”ウマ娘”ってソッチじゃねぇよっ!!   作:生牡蠣

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本当は一発ネタで終わらそうとしてたけど、なんか続き書けてしまったから投稿してみる。


本好きのウマ娘……ってロブロイじゃねぇのかよっ!

本好きのウマ娘。

 

この単語を聞いて、皆さんは誰を思い浮かべるだろうか?

恐らくほとんどのウマ娘ユーザーはゼンノロブロイを思い浮かべる事だろう。

彼女は図書委員を務める程の文学少女で、本の中に描かれている英雄譚に憧れを持つウマ娘だ。

ゲーム上ではトレーナー(プレイヤー)が見たという英雄の様なウマ娘を一緒に探していたら実はロブロイ本人だったという王道のストーリー展開や、トレーナーが自分の理想とは違っていると感じても『自分の理想をトレーナーに押し付けてしまった』と反省するいい子具合から人気の高いウマ娘である。

あと、おっぱいがデカい。控えめな性格で中等部図書委員長のメガネ地味っ娘が持つには凶悪過ぎるB89という凶悪な数字は多くのプレイヤーの性癖を捻じ曲げた事であろう。

普段は大人しい、おっぱいが大きい子。……正直、このワードだけで滾るものがある。なんというか、文字全体が性的魅力にあふれているのと思う。なんかこう…押せばヤれる感ある子っていいよね?

 

……まぁ、何が言いたいかというと、おっぱいのデカい本好きのウマ娘は可愛いという事である。

もし叶う事ならば、俺も彼女の様な可愛い文学系幼馴染が欲しかったよ。幼いころから攻略して、成長した時には俺の事が好き好きで『恥ずかしいけど…○○君だけには特別、ね♡』と自分にだけエッチな姿を見せてくれるように調きょ……光源氏(動詞)するからさ…

 

……いや、これは正確な願いではないな。何故なら、俺にはいるもんな。文学少女幼馴染。

ロブロイの様に読書好きで、俺の事も好き好き過ぎて目からビーム出しそうなくらいに熱視線向けて来る幼馴染。可愛いかそうじゃないかで言えば……多分可愛い方の女の子が。

 

さて、第三者がここまで聞けばこう思うであろう。

『もういるならいいじゃん。何が不満だよ贅沢者がッ!ぺっぺっ!』と…

だがそうではない、そうではないんだ……!

確かに俺には完璧な設定の幼馴染がいる。だが、そいつは重大な欠点を抱えているんだ…!

 

「あとはこれを混ぜれば…よしっ、完成!ねぇ、ちょっと来てくれないー?」

 

……噂をすればなんとやら。俺の可愛い可愛い幼馴染様がお呼びである。

…別に皮肉ではないぞ? 実際に可愛いと思う。

勉強熱心で、ひたむきな努力家で思わず応援したくなる。

まるで夜空の様な黒い毛に、そこにキラキラと輝く星の様な瞳。

あぁ、本当に可愛いよ―――――

 

 

「……あぁ、今行くよ。トワイライト」

 

―――――ただしっ!!馬として見ればなっ!!!

 

 

 

 

トワイライトスパークル。

『マイリトルポニー トモダチは魔法』シリーズのメインキャラであり、実質的に主人公の立場のキャラである。

ポニーの国…エクエストリアの女王の弟子というなろう主人公の様な経歴を持ち、その立場に恥じぬ知性と魔法の才、そして勤勉さを持ち合わせた(ポニーの)女の子である。

 

俺とトワイライトスパークルの関係は結構長い。俺がまだキャンタロットにいた頃からの幼馴染だ。

俺は転生した時に人間の赤ん坊として森に突如スポーンしたのだが、その時に拾ってくれた義母の関係で彼女と知り合い、それからなんやかんやで一緒に居るというわけだ。

……今思い出してみても酷くないッ!? 世界観的に人間いないのは解かるけど、普通赤ん坊一人森に放置させないだろ!?その時点で転生先間違ってる可能性考えろやクソ神がぁ!!

 

……閑話休題(話を戻そう)

まぁ、その後も彼女と一緒に魔法の勉強をしたり、彼女が試験の際に孵したドラゴンに俺の事をパパ呼びさせようとしたりと色々あったが、おおむね平和的な幼少期を彼女と共に過ごし、現在は原作同様にこのポニービルにやって来たのである。……つっても女児アニメの原作道理の流れなんてほとんどの人間に伝わらんか!(泣)

 

そして現在、俺はトワイライトが住居として使っている図書館に来ていた。

何でも、最近見つけた本に書かれていた魔法の薬を作ろうとしているらしく、俺はその実験に呼ばれたのである。

……本当はめっちゃ来たくなかったよっ!治験なんて元居た世界でもリスクある事なのに、ポニーの魔法の薬なんてヤバいもの進んで飲みとうないわっ!!

