モヒカン・ゴッド    作:菌床

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 最も傲慢なエンブリオってどんなのだろうと考えて書きました。


モヒカン・ゴッド 前編

 

 <トライ・フラッグス>二日目。

 その場には多くの皇国所属マスターが集まっていた。

 彼らはこれより、王国の<宝>を所持していると目される<ウェルキン・アライアンス>へ攻め込む者達である。

 <ウェルキン・アライアンス>は空輸クランとして名を馳せており、その拠点は雲を固めて土台を造るという方法で上空二〇〇〇メテルに建築されているため、簡単に手出しをする事が出来ない。

 故に、ここに集められた者達は空でも戦える者だ。

 エンブリオで、特典武具で、あるいはフランクリン製のモンスターの者もいる。

 魔境である空を戦場とする彼らは猛者の集まりだが、そんな彼らの表情は芳しくない。

 

 何故なら、既に皇国は王国に優位を取られている状況だからだ。

 

 <トライ・フラッグス>は砦、宝、命、この三つの<旗>を先に破壊された方が負けというルールの元に行われる戦争。

 王国と皇国の命運を賭けた戦いだが、現時点で皇国側は<砦>を落とされている。

 その事に焦りを感じる者も居れば、自分達で戦局を変えて見せると意気込む者も居た。

 そんな十人十色な感情渦巻く状況で、一人我関せずといった男が注目を集めていた。

 

 「ヒャッハー! おいこら、俺の頭の上で飯を食うんじゃない!」

 「申し訳ありません主よ、今日はこうらしく。私も本意ではなく、ズルズル、ふーふーズルズル」

 

 モヒカン生やした鉄仮面の頭の上で天使がラーメンを啜っていた。

 これから決戦前だというのに、あまりにもマイペースなその姿に周囲も困惑している。

 

 「ヒャッハー! 顔に汁飛んで来たぞ!? 豪快に食ってんじゃねぇ、少しは申し訳なさそうにしろや!」

 

 そう言って怒っている鉄仮面の男の頭からは、立派な金髪のモヒカンが生えていた。

 身につけている装備品は禍々しい物が多くいが、統一感がなく取り敢えず強い装備で全身を固めた、といったように見えるだろう。

 

 「主よ、ラーメンを一番美味しく食べる方法を知っていますか? それは汁を撒き散らすほど豪快に啜る事なのですよ!」

 

 ラーメンを啜っている天使は緑色のボブカットの少女の姿をしている。

 翼を広げて浮かびながら、態々マスターと思しき相手の頭上で汁を飛ばしながら美味しそうにラーメンを啜る姿には、遠慮というものがまるで感じられない。

 

 「おーおーぎょうさん集まって……って何しとんのやお前?」

 

 その現場に現れた男はガンドール。

 【竜征騎士】の座に就く凖<超級>のマスターであり、皇国内でも屈指の空中戦闘能力を有している。

 空中に居を構える<ウェルキン・アライアンス>の相手としては、これ以上の存在は居ないだろう。

 そんな彼は作戦会議の場でなんか騒いでる奴がいる事に驚いていた。

 

 「ヒャッハー! ウチのエンブリオの食癖なんだ、気にしないでいいぞ!」

 「ズルズルズルズルズルズル」

 「マスターの頭の上で熱々の料理を食うとは、なんや大変な食癖持っとるんやなぁ」

 

 エンブリオは人型に近付くほど特殊な食癖を持つ事が多い。

 その事を知っている者からすれば、ある程度納得の出来る理由ではあった。

 

 「ヒャッハー! 残念ながらこいつの食癖は日替わりでな、今日の食癖ガチャは大外れだぜぇ!」

 「そりゃ難儀やんな」

 

 ガンドールも様々な食癖のエンブリオを見て来たが、こんな面倒くさい食癖は初めてだ。

 

 「ヒャッハー! 会議始まる前に腹ごしらえしとこうとしただけなのに、既にシャワー浴びに戻りたい気分だぜ」

 「いやもうそんな時間ないで? ほれ、タオル貸したるからこれで拭き」

 「わぁ、ありがとう御座います!」

 

