二人のビーストテイマー~プログレッシブver~   作:ほにゃー

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いつか描いてみたいイラスト

①王子様の恰好をしたSAOシリカがお姫様の恰好をしたSAOレイン(顔を真っ赤にして顔を両手で覆ってる)をお姫様抱っこ

②女刑事の詩乃の唇を奪う怪盗危

③寝てるSAOアルブスに寄り添って寝るSAOリズ(場所:リズの店)


第4話 強化詐欺の考察

アスナさんが失ったと思っていた《ウインドフルーレ+4》をアスナさんの手に戻り、今アスナさんはそれを抱きしめるようにベッドに腰掛、その反対側にキリトさんが背筋を伸ばしていすに座ってる。

 

俺はというと、キリトさんとアスナさんの中間の位置に四つん這いになっている。

 

何故かって?

 

シリカの椅子になってます。

 

「………色々検討してみたけど……私が感じてる怒りが九十九Gなら、喜びが百Gだから差し引き一G分だけ感謝するわ」

 

「なんで、G?」

 

「怒りが上回ってたら、その分だけあなたをぶん殴るからよ」

 

Gって、衝撃加速度ですか………

 

「ちなみにレイン、あたしは乙女の部屋に許可なく入って、挙句、女性の私物を漁った事で怒りが百G。それで、アスナさんの剣が帰ってきたことの驚き九十Gで、差し引き十G分、レインを痛めつけるから。取りあえず、暫く椅子」

 

どうやら、俺のパートナーはアスナさんほど優しくないみたいだ。

 

「それで、どうして砕けたはずの私の剣が戻って来て、君たちが私達の部屋に突入してきたのか、説明して頂戴」

 

「えっと、かなり長くなるぞ。それに俺もまだ仕掛けの全体像を把握したわけじゃないし」

 

「構わないわ。夜はこれからでしょう」

 

アスナさんがそう言うと、キリトさんは一階のカウンターでハーブ入りのワインボトルと、謎のナッツの盛り合わせを買って来た。

 

ちなみに、俺はキリトさんの説明中、ずっとこのままの状態らしい。

 

「まず、アスナの砕け散ったはずの剣が何故ストレージに入っていたのかだけど、これは強化詐欺のキモだ」

 

強化詐欺とキリトさんが明確に言うと、アスナさんは目を細くして続きを促す。

 

「説明するより見てもらった方が早い」

 

そう言ってキリトさんは自分のメニューウインドウを可視化し、アスナさんとシリカに見せる。

 

「俺の装備フィギュアの右手セルには、《アニールブレード+6》のアイコンがあるだろ?」

 

二人が頷くと、今度は剣を背中から鞘ごと外し、足元に置いた。

 

すると、ウインドウの右手セルに表示されてるアイコンが薄くグレーアウトする。

 

「これって、装備してる武器の《落下状態(ドロップ)》ですよね」

 

シリカが気づき声を上げる。

 

「ああ。戦闘中に手を滑らせ(ファンブル)したり、Mobの武器落とし(ディスアーム)属性攻撃を喰らったりすると発生するやつだ」

 

「慣れていないと、かなり焦るわね」

 

「落ち着いて次の攻撃を避けてから武器を拾えばいいんだけど、慣れるまでに時間が掛かるからな。一層の真ん中辺りで湧く《スワンプコボルド・トラッパー》が初のディスアーム使いだけど、あそこでだいぶ犠牲者が出たらしい」

 

「攻略本にも、すぐに拾うとするなって書いてあったのにね。私、あいつと戦う時、予備のレイピアを少し離れた所に置いてたわ」

 

「なるほど。同じメインアームを沢山持ってるとそういう手も使えるのか」

 

アスナさんの発想にキリトさんが感心する。

 

話がズレてる。

 

「キリトさん、脱線してますよ」

 

「おっと、そうだった。そんでこのドロップ状態の剣を放置しておくと、《放置状態(リープ)》になって、耐久値が減ってくんだけど………アスナ、俺の剣を拾って」

 

指示に従い、アスナさんが剣を拾うと、キリトさんの右手セルから、アニールブレードの名前が消え、空欄になる。

 

