護守天聖ガンゲット 異伝 〈アマツノソウコウ〉   作:毒撒

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どうも、ネオ社会人の毒撒です。

仕事きついよ現場環境クソだよ知り合いいないよ!

あと若干タイトル詐欺です許してつかぁさい


第四章 妖狐歓迎

「はぁ………はぁ………ッ」

 

「よし!やってやったぞ!へへーん、見たか黒兜!儂ら2人にかかればざっとこんなもんなのじゃっ!ざまーみるのじゃー!!」

 

 地面に倒れ、右腕は肩から切り落とされ、左腕もひしゃげている。最早、ジェネラルにまともに戦う術はなかった。ビームソードの切っ先を向け、警戒を続けつつ、エニシは息を整え、ネーティルに至っては思い切り煽り散らかしている。

 

 そして、エニシは気になっていた事をネーティルに聞く。

 

「なぁ、ネーティル」

 

「うぇ?なんじゃなんじゃ?」

 

「俺達………昔どこかで会わなかったか?」

 

「っ!?………いや、どうじゃろうな。他人の空似かもしれんぞ」 

 

 ネーティルから返ってきたのは、なんとも煮え切らない回答。エニシは再び問いただそうとするが、それよりも先にやるべき事を思い出し、操縦桿を握り直す。

 

「この様子だと、こいつはもう動けない。今のうちに、町の火を消そう。小さいけど船があるから、それで海の水を掬って─────」

 

 

 

 

 その時、2人がいるそれぞれのコックピットに、アラート音が響く。

 

 

 

「なんじゃ今度は………!?」

 

「来るぞ、備えろネーティルッ!」

 

 

 エニシはガンゲット・ネーティルを立ち上がらせ、周囲への警戒を強める。ネーティルも、コンソールを弄って索敵を行う。

 

「丘は平気………なら海、もいないな。町に反応はない。てことは………っ!?」

 

「上か!」

 

 二人はギリギリのタイミングで気づき、その場から飛び退く。その直後、黒色の何かがジェネラルとは比較にならないほどのスピードでコンマ数秒前にネーティルがいた場所に降り立つ。その衝撃で辺りには砂煙が立ち上り、その姿を隠す。

 

「ネーティル、何か分かるか?」

 

「………ヤバいぞ。奴は─────」

 

 

 

 

 

「─────かなりデカい(・・・)!!」

 

 

 

 

 黒色の腕部が砂煙を払い、その姿が露となる。黒を基調とし、所々に白と赤、黄色の差し色が入っているその機体は、少なくともネーティルやジェネラル以上の体躯をしている。円柱のような前腕は、左右で形が違い、左腕には腕を覆うほどの大きさをした、紅い結晶装甲のようなものが付いている。また、膝装甲はかなり大型化しており、上部には円形の穴が空いている。背部にはエイのような形をした大型の翼が接続されており、飛行能力があると見て間違いないだろう。そして、白いフェイスパーツにはクラッシャーがあり、その少し上には黄色のV字型アンテナが付いている。

 

「こりゃあ確かにヤバそうだ………ッ!」

 

「変にあやつがヒロイックなせいで儂らが悪役みたいじゃな………」

 

「言ってる場所か!」

 

 天然死神ネーティルのどこかズレた発言を他所に、エニシは再びビームソードを起動させ、臨戦態勢をとる。少量とはいえ、既にジェネラルによって装甲は少し損傷している。油断すれば撃墜される可能性すらあるだろう。

 

 さらに─────

 

「あまり時間をかけすぎても自己修復で再び黒兜が動き出してしまうぞ!」

 

「先にトドメを刺せってわけかよ─────ッ!?」

 

 全てのガンゲットには自己修復能力が備わっており、ある程度の時間が経ってしまえば、たちまちそれまでのダメージは修復されてしまう。

 

 つまり、[街への被害を全力で食い止めつつ、黒い機体の攻撃を逸らしながらジェネラルへ完全にトドメを刺さなければいけない]のだ。

 

「こりゃあ骨が折れそうだ………ッ!!」

 

「っ!来るぞ!!」

 

 ネーティルの声に反応して、エニシが黒い機体の方を向くと、黒い機体は右手に拳を作った状態で、手首から先をまるでドリルのように回転させている。何らかのエネルギーを放出しているのか、回転し続ける拳の周りには、紅いエネルギー波が渦を巻いていた。

 

「………何をする気だ!?」

 

 エニシはいつでも攻撃を受け流せるように体勢を変え、恐らく威力の高いであろう一撃に備える。

 

 

 

 

 

─────しかし、黒い機体はネーティルではなく地面に向けて、回転する拳を叩きつける。

 

 

 

 先ほどよりも強い衝撃と、より濃い砂煙が辺りを包み、それが晴れた時には、黒い機体とジェネラルは影も形もなく消えていた。

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

 

「国王、よろしかったのですか?」

 

『………何が言いたい』

 

