「よーし、キミはずいぶん良い子でちゅねー。何か食べる?木の実かな?それとも魚?んー、ネコなのかリスなのかイマイチだね。この天才でも分からない生命がいるとは!まあでもいっか、可愛いから!」
「フォーウ……ンキュ、キュウぅ……」
「ん?彼のこと心配なのかい?まあでも大丈…おや?お目覚めかな。噂をすればというものだね。おはよう、こんにちは、藤丸君。意識はしっかりしてるかな?」
「貴方は?」
「こうして話をするのは初めましてだね。ん?なんだい?目を覚まして目の前に絶世の美女がいて驚いているのかな?わかるわかる。でも慣れて。私はダ・ヴィンチちゃん。カルデアの協力者だ。とにかく話は後。キミを待っている人がいるんだから、管制室に行きなさい。」
「待っている人って?ドクターですか?」
「ロマン?ロマンも待ってるけど、あんなのはどうでもいいでしょ。大事なのはお助けのNPCじゃなくてヒロイン。だろう?まったく。まだまだ主人公勘ってヤツがなってないなあ。」
「フォウ、フォウ。」
「ほら、この子もそう言ってるよ。いい加減立ち上がって会いに行きなよ。ここからはキミが中心の物語。キミの判断が我々を救うだろう。キミにはこれから英雄ではなく、ただの人間として星の行く末を定める戦いに、挑むんだ。」
「おはようございます先輩。無事で何よりです。」
「おはようマシュ。そっちこそ無事で何よりだよ。」
「はい。先輩が手を握ってくれたおかげです。二度あることは三度あるという格言を信じたい気持ちです。」
「コホン。再開を喜ぶのは結構だけど、今はこっちにも注目してくれないかな。まずはおはよう藤丸君。そしてミッション達成、お疲れ様。なし崩し的にすべてを押しつけてしまったけれど、君は勇敢にも事態に挑み乗り越えてくれた。その事に心からの尊敬と感謝を。おかげでカルデアは救われた。」
「所長については………。」
「自分たちが生きているのなら、所長だって……」
「………。」
「マシュから報告を受けたよ。聖杯と喚ばれた水晶体とレフの言動。現状のカルデアスは、レフの言葉のとおりで、外部との連絡も取れない。カルデアから救援を呼びに出たスタッフも戻って来ない。……おそらく、既に人類は滅びている。このカルデアだけが通常の時間軸にいないんだ。なんて言えばいいのかな。崩壊直前の歴史に踏みとどまっている………と言ったらいいのかな。」
「今のカルデアは宇宙空間に浮かんでいるコロニーだと思ってくれていい。現状、外の世界は氏の世界だ。この状況を打破するまではね。」
「解決策は、何ですか。」
「解決策は……
人類の未来を背負う力はあるか?」
ドクターが言うには今の地球、人類はもう滅亡している。その現状を打開するには人類史のターニングポイントに出現した七つの特異点を修復する必要があるらしい。そうすると人類を救える。それができるのはオレだけ……
「もちろんです。……自分にできる事なら。」
「―――ありがとう。その言葉でボクたちの運命は決定した。これよりカルデアは所長オルガマリー・アニムスフィアが予定した通り、人理継続の尊命を全うする。目標は…………
そんなふうに藤丸立香がマスターとして覚悟を決めている裏―――
とある一室にてオルガマリー・アニムスフィアは眠りから覚めた。
「レフ!?」
「おはよう、マリー。調子はどう?うーん、丹恒どんな感じ?」
「そうだな、まだ何とも言えない。どうだ?お前の新しい体はこちらで整えたが、やはり本人の意見はほしい。最終調整をしなければならん。」
「どう?さすがに私も一人の生命をミームとするのは初めてだから。何かあったら言いなさい。やれるだけはやってみるわ。」
「えっ……?はっ!?誰アンタ達!?助けて、レフ!!」
「驚かせてすまない。お嬢さん。どうか落ち着いてほしい。オレたちは彼女の仲間だ。」
「そうだよ。こんな可愛い美少女を前にして怯えるだなんて、失礼しちゃう。」
「………。もう!何が何だか!」