本編でもよくある悪ふざけのブラックジョークが濃縮された塊です。ご理解の上お読みください。
苦手な方は読まないでください。23時の本編更新を待て!!
01
病室のベッドの上で病に侵され死んだはずの俺は、気が付くと自室にいた。ここは19まで住んでいた実家だ。
そのことに気付いた俺は、居ても立っても居られず、すぐさま身体が動き出した。
俺にはやるべきことがあった。過去に戻ったのであればやりたいと思っていたことがあった。
かの暴虐邪知の
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
これで
【01:RTA。これが一番早いと思います】
02
後の『
ネカマを行うことで『のめぬあ』と交流を持つことに成功した俺は、あの未来を回避するための最初の一手として詐欺被害の阻止を試みていた。
もし何もないのならいい、だが、のめぬあがこの時期になんらかのトラブルに遭い借金を背負い、あの未来に繋がっている可能性があるのなら、何があってもそれを食い止めると決めていた。
そして彼女は、オーディション詐欺に遭おうとしていた。
俺はそのことを指摘し、オーディションへの応募を取りやめるように説得したのだが、俺の言葉選びが悪かったのか、連絡は一方的に絶たれてしまった。
応募締め切り日が過ぎ、オーディションの日が近づいている。
これで諦めるしかないのか、いや、そんなわけがない。
俺にはまだ武器がある。
その日の夜、とあるオーディションが予定されていたビルに火が放たれた。被害者は、オーディションを開催する会社に所属する男だった。焼け跡から見つかった遺体には、あらかじめ鈍器で暴行を受けた跡があったという。
その男は詐欺の常習犯だったことが多数の被害者の証言で明らかになった。
【02:正義の執行、もう被害者は生まれない】
03
「テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~」
俺は都内にあるとある雑居ビルを訪れていた。
ここにはVNIVEARTHの事務所がある。
VNIVEARTHの公式サイトに問い合わせ窓口として表記されていたメールアドレスに、俺は自身を売り込む宣伝材料をありったけ添付し、社長である伊能凛との接触を試みた。
しかし、返事は来なかった。
何度も送った。同じ内容のもの、文を変えたもの、名前を変えたもの、添付する宣伝材料を変えたもの。しかし一度たりとも、返信が来ることはなかった。
俺は俺自身がVNIVEARTHに所属することで、内側から問題を解決しようと試みた。
だが残念なことに、それは適わなかったわけだ。
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
これで
【03:一般人からのメールに返事するわけないだろ】
04
「──ボクがVNIVEARTHの代表、
この男こそが、あの箱を生み出した張本人で、あの箱を潰した元凶ともいえる男。
狭い室内で対峙すると、言いようのない圧迫感を覚えた。
この男の視線、雰囲気、息遣い、どれをとっても俺には不気味に感じられた。
伊能凛は不意に俺との距離を詰め──
──て来たので、俺は反射的にその脇腹にフックを叩き込んだ。
「ごふっ!」
続けざまに右ストレートを顔面に叩き込む。
「ぅぼあ!!」
「あ、やべ……」
コンビネーションである。
つい。あまりにも不気味に感じたため、反射的に攻撃に転じてしまった。
気絶し動かなくなった伊能凛。俺はスマホを使い近くにロープが売っている店を探した。
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
いきなり俺に近づくのが悪いだろ。
【04:鍛え過ぎた】
05
「──ボクがVNIVEARTHの代表、
俺と相対する男が高らかに名乗った。
どうにも胡散臭く、しかしどこか凄みを内包している。
この男が、あのカジノキング。炎上する箱を放置して会社の金を全て持ち逃げし、渡米、カジノ、逮捕、の男か。
「ギャンブル──好きですか?」
「ああ、好きだね。ギャンブル。よくするよ、と言っても株だけどね。ボクを楽しませてくれるのはそのくらいしかないのさ。キミも嗜むのかい?」
「いえ、あまり」
「思えばVtuber運営も似たようなものじゃないか? ボクは箱を用意しアバターを与えた。あとは彼女たち次第。賽は投げられたわけだ」
「俺はそういうの、嫌いです」
「そうか──キミとは気が合わなそうだ。帰ってくれ」
奇遇だな。俺もそう思ったところだ。
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
生き延びることが出来る方に、賭ければいいさ。
【05:バッドコミュニケーション①】
06
「──ボクがVNIVEARTHの代表、
俺の目の前には長身痩躯、一見は優男然とした長髪の人物が佇んでいる。
これがあの伊能凛。所属ライバーにパワハラを行い骨折させ、昆虫食をさせた男。
「ちなみに虫とか、好きなんですか?」
「いや? 特には?」
「昆虫食とか、されるタイプ?」
「しないが。なんだいキミは──そうか! やってくれるのか!?
