護守天聖ガンゲット 異伝 〈アマツノソウコウ〉   作:毒撒

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どうも、会社の研修がようやく終わった毒撒です。

戦闘シーンがムズすぎて今回短めです。


こちらがガンゲット・ジェネラルの設定資料になります。

【挿絵表示】



第三章 妖狐躍進

「おいっ、エニシ!一体どうしたと言うのじゃっ!返事をせぇ!!」

 

「ふー………ッ、ふー………ッ!」

 

 炎に包まれた天之国の城下町にて、本来その国に存在しないはずの2つの異物が対峙していた。

 

 一つは、ガンゲット・ジェネラル。もう一つの異物による奇襲からは完全に復帰しており、固有武装[崩我雷槍]の刃先を向け、じりじりと切り出すタイミングを見極めている。

 

 もう一つは、ガンゲット・ネーティル。だが、前者に比べ、それは全く違う─────別物とすら言えるほどのものだった。曇ったように緑色に輝くツインアイは、周りの物に目もくれず、ただ一点………国に仇なす敵(ジェネラル)を見つめている。そして、まるでパイロットと繋がっているかのように、機体が荒い呼吸のような挙動を繰り返し続けている。

 

 城に避難した町民や家臣なども、町の行く末と我らの国の次期当主の安否を、固唾を飲んで見守っている。

 

 

「操作系も全部制御が効かない………っ!?おい、お主一体何をしたんじゃ!?」

 

 

 

ぶっ潰してやる………ッ!!!

 

 

 既にエニシは錯乱に近い状態であり、辛うじて通信こそ繋がっているものの、ネーティルの声は全くと言って良いほど届いていない。加えて、Tエメラルドが溢れんばかりに押し寄せているにも関わらず、機体制御などはすべてネーティルの元を離れており、最早ネーティルはただひたすらに演算をこなすだけの存在と化していた。

 

 そうして、殺気が辺りを包んでから─────数秒。

 

 ジェネラルが、槍を構えた姿勢のまま、ネーティルに向かって走り出す。しかも、そのスピードはかなり素早く、あっという間にネーティルの目前まで迫る。

 

………ッ!!!

 

 が、迫る槍先に対し、ネーティルは右手の甲の装甲を横からぶつけ、槍の進行方向を逸らす。擦れ続ける槍と装甲、辺りには火花が飛び散る。

 

 そして、槍先がネーティルを完全に通り過ぎた時─────

 

ここはテメェの………ッ

 

 ネーティルは空いている左腕を大きく引き、スラスターを点火する。

 

 

いていい場所じゃねえんだよッ!!!

 

 

 勢いよく、槍を突き出した姿勢のままのジェネラルの頭部に、アッパーカットを喰らわせた。あまりにも威力の高い一撃に、ジェネラルは数十メートル高くまで吹き飛ばされる。が、磁場を操り、空中でなんとか体勢を整え、浮いたままネーティルを見下ろす。

 

賊風情が………見下してるんじゃねぇ………ッ!!!

 

 ネーティルは再び左腕を掲げる。しかし、今度は殴るような素振りはせず、ただ宙に浮き続けているジェネラルへ向かって、手を伸ばしただけである。そして、エニシの瞳、そしてガンゲット・ネーティルの左手が、Tエメラルドの緑色の輝きに包まれていく。

 

 何か危機を悟ったのか、様子見をしていたジェネラルは自身の左側を向き、急いで回避行動をとる。

 

 しかし、突如として飛来したそれを避けるには、ジェネラルの行動は遅すぎた。飛来した謎の物体は高速でジェネラルの左側に装備された籠手の表面を抉り取り、そのままネーティルの左腕に飛来し、ジョイントに接続される。

 

 

 

「─────来たか、[双尾連盾(そうびれんじゅん)]」

 

 

 まるで最初から理解していたように、飛来した固有武装[双尾連盾]を見据えるエニシ。

 

 2本の狐の尻尾をモチーフにしたその武装が衝突したジェネラルは、大きくひしゃげた左腕を庇いながら、上空からネーティルに向けて速射砲を乱射する。対するネーティルは、数多く飛来する鉛玉を前に、回避などせずに落ち着いて盾で防御する。

