ゴォォォォオオオオ!
(くっ!!)
ものすごいスピードで地上に射出されている初号機の中で、シンジは強いGを歯を食いしばりながら耐えていた。
やがて地上に出ると初号機の前に使徒が現れた。
『シンジくん、まずは歩いてみて』
ミサトから指示が飛んできたので、まずは歩いてみることにした。
リツコさんから聞いたエヴァの動かし方は、頭で動きをイメージすると、その通りの動きをするらしい。
(歩く、歩く、歩く)
シンジが歩く動作をイメージすると、ゆっくりではあるがエヴァ初号機が一歩一歩と歩き始めた。
「歩いた•••歩いたぞ!」
「やった!」
「私たちの苦労が報われたわ!!」
発令所にいるミサトやリツコをはじめとする発令所のオペレーター達は、動かないと思われていたエヴァ初号機が動いたことに驚きと感動に包まれた。
(なるほど、シンクロシステムというのはこんな感じなんだな。これならかなり思い通りに動けるぞ!!)
シンジはシンクロシステムの挙動に慣れ始め、テンションを上げる。
(よっしゃあ!いくぞぉぉおお!!)
ウォォォォオオオオアアアア!!
喜びの感想に包まれていた発令所に、突如獣のような鳴き声が聞こえ、発令所が静かになった。メインモニター見てみると、エヴァが勢いよく使徒に向かって走り出し、そのままの勢いでドロップキックしたところが映っていた。
ドコォォォン ガガガガガガがガガガ
ドロップキックをモロに受けた使徒は、そのまま街の端っこまで飛ばされた。
ひとまず、使徒をNERVからかなり離れたところに飛ばすことができた。
「シッシンジくん!?」
「はい!」
「だ、大丈夫!?」
「はい! 問題ありません!! このまま使徒に攻撃を続けます!!! いくゾォォォおおおあああ!!!!」
「「!!」」
先ほどの猛ダッシュとドロップキックを見たミサトが驚きを隠せないまま、シンジに話しかけた。
何かあったのではないか•••そう心配したミサトであったが杞憂だった。
先ほどの使徒への攻撃で自信をつけたシンジは、半ば興奮気味にミサトからの問いかけに返答する。
思いのほか興奮しているシンジに対し、ミサトとリツコは唖然としている。
と次の瞬間、エヴァが使徒に近づきパンチを繰り出した。
バコォオ!
怯んだ隙に使徒の手を掴んでそのままエヴァを半回転させ、背負い投げで使徒を持ち上げ、そのまま使徒を地面に叩きつける。
ドコォォオオン!
バキ! ボカァ! ダン! ボシュ! ドン!
その後もシンジは使徒に対し殴る蹴るの攻撃を繰り返すが、一向に倒せる気配が見えないどころか、どこ吹く風の如く使徒はむくっと立ち上がる。
(これだけ思い通りに動ければ問題ないな。でもこれだけ攻撃しているけど、全然効いてない•••)
——————————-
「ちょっとリツコ、あれは全てシンジくんが操作しているの?」
「マヤ、初号機の状態は?」
「はい!ハーモニクス全て正常です。初号機はシンジ君の制御下にあります」
それはシンジが初号機を正常に操縦していることを示していた。
あり得ない•••意味がわからない•••
エヴァに初めて乗るだけでなく、戦闘経験なんてあるはずの無いシンジが、華麗にエヴァを操縦し、使徒に対し一方的な暴力を繰り出している。
ミサトやリツコをはじめとする発令所のオペレーター達は画面に釘付けで言葉がでない。
それは発令所の一番高いところにいるゲンドウと冬月も同じだった。
「おい碇、これは何だ。お前の息子はいささか強すぎないか?」
「•••」
「これでは彼女が目覚めないのでは無いか?」
「•••問題ない。使徒はまだ来る。そのどこかで目覚めれば良い」
「•••だといいがな」
ゲンドウは冬月の指摘に表情こそ変わらなかったが、動揺していた。
さっきのゲージの中での出来事といい、現在の使徒との戦いといい、
当初予定していたシナリオと全然違う。
だが、他に手段もないため変更はきかない。息子であるシンジも利用しなければならない。
