俺が死んだと思っている仲間と会うのが気まずい   作:guruukulu

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総UA数10000回突破、誠にありがとうございます

まだ3話しか投稿してないのにこの伸びは一体何でしょう

みんな曇らせ好きすぎです



途中で第三者視点を挟みます

フリーレン視点を書こうと思ったけど難しかった・・・


2.身から出まくった錆

 第一次試験の内容としては、明日の日没までにパーティ全員が揃った状態で、隕鉄鳥(シュティレ)を捕まえていれば合格という、一見シンプルなものだ。

 

 隕鉄鳥(シュティレ)は極めて頑丈で、最大飛行速度は音速を超える。拘束もできず、魔力にとても敏感なので捕獲には困難を要する。

 

 ここまで聞けば、どうやって隕鉄鳥(シュティレ)を手に入れるかのアイデア勝負にも思えるが、もっと簡単に隕鉄鳥(シュティレ)を手に入れる方法がある。

 

 他パーティからの『強奪』だ。

 

 パーティ同士の戦いは、別にルールで禁止されているわけではない。

 というか、ゲナウさんは対人戦(これ)が本命でこの試験を考えたんだと思う。

 

 曲者揃いの魔法使いで構成された、即席パーティ同士の戦い。

 戦場では、関係のない人物との共闘なんてざらにある。短いコミュニケーションの中で、どれだけ自分と相手の長所を引き出せるか。これがこの試験を突破する鍵だ。

 

「ゼンゼさん〜あれは冗談で言ったことで、決して俺の意志という訳じゃ……」

「自業自得だぞトゥーリ。自分の発言には責任を持て。それともなんだ? フリーレンのパーティが信じられないのか?」

 

 そんな中、俺はゼンゼさんの説得に励んでいます。情けない……。これが世界でたった46人の一級魔法使いの姿か……

 

「だって、この試験でチームワークがないのは致命的ですよ?」

 

 ほら、あの子達また喧嘩してる……仲良くして……

 

「分からないぞ? 魔法は不可能を可能にする。彼女たちも喧嘩ばかりしているが、決して無能というわけじゃない」

「喧嘩ばかりしてるのが不安なんですよ……」

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 結界内にて

 

 

 

結界の中(ここ)は雨でも快適だな」

「こんにちは〜ゲナウさん。一人でお茶なんて寂しいですよ〜」

「何しに来た。ゼンゼ。トゥーリ」

「何ってみんなでお茶しようってだけですよ。待ち時間暇でしょ?」

 

 右手に持ったバスケットを掲げる。中には、昨日作ったお茶菓子がたんまり入っている。この人たち意外と食べるんだよな……

 

 ゼンゼさんと一緒に、お茶菓子をテーブルに並べていく。

 

「今回も有望な受験者を何人も死なせたみたいじゃないか。ゲナウ」

「ちょっゼンゼさん! そんな言い方は!」

「良い、トゥーリ。別に私は気にしてなどいない。

 それに、有望な奴はこの程度では死なんよ」

 

(……気にしてないわけないだろ)

 やっぱりこの人は優しすぎる。

 

「一級魔法使いにはそれだけの価値がある。お前もそれは分かっているはずだ」

 

 そう言ってゲナウさんもお菓子を並べ始める。

 

「それにしても人が悪い」

 お菓子を並べ終えたゼンゼさんが一言。頭に止まっていたシュティレを、自分の手に移す。

 

「魔法使いの試験に、魔力探知が通用しない魔物を選ぶだなんて。捕まえられるかどうかは運任せ。これは争奪戦に見せかけた対人戦だ」

「あっそれ俺も思いました。不憫なパーティが出てきそうですよね―」

「運も実力の内だ。それに──」

 

 ゲナウさんがこちらを見る。

 

「お前が賭けているフリーレンは、運以外でシュティレを捕まえたぞ」

「マジで!!!??」

「なんだトゥーリ。まるでフリーレンたちを信用してなかったような言い草だな」

「そっそんな事ないですよ! サスガオレノパーティダナァ

 

 どうやら俺の目は節穴だったらしい。

 

「あと3時間で日没だ。激化するぞ。対人戦が」

「ゲナウは誰に賭けたんだ?」

「デンケンだ。奴の実力は一級魔法使いと遜色ない」

「結局ゲナウさんも賭けたんですね……」

 

 試験官がこれで良いのか……いや、今更だな……

 

「富と権力にしか興味のない御老体がなんで今更こんな試験に。目的はやっぱり"特権”?」

「さあな。あの爺さんももう年だ。思うところでもあるのだろうさ」

「まぁ、お菓子でも食べながら考えましょうよ! クッキーで良いですか?」

 

「あぁ」「構わん」

 

 

 そんなこんなで、みんなで俺の手作りクッキーを食べる。

 うん、バターが効いてていい感じ。噛めば噛むほどに小麦の香りがふわっと鼻の奥に広がる。

それを紅茶で流し込めば、後味もスッキリしたものになる。

 

「やはり美味いな」

「うむ。このクッキーを食べてからは、もう他のクッキーには戻れない」

「ゼンゼさ〜ん褒めても何も出ませんよ〜。あっ俺のクッキーあげますね〜」

 

