過去に戻ったので、破滅する推し箱の未来を変える。   作:匿名

11 / 53
天使が笑顔で病室にマシンガンを乱射する話

 

 人生の最期をベッドの上で過ごした。

 それが老衰で、たくさんの家族に囲まれてだったらどれだけ幸せだっただろう。

 

 家族がいない俺にはわからなかったけどね。

 

   *

 

 なんか体の不調が続いた22歳の冬。

 具体的には2020年3月20日(金)。今年は今日が春分の日で祝日。

 寒いからとか、最近あんま動いてないから体力の低下だねとか自虐してたら、出先でぶっ倒れて病気が発覚した。

 

 せっかくの三連休が……とか呑気に思っていた俺に、ちょっとばかり衝撃的で、とんでもなく絶望的なことを告げられた。

 

 これから何年持つかとか、ゆくゆくは歩けなくなるとか、手術したところでもう遅いみたいな話をされて意識を失う。

 本当に目の前が真っ暗になった。貧血に近い感覚だ。

 

 膝から崩れ落ちるって、こういうことなんすね。

 

 病室。意識喪失体験から現実逃避するためにむしろ笑ってみせるけど、看護師の目はどこか同情を感じる。

 やめろや。そんな目で見るな。余計に具合が悪くなる。

 

 病は気からって言うけど、そもそも病院にいることこそが病気を悪化させてると思うよ。自分が病気だって常に突きつけられているわけだからね。

 

 今日も起きて食べて薬を飲んで寝るだけの生活。

 何もする気が起きないんだ。未来がない人間にこれ以上を求めるな。これから痛みや苦しみも伴うと思うと吐き気がする。いっそ殺してくれ。

 

 真っ白な壁。真っ白な床。真っ白な机。真っ白なベッド。真っ白なカーテン。真っ白な……。

 ここは白の世界。穢れなき天国の門。

 

 というのは言い過ぎで、経年劣化でどこもかしこもくすんでいる。

 

 そんな白濁の世界で──なんだこの嫌な言い方。

 この病院と言う地獄の手前みたいな牢獄に閉じ込められているある日、俺はここにいるはずもない天使の姿を見た。

 

 我ながら気持ち悪いけど、天使かどうかはともかくとして、ただ確かなのは、それがここにいてはいけないような存在であるということだ。

 長いようで短い廊下の向こうに、その姿が見えただけ。白い清潔な衣服に纏う華奢な体が病室内に消えていくとき、ふと、あどけない顔がこちらを向いた。

 大した間もなくその視線は戻り、肩にかかるくらいの髪がふわりと浮くようで、少女の後を追うようにして病室内に消えていく。

 

 その髪の動きが妙に頭に残っていて。

 尾を引くようで、後に引くようで、後ろ髪引くようで、俺はいやに惹かれたままでいた。

 我ながらドン引き。

 

 

 ──そんな俺に彼女が話しかけて来たのは、とある検査の日。

 

 待合室で声をかけられた。俺よりも一回り二回りと小さい少女、あの日見た天使の正体だ。

 なんでも俺よりも前から入院しているらしい。

 同情しそうになって、やめた。同情されるのは嬉しくないと俺は知っている。

 

 まあつまりこの病院の先輩で俺をいびりに来たんだろう。新人狩りってやつか。悪いが俺のポケットには一銭も入っていない。飛び跳ねることさえも出来んよ。

 

「そんなわけないでしょ。13歳にカツアゲされないでよ」

 

 じゃあなんだ。先輩風でも吹かせてくれるのか。俺の命は軽いから飛んでってしまうぞ。

 

「きも……」

 

 俺は目を見開いた。

 ストレートな罵倒が俺の横っ腹に突き刺さる。マジでドン引きされたんだけど。

 

「あはは! なにその顔」

 

 悪魔のようにけらけら嗤うメスガキの声の方を見れば、そこには天使のような笑顔で笑う少女がいた。エンジェウーモンとレディーデビモンのジョグレス進化みたいな少女(※そんな年齢じゃない。言いたかっただけ)に呆気にとられ、怒る気をなくした俺に少女は言う。

 

「さっきより良い顔してる。そういう楽しそうな人が退院していくんだよ……っ!」

 

 じゃあなんで君は──言い返そうとして、やめた。彼女に言うべきでないし、俺が言うべきでない言葉だ。

 