自らの願いのために。
メインモニターには初号機が絶えず使徒に対し攻撃していた。
それでも使徒にダメージを与えているようには見えない。
「おかしい•••シンジくんがあれだけ攻撃を繰り返しているのに、使徒に効いてないわ!」
「そうね、ただ闇雲に攻撃しても倒せないというわけね」
「そんな、じゃあリツコどうすれば•••」
「どこかに弱点のようなものがあるのかもしれないわ•••」
「弱点ね•••日向くん、今までの戦いを分析して!どんな些細なことでもいいわ!弱点がどこのあるか見つけるのよ!」
「了解です!」
使徒には弱点があるのかもしれない•••
エヴァを使っても使徒を倒せないとなると人類に打つ手無し。
弱点というわずかな希望から、メインモニターに映る使徒と初号機の戦いを分析する。
すると、映像を分析していたオペレーターのマコトから報告が上がった。
「葛城さん!初号機が使徒の胸あたりにある赤い球体状の物体に攻撃をしようとすると、わずかですが使徒が回避行動をとっているように見えます!」
「使徒が回避行動?リツコどう思う?」
「そうね、もしかしたらそこが”コア”なのかも」
「コア?」
「生命がありとあらゆる攻撃に対して反応を示さなかった使徒が、その赤い球体状の物体に対してだけ攻撃が当たらないように攻撃を避けているということは、そこが使徒の弱点、つまりコアである可能性が高いわ」
「なるほど•••」
「マヤ、MAGIの判断は?」
「はい。MAGIは先輩と葛城さんのコメントに賛成85%と出ています」
「間違いないわ、そこが弱点よ」
マコトの報告にリツコとミサトが結論を出そうと推論を進めているところにシンジから通信が入った。
『ミサトさん!リツコさん! アイツはどうすれば倒せますか?』
「ナイスタイミングよシンジくん!使徒の胸あたりにある赤い球を破壊して!」
「そこが使徒の弱点であるコアの可能性が高いわ。シンジ君、そこを重点的に攻撃して!」
『了解!!』
——————————
〔エントリープラグ内〕
シンジは、ミサトとリツコの助言を元にどのように攻撃するか熟考する。
(あの赤い球が弱点なのか。サッと近づいて一気に叩き込むしかないね。でもどうやって•••しかしミサイルで破壊できなかったのかな?)
その時、ミサトが何か気づいた。
(マズイ!使徒が攻撃しようとしている!)
『シンジくん!避けて!!』
(!!!!)
ミサトは先の戦時との戦いの映像を確認していたので、攻撃の予備動作に気づいていた。しかしシンジは熟考中に使徒から目を離してしまっていたので、すでに使徒が目の前に来ていることに気づかず、動作が遅れてしまった。
バコン!
ジュワ!
使徒は腕から光の槍のようなものを出して、初号機にぶつけようとしていた。
シンジはミサトの指示でエヴァをジャンプしながら横回転して躱わし、何とか致命傷は免れたが、右肩に光の槍が掠った。
(っつ!!右肩に攻撃があたった感触がある!どういうことだ•••)
『シンジ君!エヴァのシンクロシステムは、エヴァがダメージを受けたらパイロットにフィードバックされてしまうわ』
「フィードバック?」
『そう。だからまともに攻撃を受けるとシンジ君自身の致命傷に繋がるわ』
リツコはフィードバックの説明をシンジにしていたが、同時にそのシステムに対しやるせなさを感じていた。
エヴァを操縦するにはシンクロが必要。だがその代償にエヴァが受けたダメージをパイロットも受けてしまう。何と忌まわしいシステムだろうか。
どうにかできないだろうか、開発責任者として、パイロット達に苦痛をもたらしてしまっている•••
これはリツコを悩ませる種の一つとなっている。
だが、当のシンジはというと•••
(なるほど、メカに乗って戦うのはいささか緊張感に欠けるから、なんか嫌だったけど、これなら良い。やっぱり戦闘は緊張感がなくちゃ意味がない!