 ハゼル公国が保有する輸送艦[ジェイデカード]が、天之国の領空を離れてから少し経った時の事だった。格納庫に収容された黒い機体のコックピットから未だ降りる気配のない国王『アルバート・ハゼル』に、ブリッジにいる艦長が、恐る恐る尋ねる。

 

 それに対して、返ってきたのはとても冷徹な、低い声だった。

 

「いえ………あの場で無理やりにでもガンゲット・ネーティルも回収すれば、この先の計画も、幾分楽になったのでは、と………」

 

『………貴様の職務はこのジェイデカードの艦長だ。私の決定に意見することではない』

 

「はっ、申し訳ございません………(今日のアルちゃん様、いつにも増して機嫌が悪そうだ………)」

 

 艦長が萎縮しながらそう考える中、当のアルちゃん様本人は、続け様に言う。

 

『この[ガンガイガー]の全ての稼働試験が終了しただけでも、今回の遠征の成果としては充分だ。議事堂に戻ったら、実動データを元に直ちに改修を行うよう伝えろ』

 

「了解いたしました」

 

 『………それに、固有武装の揃っていない(・・・・・・・・・・・)ガンゲットなどいらぬさ。精々役に立ってもらうぞ、天之国よ───────」

 

 

 アルバートは通信を切った後、コックピットで一人呟く。

 

 

「─────腹立たしいな。聖竜め」

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

 

「なぁ、エニシ………これ、本当に着てなきゃならんのか?」

 

「当たり前だ。天之国ではこれが正装なんだぞ。あのよく分からん黒装束でいたままでは民がまた驚いてしまうしな」

 

「うー………なんか落ち着かないぃ………」

 

 既に夜は明け、町では民と武士達が一丸となって、復興作業に勤しんでいる。その頃、それほど被害のなかった城の広間にて、エニシとネーティルは、用意された食事を食べていた。

 

 そして、ネーティルは元々来ていた黒いスーツを脱がされ、エニシが見繕った着物を着ていた。が、着物と言うにはかなりの改造がされており、本当にこれで驚かれないのか?とネーティルは内心疑問を抱いていた。

 

 基本的には橙と白の着物だが、まず胴体部と袖部分が完全に分離しており、ネーティルの黒い肩と二の腕ががっつり露出している。また、腰から下は膝くらいまでの丈の紺色のスカートで、こちらも膝下にかけて露出している。

 

 総じて年頃の少女らしい服装に纏っているが、着ているネーティルはあまり好ましく思っていないらしい。おまけに、頭のマスクは外していないため、より一層ヤバイやつ感が増した。

 

「なんか………肩とか足とか丸見えで恥ずかしいのじゃが」

 

「そうか?普通に可愛いと思うけど」

 

「か、かわっ………!?そうか、こういうのが好きなのか………うへへぇ………」

 

 頬を赤くしてうっとりしているネーティルを横目に、エニシは先ほどまでの出来事を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………と言うわけで、今日から天之国の守り神的なのに就任した聖・ネーティルだ。お前達、仲良くしてやれよー」

 

「待たんかぁ─────っ!!!」

 

 配下達からはどよめきが聞こえ、当の本人(ネーティル)もまた、盛大にツッコんだ。

 

「お主どんな説明しとるんじゃ!?そんなんで伝わるわけがないじゃろう!?」

 

「ちなみにこいつは昨日でっかい武士みたいなのから町を守る力を俺にくれたマジモンの神様だ。丁重にもてなすようにな」

 

「話を聞かんかぁ!!!」

 

 ネーティルは表面に「わからず屋ぁ!」と書かれた緑色のスリッパを何処からともなく取り出し、思い切りはたく。パコーンといい音が広間に響く。家臣たちはますます混乱した。

 

「………お前達が混乱するのは分かる。あんな惨事の後だ、無理もない………だが!少なくとも俺にとって、この町と、民と、そしてお前達を守ることができたのは、紛れもないネーティルのお陰だ!」

 

「俺は彼女を信じる。お前たちも、どうか彼女と俺を信じてほしい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

(改めて思い返すと中々のゴリ押しだったな………)

 

 再び横を見ると、先ほどまで恥ずかしそうにしてた彼女は何処かへ飛んでいき、提供された食事を美味しそうで食べている。マスク付けながらどう食ってんのかは気にしてはいけない。貴方達の想像にお任せしよう。

 

(ほんっと………)

 

「─────面白い(かわいい)奴」

 

 小さくボソッと呟いたエニシは、自分の食事を冷ますまいと、再び食べ始めた。

 

 

 

 

 

─────その横で、実は狐耳のお陰で呟きが聞こえていたネーティルが、内心恥ずかしくて悶絶していたのは秘密のお話。




ネーティルちゃの衣装に関しては完全に我が癖です

あと二人をくっつけるかは未だ未定です。そのうちアンケート取るかも



次回予告

第五章 妖狐散歩
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