 

 ティーパーティーを始めてしばらく立ったあと

 

ごおおおおおおおおお

 

 デンケンさんが「竜巻を起こす魔法(ヴァルドゴーゼ)」からの「風を業火に変える魔法(ダオスドルグ)」の流れで業火の竜巻を作り出す。

 

「派手にやるなあの爺さん」*1

「結界は大丈夫なの?」*2

「愚問だ。この結界は大魔法使いゼーリエが施したものだ。力業で破壊できるようなものではない」*3

「そうか。ならいいが」*4

「ところで、昨日の晩くらいからか。結界を解析しているやつがいる」

 

 …………

 

「なんのために?」

「知らん」

「う〜ん? シュティレの分散? いや試験も終盤だしそれはないか……」

「どちらにせよ無駄な行為だ。この世にゼーリエを超える魔法使いがいると思うか?」

 

(……候補はいるんだよな)

 けどその人のことを話したら、本人に殺されそうだからやめておく。

 口は災いの元

 

(というかさっきのゲナウさんの発言。嫌な予感が……)

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「ゲナウ」「ゲナウさん!」

 

「問題ない」

 

 森の中

 

 フリーレンの手のひらから、一閃の光が指している

 

「ありえないことだ」

 

 光は上に上に伸びていき──

 

「天地がひっくり返っても」

 

「破られる」

 

 

パリィィィィィィィィィン

 

 あのゼーリエさんが施した結界が、破られた

 

 

 

 

 

 

 

 今、俺の眼前には文字どおり、有り得ないことが起こっている。

 

 不可能を可能にする神秘

 

 

(あぁ忘れてたな……この感じ……)

 

 

 眼の前で、常識が崩れていく

 

 

(そうだ、やっぱり魔法って凄いんだ)

 

 魔法で感動するなんて、いつぶりだろう

 

 

 結界が割れたため、雨が降り始める。

 

 雨が自分の頭を冷やしていく。

 

 

 

「フリーレンさん。あなたって人は……」

 

 

 

「最後の大魔法使いか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでゼンゼさん? 傘貸してもらっても……」

「駄目」

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 日没後

 

 

 

「時間だな」

 

 その場には計6パーティ18名の合格者が集まっていた。ゲナウさんの言ったとおり、合格したのは全体の約3分の1だ。

 

「第二次試験は3日後だ。詳細については追って通達する。以上だ。解散」

 

 その言葉を皮切りに、合格者たちがそれぞれの帰路につく。

 

「ゲナウさん。遺体の回収手伝いますよ」

「大丈夫だ。私の魔法なら、そこまで時間はかからない。それに──」

 

 ゲナウさんがそれを指差す。

 

「お前にはやるべきことがあるんじゃないのか?」

「あっ忘れてた!」

 

 

 

 ────────────────

 

 

 

「さて、シュタルクのところに帰ろうか」

「はい。フリーレン様」

「ここからオイサーストまで、結構距離あるんだよね〜」

「おんぶはしねぇぞ。自分で歩け」

 

 さすがの彼らといえど、一次試験の直後だ。言葉の端には疲労がうかがえる。

 

「みなさーん! 第一次試験お疲れ様でーす!!」

 

 場にそぐわない、明るい大声が響き渡る

 

「はい! これ俺が作ったマドレーヌになりまーす! どうぞどうぞ~」

「おい。どういうつもりだ。試験官がこんなことして」

「別にどうということはないですよ。俺はただの()()なので。でも何もしないのも忍びないので、得意なお菓子でも振る舞おうってだけですよ」

「ふん。どうだか」

 

 ヴィアベルがマドレーヌの包装を開ける。

 

「あっ食べてはくれるんですね」

「当たり前だ。食い物を粗末にしちゃいけねぇ」

 

(犬とか蹴ってそうな見た目なのに、意外と律儀だな)

 

「ん! うっま! おいお前ら! これすげぇうまいぞ!」

「フリーレン様! このマドレーヌとっても美味しいですよ!」

 

 トゥーリの手に持っていたバスケットの中は、あっという間に空になってしまった。

 

「うん。これは美味しいね。今まで食べてきた中でも屈指の出来だ」

「そう言ってもらえて良かったです。フリーレンさんにそう言ってもらえて、頑張って作った甲斐がありました」

「あの。このお菓子ってまだありますか?」

「一人一個でーす」

「ケチ」

 

 

(……少し余ったな。あとでゲナウさんと一緒に食べるか)

 

 バケットにはマドレーヌが3つ残っていた。

*1
カッケ───!!! 

*2
2人とも見てくださいよ! あれ? 聞いてます? 

*3
おーいお───い。……もういいや。クッキー食べよっと

*4
あっちょ! ゼンゼさんやめて! チクチクしないで!! 




一次試験は出番が少ないのでサクッと終わらせました

二次試験からガッツリ介入してきます(複製体が)

一級魔法使い選抜試験編終わったらどうする?(掲示板回は行います)

  • そのままレヴォルテ編へgo!
  • トゥーリ過去編
  • ゼン✕トゥリ
  • ゲナ✕トゥリ
  • ラヴィーネ&カンネ✕トゥリ
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