「これが、《武器奪われ状態(スナッチアーム)》だ。ディスアームと違って、スナッチ技は上層に行かないと出てこないけど、ソロで食らうと相当ヤバイ。だから、その前に、武器スキル発生Modの《クイックチェンジ》を絶対に取っておかないといけないって、まだズレた」

 

再び脱線仕掛け、キリトさんは咳払いをして再修正をする。

 

「戦闘中でも仲間に武器を渡したりするよな。その時は、スナッチじゃなくて《武器手放し状態(ハンドオーバー)》って呼ぶ。落したり、武器を直接渡したりすると、装備フィギュアの武器セルは空欄になる。鍛冶屋にウインドフルーレを渡した時みたいに」

 

そこで、アスナさんとシリカは何かに気づき、目を細める。

 

「で、重要なのは、このセルは空欄で、何も装備してないように見えるけど、アニールブレードの所有権はクリアされた無いんだ。例えば、俺が装備してないアイテムをアスナに渡すと、所有権は三百秒……たった五分でクリアされ、次に誰かのストレージに入った瞬間、そのプレイヤーのものになる。だけど、装備してるアイテムの所有権の持続時間は遥かに長い。放置もしくは手渡し状態になってから、三千六白秒、すなわち一時間経過するか、同じ手に別の武器を装備した時だ」

 

「じゃあ、キリトさんとレインが部屋に行き成り入って来たのも、装備フィギアを見たのも、理由があっての事だったんですね」

 

シリカが納得したように言いながら、俺の後頭部に肘を押し付ける。

 

痛く無いけど、衝撃はあるから止めてほしい。

 

「ああ、そうだ。そして、その二つを満たしていることで、奪われた剣を回収する唯一の手段、《|所有アイテム完全オブジェクト化《コンプリート・オール・アイテム・オブジェクト》》なんだ」

 

「それにしても、どうして完全オブジェクト化ボタン、あんなに深くあるのかしら?使いづらいし、それ以前にどうして全部なの?」

 

「答えはアスナが言ってる。使いづらくする為さ」

 

「どういうことですか?」

 

「これは言わば、《最終的救済手段》なんだ。武器を置き忘れたり、落したり、モンスターに奪われたまま逃げ出すのは自分のミスだから諦めないといけない。でも、それだと難易度が高くなりすぎる。そのために、一つだけ救済手段を設けたんだ。その代りに安易に使用できたりしないように制限が掛けられる」

 

「その制限が、深い位置によるアクセスのしづらさとアイテムを選択できず、全てのアイテムをばら撒く融通の無さです」

 

シリカの下で文字通りに尻にしかれながら、俺もキリトさんの説明に続く。

 

「それで、一つ切ない話がある」

 

キリトさんのその切ない話とは、βテストの時、五層で登場するスナッチ系Mobにメイン武器を奪われたプレイヤーがいて、運悪くそのプレイヤーが《クイックチェンジ》のスキルを習得してなかったため、例の方法でアイテムを回収しようとした。

 

だが安全地帯に行くのを面倒臭がり、開けた場所で《完全オブジェクト化》を使った。

 

その瞬間、その層でスナッチ系Mobに並んで登場するルーター系Mobが現れ、そのプレイヤーのアイテムを根こそぎ奪って逃げた。

 

しかも、ルーター系は《強奪(ロビングル)》スキルを持っているため、所有権が即時に移動する。

 

幸いにも迷宮区は解放されたばかりで、他のプレイヤーが来る前にそのプレイヤーは全てのアイテムを取り返すことに五時間も掛けて成功した。

 

あれは辛かった……………

 

手伝わされた俺の身にもなって欲しい。

 

「状況が手に取るようにわかるわ。まるで、自ら体験したみたいね」

 

「………という話を伝聞で耳にしたんだよ、もちろん。それより、なんだっけ、ええと……」

 

「《全オブジェクト化》による奪われたアイテムの奪還には、便利であるがゆえにいろいろめんどくさい仕様になっているって話。とりあえず、剣が戻ってきたロジックについては分かったわ。でも、これでようやく半分よね?」

 

「そうですね。アスナさんの剣が今手元にあるってことは、あの時砕けた剣はなんだったんですか?」

 

