「ふんす、ふんす」
「おい、セスナがまた不眠症になってんじゃねぇか」
久しぶりにセスナが覚醒状態にある。かっと目を見開いた顔つきで、鼻息荒く元気が有り余って仕方ないといった様子だ。
「もうワーグ問題は解決したから、不眠症になっても俺様としては困るだけなんだが、セックスしたところで気が散るし」
「ふんす、ふんす、眠くない!!楽しい!!だから、徹夜で遊ぶ!!そんな気分!!!」
「…」
「ねぇ、ほら総統、セスナもああいってるんだしさぁ」
メガデスがにやにやとランスの顔を覗き込む。
「うーん、セスナが楽しくても俺様が微妙なんだが…徹夜で遊ぶのは元に戻ってからでいいな…」
「ギャップ萌えはすごいんだけどね」
聞き流すランス。
「俺様たちよりもワーグが喜ぶだろうから、あいつのとこへ行ってきたらどうだ?」
「というわけで、来た!!!」
ワーグのおうち。
困惑して、でもそれを遥かに上回る高揚感と、ドキドキと、お友達が来てくれたやったー嬉しいどうしようどんなお話しようきゃーきゃー黙りなさいラッシーという表情で、そわそわしながらワーグはセスナとテーブルでお茶を楽しんでいる。
一緒にお茶のあとは、夕食前に、次はまたトランプとかのゲーム?こ、恋話?お…お、お風呂、とか?女の子のお友達同士、他に何をすればいいんだろう?
「あ、あの、セスナ…」
「なに???!!!」
「その…」
急にワーグは不安感に襲われる。
「えと、多分私と一晩くらい過ごせば、また元に戻るとは思うけど…」
少し言いよどんで、そのまま押し黙ってしまう。
不眠症じゃなければ私なんかと一緒にいたくないんじゃあ、とか、本当はメガデスさんとかプリマさんとかと一緒に過ごす方が楽しいだろうな、とか…
と、よく見ると、さっきまでテーブルから少し離れたところで浮かんでいた筈のラッシーが、ふわふわと漂ってきて、セスナの体にくっついている。
「なんか!!不思議!!」
「?な、なにが?」
「なにこれ!?!?あ、ラッシー!?」
セスナがびっくりしている。ラッシーの生態を思い出し、しゃべっちゃだめ、と言いたげにラッシーをぎゅーっと抑えてしまう。そんなことをしたのは慌てていたせいだろうか、勿論逆効果だ。
「こうして一緒にいるだけで!!楽しい!!」
「!!!!!…わ…え…ふぇ…」
顔を真っ赤にするワーグ。
「不眠症の私と一緒だと迷惑じゃないかな?でも、こうやってお友達になれてすごく嬉しいし、ずっと傍にいてあげたいし、ワーグとってもいい子だから!!やばっ!?考えたこと全部ラッシーが喋ってる!?」
「!?!?!?!?!?」
ワーグがかちこちになっている。
「あ、えと…」
「わ、わ、わ!!!ラッシーが全部!!言っちゃった!!いや、ちがくて、ベンビール家の女はマジ油断ならなくて!!もう恥ずかしいよ!!ラッシー黙って!!」
「だ、だめ!!黙っちゃだめ!!しゃべりなさい、ラッシー!!」
「えー!!??」
お互いに混乱して、ワーグも何を言ってるのか自分でもわかってなくて。
楽しい夜は過ぎていった。