プロジェクトセカイ feat 仮面ライダー 作:ミッツー116
ある日の屋上、みのりを囲むように太陽たちは集まっていた。ついに届いたモリプロからのアイドルオーディションの返事、ここまでの努力の成果が明らかになる。
「それでは…見ます!」
みのりが携帯のメールを開く、周りのメンバーも固唾をのんで見守るなかみのりが叫ぶ。
「落ちてる〜〜!!!」
「「「「えぇぇぇぇぇ!!!??」」」」
第七話 「エピローグ」
「ほ、本当に落ちてるわね…」
「嘘だろおい…」
まさかここまで落ちているとは思わなかった。出会ってからずっと練習しているし、雫や愛莉も協力していたのに。
「ガチで向いてないんじゃない?」
「人の心とかないんか?」
「そ、そんなぁ〜」
みのりがガックリと地面に四つん這いになって落ち込む。今回はいつもより自信があっただけにショックも大きそうだ、何時も通りひと肌脱ごうと太陽がしたときに愛莉が声をかける。
「何落ち込んでるのよ、らしくもない」
「そうよ?みのりちゃんにそんな姿似合わないわ」
愛莉と雫の言葉にみのりの瞳に光がこもる。するとみのりは勢いよく立ち上がる。
「そうですよね!こんなの落ちた回数が50回から51回になっただけ!私絶対諦めません!」
「…その意気だ!」
「出番なかったですね」
「どんまい」
「触れないでほしい」
みのりがアイドルへの決意をより強固にするなか遥が口を開く。
「ねぇ、みんな。提案があるんだけどちょっといい?」
「?なによ急に」
「提案?」
愛莉と雫が当然の疑問を続けるなか遥は続ける。
「私たち、ユニットを組まない?」
「へ!?」
「私たちでユニットを?」
予想外の遥の言葉にしばらく考える。考えもしなかったが単独で売り込むより効果的かも知れない。
「…よし!その話、受けるわ!でも、同じグループだからって負けないわよ!」
「ふふ、私だって負けるつもりはないよ」
「愛莉ちゃんや遥ちゃんと一緒に活動出来るなんてうれしいわ!」
遥の誘いに2人がそれぞれの反応を示すとみのりが何かに気づいたのか声をあげる。
「はっ!私、もしかして今歴史的な瞬間に立ち会ってる!?あ、あの!私、ファン1号を名乗ってもよろしいでしょうか!」
「「「え?」」」
みのりの発言に遥たちが首を傾げる、何を言っているか分からないといった表情だ。
「マジで言ってんのか…?」
「まぁ僕も同じ立場ならこんな反応だと思います」
「ふぇ?」
惚けた声を出すみのりにようやく状況を飲み込んだ遥が話しかける。
「ふふ、何言ってるの?みのりも一緒にやるんだよ?」
「え?」
目をパチパチとさせながら愛莉と雫を見る、二人は否定せずニコニコと微笑むだけだ。
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」
「う〜ん、いい反応」
「このリアクションを出せてたら受かりそうだけどね」
呑気な感想を口にする太陽と葵を余所にみのりは動揺し続ける。
「わわわわらひひゃひゃるひゃひゃんひゃひひょおにゃひぎゅりゅーひゅできゃちゅぢょうにゃんてむりりゃよ〜!」
「なんて?」
「太陽、出番だよ」
「わわわ私が遥ちゃんたちと同じグループで活動なんて無理だよ〜!」
「すごいなお前」
「異能のレベルですよ」
「これが幼なじみパワー」
久しぶりの翻訳を披露する太陽に始めてみる拳治たちは感心する。拳治に至っては自分も雫相手に出来たほうが良いだろうかと考え始めていた。
「恐れ多すぎるよ〜!私がみんなと同じグループなんて〜!」
「あんたねぇ、何言ってるのよ」
断ろうとするみのりに対して愛莉が呆れながら口を開く。