 少し考えていると、少女は不思議そうにこっちを覗き込む。不安を秘めた瞳。こちらを伺う卑屈な空気を感じ取る。

 

 ああ、13歳だったか。ガキに余計な心配させちゃいけないね。

 

 俺は最近ここに来た新参なんだ。良かったらここでのルールを教えてくれよ。

 夜中の巡回の時間、病棟を抜け出す順路、配慮した方が良い患者(同僚)、逆らっちゃいけない看護師。そして──

 

 ──どうしようもない暇の潰し方。

 

 冗談めかして聞けば、少女は満開の向日葵みたいな笑顔を浮かべた。月並みな表現だけど、そんな表現をしたくなるくらい、今の俺には眩しい笑顔だった。キマワリのソーラービーム。

 威力120。俺は焼き殺される。痛くないならそれもまた望みだけど、どう考えても痛ぇわ。

 室内なのに溜めなしで撃つな。

 

 それから少女との交流が始まった。

 何が楽しいのか、ベッドからろくに動けなくなってくる俺の元へ、タブレット片手に遊びに来ては、好きな漫画やアニメ、動画なんかを紹介しに来る。

 この現代っ子がよ……! 暇さえあればYovitube──などとは口が裂けても言えない。俺もこの子も、病院(ここ)から出られない以上、これくらいしか娯楽がない。

 

「スマホやタブレットはこの辺の部屋でしか使っちゃダメなんだよ。心臓ペースメーカーの人の部屋とは遠くしてあるけど、安全のためだって」

 

 なるほど。まあ子供にはそう言うか。ペースメーカーと携帯電話の電波干渉なんて現代技術なら別に平気な気がするけど、まあ好んで近づけるべきではない。俺も知っておいて損はない情報だ。

 

「なんか子ども扱いしてない!?」

 

 してるしてる。

 

「ぬーっ」

 

 なんだその不満表現。かわいいね。

 俺は21歳だぞ。敬語使えよ。

 

 ぬーぬー口を尖らせるこの少女だけど、これがこれが好きなものの話になるなり豹変。

 屈託のない笑みでこれが好き! あれが好き! と言うんだけれども、これがまあなんと、割と返事に困った。

 なんか全体的にメジャー所を外した、マイノリティに傾倒した趣味だった。

 

 聞けば、有名なものほど見過ぎて飽きちゃうからあんまりみんなが知らないようなものの方が逆にのめり込めるがどうとか。

 

「みんなから見てもらえないものだってあるからね。……私みたいに!」

 

 おい待て急に闇を見せるな。

 

 中でも一番のお気に入りはVtuberだそう。

 Vtuber。少し前には絵畜生だとか呼ばれていた、どこぞのよくわからん配信者崩れが美男美少女キャラクターのガワを被って、無知無知なオタクくんちゃんから金を巻き上げる商売だろ。

 そうとまでは口にしないけど、そんな偏見であまり見ていなかった俺は彼女に問いかけた。

 

 誰がおすすめ?

 

 その一言が引き金だった。

 

『私の最推しは、VNIVEARTH(ヴニヴァース)! ヴニヴァのライバーは全員好きだけど、一番好きなのは詩星(うたいぼし)せるりちゃん!

 Vtuberなんだけど、歌がすっごく上手なの! ヴニヴァでも一番人気で、いつか絶対、歌手として世界にこの名は轟くよ……っ!

 配信中の声も可愛くて、礼儀正しくて、全世界の女児が目指すべき女神の姿だね……っ。この前の配信なんか(以下略)』

 

 遠慮も容赦もなく乱射されるマシンガントーク(マシンガン)が俺を蜂の巣にする。

 

 俺でも名前を知ってるような有名企業の名前は一切出てこない、中堅かそれ以下のマイノリティ全開の趣味が炸裂する。

 まあ……彼女をそこまでさせた──『本当なら教室の陽キャグループにいそうな純真な少女』を『典型的なオタクに貶めた』──のは何ぞやと、知りたくなってしまった俺にも原因はある。

 

 じゃあ今度見てみるよ。

 

 俺の軽率な発言の積み重ねは、重なったってペラッペラだったのに、会うたびにあれ見たあれ見た? と聞いてくる少女(モンスター)を生み出してしまった。

 