それに相手の攻撃が当たらなければ良いだけ!よっしゃあ!!)
•••なぜかテンションが上がっていた。そんなことはリツコの知る由もない。
(でも油断した。ミサトさんの声掛けで命拾いしたな。気を引き締めないと•••)
何はともあれ、シンジはエヴァの操縦やフィードバックなどの特性にも慣れ、使徒の弱点も判明したため、一気に仕留めようと使徒に近づこうとした。
その時だった。
(っつ!!。女の子だ、女の子がいる!)
初号機と使徒を挟んだ通路の端に逃げ遅れたであろう女の子が、座り込んでいた。
突然の戦闘に腰を抜かし動けないようだ。
今にも泣きそうな顔で、目には涙を浮かべている。
「ミサトさん!!」
『何!どうしたのシンジくん!」
「あそこに逃げ遅れた女の子がいます!」
『何ですって!!!」
エヴァから送られてくる映像をメインモニターで確認したところ、確かに女の子が通路に座っている。
「全く保安部は何やってるのよ!! 日向くん、保安部に連絡して今すぐ保護に向かわせて!」
「すでに連絡を入れています!女の子の保護まで約5分!」
「シンジくん!5分よ!5分だけで良いわ、そうすれば女の子が助かるわ!」
『了解!」
女の子の救助を確実にするため、使徒と女の子の間にエヴァを移動させる。女の子を守るためとして。
『まずいシンジくん!よけて!!!」
バシュン!!
(!!!) シュッ!
ドコォォオオン!
「うわぁああっ!」
直後、使徒の顔らしきところから光線が初号機めがけて発射された。
ギリギリのところでかわしたシンジだったが、初号機の後方で爆発、吹っ飛ばされてしまい仰向けに倒れる。
女の子は奇跡的に無事だったが、完全に腰を抜かし動けなくなっている。
「あいたたた•••」
『シンジくん、使徒が迫ってきてるわ!早くエヴァを•••」
(マズ!)
ミサトが声をかけたが、時すでに遅し。
しばらくじっとしていた使徒だったが、初号機に向かって歩き出し、シンジが気がついた時には、すでに仰向けに倒れている初号機の目の前に来ていた。
ガガガガガガ、ギギギギギギ
「「「!!!!」」」
ドコン!ドコン!ドコン!
(グワァ!!)
「「シンジくん(君)!!」」
使徒は仰向けに倒れている初号機の頭部を掴み、光の槍を叩きつける。
シンジはフィードバックにより想像を絶する痛みに耐えていた。
「まずいわ、このままだと初号機が破壊されたらシンジ君も無事では済まないわ」
「っつ!そんな!リツコどうにかならないの!?」
ミサトに助けを求められたがどうにもならない。
こうなってしまったらシンジ自ら使徒の攻撃を回避するしかない。
「私たちではどうにもならないわ。シンジ君自らの手で使徒の拘束から免れない限り」
「っつ!そんな•••シンジくん•••」
ミサトとリツコは自分を呪った。いや、発令所にいる全NERVスタッフは自分たちを呪っただろう。
自分たちは安全なところにいて、ここに来たばかりの少年が戦地で死にそうな思いで戦っている。
私たちを、そして人類を守ってみせると言った少年。
本来は自分たち大人がやらなければならないが、未来ある子供にやらせてしまっている。
((全力でサポートするって約束したのに•••何も役に立ってないじゃない•••!))
