夢を見た。あまりにも眩しい光が降ってきて、命を消していった。
人も、ポケモンも。皆例外なく殺されていった。
なんと愚かな。なんと哀れな。
たとえ王であっても、1人の愚かな人間であったか。
「……んぁ」
『次は〜終点ミアレシティ〜ミアレシティ〜』
「うお、危なっ」
急いで起きて、駅に出る。もう駅のホームからして地元とはかけ離れた綺麗さで、この先僕はミアレの清潔感にどれだけビビることになるんだろうか。
さて………
「……これからどうしよう」
ミアレに着いたのはいいが、まあ恐ろしいほどに真っ白なんだよな。行くあてもないし、やることもないし。おまけに所持金もそんなにない。一応アラタの実家でバイトした分ある程度はあるんだけど、ミアレの物価がいかんせん分からないしな。
「ちょっと、そこのアンタ」
「ん?」
やたらぶっきらぼうに声を掛けられたんで振り向くと、不機嫌そうな2人組がこっちを見ていた。うーん、嫌な予感。
「あたしたち、今最高に機嫌が悪いの。ちょっとバトルの相手してくれない?」
「えぇ……」
「あんた、見るからに弱そうだもん。顔はまあまあだけど…」
「おい、アンリ!そういうのいいから、とっととやるぞ!」
「え、まさか2人がかりで?」
「もちろん。タイプ有利があるように、あたしたちも数の有利を活かして戦うから!」
なんちゅうヤバさだ。もしやミアレって治安悪い?
キョウヤに声をかけた2人には、ある狙いがあった。ターゲットは昼頃になるとミアレ駅前に歩いてくる。そして人助けが生業なターゲットのことだ、適当な人間を困らせておけば、放っておけずに……
「こらー!ちょっとアンタたち、何やってんの!」
ほら、やってきた。まあ、想定外のことがあるとすれば。
「……って、負けてる?」
釣り餌のはずの適当な人間に、2対1のバトルで負けたことだろうか。
僕を助けようと走ってきた女の子は、露骨に困惑していた。
「えぇ……どういう状況?」
「彼らがバトルをふっかけてきて、僕が勝った」
「しかも見る限り2対1だよね……よく勝ったね」
「まあなんというか……雑な戦い方だったから」
「くっそ、2対1なら圧勝できると思ったのに!」
「せっかくタウニーが来たのに、これじゃあ戦えない!」
「あ、よく見たらアンタたち昨日あたしに負けた人たち!まさかあたしを誘い出す為にこの人に喧嘩売って、そんで負けたの?」
「そうだよ、悪いか!!」
「悪いけど……それ以上に可哀想だと思う」
「あぁもう、最悪!覚えてろ〜〜!!」
漫画に出てくるような見事な捨て台詞を吐いて、2人は去っていった。まあ賞金ももらえたしこっちとしてはOKかな。
「災難だったね、ミアレ駅から出てきたってことは観光客でしょ?」
「いや、僕は……」
僕は女の子にミアレに来るまでの流れを簡単に説明した。
「ええ、家出!?家出してミアレに来るって、そんな事ある?行くあてもないのに?」
「あぁ、耳が痛い……その通りだよ、本当に家出するときは焦ってたから……」
「なるほどねー。そういう事ならあたしに任せるし!いいとこ教えてあげる!」
「本当に?」
「本当に!さっきのお詫びもしたいし、ねっ!」
「あ、ありがとう……」
お詫びか、彼らの逆恨みでしかないとは思うけど……まぁ、ありがたいし行くだけ行ってみよう。
キョウヤ
バトルをふっかけられたが普通に勝った。まあキルリアだしね。
タウニー
助けに来たけど必要なかったっぽい?
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