 そう言ってガブリエルがタオルを受け取り、自分の口周りを拭き始めた。

 しかもその後、自分の口を拭いたタオルでマスターの顔を拭き始める。

 自分が汚したマスターを拭くのかと思ったが、自分の口周りを拭いたタオルでマスターの頭を掃除するという暴挙。

 当然というべきか、その事にキレたモヒカンと喧嘩が始まった。

 これには流石のガンドールをドン引きである。

 

 「ヒャッハー! 全く酷い目に遭ったぜ、そういえばまだ自己紹介してなかったな」

 

 グジャグジャになったモヒカンを整えながら、彼は自己紹介を始める。

 

 「ヒャッハー! 俺はモヒカン・ゴッド、神だ」

 「ガブリエルと申します。宜しくお願いしますね」

 「おう、ガンドールや宜しく………神?」

 

 今コイツ自分のこと神って言ったか、と疑問に思う。

 ジョブには神シリーズと呼ばれるモノがあるし、もしかしてその事かと考える。

  

 「……神シリーズに就いとるっちゅうことか。何の神なんかいな?」

 「ヒャッハー! 俺のジョブは【大預言者】で神シリーズじゃねぇぞ?」

 「???」

 

 ガンドールの頭には疑問符が大量に浮かび上がる。

 もし心象風景を映し出すエンブリオが居れば、彼の脳内には宇宙が広がっていることだろう。

 なにせ冗談の類では無い事が間違いないのだ。

 《真偽判定》も反応しておらず、本人も嘘をついている様子がない。

 心の底から自分を神だと言っている相手と遭遇した事実は、SANチェックが発生しても不思議では無いだろう。

 混乱するガンドールに助け舟を出したのはガブリエルだった。

 

 「主は自認が神なのです。混乱するかもしれませんが、害は無いので気にしないでいいですよ」

 「ええ……怖」

 

 変人の多いこのゲームでも、そうそうお目にかかれないレベルの変人にたじろぐガンドールであった。

 そんな時、会議室の扉から一人の人物が入って来た。

 

 「皆さん揃っているようですね。では、作戦会議を始めます」

 

 入って来た彼女の名前はホールハイム。

 <叡智の三角>のサブオーナーにして財務担当者である。

 彼女が入って来た事で場の空気が静まり返り、騒がしかった室内に静寂が満ちる。

 こうして<ウェルキン・アライアンス>攻略のための作戦会議が始まった。

 

 ◆

 

 少し時は遡り<トライ・フラッグス>が始まる少し前。

 <LotJ>にてモヒカン・エリートがとある書類に目を通していた。

 なんの書類かといえば、加入希望者の情報が記載された報告書である。

 <LotJ>は細かいルールが無く加入条件も特に無いので、戦争に参加するために加入する傭兵達が多いのだ。

 そのため大量の書類が積み重なっているのだが、それら全てに目を通しているあたり生来の真面目さが隠しきれていないモヒカン・エリートであった。

 

 「ん、コイツは確か……」

 

 その中で一枚の紙に目が止まる。

 そこに記載されている名前とジョブには聞き覚えがあったのだ。

 

 【大預言者】モヒカン・ゴッド。

 

 自分と同じモヒカン類の中でも特に強烈なネーミング。

 故に知っていても不思議はないのだが、彼はモヒカン界隈以外でも有名な人物だ。

 最近の事件で更にその名は知れ渡るようになっており、モヒカン・エリートもその内容には驚かされた。

 

 「さっきからずっと何見てるの? ウチのクランでも加入させられないような問題児でも来た?」

 

 そう言いながら覗き込んで来たのはカタ。

 このクランのオーナーであり、【喰王】の座に就く凖<超級>だ。

 かなりマイペースな彼だが、モヒカン・エリートの普段あまり見ない様子が気になって声をかけたのである。

 