「私に届くくらいのアイドルになるって啖呵切ってたくせに弱気なこと言ってんじゃないわよ」
「あ、あれは…桃井先輩を励ましたくて…」
「私のためにもあんな素敵なステージしてくれたのに自分なんかなんて言って欲しくないな」
「私も、誰かのために必死になれるみのりちゃんは立派なアイドルだと思うわ!」
「ふぇ、ふぇぇ〜!!」
遥たちからの高評価にみのりが悲鳴をあげる。それでも快諾とはいかなそうなところを見た太陽がひと肌脱ごうとし始めたのを冷めた目で男子が見つめる。
「わ、わきゃりまひた!これかりゃよりょしくおにぇがいしましゅ!」
「またか、翻訳さ〜ん」
「…流石だぜ!」
「意外に短いな」
「違うでしょ」
「とにかくOKってことね!」
決心を固めたみのりに遥たちは喜ぶ、一方太陽は若干傷ついていた。
「こう…もちろんみのりのメンタルがつよいことは知ってるし良いことなんだけどさ、なんかさ」
「分かるよ、自分って特に必要ないみたいな気がするよね」
「別に必要だから一緒にいるわけじゃないだろ友達って」
「こないだと違ってガチの名言じゃないですか」
「あんたら仲良くなったわね」
こないだの決戦から2週間ほど経ったとはいえペースは中々のものを感じる、意外に相性がいいのだろうか。
「さて、それじゃあまずは名前から決めるか?俺たちも」
「まだ言ってるんですかそれ…」
「あんた本気でやる気なの?」
「もち」
その場のノリで言っているのかと思ったら本気だったらしい、どうにもこういうところが読めない男だ。
「イケると思うんだよ、オレには及ばないとはいえ中々のイケメン揃いだろ」
「あんた…わかってないわね」
「ほんと、アイドルは顔だけじゃ務まらないんだよ?」
「!」
愛莉が呆れて反論しようとすると葵が同調してくる。
「あんた…意外にわかっt」
「どのグループにも『え?これアイドル』ってブスいるでしょ?なんかあるんだよ裏に」
「前言撤回よ!!」
ニヤニヤしながら最悪の発言をする。トップアイドルの幼なじみとは思えない男だ。
「それじゃ俺から出そうかな、実は考えてきたんだよ」
「マジか、俺は考えてないぞ」
「おい言い出しっぺこら」
「それでは発表します!」
カバンからフリップを取り出し太陽はペンを走らせていく。
「俺の『日』!葵の『蒼』!烈の『紅』!拳治の『一』!全部合わせて〜?」
「イニシャルつなげるのはそれっぽいですね、評価高いです」
「『日蒼紅一(ひそうこういち)!』」
「誰やねん」
「コントやってんじゃないわよ」
「んじゃ次俺がいくわ」
太陽からフリップをひったくると拳治がスラスラと書いていく。
「こういうのはやっぱ共通点だろ!と言うわけでじゃん!『仮面ライダーズ』!」
「変身したまま活動する気か」
「ヒーローアイドルっていますけどね。」
拳治の案を酷評しながら今度は烈がフリップを取る。
「う〜ん、そうですね…う〜ん」
「覚えやすいのがいいよな」
「ですね…」
「名前聞いてぱっと意味が分かるのが良いだろうな」
「はい…」
「…いけそ?」
「出ん!」
「馬鹿ばっかだよ」
いつまでも話が進まない一同に呆れる葵の頬にフリップが押し付けられる。
「なにさ」
「お前の番」
「そんだけ言うからにはさぞいい案があるんでしょう」
「早く答えなければこのフリップがお前を貫く」
「…遥ちゃんたち決まった?」
「うん、決まったよ」
自分たちが馬鹿やってる間に決まってる遥たちに驚く太陽たちを余所に話を進める。
「どんなの?」
「夢みたアイドルに向かって壁を乗り越えようって意味を込めて『MOREMOREJUMP!』にしたよ」
「ふーん、じゃあこれをパクろうか」
「うっそだろお前」