 ここに長くいるおじいちゃんおばあちゃんは興味なさそうだもんね。Vtuber。

 

   *

 

 俺の入院生活は思いのほか充実している。入院費や治療費なんかはここではもう考えないものとして、俺の闘病生活というか終末期医療体験会というかには、傍らに彼女がいた。

 

 桜が散って春が終わる。

 掃除が大変そうだな。でも俺はなんにもしないから、他人事。ははは。

 

「そんな意地悪言わないの。

 ほら見て。これがVNIVEARTH1周年の記念配信。せるりちゃんの歌うメドレーパートは絶対に見るべき……っ!」

 

 また動画だ。さっきまでも何かしら見てたから、勘弁してくれ。

 ぬーっ。なんて口を尖らせる少女。いつものじゃれ合い。お約束のやり取り。

 

 詩星せるり、ね。下手ではないけど、そんなに推すほどかぁ?

 それを言ってしまえば、また詩星せるりの好きなところシリーズの詠唱が始まってしまう。

 だから言い換えるのだ。本当に詩星せるりが好きなんだね。

 

「そうだよ! 私は由緒正しき『せるりあん』だからね……っ!」

 

 セルリアンってなんだよ。けものフレンズか。

 君は詩星せるりが大好きなセルリアンのフレンズなんだね。

 

「せるりちゃんこそ最推し。せるりちゃんこそ人生。生き甲斐……みたいな! お兄さんだって、絶対せるりちゃんを好きになる!!」

 

 ははは。やってみろ。

 

「言ったね……? VNIVEARTHが誇る歌姫、ううん、全世界に轟く、未来の歌姫……っ! その魅力、全部伝わるまで今日は帰らないよ」

 

 帰れ。

 

 見た目だけは天使と呼ぶべきにふさわしいその少女は、今や口を開けば昨日の配信だの切り抜きがどうだのなんだかんだとVtuberのお話をしてくれる。

 

 俺も興味を見せてしまったからには引くに引けず、配信は追うし暇さえあれば過去のアーカイヴは追うし、彼女の推しが世間一般的にはどういうものなのかを理解するために比較先として他社の有名どころも履修していく。

 見るだけなら簡単だ。再生ボタン押して眺めてればいい。

 努力とも言えない何かを、惰性で続けていく。

 

 それは逃避でもあったし、大義名分でもあったかもしれない。

 

 自惚れが過ぎるかもしれないが、この少女が笑顔であるならそれでいいと思ったのだ。

 

 ──あの子があんなに笑顔なところは久し振りに見ました。これからも話し相手になってあげてくださいね。

 

 看護師が俺に言った言葉だ。

 

 病は気から。笑顔でいることが治療につながる。

 本当にそうならば、彼女が笑顔でいる手伝いをすることで、俺にも何か成し遂げられているんじゃないかと、思った。

 何も成していない俺が、何かが出来そうだったときに自暴自棄になって全部を投げ出した俺が。

 何かを、成し遂げられているんじゃないかと。

 

 随分と思い上がったことだとは思う。救いを求めているのは俺なのに。

 

 俺より前からいるとは言っても、あの少女は割と治る見込みがないわけじゃないらしい。

 数ヵ月経って、久し振りに快復へ向かってるみたいなことを聞いて自分の事のように嬉しかった。俺は治らないが、この子は治る。

 なら治っていいじゃないか。治るべきだ。俺がその力になれると思っていいのならば、なるしかないだろう。

 

「お兄さんだって、治らないわけじゃないんでしょ。

 末期がんって言うから、私泣きそうだったんだよ。でも本当は末期じゃないって、手術を拒否して困ってるって、看護婦さん言ってたよ」

 

 看護婦って言うな。看護師だ。世間がうるさいぞ。

 

 同じ時間を過ごす内に、この少女相手につい漏らしてしまった病状。その時は適当にはぐらかして誤魔化したけど、覚えていたかぁ。

 

 厳密には末期じゃないけど、事実上は末期みたいなもんなんだよ。

 腫瘍。がんといえば腫瘍がその元凶で、取り除いてしまえば万事解決に思える。

 けれども、残念なことに。

 俺の場合はそれが脊髄に届いてしまっている。

 

 頸椎に侵食したこの腫瘍を取り除いてしまえば、俺は確実に下半身不随となる。神経を巻き込んでしまう位置のため、手も満足に動かすことは出来なくなる。

 

 だから手術を受けない。

 

 そんなことを馬鹿正直にこの純真無垢な少女に伝えるわけには──インターネットに入り浸っているこの少女は純真無垢なのか?