 「いえ、問題児というか有名人というか……。ほら、コイツですよ知りやせんか?」

 「モヒカン・ゴッド? んーー知らないなぁ。もしかしてモヒカン界隈を統べるカリスマ的存在とか?」

 

 モヒカン達が集まって鉄仮面付けたモヒカンを崇拝する光景を想像するカタ。

 絵面が完全に世紀末である。

 

 「いやまあ、そういうのをノリノリでやるモヒカン達も居るでしょうけど」

 

 モヒカンにするマスターは大抵ノリがいい奴らばかりなので、ロールプレイの一環として普通に有り得るのが怖いところだ。

 

 「この前のコルタナの事件で一気に有名になったモヒカンですぜ。めちゃくちゃ騒ぎになって、皇国の中でもその話題でもちきりになりやしたぜ」

 「そうだったっけ? 覚えてないなぁ」

 

 記憶を探るも該当するモノには掠りもしない。

 かつてのカタならばその話題を記憶していたかもしれないが、現在の傷心中の精神では無理であった。

 

 「まあ、コイツゲーム始めてから内部時間で一年経って無いでやんすし。オーナーが知らないのも無理無いでやんすね。それでも天地じゃかなりの知名度だったそうですぜ、それこそ王国での“不屈”並みだったとか」

 「へえ、そりゃ凄い。一体何をやらかしたの。天地のモヒカンを束ねて、新しい大名として一大勢力を作り上げたとか? もしかしてモヒカンの国でも建国した?」

 

 自分が知らない内に七大国家では無く、八大国家にでもなったのだろうか。

 モヒカン=世紀末という認識の根底にある漫画を描いた漫画家は確か島国出身だった筈。

 もしかしたら熱心な世紀末救世主伝説のファンが集まって、似たような国を作り上げでもしたのだろうかと考える。

 

 「モヒカン束ねる方向性に行くの辞めやしょうや! そんなタチの悪い新興宗教みたいな連中いる訳……王国に居やしたね」

 

 王国の主要な宗教施設兼医療施設、それらを容赦なく奪っていくカルト宗教が居たことを思い出した。

 レジェンダリアを拠点とするカルト宗教は居るが、彼方はそこまで大規模にやっている訳ではない。

 タチの悪さならいい勝負かもしれないが。

 

 「そういう革命家的な方向性じゃ無くて、個人武勇で有名になったんでやんす」

 「へぇ、あの国で武力を用いて活躍したなら、戦力として期待できそうだね」

 「ええ、そうでしょうね。なんせコイツは下級職の時点で 、十人以上の超級職を討ち取ったんですから」

 

 そのモヒカン・エリートの言葉にカタが目を見開いた。

 

 「それってティアン? それともマスター?」

 「両方っすね。まあ、コイツの仕業だと思われる状況での数値なんで、実際はもっと殺してるんでやんしょうね」

 

 天地は常に内乱の絶えない修羅の国。

 そのためティアンの強者も多く、平均レベルは七大国家の中でも最高だ。

 凖<超級>に伍するティアンも複数存在しており、もしも天地が外国へ侵略をしていれば大陸の歴史は変わっていたことだろう。

 マスターティアン問わず強者が集う修羅の国にて、下級職に下級エンブリオで並いる猛者を討ち取ったのだから有名にもなろうというものだ。

 

 「ただ、そのせいで天地の修羅に付け狙われ過ぎて国を出たらしいんで、戦闘狂って訳じゃないみたいでやんす」

 「ふうん、依頼なら戦うタイプかな。そういえば、確かコルタナで事件に関わったんだよね。皇国でも話題になるなんて一体何したの?」

 「オーナー、黄河から盗み出された珠の事覚えてます?」

 「……ああうん、覚えてる。」

 

 <UBM>を閉じ込めた珠が盗み出された事件。

 様々な勢力がその力を求めて動き出しており、カタもその事件はモヒカン・エリートから聞いていた。

 

 「コルタナでその珠が解放されて、古代伝説級<UBM>二体が暴れる大事件があったんでやんすよ」

 