自分たちは何のためにいるのか。使徒を倒して世界を救うためではないか。
なのに何もできない。そのやるせなさ、絶望が発令所を支配していた。
しかし発令所の一番高いところ、ゲンドウと冬月がいるところは少し様子が違った。
「碇、このままいけば彼女が目覚めそうだな」
「あぁ。少し遅くなったが何とかシナリオ通りになりそうだ」
彼らのシナリオでは最初の使徒戦で彼女、初号機に眠る彼女が目覚める必要があった。
もうすぐ目覚める。そう信じて•••
(くっこのままではマズイ。どうすれば•••)
シンジは初号機が受けているフィードバックに、懸命に耐えている。
しかし、シンジより先に初号機の方が先に限界を迎えつつあった。
ピシッ
「マズイわ! 使徒の攻撃でエヴァの装甲にヒビが」
「何ですって!シンジくん?!シンジくん!!」
ミサトはシンジに声をかけたが反応がない。
気を失ってしまったのか。それとも•••
最悪の状況が脳裏に写る。
「マヤ。シンジ君の状態を確認して」
「ダメです!パイロットの状況確認できません!」
「何ですって!!」
(シンジくん。お願い。返事して!)
使徒の攻撃の影響か、リツコとマヤがシンジの状態を確認しようとしたが出来なかった。
それでもミサトがシンジの無事を祈る。
いや、発令所中がシンジの無事を祈っていた。
その時
ドォォォコォォォォオオオオオオンンン!!
今までで一番大きい爆発音がメインモニターから聞こえてきた。
爆発の衝撃でメインモニターはサンドストーム状態に陥り、状況がわからない。
「シンジくん!!」
ミサトが悲壮感漂う声で、シンジの名前を叫んだ。
最悪だ。初号機が破壊された。シンジも•••
発令所の誰もがそう思った。
「シンジくん!お願い返事して!シンジくん!!シンジくん!!!」
ミサトをはじめ、発令所中は絶望に包まれていた。
エヴァが負けた。シンジが死んだ。
いきなり呼び出され、急に得体の知れないエヴァに乗り、これまた得体の知れない使徒を倒せと言われた。
普通なら絶対に断る。なんせ死にに行けと言われているようなものだ。それもまともな訓練を受けていない14歳の少年。断っても誰も責めない。
それでもシンジは乗ってくれた。私たちを守ると言って。それなのに、自分たち大人は何もできずシンジを•••
それでもミサトは、懸命にシンジを呼びかける。わずかな希望に縋るように。
「シンジくん!シンジくん!!シンジくん!!!」
「映像回復します!」
オペレーターマコトの報告によりメインモニターの映像が回復する。
そこに映っていたのは自分たちの想像とは真逆の光景だった。
「ウソっ!」
「そんな!!」
初号機はなんと無事だった。初号機は座りながら右腕を前に伸ばし、右手の手のひらを前に掲げたポーズのまま静止していた。心なしか装甲の損傷も回復している。
そして使徒はかなり遠くに吹っ飛ばされていて、うつ伏せに倒れている。
「っマヤ、初号機と使徒の状況は」
「は、はい!エヴァ初号機現在。先ほどの損傷も問題ありません。正常動作中です。ですが使徒も現在。パターン青消失していません!」
発令所中が唖然とする中、一足先に正気に戻ったリツコがマヤに指示を出す。
マヤからの報告から、使徒は未だ健在。
だがエヴァ初号機も無事。あとはパイロットであるシンジである。
「パイロットは、シンジ君の様子は?!」
「ちょっと待ってください。今確認中です!」
「急いで!」
『っつ•••』
「シンジくん!?」
『ミサトさん?』
「シンジくん!大丈夫?!」
『えぇ大丈夫です。急に目の前が爆発したから、ちょっとびっくりして腰を抜かしちゃいました•••』
「怪我は?体の痛みは大丈夫?」
『はい。大丈夫です!まだいけます!』
シンジからの通信で発令所中は安堵と歓喜に包まれた。
よかった。シンジが生きている。
しかしまだ安心はできない、使徒が生きている。
「喜ぶのは後よ、気を引き締めて!」
「「「「はい!!」」」」