面白い! 面白いよキミ!!
自分を売り込むために虫でも食べる覚悟があるんだね!! わかった、今すぐホームセンターに虫を買いに行こう!!」
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
灰でも食ってろ、パワハラ社長。
【06:バッドコミュニケーション②】
07
「──ボクがVNIVEARTHの代表、
これが伊能凛。VNIVEARTHを設立し、無責任な運営を繰り返し腐敗させた諸悪の根源。
俺はこの男を消すべきなのか? そうすれば、あの未来は訪れない。
あの少女が、笑顔を失うようなことはない。
だがこれは、最終手段だ。
出来れば、出来るのであれば、俺はあの笑顔があって欲しい。
VNIVEARTHを見るあの笑顔。共にVNIVEARTHを見たあの笑顔。
俺の知っている少女であって欲しい。
これは俺のエゴだ。俺のエゴで、俺はVNIVEARTHに存在して欲しい。
「社長にとって、Vtuberとはなんですか?」
「何、か。ふむ、聞かれてみれば言語にしたことはなかったな。
待て、少し考える。
……。そうだな、ボクにとってVtuberとはオモチャだ。ボクを楽しませてくれそうなナニカ! ボクの退屈を壊してくれそうな可能性!」
「おもちゃ……?」
「ああそうだ。とどのつまり、VNIVEARTHここはボクのオモチャ箱。きっとボクにとって面白いナニカになってくれるはずさ!!」
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~。
【07:バッドコミュニケーション③】
08
詩星せるりのデビュー配信が終わったなら、次は俺のデビュー配信だ。
【初配信】俺がVNIVEARTHの王になる【VNIVEARTH】
こちらを押し潰すような悪意のコメントが流れていく。
ゆっくりと、確実に、圧殺しようと、押し寄せる。
俺はその悪意たちを睨みつける。
こいつらは
だけど、現実的に考えて排除なんてできない。それならばせめて、俺が全てを受け止めよう。
この身を挺して、他のライバーに悪意が向かないように。全ての矛先をこちらに集めようじゃないか。
俺には迷惑をかける家族も、友人も、恋人も、何もない。
俺はどうなったていいんだ。
「よく来たなぁ!! 俺の名前は
:は?
:は?
:死ね
:殺すぞ
「殺すぅ? ハッ! 画面の向こうに文句しか言えないゴミが、何か言ってら(笑)
やってみろよオタクくん」
:ふざけんな
:死ね
:キッショ
:イキリカス
「俺が好きなものは、『百合に挟まる男』、『俺だけ知ってる実はかわいい委員長が裏ではクラスの不良に手籠めにされていた』、『裏垢がバレて脅されもう手遅れだった幼馴染』、『ショタが主導権を握るおねショタ』、『原作主人公が死んだあとに慰めNTRオリ主』」
:死ね
:キモすぎ
:最悪
:こんな奴クビにしろ
「そして俺はこのVNIVEARTHにハーレムを築く!! お前らの推しはみんな俺のモノだ。
ハーレム王に俺はなるッ!!」
:ふざけんな
:死ね死ね死ね死ね
:殺す
「殺すwやれるものならやってみろよwwどうした? ほら!!」
そしてその晩、俺の住む都内の激狭アパートに火が放たれた。
俺は過激アンチの行動力を見くびっていた。
【08:ハーレム王に俺はなる】
09
せっかく過去に戻って病気に蝕まれた身体じゃなくなったのだ。
久し振りに人生を満喫するとしよう。
大丈夫大丈夫、1ヵ月くらいなら遊んでもいいでしょ。
最悪VNIVEARTH事務所に火をつければいいんだし。
そして1ヵ月がたった。
もう1ヵ月か。まあまだ平気だろう。
仕事は辞めた。コンビニバイトを始めた。最低限の収入でいいんだ。これで自由に使える時間は増えたし、余裕で間に合う。
ゲームして、アニメ見て、生配信見て。インプットも大事なのだ。
そして半年が経った。
時間は早いものだ。もう10月。あと2ヵ月でVNIVEARTH設立か。
一期生デビューまで3ヵ月もあるし、Live2Dモデル作って動画にするくらい楽勝よ。
あと70日あるし、まだ平気。焦る時じゃない。
意外とfacerigきっついな。2022年のモデルとかあれどうやってんだよ。早くVTube Studioリリースされろよ。
あと20日。1日4時間睡眠ならまだ400時間あるし間に合うって。
あと1週間ね。へへへ……。
……。
その日の夜、とある雑居ビルに火が放たれた。被害者はビルの一室で生活していた、雑居ビルを所有する一家の長男だけだった。
【09:堕落】
10
──みなしごエンドレス……いえ、南條亜紀人。あなたが、ミナちゃんなんですか……?
