お隣の様子が急におかしくなってしまった   作:納豆伯爵

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前回書いたかぐやのお話のヤチヨバージョンです。


君がいなければ

ヤチヨが彼を最初に知ったのは、ヤチヨカップを告知したミニライブの時だった。

自分自身がかぐやだった8000年前には彼は存在していなかった。

 

正直最初の印象は誰だこいつだった。

 

彩葉とかぐや()の一番近いところに居て、二人と仲良しなのが気に食わなかった。

かぐやの配信を見て彼が悪い人間ではないことが分かっていった。

 

ブラックオニキスとの対戦の時は、彩葉のためにあんなに怒ってくれるんだと感心したものだ。

まさか勝つとは思わなかった。

 

しかし、コラボライブが決まった後で連絡が取れなくなったと聞いた時は何やってんだテメェ!と思った。二人とも何処か練習に身が入っていない様子で心配したが、ある日を境にみるみる調子を取り戻したので仲直りしたんだなと安心した。

 

かぐやが卒業を発表した次の日にブラックオニキスや稲葉・真実・芦花にかぐやのこと、月のことを話した時は初めて伊織零士に会ったはずなのに何処か他人の気がしなかった。

会議が終わった後につい声をかけてしまった。そして聞いてしまった。

『レイ、君は何者なの?』と…自分の知らない誰かがいることに思った以上に動揺していたんだろう、本人は『かぐやの兄貴分で彩葉のお隣さん』でしかないと答えた。ただのお隣さんに対してそんな命を懸けるみたいな顔ができるのか疑問だったので彩葉の事が好きなのか聞いてみた。これも即答で好きだと答えた。その時の顔があの日かぐやが好きになった彩葉の表情と酷似していた。

 

卒業ライブ当日は驚きの連続だった。控室で彩葉が自分がヤチヨだったらと言い出した時に即答で彩葉じゃないとだめだと答えた。ヤチヨも同じ気持ちだった。

月人との戦闘は激しすぎるものだった、というよりあんな小手作ったの誰だ!?ってなったヤチヨだけど…まさかKASSENNのフィールドの4分の1を崩壊させるレベルの激突を起こされるとは思わなかった。

かぐやが月に帰る時に伊織零士が言った約束はヤチヨの心も救ってくれた。

 

彩葉と伊織零士がツクヨミ内のヤチヨの部屋まで来たときに、私の記憶に伊織零士がいないと伝えた時の彩葉の動揺を見て分かっちゃった。私は失恋してしまったんだなって、彩葉には零士がいるから大丈夫だとも思った。零士の方は自分よりもヤチヨのことを優先した。噂には聞いていたが本当にお人好しなんだなって思った。

2人がFUSHIを通して私の8000年を見ていた時は、二人とも正気で入れるとは思えずに二人に呼び掛け続けた。目を覚ました二人が私を抱きしめてくれた時は嬉しかった。電子の存在だから体温は分からないけど心の温度を感じた。ヤチヨの仮面の下でかぐやは泣いている。

零士が持ってたUSBの内容については本当に驚いた。聖牙は、確かに『もと光る竹』についてやその修理及び、月の世界のことを聞いてきた。ある日を境に『僕は君の元を離れる。援助は続けるから許してほしい』と言って、ヤチヨの前からいなくなった。

まさか、月に行くための研究の為だとは思わなかったけど、零士の存在を何処か懐かしんだのは零士が人工月人ともいえる存在だからではなく、聖牙によく似ているからだと分かった。

そのデータを見た零士の顔はヤチヨと同じように涙を笑顔の仮面で隠そうとしているように見えた。本当は泣いてもいいんだよと思い、姉だと言い出した。

 