ミサトの号令に皆が気を引き締め直す。
そうだ、まだ終わっていない。使徒はまだ生きている。
ミサトとリツコはメインモニターの使徒に注目した。
使徒は健在。だが、先ほどの大爆発の影響か起き上がる様子がない。
おそらく自己回復中だろう。下が動き出すまでまだ時間がある。
「日向くん!今のうちよ!急いで要救護者を保護!」
「了解です!現在保安部が現場に急行中です!」
ミサトは使徒が動き出していないため、今のうちに女の子の救助に急ぐ。
そしてリツコはシンジの負担を何とか減らせないか模索していた。
「!そうだわ。マヤ、ちょっとこれを試してみてちょうだい」
「センパイ?」
リツコはフィードバックを減らしつつもシンクロ率を維持する方法を突発的に思いついた。
通常シンクロ率が高ければエヴァを思い通りに操縦できる反面、フィードバックによるパイロットへのダメージが大きくなるデメリットを抱えていた。
そのためフィードバック低減できれば、パイロットの負担を減らすことができる。
しかしシンクロ率を維持させながらフィードバックを低減させるのだ。相反する状況を両立する手段だ。そう簡単には見つからない。
しかし、そこは天才技術者赤木リツコ。付け焼き刃的な手段だがないよりはマシだ。
部下で可愛い後輩のマヤの力を借りつつ、エヴァの設定を完了させる。
突貫フィードバック低減システムの完成だ。
「センパイ!設定完了しました!」
「了解。エヴァの状態は?」
「ハーモニクス正常。他のステータスも正常を表しています!」
「了解。マヤご苦労様」
「ハイ!」
「シンジ君、突貫だけどフィードバックを低減するシステムを導入したわ。無いよりはマシなはずよ」
『! ありがとうございます!』
「いいのよシンジ君。私たちに出来るのはこれくらいだから•••」
リツコとマヤがフィードバック低減システム構築を終わらせた直後、マコトから報告が入る。
「葛城さん!保安部からです。要救護者の保護を確認!」
「よし! シンジくん、女の子の救助が完了したわ!こっから一気にいくわよ!」
『了解です!』
(女の子も助かった•••今行けば使徒はまだ起き上がって•••ん?)
ムクッ
「使徒が起き上がった!」
使徒の回復が終わったのか、仰向けに倒れていた使徒が起き上がった。
マズイ、遅かった。このままでは先ほどと変わらない。またやられるかも知れない。
(そういえば•••)
ミサトは先の初号機と使徒との戦闘を思い出していた。
(さっき使徒が光線を放った時、少し動きが止まっていたような•••そうだわ!)
「シンジくん!光線よ、光線をかわして使徒に突っ込んで!!」
『へ?』
「ミサト?どういうこと?」
「さっき初号機に向かって光線を放った後、使徒はしばらくじっとしてから初号機に向かっていった。あれはじっとしていたくて、じっとしていたわけじゃ無い。光線を放った反動で動けなかったからよ!」
「つまり光線を放った直後なら使徒は動けないから、その間に近づいてコアを破壊するってことね?」
「そゆこと。シンジくん!話は聞いていたわね!」
『はい!』
「使徒の行動分析はできてるわ。こっちで光線を放つタイミングを合図するから、光線を回避して。その後一気に使徒に近づいてコアを破壊!これでいくわよ!!」
『了解!!』
作戦は決まった。後は使徒を倒すのみ。
エヴァと使徒が睨み合う。お互い一歩も動かない。
スッ
その時、使徒の頭部らしき場所がわずかに動いた。これは光線を発射する予備動作だ。
このわずかな動作を、ミサトは見逃すはずがない。
「シンジくん来るわ!攻撃に備えて!」
『了解!!』
パシュン!
シュッ ダダダダダダダダダっ!
その直後、使徒から光線が放たれた。
シンジは光線を屈んでかわし、そのままの勢いで使徒に向かって猛ダッシュ!
(うぉぉぉぉおおおあああ!)
光線の反動で動けない使徒の間合いを一気に詰めたシンジは、コアめがけて手刀を繰り出す。
(これで、終わりだぁぁああ!)