「それについても俺もレインも分かってない」

 

「ですが、必ずどこかにあるはずなんです。アスナさんの剣を受け取ってからそれをアンビルの上で消滅させるまでの間に、剣をすり替える方法が」

 

「従来のMMORPGなら、武器は鍛冶屋に預けた時点で画面から見えなくなる。詐欺を行ったかなんてわからない。だが、これは世界初のVRMMORPGだ。ここでは、俺達が剣を渡してからもその場に存在する。だから、剣をすり替えるなんて簡単じゃない。というか、むちゃくちゃ難しいんだ」

 

キリトさんの言う通りだ。

 

あの場に居た俺達は一度も剣から視線を外していなかった。

 

その状態で剣をすり替えるなんて不可能に近い。

 

「あ!あたし一度剣から視線外しましたよ」

 

シリカがそう言った。

 

「強化素材が炉に入れられるとき、青い光を放って綺麗で思わず見惚れちゃって」

 

「あ、それ私も思った」

 

「俺も見てた。まぁ、俺の場合はちゃんと強化素材が全て入ったかってのを確認するためなんだが」

 

そう言えば、俺もその時、青い光を見ていた。

 

「キリトさん、その瞬間にすり替えるってのは」

 

「いや、流石に無理だろ。目を離したって言ってもせいぜい三秒。三秒で、ウインドウを開いて剣を仕舞って、別の剣を探してオブジェクト化するなんて三秒じゃ短過ぎる」

 

やっぱ無理か………

 

「だったら、もう一度確かめに行けば」

 

「それは無理だ、シリカ。あの人もストレージ内からアスナさんの剣が無くなったことにはもう気づいてるはずだ。そうなれば警戒して、店を出さなかったり、詐欺自体行わない可能性がある」

 

「それもそっか………」

 

そこからは誰も口を開こうとせず重い空気が漂った。

 

「暫くは情報を集めてみよう。すり替えトリックもそうだが、ネズハ本人についても。どちらにしろ、明日は前線に出ないとだしな」

 

キリトさんがそう言い、俺達も頷く。

 

「そう言えば、今日の昼に聞いたけど、明日の午前中に最後のフィールドボスを討伐するから、午後からは迷宮区に入れるだろうって」

 

「早いな。攻略部隊のリーダーは?」

 

「キバオウとリンドさんよ」

 

「リンド?」

 

「ディアベルさんのパーティーに居たシミター使いよ」

 

ああ、そう言えばいたな。

 

確か、キバオウの奴と一緒にキリトさんを糾弾してたな。

 

「ディアベルさんの後を継ぐつもりなのか、髪を青く染めて、装備も片手剣と盾に、銀色の鎧にしてたわ」

 

「どちらにしろ、攻略部隊に俺の入れる場所はなさそうだな。アスナとレインとシリカは参加するのか?」

 

「私は偵察戦までは参加してたけど、ラストアタック・ボーナスの扱いで頭ごなしに言われて本戦に参加しないって言っちゃった」

 

「俺とシリカは今知りました」

 

「取り敢えず、あたし達は参加しないつもりです」

 

鼠言う俺達にキリトさんは苦笑する。

 

「まぁ、フィールドボスはそう手こずる相手じゃないから問題はないと思う。だけど、フロアボスは強敵だぞ」

 

「そんなに強いの?」

 

「理屈から言って一層のボスより強い」

 

「攻撃力自体はそんな高くないですけど、特殊なスキルを使ってきますが、迷宮区で時間湧きMobで対処法を練習できるので問題はないと思います」

 

この情報はアルゴさんの攻略本で知れ渡っていると思うが、一層のボスの件もある。

 

きっと、二層のボスも微妙な変更があるはずだ。

 

「なら、鍛冶屋さんのことは一先ず置いといて、明日はその対処法を練習しましょ。ウルバスの南門に七時集合ね」

 

「わかった」

 

「遅刻したら今度こそ加速度百Gですから」

 

そう告げアスナさんは、アラームの設定を始める。

 

俺もシリカから解放され、キリトさんを連れて部屋を後にした。

 




なるべくなら月一で更新したいです。
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