新世紀エヴァンゲリオン二次創作 ヘルベルトの民   作:全々

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初投稿。よろしくお願いいたします。


第一話 使徒、シンジ襲来!(前編)

時に西暦2015年。

 

セカンドインパクトの影響を色濃く残し、セカンドインパクトで四季を失い1年中夏となった此処日本の都市、第3新東京市に1人の少年が降り立った。

 

(ついに始まるのか...この戦いが)

 

少年、碇シンジは頭上で起きている現実とは思えないその光景を見て、覚悟を決めたような思いを募らせた。

 

ドカァァン! バゴォォン!

 

それはいくつもの戦闘機が、周りのビルほどの大きさがある異形の怪物にむけ、ミサイルや機銃など何発も打ち込み倒そうとしている光景が広がっていた。

 

  ヘルベルトの民 第一話 使徒、シンジ襲来!(前編)

 

数日前、シンジが住んでいるところに実の父である碇ゲンドウから手紙が届いたが、中身を確認したシンジは腹を立てていた。

 

(何だこの手紙•••もっとマシな内容書けなかったのかよ)

 

それは手紙の内容が、『来い』しか書いてなかったからである。

幼少の頃、親の庇護が必要な時期に息子を捨てた癖にこの内容、どういうつもりなのか。

 

そして手紙に同封されていたのは迎えに来てくれるらしい女性の写真。

名は葛城ミサトというらしいその女性の写真は、あろうことか前屈みになり胸を強調するようなポーズで写っており、ご丁寧に矢印で『ここに注目!』と書かれてある始末。

この写真を見て呆れ返ったシンジは猛烈に行きたくなくなっていた。

 

(どうしよう…行くのやめようかな。いや、ダメだ。僕は行かなければならないんだ。みんなのためにも頑張らなくちゃいけないんだ!)

 

しかし、シンジに行かないという選択肢はなかった。

自分が置かれている境遇と役割は理解しているつもりである。

自分を信頼してくれている人たちのためにも。

 

「よし、行こう、第3新東京市に」

 

こうしてシンジは、今後苛烈を極めるであろう第3新東京市に向けて出発した。

 

ところ変わって現在。

今も戦闘は今も続いている。眼下に広がる戦闘機が怪物を倒そうと、絶えずミサイルや機銃を打ち込んでいるが効いているようには見えない。

何発もミサイルが当たっているにも関わらず、対象の怪物は無傷。それに比べ戦闘機側は怪物の攻撃に押され一機、また一機と数を減らしていた。

 

(しかしこれは想定していた以上の防御力だなぁ。少しは効いてくれてもいいと思うんだけど。まぁしょうがないか)

 

碇シンジは目の前の状況を見て、無理とわかっていても怪物に対して効果があって欲しいと願った。

 

(だけどこれだとどうやって…これはかなり厳しい戦いになりそうだな……ん?)

 

ドゴォォォォォオオオオン!!!!

 

目の前の戦闘について色々考え事をしていたら、今までで一番大きな爆発音が聞こえたかと思ったら、怪物の攻撃で撃墜された戦闘機がシンジに向かって墜落してきた。

 

(やばっ…)

 

程なくしてシンジがいたところに戦闘機が墜落し、辺り一体が爆発した。

 

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「よりによってこんな時に見失うなんて、参ったわね。」

 

葛城ミサトは焦っていた。特務機関NERVにとっての重要人物、碇シンジを迎えに行くこと事態は問題なくいく予定だったが、よりにもよって迎えに行く日当日に使徒との戦闘が始まろうとは思っても見なかった。

このままではシンジの命も危ぶまれるため、急いでシンジを見つける必要があった。

 

「どこにいるのよシンジくん…」

 

車を走らせながらシンジを探すこと10分。

使徒と戦闘機が戦っているすぐ下に突っ立っているシンジを発見した。

 

「なんちゅうところにいるのよ! てっマズイ…」

 

シンジを発見した次の瞬間、使徒に攻撃され撃墜された戦闘機がシンジのあるところは真っ直ぐ墜落していった。

 

「ヤバイヤバイヤバイッ…お願いっ間に合って!」

 

シンジを戦闘機から保護すべく、ミサトはアクセルを踏み込みシンジの元へ急ぐ。

 