 

 しかし、動かないのには理由があった。

 

(ここで動けば町に被害が………!かといって、装甲がいつまでもつかどうか………ッ)

 

 エニシの目的は、あくまで国と町、そこに住む人─────そしてネーティルを守護する(まもる)事であり、ジェネラルを一方的に捻じ伏せることでは無い。今でさえ跳弾で町が傷つかないように盾の角度を調整し続けながら受け流しているエニシだが、このままではジリ貧となるのは目に見えていた。

 

 

 

 

 だが、忘れてはいけない。

 

 

 

 

 彼は、決して1人で戦っているわけではないことを。

 

 

 

 

 

「おいっ!いい加減儂の声を聞けぇ!!手ならあると言っとるんじゃ!!!」

 

 

「ッ、ネーティル………!?」

 

 

「勘違いしとるのか知らんがな、お主は一人ではない!儂だっている!!一人でどんどん突っ込んでいくな!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

忘れるな!!儂とお主が揃えばなんだってできるんじゃ!!!!

 

 

 

 

「ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫じゃ!儂とお主ならどんな事だってできるんじゃからの!」

 

 

 

 

「そんなの言われなくても分かってるよ、ネル!二人で立ち向かってやろうぜ!!」

 

 

 

 

 

 

「─────あぁ、分かってるよ、ネーティル」

 

「エニシ………」

 

 

 

「さっさとあいつぶっ飛ばして、町の復興しなきゃなんねぇからなッ!!!」

 

 

 エニシの瞳に、完全に光が戻り、ガンゲット・ネーティルのツインアイも、元の色と輝きを取り戻した。

 

「で、打つ手って言うのはなんだ?」

 

「簡単な話じゃ。さっき双尾連盾が飛んできたが、それは盾本体にスラスターが付いとるからじゃ。それを応用すれば………」

 

「囮にできるって訳か?」

 

「そういう事じゃ!その操作はこっちでやる。お主は隙をついて奴をぶちのめせ!!」

 

 そう言って、ネーティルは復活した操作権で、双尾連盾を勢いよく射出する。スラスターを吹かせ、一直線にジェネラルに突っ込んでいく。ジェネラルは一度射撃を止めつつも、落ち着いてそれを回避する。

 

「今じゃ!」

 

「おおォォォォォォォォォッ!!」

 

 射撃が止んだ一瞬の隙をついて、各部のスラスターを起動し、ガンゲット・ネーティルは一直線に向かっていく。ジェネラルはこちらも避けようとするが………

 

「何度も避けさせんぞっ!」

 

 上空でUターンした双尾連盾が、挟み込むように後方から再び突撃、ジェネラルが大きく体勢を崩したところで、ネーティル本体も肉薄する。

 

「「せぇー、のッ!!」」

 

 2人の掛け声と共に、ネーティル本体と双尾連盾が同時に体当たりを敢行し、再びジェネラルを海岸に叩き落とす。ジェネラルは段々と動きが鈍ってきており、フレームからは軋む音と共に、所々から火花が飛び散る。

 

「エニシ!シールドの中に武器が入っとる!それでトドメを刺すんじゃ!!」

 

「言われなくても分かってるよッ!!」

 

 

 砂浜に突き刺さった双尾連盾の中央部がスライドして折れ、内部に格納されていた武器の柄が飛び出す。ガンゲット・ネーティルが掴んで引っ張るように取り出すと、発生基が展開し、両刃のビームが形成され、ビームソードが展開される。

 

「これでェッ!!!」

 

 

 遂に決着をつけんとばかりに、ガンゲット・ネーティルが片手でビームソードを大きく振りかぶる。ジェネラルも槍でガードしようとするが、一時的に可動性が下がってしまっており、とても間に合うようには見えない。

 

 

 

「終わりだァァァァァァァァァッッッ!!!!」

 

 

 力強くビームソードを振り下ろし、槍ごとジェネラルの右腕を斬り落とした。

 

 




次回予告

第四章 妖狐歓迎
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