シンジは勝利を確信した。いや発令所にいる全員が勝利を確信しただろう。
だがそんなシンジたちの前に障壁が立ち塞がった。
文字通りの障壁が。
ガキィィィィイイン!
(何だこれ!?)
「まさか、あれはATフィールド?!」
「ウソっリツコこれじゃあ•••」
「えぇ、これでは使徒に近づけない•••」
それはATフィールドを克服しない限り、使徒を倒せないことを示していた。
ダン! ダン! ダン! ダン!
(クソ!クソ!クソ!クソ! どうすればいいんだ•••このバリアを破壊できないと使徒に攻撃できない!!)
シンジはATフィールドに向かって殴っているが、一向に破壊できない。
(変ね。ATフィールドを張ってから使徒がまた動かなくなったわ。もしかしてATフィールドを張っている間は動けないのかも•••)
ミサトは使徒の些細な変化に気づいたが、それでもATフィールドが突破できないと意味がない。
「シンジ君、それはATフィールドと言ってエヴァでも出せるとされているわ。ATフィールドを出せれば使徒の出すATフィールドを侵食できるかも知れないの」
(このバリアみたいなやつをエヴァでも出せる?だったら•••!)
キィィィィイイイイン! バリバリバリバリ! ジュワワワワーン!
「センパイ!エヴァ初号機からATフィールドを確認!使徒のATフィールドを中和していきます!」
「いえ、侵食してるんだわ。たったあれだけの助言で•••すごいわ、シンジ君」
シンジは使徒のATフィールドを克服し、ついに使徒のコアに辿り着いた。
「いって!シンジくん!!」
(いけぇぇぇぇええええああああ!!!)
シンジはコアに対し手刀を決めた。するとコアにヒビが入った。
(デストロイ!!!)
使徒のコアが粉々に破壊された。
しかしその直前、使徒は最後の力を振り絞り、初号機にまとわりつく。
「まさか、自爆する気!」
「シンジくん!避けて!!」
(クソ、このやろぉぉおお!)
シンジは素早い身のこなしで使徒から免れる。
(うおぉぉおおりぃぃぃやぁぁぁぁああ!!!!)
シンジは力の限り使徒を蹴り上げる。
ドォォォコォォォォアァァァァァアアアアン!!!
その直後、使徒は大爆発。
しかしその衝撃でまたしてもメインモニターはサンドストーム状態。
「パターン青、消滅を確認!」
「初号機は?!シンジくんは?!」
「メインモニター回復します!」
「「!!」」
回復したメインモニターに写っていたのは初号機だった。
『ミサトさん、リツコさん』
「「シンジくん(君)!!」」
『終わりました!』
初号機、シンジ共に健在。かなりの大爆発だったがシンジが使徒を上空に蹴り上げたおかげか、初号機にも町にも大きな被害はなさそう。
「よかった•••シンジくんが生きてる•••」
使徒殲滅、そしてシンジが生きている。これら二つの事実により発令所は今度こそ歓喜と感涙に包まれた。
皆が口を揃えて、やった!よかった!と言っている。
『ゲージにもどりたいんですけどどうすればいいですか?』
「回収ポイントがあるからそこまで移動できる?」
『わかりました。•••ミサトさん、リツコさん。約束ちゃんと守りましたよ』
「「約束?」」
『皆さんを守るって言う約束ですよ』
「「!!」」
シンジは出撃前と同じ破壊力抜群の笑顔を見せ、またしても発令所中を魅了した。
「全く、あの可愛い笑顔の少年に守られちゃ、立場ないわね」
「ほんとねリツコ」
(リツコの言う通りだわ。結局私は指示を出すだけ。使徒に対しては何も•••何も•••)
そんなミサトとリツコの会話の中、メインモニターには回収作業中の初号機の姿があった。
続く
戦闘シーン難しい!
無事勝利を収めたシンジ。
次回もご期待ください!