「マズイ!これじゃ間に合わない!」

 

しかしミサトの健闘虚しく、戦闘機が墜落しシンジがいた所一帯が爆発した。

 

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第3新東京市の地下深く。特務機関NERV中央作戦司令室第一発令所。

その薄暗い発令所は喧噪につつまれていた。

ありとあらゆる指示が飛び、また現在の状況に関する情報連携がなされていた。

 

『正体不明の移動物体は依然本所に向かって進行中』

『目標を映像で確認、主モニターに回します』

 

正面にある巨大なモニターには、使徒が映し出された。

ビルほどの巨体に群がっているのは戦自の戦闘機だ。

 

「15年ぶりだな」

「ああ、間違いない・・・使徒だ」

 

発令所のすみで喧噪にまったく興味を示さないかの如く、サングラスの男、特務機関NERVの総司令碇ゲンドウと白髪の老人、NERV副司令冬月コウゾウは、モニターに映し出された状況に強い確信を持っていた。

なぜなら彼らにとってこれは事前に予想された事態だ。

 

『目標は依然健在、第三新東京市に向かい進行中!!』

『航空隊の戦力では足止めできません!!』

「総力戦だ。厚木と入間も全部あげろ!!」

「出し惜しみは無しだ!!なんとしてでも目標を潰せ!!!」

 

その二人とは対照的に戦自の制服を着た将校は大声で叫ぶように各所に指示を出していた。

戦自のプライドにかけ、何としても使徒を倒すべく総力戦で使徒に戦いを挑んでいるが、その思いを無視するように使徒は歩を進める。

戦自の攻撃は足止めすらできていない。

使途にとってはただの障害物としか思っていないかの如く、次々と排除されて行っている。

 

「なぜだ!?直撃のはずだっ!!!」

「戦車大隊は壊滅・・・誘導兵器も砲爆撃もまるで効果無しか・・・。」

「駄目だ!!この程度の火力では埒があかん!!!」

 

戦車や戦闘機の膨大な量の砲撃はしっかり使徒に命中している。が、まったく歯が立たずそんな攻撃はなかったかの如く、確実に侵攻していく。

それに比べて戦自の戦力は使徒が攻撃する度に確実に数を減らし、消耗するばかりで一方的な戦いを強いられている。

 

「やはり、ATフィールドか?」

「ああ、使徒に対し通常兵器では役に立たんよ」

 

モニターに映る使徒は碇ゲンドウの言葉を証明していた。

そして戦自将校達は一つの決断をする。

 

「・・・わかりました。予定通り発動いたします」

 

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「よかった…シンジくん無事だわ」

 

車のスピードを上げシンジのもとへ急いだところ、辺り一体爆発したが傷ひとつなく立っているシンジを見て一安心した。

傷ひとつなく立っていることに若干の疑問を感じたが、ひとまずシンジを保護しNERVに連れて行く任務を遂行すべくシンジに話しかける。

 

「ごめーん、お待たせ!早く乗って!」

「あっはい!」

 

ミサトに促されるようにシンジも車に乗り、直後車が発進した。

トップスピードで目的地に向かう。

 

「いやーごめんねぇ。間に合うように家を出たんだけど、まさかこんなことになるとは思わなくてねぇ〜。それにしてもあんな爆発が起きたのに無傷で運がいいわねぇ〜。大丈夫だった?」

「なんとか大丈夫です。マジで死ぬかと思いましたけど。」

「うっゴミン。ほんとに緊急事態だったの。まさかシンジくんを迎えに行く日におっぱじまるなんて思わなかったのよ。」

「まぁ生きてるんで大丈夫です。えっと、確認ですが葛城さんであってますよね。」

「そういえば自己紹介がまだだったわね。そう、葛城ミサト。ミサトでいいわ」

「わかりましたミサトさん。碇シンジです。」

「改めてよろしくシンジくん。」

 

ミサトと会話しながら、シンジば運転しているミサトの横顔を、真剣な顔でじっと見ていた。

 

(ふざけた写真を送ってきたけど変な人ではなさそうだな。見失いながらもちゃんと迎えにきてくれたし。)

 

ミサトに対し、少し失礼なことを思っていたが、現在起こっている状況について、ミサトに質問した。

 

「あのミサトさん。さっき言ってた緊急事態というのはやっぱり〔あれ〕ですかね?」

「そうよ。あれはね、使徒。」

「使徒?」

「そ、使徒。人類の敵よ。」

「人類の…敵…」(ん?)

