お隣の様子が急におかしくなってしまった   作:納豆伯爵

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頑張って書いてます。最近は内容が内容だから力を入れて書く必要あるんです!本当なんです!
信じてください!!


ヤチヨの秘密

かぐやに届ける歌ができた彩葉に

「いったん、おにぎり食べなさい。」

「あ、ありがとう」

小腹を満たすように促す。

 

「届くかな?かぐやに…」

「届くさ…絶対に」

そう心配そうにする彩葉を励ます。

 

「「昨日の続きーー喋りたかったーくだらなくてもーーちょうどよかったーーー本音をーー聞かせてーーただ叶えてみたいからーー」」

 

二人で繰り返し歌った、かぐやに届くように祈るように。

 

『彩葉!れーじ!』

かぐやの声がブレスレット越しに聞こえた。

それからは3人で日が昇るまで歌い続けた。

会いたいと思う気持ちを込めて歌った。

 

その日の朝、彩葉がヤチヨにメッセージを送っていた。

「あの曲のメロディー、ヤチヨのデビュー曲と同じなの」

「え?彩葉それって…」

「うん、ヤチヨは多分何か知ってる。」

それが何かはわからないが確実に俺たちに関わってくるのは確信していた。

そして、かぐやの卒業ライブ以来にツクヨミにログインした。

 

「いろ、ヤチヨは配信してるぞ。」

「あれは…再放送!?」

「今までアーカイブを垂れ流しってことはあったのか?」

「いや、そんなことなかった。」

彩葉の知識と起きていることを総合すると…

「ほんとに何か起きてんな…」

とにかく手分けして探すしかないと思っていると

「ーー!」

FUSHIがいた。あいつ!独立して動けるのか!

「追うぞ」

「もちろん」

流石にバトルフィールドでもないところで小手の加速を放つわけにはいかなかったので走って追いかけた。

ちょこまかと路地を駆け回り、袋小路まで追い詰めた

「ヤチヨがどこにいるか教えて!」

「……」

彩葉の問いに無言を貫くFUSHI

「自分で探すよ」

「俺達で!だろ」

そう言って、振り返ろうとした俺たちにFUSHIは

「ばかたれどこを探すって?」

と問いかけた。それに対して俺たちは

「教えてくれないなら、世界中!」

「宇宙にだって行ってやんよ」

その答えを聞いたFUSHIは目を開けるように促してくる。恐る恐る目を開けるといつの間にかスマコンのARモードが起動していた。

『ついてこい』

FUSHIが俺たちを先導しようとしていたため

「着替えるから待ってよ!」

「彩葉、バイクで行く方が速い!ズボンに着替えてこい」

着替えて車庫で合流という話をして俺は一度自分の部屋に戻った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

部屋に戻ると師匠がいた。

「おう、レイジ。お帰り」

「え、あ、うんただいま。ちょっと着替えたらすぐ出かけるから…」

思わず返事をしてしまったが着替えたらすぐに出かけることを伝えると

「これお前にやる。」

「おわっちょ!…セーフ」

まさかのほぼ不意打ちでものを投げてくるとは思わなかった…これってUSB?

「師匠、何のUSBなんだ?」

「今から会いに行くやつの話を全部聞いたら見ろ」

なんで、誰かに会いに行くことを知っているのだろうか…そんなことを気にしている時間がなかった。

「よく分からないけど分かった。」

とにかく今は彩葉と合流してFUSHIを追いかけないといけない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「零士、遅かったね?」

「すまん、師匠から貰い物してた。これ、ヘルメット」

『急ぐぞ』

FUSHIが急かしてくるが、運転中のスマコンは危ないので俺は外さざるを得ない。

「彩葉、道案内頼む。」

「分かった。」

そうして、街中を走りたどり着いたのは

「マンション?」

なんの変哲もない普通のマンションに見えた

『こっちだ着いてこい』

FUSHIがスルスルと階段を駆け上がり、一つの部屋の中に入っていった。

不思議に思いながらも扉を開けるとそこには

「な、なんだここは…」

サーバールームと言われれば納得してしまうような部屋だった。

「水槽?」

「いや、それよりなんだあのタケノコ…」

そんな部屋の中で一層異彩を放っているのは水槽に入っている謎のタケノコであった。

初めて見るはずなのに、謎の既視感と懐かしさを感じた。

『ここからツクヨミにログインしろ』

そう言われて二人でツクヨミにログインした。

いつもとは違う…裏口から入るような感覚があった。

どこか寂しさを感じる豪華な部屋に一人佇んでいた。その後ろ姿はまるで

「……かぐや」

まるでかぐやそのものであった。件の人物が振り返ると

「ヤチヨ…」

「まじかよ…」

もしかしたらと思っていたが…本当に…

 

