降り、リビングに入るとそこには数年ぶりに見る母親の作るご飯が並んでいた。

 炊き立てのご飯、味噌が沈澱していることから分かるインスタントの味噌汁、千切りキャベツとミニトマトが添えられたサラダ、妙に凝ってあるハンバーグ。

 

(なんかハンバーグだけめっちゃ凝ってあるな…)

 

 前に見た時とほぼ変わりないご飯。でもそれが、これまで頑張ってきた自分にとっての最大のご褒美のように思えた。

 

「「「いただきます」」」

 

 さてと、まずはどれを食べるとするか。やっぱり始めは味噌汁を……。

 

……………。

 

「どうしたの和也?」

「和也、大丈夫か?」

「カズくん大丈夫?」

 

「全然大丈夫じゃねええっ!」

 

何で愛理がここにいる?????

 

 

 

 

「なるほどね…。あんまり分からんけど、今日の夕食を愛理が手伝っているということは分かった」

 

 どうやら愛理は花嫁修行ということでウチで飯を作っているらしい。何でも同世代の男子に食べてもらえると良い修行になるからとか。

 筋は通ってるし、理由を理解はできる。だが、突然花嫁修行し始めるとは何かあったのだろうか。

 そんな事をうーんうーんと頭の中で考えていると、心配そうな表情で愛理が話しかけてきた。

 

「ごめんカズくん迷惑だった?」

「そんな事はないけど…」

「もし迷惑だったなら遠慮なく言ってね。これから絶対に関わらないようにするから」

「お、おう…」

 

 愛理もお世辞が上手くなったな。(思考停止)

 

 この愛理こと大倉愛理は、小学校からの幼馴染である。当時から変わらない鮮血のような赤色の髪と吊り上げるような目は、とても力強い印象を与える。それでいて性格は非常に穏やかで、中学では鬼ほどモテていた。多分告白された数でサッカーチームは作れるくらい。

 

 繰り返しになるが、俺こと徳岡和也は5回転生している。その中で、愛理とは4回目の転生時に非常に深く関わって協力していた。

───主に魔法少女として。

 愛理は中学2年生に魔法少女として開花した。多分これは俺が転生した時の世界が置き換わった弊害だろう。愛理は「ルビーの魔法少女」として炎を操り、巧みに敵を倒していた。

 

 他の2人に比べて市民を守る事も多かったことから、すぐに英雄的存在に担ぎ上げられて人気があった。

 今考えてもあの時の愛理は無理をしていたと思う。毎回の戦闘に極度のプレッシャーを感じながら多数の敵相手に中学生ながら奮闘していた。そんな愛理を俺は裏から支援をして助けていた。

 

───悪側の人間として。

 この世界ではそこまで強い力を持っていなかった事もあり幹部でありながらあまり戦闘に参加しなかったことから、俺はフリーで動けることが多く、市民の避難の誘導や弱点を魔法少女に教えることをしていた。

 

 俺が悪側の人間と知った時の愛理は酷く狼狽えていたが、戦闘を重ねるにつれて新たな信頼関係が生まれ、他の魔法少女と3人で悪側を追い詰めていった。

 まあ、最後の最後にバカやったせいで爆死しちゃうんですけどね…………。

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 夕食の食べ終えた皿を洗い終わり、部屋に帰ろうとした時、切羽詰まった表情の愛理に呼び止められた。

 

「カズくん、ちょっといい?」

「おう、大丈夫だぞ」

「ごめん、部屋で話させて」

「いいよ」

 

 愛理と一緒に部屋のドアを開けた。今思えば愛理が部屋に来たのはあの時以来か…。

 

「カズくん」

 愛理は両膝を床につけた。

「……愛理?」

そのまま頭を地面につけ───

「本当に、ごめんなさいっ…………」

俺に謝罪をしながら土下座をした。

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