彼女は基本的に危険な事はしないから安全性は信じられるものであるが『バイト代は弾むわ』って言われなきゃ絶対断ってたね。…くそぅ、アップルサイダーの時期さえ来なければもっと財布に余裕があったはずなのにぃ!

 

「……それで、俺は何の薬を飲めばいいの?」

 

……もう、こうなってしまっては仕方がない。せめて嫌な事は早く終わらせてしまおう。

そう考えた俺はトワイライトに早く薬を渡すように促した。

 

「ちょっとそこに座って待ってて……あと少しで完成するわ」

 

しかし、トワイライトは俺に視線を向けず、自らの角で近くにあった椅子を指しながらそう言った。

まだ出来てないのかよ…完成してから呼んで欲しいとことではあるがそう言う事ならば仕方がない。ここは大人しく待つことにしよう。

そう考えた俺はまさに少女趣味という様なメルヘンチック椅子へと腰を下ろした。

手持ち無沙汰になってしまった俺は周りを見渡す。…当たり前だけど、本ばっかだな。中身を見るならまだしも背表紙だけ見るというのは何とも味気ない。……あっ、アロイシウスだ。なんか久々に見かけた気がするが、元気そうで何よりである。

 

「……あれ、そう言えば、今日スパイクいなくない?」

 

周りを観察していると、丁度彼女の同居人である小さいドラゴンの姿が見えない事に気が付いた。

あいつはトワイライトの助手という立場に誇りを持っていて、基本的にはトワイライトにガムの様にベッタリなんだが…珍しいな。

 

「あぁ、あの子ならラリティと一緒に鉱山へ行ってるわ。服に使う宝石探しの手伝いですって」

 

特にこちらに目を配らずに淡々と放たれた彼女の言葉に、俺は「あぁ…」と納得する。

あいつ、ラリティの事好きだからなぁ……彼女に言われればそりゃホイホイ付いて行くわな。

……にしても、あいつ一応ドラゴンの癖にポニーに恋愛感情向けてるのはどうなん? いくら赤ん坊の頃からポニーと一緒に生活していたとはいえ、異種姦趣味に走るのは流石の俺もあいつの将来が不安になるぞ。……俺はポニーに好意持たれてるからあんまり説得力ないけどなっ!!(泣)

ちなみにスパイクの好意はラリティにバレバレな上、その事を利用されて度々重労働の手伝いをさせられている模様。お労しや、スパ上。

 

「…よしっ、これで完成!!」

 

そんな事を考えいると、丁度薬を完成させたらしいトワイライトが嬉々とした声色でそう叫んだ。

ふうぅ…さっさと終わらせたい気持ちと完成して欲しくなかった気持ちの両方を感じるなぁ……まぁ、ここまで来てやっぱりやめるなんて言えないだろうし、ここは覚悟を決めて―――――

 

 

「―――――くっさッ!?」

 

 

―――――覚悟を決めようとした瞬間、俺は鼻の穴から侵入して来る刺激臭に思わず叫んだ。

な、何この臭い!?鼻が曲がるかと思ったぞっ!?!?

牛乳拭いた後数週間放置した雑巾、運動した後に脱ぎ捨てた靴下、くさや…俺の頭の中に、前世を含めた今まで嗅いだことのある刺激物が走馬灯のように駆け巡る。だが、この臭いはそのどれとも一致しない。今まで嗅いだことのない部類の激臭である。

マジでなんだよ、これ!?……ま、まさかとは思うが、これが薬の臭いなわけないよな…!?頼む、違うと言ってくれッ!!

 

「おまたせ~。これがあなたに飲んで貰いたい薬よ」

 

しかし、トワイライトは俺の切実な願いを否定するかのように、魔法でフラスコを浮かせて見せる。そのフラスコの中にはヘドロの様なドロドロとした虹色の液体が入っており、なんかよく分からん気泡が出ているのが分かった。

まさかの大正解かよちくしょうッ!なんでこう、嫌な予感ってのは当たっちまうんだよぉ!!

えっ、というかちょっと待って。俺、今からあれ飲むの!?

めっちゃ刺激臭放ってるアレを!?明らかに人体に悪い色してるアレを!?!?