 

使徒の話をした瞬間のミサトの些細な変化にシンジは気づいた。

それはほんの僅かだが殺意のような感情を感じた。

 

(なんか今まで明るく会話していたけど、使徒の話になった瞬間ちょっと雰囲気変わったな。なんか使徒に対して個人的な感情がありそうな…)

 

そんなことを思ったシンジは、おもむろにミサトの肩と首の間あたりに手を起き、さらにその直後、ミサトの首元にシンジの手が触れた。

 

「っ?!なに?どうかした?」

「いえっ、肩にごみが付いていたので。それにミサトさんの襟が崩れていたので直そうと思って。」

「あらそう…ありがと。それにしてもシンジくん、顔に似合わず大胆ねぇ。襟を治すとか言って、ほんとはアタシの首もと触りたかったんじゃない??」

「っ!! そんなんじゃないですよ!」

「アハハ。照れない照れない!」

「もう!」

 

顔を真っ赤にして否定するシンジに対し、シンジの大胆なところを揶揄っていたが、

(初対面の女性に対してそんなことするなんてねぇ〜。綺麗好きなのか、性格に似合わず案外女性慣れしているのかしら?)

 

ミサトは、保安部からの報告を思い出していた。シンジの性格は『内向的で自分から意見を発するのは苦手。また人付き合いも苦手で、女性はもちろん男性ともまともな交友関係を築いたことがない』との調査結果を確認していた。

にもかかわらずゴミを取るだけでなく襟を直そうとする、シンジの女性に対する行動に意外性を感じていた。まるですでにシンジとミサトがすでに親しい間柄のような行動に。

 

そんなことをミサトから思われていたシンジはというと…

(なるほどね…)

ひとり何かを納得していた。

 

そんなおり、シンジがおもむろに車の窓から先の戦闘を見てみると、使徒から戦闘機が離れているところを目撃した。

 

「ミサトさん!使徒から戦闘機が離れていきます!」

「まさかN2地雷を使うワケ!? ふせて!」

 

ミサトの言われるがままシンジは車の中で頭を抱えながら伏せ、シンジの上にミサトが覆い被る。

 

その直後…

どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああん

 

使徒の真下で、今までで1番の爆発音と共に衝撃波がミサトとシンジの乗る車に襲いかかった。

 

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「やった!!」

 

N2爆雷の爆発により使徒がモニターから消えた瞬間、戦自の将校は勝ちを確信した。

町一つを丸々吹き飛ばす膨大な火力を前に、生きていられる生物など存在しない。

 

「残念ながら君たちの出番はなかったようだな」

 

戦いは終わった。そう確信していた将校達は碇ゲンドウと冬月に勝ち誇った笑みを向ける。

口調が横柄なのは自分たちの最大火力に対する絶対の自信からくるものだ。

しかしNERVの総司令と副指令は将校を無視するように無言・・・

 

『衝撃波来ます』

 

オペレーターの報告と同時にセンサーとメインモニターの映像が消えた。

 

『その後の目標は?』

『電波障害のため、確認できません』

「あの爆発だ。ケリはついている」

 

将校の声には勝利者の余裕が伺えた。

だが、次のオペレーターからの報告に、将校達の喜びは終焉を迎えることになる。

 

『センサー回復します』

『爆心地に、エネルギー反応!!』

「なんだとぉ~っ!!!」

 

エネルギー反応あり。その報告は先ほどの使途がまだ生きていることの証左だ。

しかし将校たちは信じられないといった感じで報告を聞いていた。

N2爆雷。町を一つ消し飛ぶほどの破壊力を持った兵器。その兵器を使ったのだ。確実に倒せる。

そう思っていた。

 

『映像回復します』

 

その後再びメインモニターが回復して映像が映る。

そこに映っていたのは紛れもなく使途。将校達を絶望させるに十分だった。

 

「わ、我々の切り札が・・・」

「なんてことだ・・・」

「化け物め!!」

 

使途は健在。多少表面に焦げ目を残して丸く蹲ってはいるものの、

致命傷どころか、思っていたよりはるかにダメージが少ない状態だった。

 