不注意だった。
VNIVEARTHの運営も軌道に乗って来たある日、とある企画のために所属ライバーの中の人たちは事務所で一堂に会していた。
話は順調に進んでいたのだが、休憩中のふとした時、ポケットの中で振動したスマホを、俺は何の気なしに取り出した。
取り出して、しまった。
画面に表示されているのは詩星せるりからminaに宛てられたメッセージ。
俺は脳内の少女を起動し、なりきった文章を打っていると──
「──なんであなたが、ミナちゃんのスマホを持ってるんですか?」
背中越しにかけられた声。
配信画面越しに散々聞いたあの声が、しかし冷酷に、俺を貫く。
冷や汗が、首を伝う。
「みなしごエンドレス……いえ、南條亜紀人。あなたが、ミナちゃんなんですか……?」
見なくてもわかる。喜の感情の抜け落ちた表情で、こちらを見ているに違いない。
失望か、殺意か。それ何であろうとも、非は全面的にこちらにある。
ど、どうする? どうすればいい……? 誤魔化すか? 誤魔化せるのか……?
・拾ったスマホだ。
・親戚のを預かってる。
・別人格。
・俺の心は女子高生だ。
・ドッキリ大成功!!
・これは心理テストで君を試したんだ。
・これは夢!
・忘れろビーム!!
・せるりちゃんどうしたの?(裏声)
・世界五分前仮説って知ってるかい?
・AIに架空の人格を学習させてるところなんだ。
・しっ。今スパイ活動中なんだ。静かに。
・突然ですがここでクイズです!
・そうともいえるし、そうでないともいえる。考え方次第だ。
・指が、勝手に……?
・これがなりすましの怖さだね。勉強になっただろう。
・今JKごっこって流行ってるんだよ。
・ストレス耐久テスト終了。よく頑張ったね。
・え、そうだけど? 知らなかったの?
・これは君の最悪な未来を回避するために必要だったんだ。
・ああ、こういうバイトだから。
・その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ。
・でも、楽しかったでしょ?
・危なーい!(スマホを窓の外に投げる)
・たまたまだって。たまたま。
・アンガーマネジメント。さあ10秒数えて。
・しっ。この会話は聞かれている。
・富岡義勇が腹を切って詫びる。
・そうです私がみなしごのみなちゃんですたい!
・何!? 核が発射された!? クソ、俺が食い止めに行く!!
いくつもの選択肢が俺の頭の中をよぎった。
俺が選んだ答えは──
「ふふふふふ……ははははは……。ハハハ、アハハハハハハ!!
アッハッハッハッハ!!
そうだ──
──僕がミナだ」
そしてその晩、俺の住む都内の激狭アパートに火が放たれた。
【10:デスノート】
はっ……なんだ夢か。嫌にリアリティのある夢だったな。
俺もそうはならないように気を付けよう。
~完~
なんだこれ……。こんなもん書く暇があったら本編書け!
▶公式Tvvltterです。
https://twitter.com/VNIVEARTH
※どっちかというとこのアカウントがエイプリルフールのメインで、リンクを貼るためだけにこの番外編書きました。
休載のお知らせとか、ひとりごとを呟く予定です。タグ付けてファンアートくれたらRTするよ。
あと最終回の予定とか呟いてある鍵垢も用意したので、完結したら鍵を外します。
【誰のビジュアルを先に見たい? VNIVEARTH人気投票!!】現在公式Tvvltterにてシルエット画像を公開中。4期生デビュー後に内容が明らかになりますが、これは制作途中のラフ段階のものです。そこで、本アンケートの結果に基づいて完成させる順番を考慮いたします。皆様の推しにぜひご投票ください!(※なお一期生については、本編では未改修のためネタバレが含まれます)
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萬屋ぺすと
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佐土原恭子
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神海まりも
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詩星せるり
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遠藤
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黒宮院みやみ
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拳藤正義
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波羅劾ざくろ
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4期生の2人目