 

「じょ、冗談だろ!?そんな見るからにヤバそうな液体なんて飲んだろ絶対死ぬって!!」

 

「失礼ねっ!私がそんな薬作るわけないでしょ、ちゃんと本を読んで作ったんだから!!……まぁ、確かにここまで臭いとは思ってなかったけど…」

 

おい最後ッ!自分でも少し不安になってんじゃねーかッ!!

ム~リ!これ飲むの絶対にム~リ~!!

くそぅ!何で今日に限ってスパイクいないんだよぉ!!居たら何とか言い包めて俺の代わりに飲ませるのにぃ!!

そ、そうだ、アロイシウスッ!何とかあいつに飲ませて…っていねぇ!?なんかさっき見かけた場所の小窓開いてるしッ!逃げおったなあのフクロウううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!

 

「もぅ、いいから早く飲んでよっ!バイト代払わないわよっ!!」

 

一向に飲もうとしない俺にしびれを切らしたのか、トワイライトが脅迫じみた事を言ってきた。

うっ!……確かに、バイト代支払われんと俺も生活が厳しい。もし薬を飲んでなんかあったとしても、トワイライトが魔法で何とかしてくれるだろうし、もう腹を括るか…!

 

「……ちなみに、何の薬なの?」

 

「そ、それは、そのぉ……か、身体を暖める効果のある薬なのッ!ほ、ほら、この薬があれば冬に防寒着や暖房がなくても過ごしやすくなるでしょ!!」

 

俺の疑問に、トワイライトは食い気味に答えた。

冬って……この間ポニービルの全員で冬の片づけしたばっかじゃん…冬なんて当分来ないじゃんアゼルバイジャン……

常に何かあった時に備えるタイプの彼女とは言え、少し気が早すぎるのではないか? そう一瞬思ったが、どうせ考えた所で薬を飲む以外に選択肢はない。なら、何も考えたい方がいいだろう。その方が覚悟も揺るがないしね。

 

……えぇい、ままよ!!もし薬飲んで死んだら次こそはウマ娘ちゃんの世界でッ!!ハーレム作ったるわああぁぁぁぁぁ!!!

 

「………南無三ッ!」

 

覚悟完了…というよりかは半ばヤケクソと言った感じで俺はフラスコの中に入った液体を一気に飲み干した。

 

「…………」

 

「……どう?どんな感じなの?」

 

「……いちご味で意外と飲みやすい」

 

トワイライトにそう聞かれ、俺は咄嗟に味の感想を言った。

……いや、これマジだから。ほんのりとした甘さを含んだいちごの味が口いっぱいに広がってるから。

割と悪くない味だ…しかし、あの刺激臭で割と飲める味というギャップで脳がバグってるのが分かる。そう言った意味では後味は最悪だ。

 

「あっ、確かに材料に野イチゴ入れたわ……って、そうじゃなくってッ!!なんかこう、身体に変化とかないのッ!?」

 

だが、その返答は彼女が求めていたものではなかったらしく、今度は少し強めに言われてしまった。

あぁ、そう言えばこれ、身体を暖める薬だったけ?……う~ん、分からん。効き目があるのかどうか全然分からん。

 

「う~ん…分からないなぁ。今は春先で元々暖かい気候だから判断が出来な……おっ?」

 

そう言いかけた時、俺は自分の身体の変化に気が付いた。

じわじわとだが……身体の奥がポカポカと暖かくなってきている…?

あぁ……なんか、温い。まるで温泉に入っている様な温さだ。

 

「あ~……若干温くなってきた?」

 

「!! ……そ、それで…?」

 

俺の言葉に、トワイライトは更に感想を求めて来る。少し緊張しているのか、彼女が口に溜まっていたであろう唾を飲み込んだのが見えた。

そ、それでって言われてもなぁ…あっ、段々温い感じが強くなってきた。

 

「……段々暖かさが増してきた…?」

 

「良い調子よ……そ、それで…何か、衝動的にやりたくなったりして来ない?」

 

素直に答えていると、今度は少し変わった質問をしてきた。

やりたくなる…?何の事だろうか??? これ、ただの暖かくなる薬だよな?何か副作用でもあんのか?

そんな事を疑問に思っている間も、身体はどんどん暖かくなってきている。

体温が止めどなく上がって来るのを感じる。どんどん、どんどん、どんどん…ッ!?!?!?