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「ミサトさん?」

「シンジくん?あれっ?衝撃波が来ると思ったんだけど…」

 

来ると思っていた衝撃波がいつまで経っても来ないため、ミサトは恐る恐る目を開け外を確認してみると、

周りはどこからか飛んできたガレキや岩、木などが散乱しており、

明らかに大きい衝撃波が来たような荒れ模様だったが、ミサトとシンジが乗っている車にはどうもなっておらず、

無傷で佇んでいた。

 

改めて状況を確認するが、車は無傷、シンジとミサトもどこにも傷を負っていない。

さっき確実にN2が爆発したはずなのに…

 

「ミサトさん。大丈夫ですか?」

「えぇ大丈夫よ。シンジくんは?」

「僕も大丈夫です。いやぁそれにしてもすごい爆発でしたね。こんなに遠いのに鼓膜が破れるかと思いましたよ」

「そ、そうね」

「車も大丈夫そうですし行きましょうか。…ん?ミサトさん大丈夫ですか?体どこか打ちましたか?」

「ん?いや大丈夫よごめんね。とりあえず行きましょう」

「わかりました。しかしラッキーですね。あれだけ大きい爆発があったのに車も無事で僕たちも無傷で」

「そうね」

 

(なんだかよくわからないけど、とりあえず運が良かったってことでいいのかしら?でも、…)

 

ミサトの頭の中にはいくつものクエスチョンマークが浮かんでいたが、ひとまず出発することにした。

 

(ちょっとやりすぎたかな。でも戦いの前に怪我したくないしね)

 

シンジは1人そんなことを思っていた。

 

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一旦は使徒の存在が確認されて静まり返った発令所は再び喧噪に包まれていた。

状況確認、指示が先ほどと同様に飛んでいる。

 

「予想通り自己修復中か」

 

冬月は隣のにいる碇ゲンドウにつぶやいた。

視線はメインモニターの使徒から外さずに。

 

「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」

 

碇ゲンドウは当たり前のように答える。

すでにこうなることをわかっていたかのように。

 

その時モニターがブラックアウトした。

使徒の顔から発射された閃光に、監視用の無人機が撃墜されからだ。

 

「ほう、たいしたものだ。機能増幅まで可能なのか?」

「おまけに知恵も付いたようだ」

「この分では再度侵攻は時間の問題だな」

 

ゲンドウと冬月はまったく動揺していない。

これくらいは当たり前のごとく。

 

「はい、わかりました。ではそのように・・・」

 

どこかに電話をしていた戦自の将校が受話器を置いてゲンドウ達を振り返った。

 

「・・・これより本作戦の指揮権は君に移った。・・・お手並みを見せてもらおう」

「了解です」

 

上層部からの指示を苦々しく思いながらも戦自の将校はそう告げた。

かなり不満そうだが奥の手が効かないとなれば仕方ない。

 

「碇君、我々の所有兵器では、目標に対し有効な手段が無いことを認めよう」

「だが、君なら勝てるのかね?」

 

将校たちに問われたゲンドウは、しっかりと答えた。

その口元にかすかな笑みがある。

 

「そのためのネルフです」

「・・・・・・期待しているよ」

 

戦自の将校は三人そろって発令所を出て行く。

 

『目標は今だ変化なし』

『現在迎撃システム稼働率7.5%』

「国連軍もお手上げか。どうするつもりだ?」

 

冬月はゲンドウに問うた、と言ってもやることはわかっているのでこれは確認事項だ。

自分達がやるべき事は使徒の殲滅だ。

つまりあの強力なN2爆雷の爆発に耐え切った使徒と戦わなければならないということになる。

 

「初号機を起動させる」

「初号機をか? パイロットがいないぞ」

「問題ない。もう一人の予備が届く」

 

ゲンドウのモニターには実の息子である碇シンジの姿が映っていた。

自らの計画に必要なキーパーツとして。

 

 続く




初投稿、小説執筆初心者にして初長編という超無謀な挑戦に、足を突っ込んでしました。
エヴァの色々なSSを見ていたら自分も書きたくなったので、書き始めてみました。
なかなか更新頻度は高くないかもしれず、投稿後も表現が気に入らなければ適宜修正するかもですが、もしよろしければこれからもよろしくお願いいたします。
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