 都市存亡の危機に陥った大事件。

 複数の超級が集った事で混迷を極めたのだが、その事件を解決したのが件のモヒカン・ゴッドなのである。

 

 「その時暴れてた古代伝説級<UBM>二体と、珠の回収に来てた【撃墜王】を纏めて殺したんでやんすよ」

 「──へぇ」

 

 それには流石のカタも驚いた。

 超級でも相性次第では敗北しうる古代伝説級<UBM>を二体討伐するだけでも凄まじいが、超級である【撃墜王】を倒したとは驚きだ。

 マジンギアを駆り、空中を戦場とする個人戦闘型の超級。

 『危険な未来を見る』というエンブリオと、高い機動力と燃費を有するマジンギアを用いた彼女を倒すのは容易ではない。

 カタからすれば相性最悪の相手といえる。

 

 「そっか、【撃墜王】は元々皇国所属だっけ。能力とか知ってる分驚きも大きかったのかな」

 「空中戦が出来る特典武具を持ってたのも大きいんでしょうがね、それでも大したもんでやんすよ」

 

 王国の“不屈”も【魔将軍】に勝利を収めているし、最近のルーキーは怖いものだと思わされる。

 その内<SUBM>を討伐するルーキーが現れたりするのだろうかと、そんな有り得ない事を考えてしまう。

 

 「まあ、そうやって個人生存型の超級を何人も倒してるんで、殺傷能力に関しては凖<超級>トップクラスなんでやんしょう。敵なら恐ろしいですが、味方なら頼もしいでやんすね」

 「そうだね……ん、()()()()

 

 モヒカン・エリートの口から聞き捨てならない言葉が聞こえた。

 

 「ええ、珠を巡った騒動でカルディナ所属の超級を三人仕留めてるでやんすよ。しかもその内の一人は最も有名な個人生存型でやんす」

 「カルディナの個人生存型って確か……」

 「──“万状無敵”」

 

 個人生存型にして広域殲滅型の超級。

 そして、その知名度は超級の中でも最上位の存在。

 不壊のエンブリオと複数のブローチを組み合わせシナジーによって、ゲーム内でも最高の防御を誇る。

 仕様上耐性貫通と防御無視を可能とするカタ自身でも、一歯報いることさえ出来ないだろう相手。

 その男が破れたというのか。

 

 「全然知らなかった。もしかして最近エリートが空けることが多かったのってそのせい?」

 「ええまあ、“万状無敵”を殺せる奴が居るとなると、色々とやっておくことがあるので」

 

 モヒカン・エリートが皇国以外の勢力の内通者であることをカタは知っている。

 だが、皇国所属のマスターとして十分に貢献しているため、特段問題視はしていないのだ。

 

 「それで、ソイツどんな戦闘スタイルなの?」

 「ええ、それは──」

 

 それを聞いたカタは、思わず「そんなのアリか?」と思わずには居られなかった。

 

 ◆

 

 王国の上空二〇〇〇メテル。

 そこに居を構える<ウェルキン・アライアンス>周辺空域は戦場となっている。

 皇国側の第一陣はフランクリンが作成したレックレスシリーズを大量展開し、何人ものマスターが<ウェルキン・アライアンス>の拠点を目指して侵攻する。

 しかし、<ウェルキン・アライアンス>側もただやられるばかりでは無い。

 近づく者から飛行能力を奪うイカロスを始めとした、対空能力を持つエンブリオによってその悉くを返り討ちにしていく。

 この世界の空は魔境である。

 上へ登るほど強力なモンスターの生息域となるため、この世界の航空技術は進歩することが難しかった。

 その環境で空輸クランを運営するために彼らが選んだのは、近づくモンスターを悉く返り討ちにすることだった。

 危害を及ぼすものを殺し尽くせば安全という、ある意味で単純な方法だが、それを可能とする力が彼らにはある。

 

 だが、第二陣が参戦した瞬間にそれらは全て無意味と化した。

 

 「はえ?」

 「な──」

 「おいおいおい死──」

 