 

「あっ…」

 

「あっ?」

 

 

 

「あっ……あっつううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?」

 

「えぇ!?」

 

俺は飛び上がりながらそう叫んだ。

ギャグマンガの様にあまりに高く飛んだのか、トワイライトが驚いた声を上げるが、それに反応している余裕がない。

身体が熱い。まるでグツグツと煮えたぎる熱湯の風呂に浸かっていると錯覚してしまうくらいに身体が熱いのだ。

な、何これ!?めっちゃ熱いんだけど!!あっつ!…あ~、もうそれしか考えられねぇ!!

 

「えっ、な、なんで!?ちゃんと本の通り作ったのに…あっ、もしかして入れれば入れるほど効果が高まるって書いてあったから結構な量の唐辛子を入れたのが原因…!?」

 

なんか隣でトワイライトが何か言っている気がするが、内容は分からない。というか気にしている余裕がない。

も、燃える…!このままじゃ、身体が燃えてまうっ!!

 

「み、水ううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~!!!」“バタンッ!”

 

「あっ、ちょっとまって~!!」

 

俺は身体を冷やす為の水場を探すために図書館から飛び出して走り出す。

後ろからこうなった元凶であるトワイライトが追ってくるのが見えた。『着いてくんじゃねぇ!この疫病馬がっ!!』とも思ったが今の俺には気にしている余裕なんてあるわけがなく、そのまま走り続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“…ひょこ”

 

2人が図書館から飛び出していってしばらくした後、本棚の影から顔を出したフクロウ――――アロイシウスはほっと胸を撫でおろした。

作成過程から見ていたので元々不安はあったが、薬を飲んだ彼の様子を見るにやはりヤバい薬だったようだ。

可能性は低いだろうが、自分が実験台になるという事もあり得たと思うし、隠れたのは正解だっただろう。…まぁ、彼には悪い事をしたけれど、必要な犠牲だったのだ。多分。

 

…それにしても、あれは本当に身体を暖める薬なのだろうか? 薬の作成について、ご主人から『一人で作りたいから特に手伝わなくていいわ』と言われていた為自分は関与していないので詳細はわからないが、フクロウ目線からでもあの様子が異常である事が明らかであった。

ふと、好奇心を刺激されたアロイシウスは薬を作っていた際に彼女が読んでいた本を開き、その詳細を確認してみた。

 

 

 

 

 

(『媚薬の作り方』)

 

……どうしよう、初っ端から全く違う文字が視界に入って来た。

アロイシウスは不安を覚えながらも読み進める。

 

(『気になるあの子とイチャラブしたい♡』『彼に求められてア~ン♡な事やヒヒ~ン♡な事がしたい♡』そんな時はこの薬を彼に飲ませてみましょう!)

(飲んだ瞬間、身体が燃える様に熱くなってムラムラが止まらず、すぐにあなたを押し倒して既成事実を完成させちゃうかも!?)

(隠し味に唐辛子を入れると効果アップ!辛さを誤魔化すために野イチゴも大量に用意しよう!)

(この薬を飲ませたら、彼はあなたにもうメロメロ♡ 作り方は~~)

 

そこまで読んで、アロイシウスは本から目を離した。……何というか、これ以上この件に触れたくはないと感じての事であった。

……まぁ、これに関してはご主人も暴走した感が否めないが、件の彼にも責任はあると思う。同僚(スパイク)の話では、幼い頃から共に過ごしてきた幼馴染の淡い恋心について見て見ぬふりのスタンスを貫き、挙句の果てにはこのポニービルに来てからは更に女を毒牙にかけ続けているという魔性の男だ。今回の様な痛い目にあったとしても自業自得感が否めないのである。

 

あの男、いつか刺されるんじゃなかろうか? いや、その前に自分のご主人に監禁されるか既成事実を作られるのが先か……どちらにしろ自分が考えてもそんなに意味はないだろうと思考を放棄するアロイシウスなのであった。

 




ちなみにこの時トワイライトには”交尾”の知識が無かった為『ア~ン♡な事』の意味は分かっていない模様。多分交尾の概念知ったらセッ〇スしないと出られない部屋とか作るよこの子…

小さい頃から勉強ばっかりの陰キャワイイ幼馴染に薬盛られるくらいに愛されたい(切実)
例えそれば馬だったとしてもッ!(狂気)
実際、トワイライトは恋愛方面で暴走したらこの程度の事やってきそう(白目)

トワイライトのペットのフクロウについては日本語訳のアニメでは『アウルイシャス』って聞こえるんだけど、今回はWikeに記載があった『アロイシウス』を採用。訳する時に英文そのまま読んじゃったのかな…?


次回は気が向いたら。多分アップルジャックかレインボーダッシュで書くわ(適当)


ここまでご拝読ありがとうございました
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