『アシムレイトを使ったな』
実は、少し前に目が覚めた彩葉は寝たふりをしながらこの会話を聞いていた。
アシムレイト?たしか同化するって意味の単語だったはず…
『プラシーボ効果で
そんな!じゃあ、零士が傷だらけだったのはその力の所為ってことなの!?
もしかして、ブラックオニキスとの闘いの後に筋肉痛で動けなかったのって…
『
そんなに自分を責めないでほしい…あの時、かぐやに『絶対に迎えに行く』と宣言しただけで私は救われているのだと、それはきっとかぐやも同じなんだとそう思っていると
『病院に言って一日泊まれるようにしてるから』
そう言いながらお師匠さんはこちらを見てきた。…寝たふりがばれたのだろうか////
『彩葉、ごめんな…俺が弱いばかりに要らない心配をかけてしまって。』
零士が私の頭を撫でながらそんなことを言ってきた。本当は声を大にしていいたい、【君の所為じゃない】と言いたかった。
『彩葉、好きだ』
まさかの想い人からの告白に驚いて、寝たふりがばれるかと思った////
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「「お世話になりました。」」
目が覚めた次の日に、彩葉と一緒に病院に一言お礼をして退院した。
「包帯…いつ取れるの?」
「んー、2、3日はしてろって言われてる。取れても多少は跡も残るって言われた」
「そうなんだ…」
彩葉が心配そうに腕を見てきたため
「心配すんなって言っても納得しないよな…心配してくれてありがとな」
「どういたしまして。」
そんなかぐやが居なくなった日常を受け入れる準備をするために話しながら帰った。
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次の日、学校に行くと阿鼻叫喚の嵐だった
『酒寄さん、はやり病にかかったって聞いたけど大丈夫だった?』
『伊織、修行の旅に出たって聞いたけど』
『え?海外留学に行ったんじゃなかったの?』やら、みんな好き勝手言い過ぎだと思った。
とりわけひどかったのは
『伊織と酒寄が駆け落ちした』
という噂が一番有力視されていたことだった。
突発的な入院だったとはいえ、数日休んだだけでそんな噂が立つとは思ってもいなかった。
最後の噂だけ二人で否定したため、余計に怪しいと言われてるらしいがもう放置だ。人の噂も75日だと信じて。
「「失礼しまーす。」」
彩葉と二人、ほぼ無断で数日休んでしまったため担任のところに謝罪と進路希望調査票を提出しに行った。
「酒寄は法学部か、伊織は工学系?」
「すいません、色々あったんですけど大丈夫です。法学部目指します。」
「俺も約束したことあるので、そのために必要なこと勉強しようと思って」
それを聞いた先生は少し嬉しそうにしていた
「酒寄は、今まで出来すぎだったくらいだから安心したよ。伊織は成績は悪くないけど本格的に目指すならもう少し成績上げないとな」
まあ、彩葉と比べたらそうなるよな…流石に
「今度、受験対策の相談乗ってくれますか。」
「俺もお願いします」
「もちろん」
先生は笑顔でお願いを聞いてくれた。結局、無断欠席については一言もなかった。
その後、廊下で綾紬、諌山、稲葉の登校を待った。
「連絡返せんくて本当にごめん!」
「無視ひどーい」
「家に乗り込もうと思ったよ。」
「すまん!すまん!」
彩葉が綾紬と諌山に謝り倒していた。
俺は俺で稲葉に
「いいかい、伊織。君がこれで音信不通になるのは2度目なんだよ!一回目は酒寄さんが探してたから生きてるとわかったけど、今回はその酒寄さんも音信不通だったんだ!もしも君たちに何かあったらと気が気ではなかったんだ!そこのところ理解しているのかい!なんだその包帯は!!」
「大変申し訳ありませんでしたぁ!!」
稲葉にめっちゃ詰められていた。
「腕だけのことを言っているんじゃない!!」
「イヤー!!」
こいつ、人のワイシャツのボタンを容赦なく引きちぎりやがった…
「なんだそのニチアサ巻きのような包帯は!!」
「病院でこれが一番治りが速いって巻かれたんだよ…」
実際は、アルスとの激突の時に食らった刀傷を隠すためのものであった。
「稲葉!どうしてくれんだよ!ワイシャツ!ボタン!着替え!!」
通りすがる女子生徒がチラチラこちらを見てくるし、その度に彩葉の視線が痛いものになっていく…やめて、僕悪くないの…
「やかましい!!これは僕と真実と綾紬さんを心配させた罰だ!!文句は言わせん!!」
「いや、せめて服は返してくれよ!!」
他のことなら甘んじて受け入れたし、体育がある日なら体操服で過ごせばいいやと思ったけどそれもない。
「はぁ~~~~、すまん誰か裁縫セット持ってないか?」
周りにそう聞いたが誰も目を合わせてくれない…俺、実は嫌われてるのかな?なんか泣けてきた…
「どうしよ~~」
さすがにはだけた状態で授業を受けるわけにはいかずに困惑していると。
「はいこれ」
「おう、ありがとう彩葉」
彩葉が裁縫セットを貸してくれたが
「あの、彩葉さん?」
「なんでしょうか…」
「どうしてこちらを見てくれないのでしょうか?」
なんか、全く目が合わない…
「気の所為じゃないかな?////」
「ほな、しゃあないかー」
絶対に気の所為じゃないけど指摘したら怒られる気がしたのでスルーせざるを得なかった。
とりあえず、シャツのボタンを取り付けていると
「よし!じゃあ彩葉といおっちの復活記念でみんなでご飯食べに行こう!いおっちのおごりで」
「また奢りかよ!!」
「僕たちを心配させた罰だと思えばいいだろう。真実は今日予定あるんじゃなかったか?」
「それなら、明日の晩御飯だね。どこ行く?」
なんかとんとん拍子で話が進んでいく…
「BAMBOOcafeって、今かぼちゃフェアしてたよね?そこは?」
「そこ酒寄さんのバイト先だよね。気まずくない?」
あそこ、そんなことしてたのか。
「ううん、私は大丈夫」
「大丈夫ならいいけど…僕たちまだ鞄置いてないから遅刻してしまう」
やば!もうそんな時間か!急がないと
遅刻はしなかったが、ボタンがつけきれなかったために担任に
「伊織、お前服どうした?朝はちゃんと着てただろう?」
と指摘され
「追いはぎにあいました…」
としか答えられなかった。また、ボタンをつけ終わるまで彩葉どころか、稲葉と諌山、綾紬以外の誰とも目が合わなかった…どうして…
もはや、後半を書きたいだけ。
クライマックスが近づいています。運命の荒波に飲まれる準備はできたか~~?
私はまだできてません。ニチアサ巻きを知らない人は検索しましょう。個人的に一度やってみたい包帯の巻き方です。