 

 そんなことを13歳の少女に伝えるわけにはいかないので、俺は難しい手術でどうせ失敗するからやーだーと我儘な厄介病人を演じて見せる。

 

「きも……」

 

 小さく笑う少女に、また明日と告げる。

 もう病室に戻る時間だ。

 

 よかった。これでこの話は終わりだ。

 

 少女を見送り、このベッドの上には俺一人。同室のじいさんは動かないので、実質俺一人だ。

 

 せめて、もう少し早く病に気付いていれば。

 まだ、どうにかなったのかも、しれない。

 

 第一胸椎の付近を起点にした腫瘍は、症状が出てようやく俺が認知したときには頸椎に達していた。

 もしも。その前に、知ることが出来たなら。

 下半身に多少の後遺症が残る程度に収めることが出来たのだろう。

 

 つまり俺は、歩けなくなるのが嫌なのだ。

 

 そしてなによりも。

 

 ──手が動かなくなるのが、嫌なのだ。

 

 自暴自棄になって、投げ出して。

 もう諦めたのだから、完全に諦めてしまえ。

 

 手足4本動かなくすれば生きながらえる。

 いずれ動かなくなるもののために何もせずにいれば、やがて腫瘍は上位頸椎を完全に侵し呼吸すら出来なくなる。

 

 どちらがいいかの問いに、答えはない。

 

 答えは出せないけれど。

 

 ベットの下に、押し込んだままの荷物がある。

 35cm×55cmくらいの板。数か月前まで使っていたディスプレイデバイス。液晶タブレット。

 

 専用のペンを用いて紙に描くように絵を描ける、普通のタブレットより高価な板。それなりに貯金を崩して購入し、ついぞ何の功績も上げずに眠らせていたそれ。

 

 俺はイラストレーターになりたかった。初めはライトノベルの挿絵が描きたくて、歳を重ねるにつれ描きたいのはエロゲの原画になった。

 いつの間にかエロゲは衰退していて、それを目指すのは難しくなっていたけれど。

 

 仕事をする傍らで、少しずつ描いていて。

 ほとんどコネだけど、ラノベの挿絵を描いてみないかって話を貰った。

 

 そんな時自分が病気であることを知って、俺は持ち掛けられていた話を全て投げ出した。

 1冊のライトノベルが出版されるまでにどれだけの時間がかかるというのだ。

 キャラデザをして、表紙に口絵に挿絵。俺にはそれを1冊分描き終えることすら出来ないんじゃないか?

 

 いずれ手は動かなくなる。じゃあ俺の夢は無駄だったんだ。

 何もかもが嫌になって、何もしなかったけど。

 

 何かをしたくなった。

 何かできることをしたくなった。

 

 俺を、何かをしようと思わせてくれた少女がいる。

 夢も希望もない狭苦しい病室。閉じ籠もって出たくなかったのに、マシンガンで入口を吹き飛ばしたのは、天使のような少女だった。

 

 ──あの少女のためにできることが、こんな俺にもあるとするならば。

 

 素直にデスクトップにしておけばよかったと後悔した、無駄に高スペックなノートパソコンは幸いにも病室に持ち込むことが出来ていて、今は動画再生くらいにしか使っていなかった。

 ノートパソコンを起動し、デスクトップならいらなかったはずの無駄なコードを繋ぎ液タブの電源を入れる。

 

 丸1ヵ月のブランク。専用のペンを握り液タブへ走らせ──

 

 ──ペンが充電されてねぇや。

 

   *

 

 結果として、俺にファンが出来た。

 

 何となく液タブで描いたイラストは出来映えこそ散々で、これを世に出すには恥ずかしい限り。無事お蔵入りとなるところだったのに。

 

 速攻で人に見られた。

 

 かの少女である。

 

 そもそも今の俺の機動力では隠すことなど出来やしなかったのだ。

 

「イラストレーターさんだったの!!?」

 

 少女から聞いたことのないような大声が放たれた。

 普段マシンガンがメインウェポンだったのに、いつのまにバズーカなんて持ってきたんだ。

 