「ヤチヨはかぐやなの?…変なこと聞いているのは分かってる」

「かぐやは月の住人。正直何でもありだと思ってる。」

例えば、未来のかぐやだったとしても

俺たちの話を聞いたヤチヨは薄く微笑み

「今は昔ー」

自分の生い立ちを語りだした。

 

「月に帰ってバリバリ社畜していたえらえらかぐや姫の元に歌が流れてきたの」

歌?彩葉の歌か?

「そんでもっかい地球に行こ~~~って、お仕事爆速で終わらせて引継ぎも完了。ただ地球の時間じゃ大遅刻。でも安心!月の超テクノロジーは時間さえも超えられるのです。」

地球とは時間の経過が違うのか…

「時を超えて地球に向かうかぐや姫、でももう少しのところででっか~~い石に当たっちゃったの」

恐らく隕石か何かに当たってしまったのだろう

「それで、ヘロヘロになりながらもなんとかたどり着いたのは8000年前の地球でした。」

8000年って縄文時代!?

「壊れた船の僅かな力で同行していた犬DOGEだけがウミウシとして体を得ました。かぐやはウミウシを通してのみ世界と交流を持てました」

『喋るウミウシの伝説』前に師匠が調査に出たやつだ…FUSHIを通して世界と交流しているかぐやの事だったのかよ…

「時は経ち、人々は見えないものを形にし、多くのものと繋がる力を手に入れました。それは月の世界と少し似ていて、かぐやは初めて、魂だけの自分が世界と交流する術を手に入れました。そして、電子の海の歌姫として再び彩葉の前に現れたのです。」

彩葉の前に…そのために…

「ってえ~~これじゃあ~めでたしめでたしとはいかないか~~☆」

「……私たちといたかぐやは?」

「今もまた、()()()()()()()()()()()()()。」

はずだった?どういうことだ?

「私の記憶には()()()()()()()()()()()()()()()()

「だから、今のかぐやがどうなっているのかは私にも分からない。」

「零士が…いなかった!それってどういうこと!」

「落ち着け彩葉」

「落ち着けないよ!!」

「頼む!彩葉…まずはヤチヨの話を聞くことが先だ…俺の事は後でもいい…」

彩葉は渋々といった様子ではあったが、俺の中で一つの仮説ができた

それは、最高(変化)最悪(不変)の可能性だった。

「…今は、再会をお祝いしましょ。」

そのままヤチヨは俺と彩葉の手を取ってバルコニーに連れていく。

「綺麗だな…」

「ここから見える景色がヤチヨは本当に好きなの」

「ヤチヨはどうして…ずっと笑っているの?」

荒唐無稽にしか聞こえない話を笑い話にしようとしていることくらい分かった。本当は泣きそうなのも

「それがヤチヨだから」

そう決めていたとしか思えない答えだった。

「でもね…ハッピーエンド連れていくって約束したのに…ごめん、ドジっちゃった…」

かぐや…

「きらきらのかぐや姫はもうおばあちゃんです」

その言葉を聞いた俺は何も言えなくなっていた。

「……かぐやは、そんなこと言わなかったじゃん」

彩葉が声を震わせながら否定していた。

「彩葉、伊織、もし知りたくなかったら忘れてもいいよ…FUSHIの力なら出来…」

忘れてもいい?そんなことできるわけないだろ!!

「「ヤチヨ!!」」

俺たちはどすどすと部屋の真ん中にふんぞり返るように座り

「8000年あったこと全部聞かせてよ。私寝ないから!!」

「俺にも聞かせてくれ」

そんな俺たちの宣言を聞いたヤチヨは

「無茶いうな~」

少し若返ったように答えた。

 




一旦ここで区切ります。3000字オーバーってマジかよ…

とある感想を受けて「確かに!」となったので編集しました。駆け足アカンねほんとに
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