【TS】チートスキルで異世界転生無双できると思っていたのに   作:夕焼け小焼けの

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話の切り方が未熟なので短いです


冒険者になりたくて

 

「ていうかさ、あの赤猪(レッドボア)ってやつ。ホントに普通の冒険者は、アレを余裕で倒せるの?」

 

「ス、スバル殿? 何やら雰囲気が……」

 

「誤魔化さないで教えてほしい」

 

 歩きながらシロウとの距離を詰めていく。オレはもう吹っ切ったのだ。オレは冒険者になる。そう決めた。だから正しい目標の設定が必要だ。

 

「ほ、本当! 本当だぞ、赤猪(レッドボア)は突進こそ強力だが、それ以外に特筆する点もない。一人が正面から引き付け、側面に攻撃を集中すれば狩るのは難しくは──」

 

「……それパーティ戦じゃん!」

 

 一人で倒せないとダメ、みたいなミスリードしてなかった? 

 少し前に出てシロウの顔を覗き込むが、目線が合わない。確信犯か。

 

「冒険者は3人から5人程度でパーティを組むのが一般的である故、必然的に戦力評価はパーティ単位になってだな……」

 

「全員シロウみたいに強いのかと思った。パーティが前提なら、門前払いで冒険者になることすら出来ない、とはならないか」

 

「〜〜ッ! スバル殿はあまりに楽観が過ぎる! 今のスバル殿では、どのパーティにも入れませぬ! 戦力にならぬ者を迎え入れるパーティなど、どこを探しても見つかる訳がない!」

 

 やっと目が合う。が、今度はオレの方からを逸らした。

 

「そんなの、探してみないと分からないだろ」

 

「仮に見つかったとしても、今のスバル殿を迎えるようなパーティは……っ……(よこしま)な考えがあるに決まっている!」

 

 シロウはわざわざ足を止めてまでそう言った。

 

「──……よこしま?」

 

「その……非力な女子に近づく輩など……」

 

 ……あー、なるほど。

 

「つまり、カラダ目当てか」

 

「んな!?」

 

 シロウの毛がぶわっと逆立った。

 何となく察してはいたが、シロウはこの手の話に耐性がなさ過ぎるな。

 

「そういう奴って多いのか?」

 

「いや……うむ……時折そういう話を聞く程度には……」

 

「女って大変だな……」

 

「何故そうも他人事なのだ……!」

 

 そうか、そうだよな。今のオレはそういう警戒が必要なんだ。頭では分かっていたんだが、何というか、客観視ができない。オレが未だに自分の顔も知らないからだろうか。

 力説するシロウの顔を見上げる。

 

「──っ」

 

 苦しそうで……悲しそうだ。オレのせいでこんな顔をさせてしまった。

 ふぅ、と息を吐いて力を抜いた。

 

「……ごめん、オレちょっと意地になってた」

 

「……はぁ、拙者こそ言い過ぎた。どうにもスバル殿は……危なっかしく見えてな、つい口を出してしまう」

 

 そういう事は、現実的にあり得る。少なくとも、オレより冒険者に詳しいシロウはそう思ってる。仕方ない。

 

「パーティを組むのは諦めるよ……」

 

 戦力として貢献できない状態じゃ、余計な懸念が消せないからな。もしそんな事態に陥ったらと考えると……ゾッとする。

 

 

 

 

「だからオレは、シロウみたいにソロでいく」

 

「待て待て待て待て待てなぜそうなる!?」

 

 シロウは悲鳴を上げた。

 

「今夜は徹夜で訓練して、ある程度仕上げてから明日朝一で冒険者になる。それで魔物を狩って、飯代と宿代を確保する」

 

「スバル殿!!?!! ご乱心か!!?!?」

 

 イカれた行動計画だが、金なし家なし信用なしの人間が生活基盤を確保するにはこれくらいはやらなくては。

 

「多少余裕がある今日を逃すと、飢え死にするかも知れないし、無茶をするなら今日しかない」

 

「──〜〜!」

 

 勝算は、ある。転生してから今までの……たったの数時間で、魔法を連射したり、周囲を警戒しながら足場の悪い森を効率的に歩くことが出来るようになった。

 一晩を検証と鍛錬に費やせば、食費くらいは稼げるようになるはず……。

 シロウは頭をがしがしと掻き毟って。

 

「飯くらい拙者が奢る! 腹が減っては良い考えも浮かぶまい!」

 

「それは流石に世話になりす──」

 

 ヒョイと俵担ぎにされる。

 

「行くぞ、舌を噛むなよ!」

 

 え、ちょ。

 シロウが地面を踏み締め、走り出しっ──

 

 

 

「──ぎゃぁぁアアアア!!!」

 

 速すぎぃぃいいやぁぁああ!!! 

 

 

 

 ◆◇◆

 

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