 何事だと看護師が駆け付ける。

 うわ、萌え絵(こういうの)嫌いそうな女性の看護師さんだ。こっちを見ないでくれ。一瞬顔が引きつったの見えたぞ。

 

 そもそもこんな大掛かりな機材持ち込む方が異端なのだ。自覚はある。

 

 看護師は少女に多少のお叱りをしたあと、俺に冷ややかな目線を向けて去っていく。

 いや失礼だろ。病は気からだ、俺の寿命が減るぞいいのか。俺は死ぬぞ。

 

 不本意ながらイラストを見られた俺はすっごいご立腹。イラストを見た少女はすっごいご機嫌。

 タブレットの壁紙にするからくれって言う。嬉しいけど、出来が良くないからやだ……。

 

 元々俺は完璧主義なんだ。自称。誰が何と言おうと完璧主義なんだ……。

 

 だから。

 ちゃんと上手くなったらあげるよって約束をした。

 眼だけが肥えまくって日に日にハードルだけが上がる口だけの俺に、果たして納得がいく日が来るのかは甚だ謎ではあるけれど。

 

 死ぬまでには1枚くらい、描けるだろ。

 

 そんなこんなで、俺の新しいクリエイター生活が始まった。

 

 ……おいこら、後ろからこっそり写真撮るな。

 ちゃんと完成したらデータであげるから、それまで待ってろ。

 

 ぬーっ。じゃない。そのぬーぬー言うのをやめなさい。

 

   *

 

 2ヵ月が経った。

 描いてみればたかが1ヵ月のブランクなんて関係が無く、元から大して上手くもなかった俺は簡単に元の画力を追い越していた。

 

 これなら意外といけるんじゃないか? いやだめだもっとやれるだろ。

 何が上手いのかよくわからなくなるのは入院前と同じだったけど、今の俺には明確なモチベーションがある。隣にいて、輝くような瞳で俺のイラストを見る少女だ。

 

 俺のイラストだから、ではないかもしれないけど、ともかく、楽しそうに俺の描いている詩星せるりを見るこの少女に、約束したイラストを贈るために努力をしている。

 

 明確な目標もなく漠然としていた以前よりも、精力的に活動をしている。今は投稿とか、一切してないけど。

 

 もっと下手な頃から、自分の絵が下手だと自覚できないくらい下手な頃から、絵を描く活動ができてたらよかったなぁと思う。

 

 インターネットのない家で育った。

 したがってパソコンもあるはずがなく、高校生になってバイトをしてやっと、自分でインターネット環境と安いパソコンを手に入れた。

 ペンタブだって、今のような高性能の液タブではなく、ただの安い小さな板タブだった。

 これに関してはもう、今更何を責めるでもない、どうしようもないことだ。

 

 ともかく、いずれは納得できるイラストを完成させて、この天使の皮を被った年相応のオタク少女に贈る。

 それが出来たらTvvltterアカウントを作って、Plxlvも新しい名前で登録して……。

 

 いつか詩星せるりの歌動画にイラストを使ってもらえたら、よいかな、なんて。

 

 そうしたらこの少女も、喜んでくれるはずだ。

 

 

 夏が来る。

 8月の、世間が夏休みになっている頃には、VNIVEARTHも合同コラボを行うらしい。

 

 それを楽しみにしている自分がいる。

 Vtuberなんて別に、好きでもなんでもなかったのに。

 VNIVEARTHなんていう、何か呼びにくいだけの小規模の箱を生き甲斐にしている自分がいる。

 

 全部、あの少女のせいだ。

 




 今はもうどこにもない未来の話。
 

【誰のビジュアルを先に見たい? VNIVEARTH人気投票!!】現在公式Tvvltterにてシルエット画像を公開中。4期生デビュー後に内容が明らかになりますが、これは制作途中のラフ段階のものです。そこで、本アンケートの結果に基づいて完成させる順番を考慮いたします。皆様の推しにぜひご投票ください!(※なお一期生については、本編では未改修のためネタバレが含まれます)

  • 萬屋ぺすと
  • 佐土原恭子
  • 神海まりも
  • 詩星せるり
  • 遠藤
  • 黒宮院みやみ
  • 拳藤正義
  • 波羅劾ざくろ
  • 4期生の2人目
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。