零士がSETSUNA10000人切りとかいう配信をしている時は何事かと思い、彩葉に連絡をした。

どうやら、アシムレイトを制御できるようにするための特訓らしくついでに配信をしているとの事だった。

内容はある意味でひどいものだった。眉間にしわを寄せて、まるで自分を責めるかのように拳を振るう零士の姿は正直見ていられないものだった。

彩葉から1万人目の時を自分にして対戦が始まったら喧嘩するから配信を停めてほしいとお願いをしてきた。彩葉からのお願いは聞いた、管理者権限でヤチヨだけは二人の喧嘩を見ていた。

零士は自分が弱かったからかぐやを守ることも彩葉の笑顔を守ることもできずに心配をかけたと言ったが彩葉がそれを否定するように自分たちは救われたんだと、あんな大声をだす彩葉は見たことがなかった。

2人がお互いに言いたいことを言いたい放題いいながら喧嘩している様子はもはや痴話げんかにしか見えなかった。

零士が自分の目指すハッピーエンドにヤチヨも含めていたことにびっくりした。私は零士と一緒に過ごした思い出なんてほんの少ししかないのに、ヤチヨも家族として受け入れてくれてるんだなってなった。

 

レオルにいじられてる二人が初々しいカップルにしか見えずに微笑ましかった。

 

 

存在証明のために皆に自分の話をした時の零士は全てを話した時のヤチヨと同じような表情をしていた。これで全部終わってもいいと言いたげな表情をしていた。皆が受け入れてくれた時は泣きながらありがとうとしか言えなかった。

 

月に向かう当日にヤチヨの部屋に来た零士に発破をかけて彩葉とくっつけようとした。理由は戦闘になった時にかぐやを助けるために絶対に無茶苦茶やると思ったからで彩葉の事があればある程度抑えれるだろうと考えたから。あと、単純に面白そうだったから。

まあ、プロポーズするとは微塵も思わなかったが…

 

月から帰ってきた零士とかぐやが倒れた時はある意味で一番最悪な歴史改変が起きたんじゃないか!?と焦った。かぐやはすぐに目を覚ましたが、零士がツクヨミ内で全く目を覚まさずにどうなるのかと超心配した。

月から帰ってきた零士の話も驚きしかなかった。現実に行ける日がこんなに早く来るとは思わずに月に帰ることが出来ないなんてリスクでもなんでもなかった。

 

現実に帰ってきた時に、彩葉と零士とかぐやが本当に嬉しそうに泣いて歓迎してくれた。

レオルに撫でられている零士を彩葉とかぐやと一緒に撫でた。

彩葉を守ってくれてありがとう、かぐやを迎えに来てくれてありがとう、ヤチヨに温もりをくれてありがとうと感謝の気持ちを込めて撫でた。

 

健康診断の結果を聞いた時は、夢なら覚めないでほしいと思った。

かぐやは元々同一の存在みたいなものだからあんまり気にしてなかったけど、零士が普通の人間になったと知って、嬉しかった。

零士とかぐやとヤチヨで話すときは本当の兄妹のように思えた、長女はヤチヨだけど。

 

帰りに彩葉に婚約指輪を買っているときの零士と彩葉の幸せそうなオーラが全開すぎて周囲にある意味申し訳ない気持ちになった。

8000年ぶりに食べたパンケーキは、とても美味しかった。

 

君が居なければ、私はパンケーキの美味しさも人の温もりも思いだすことが出来なかったかもしれない。

 

 

君が居なければ、私は家族の温もりを知ることがなかったかもしれない。

 

 

君が居なければ、約束を必ず果たす君のことを好きになれなかったかもしれない

 

 

だから……

 

 

 

 

「どうしたんだ?ヤチヨ?」

「うーん、零士の事好きだなって思って。」

「なんだそりゃ?俺もヤチヨの事好きだぞ。」

 

家族としての愛をくれてありがとう。




前のかぐや回が好評でしたのでそれのヤチヨ版を考えました。

タイトルはリライズ意識

番外編として書いてほしいこと

  • 結婚挨拶
  • 文化祭
  • 稲葉と真実の出会い
  • バットエンド√
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