 第一陣を迎え撃つために出撃した全員が、デスペナルティとなったのだ。

 近づくものを墜落させる太陽も、雷霆を宿す水面も消え去った。

 何が起こったのか理解する間もなく、気がついた時には全員が【即死】していたのである。

 その光景を見ている者が居れば、かの三極竜を連想したであろう光景。

 この現場を作り出した犯人は、遥かな高みから消えゆく彼らを見下ろしていた。

 

 「ヒャッハー! 汚物は成仏だーー!」

 

 野卑な声が空に響き渡る。

 声の主は鉄仮面を被り、刺々しい肩パッドに骸骨を模した黒い鎧を纏う男であった。

 そして、何よりも目を引くのは頭から生えた立派なモヒカン。

 

 【大預言者】モヒカン・ゴッドが、空中にトゲトゲしたバイクを停めて高笑いしていた。

 

 「ヒャッハー! 貧弱貧弱ぅ! このまま全員涅槃に直送してやるぜ!」

 (ジョブが【大預言者】で、エンブリオがガブリエルやのに涅槃って。三代宗教欲張りセットかいな)

 

 言動はふざけているが、その実力は本物だと第二陣の面々も思い知らされる。

 名前や実績はあらかじめ知っていたが、実際に目の当たりにするとその異様な光景は不気味すぎて恐怖を感じてしまう。

 

 「噂には聞いたったが、何がどうなっとんねんコレ」

 

 突如として周囲の敵が全て【即死】するという状況。

 しかも、何らかの予兆なども無く突然死んだのだ。

 先ほどまで出現していたイカロスなどがいい例だが、強力な効果には相応の条件が必要となる。

 スキルを使用した地点から一旦距離近づくことや、相手が自身より上に居る、或いは一定のレベル以下である事などの条件が必要となる。

 かの三極竜でさえ、<SUBM>というモンスターの頂点たる座に就いても範囲内の相手を無条件即死など不可能だった。

 それが如何なる仕組みなのか考えるが、答えが出る前に状況が動く。

 

 「皆んなを一瞬で倒すなんて凄いです! でも負けませんよ!」

 

 モヒカン・ゴッドとは対照的で陽気な声が空に響く。

 その声と同時に黒い群れが飛び出した。

 

 「ヒャッハー!? 黒い鳥、ってことは【飛将軍】か!」

 『ここまで来ると蝗害みたいですね』

 

 それは空を覆う程に展開された黒い鳥の軍勢。

 まるで夜が向かってくると錯覚してしまう光景に、モヒカン・ゴッドも圧倒されてしまう。

 一体一体は雀ほどのサイズだが、その全てが亜音速で飛行しており、獲物を目掛けて殺到する。

 これこそは、【飛将軍】リーフのエンブリオである【形影葬鳥 ペリュトン】。

 ジョブによってバグったエンブリオの代表例たる完全シナジー型。

 

 触れた相手を固定ダメージで消し飛ばす、五〇〇〇羽の生体弾である。

 

 人間を殺害する事でストックを獲得し、パーティー枠の数まで増殖するペリュトン。

 パーティー枠を拡張し、パーティーの数だけ配下のAGIを増幅させ、配下と接触した対象にAGIと同値の固定ダメージを与える自爆技を使える【飛将軍】。

 本来ならば配下を集めるだけで大変だが、ペリュトンならば人間一人分のストックでパーティー枠即座に全て埋められる。

 このゲーム内でも屈指の恐るべきシナジーと言えるだろう。

 

 「私は【飛将軍】のリーフ! 対戦よろしくお願いします!」

 

 最も、一番怖いのはその陽気な性格から繰り出される闇の深いエンブリオなのだが。

 

 「ヒャッハー! 俺は【大預言者】モヒカン・ゴッド! お前の死を予言しよう」

 

 バイクをふかし鉄仮面を被った世紀末なモヒカン。

 笑顔で物理的にも精神的にも闇と病みを感じさせる少女。

 どちらも単純で、しかしあらゆる意味で正反対な二人が激突した。

 

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