ここまでの遥たちの苦難を見てこの発言である、思わず全員ドン引きだ。
「パクるってどうすんだよ」
「もともとジャンプか?」
「だとしたら流石に私も怒るよ」
各々が喋るのを無視して葵は全て描き終える。
「え〜何かを超えるという意味と…飛んでる感を出したいよね、あとは4人組だから複数系にして…『BEYONDS』でどう?」
「「「…いい!」」」
思いの外まともなものが出てきた。意外にネーミングセンスがあるのか。
「ちゃんとしたの出してきたな」
「青いからって仮面ライダーブルーとか名乗ってるやつとは思えん」
「ブルーじゃなくてブルだから」
「でも結局ブルーから来てますよね?」
「ハァ…」
ため息を吐いた葵はフリップに再び何かを書いていく。
「いい、僕の『ブル』はイタリア語の青。あとはファンブルから取ってる、相手の致命的な失敗的な意味で」
「こだわっている」
「よくよく考えたら名前そのままの俺に何か言う資格はなかった」
「こういうの凝るタイプなんだな」
何はともかく名前も決まった、後は全力でやるだけだろう。
「それじゃあ、頑張るぞー!!」
「おー!!」
「もうちょっと気の利いた言葉出ないもんかな…」
「ふふ、あれが2人の良さじゃないかな」
「え?マジで僕らやるんですか?」
「どうもそうらしいわよ」
「雫に出来たんだからやれるさ俺も」
「えぇ!きっと素敵なアイドルになれるわ!」
かくして、8人のアイドルが生まれた。これから訪れる壁、そして自分たちの影に気づかず。
ーーーーーーーー
怪人のセカイ、そこで謎の機械を一人の男が操作していた。男はそこら辺の泥を掬い上げると機械に入れる、稼働した機械のレールの先からは泥が金属片に変わったものが排出され男は箱いっぱいに詰まったそれをゴンベアで運んでいく。
「それが例の物の材料かい?」
「…なんだ、生きてたのか」
機械を操作する男に紫苑が話しかける、身体の傷も癒えてきているようだ。
「おかげさまでね、ところで一つ確認したいんだけどいいかな?」
「手短にしろ、忙しい」
「それじゃあ簡潔に」
そういった紫苑は金属片を手で叩く、様々な怪人を生むこれを独自の技術で金属に加工したこの男の技術力は凄まじい。
「僕たちは同じセカイの協力者、力を合わせるべきじゃなかいか?」
「そんなことか…残念だが」
男が紫苑から金属片を取り上げ手元の端末を操作する。するとゴンベアのはるか先から何かが飛んでくる音がし、男の側に大量の人影が着陸する。
「うわぁお…!」
「人手なら足りてる」
そう言う男の横には手元の金属片と同じ色で怪しく輝く機械の兵士が並んでいた。
BEYONDS編 完
BEYONDS短編集①「自己紹介」
「太陽のように世界を照らすアイドル!BEYONDSのリーダー担当!日々!太陽!…どう!?」
「2点」
「僕は嫌いじゃないです、アイドルの挨拶はくどければくどいほどいい」
「最近似たようなの見た気がする」
「ひでぇ!」
「てか何で苗字変わってんの?」
「語呂的な問題、芸名だよ芸名」
「いいなぁそれ、俺も芸名作ろうかな。烈は?」
「僕そもそも烈って名前じゃないです」
「「「そうなの!?」」」
BEYONDS短編集②「豚なら木まで」
「葵の特技を動画にすればバズるんじゃね?」
「やってみましょう」
けん玉
「円月はやてけん!!」
「技名かっこよ!」
「ガチ達人」
コマ
「はやぶさ返し!」
「最近イナイレで聞いたぜ」
「CGやんもはや」
マグロの解体
「握り一丁!」
「うまい!」
「…見ての通りこのままおだてさせてどこまで凄い技を覚えてくれるかのシリーズで動画を撮ります」
「悪魔だなお前」
BEYONDS短編集③「隠し事」
みのりと雑談中の太陽
「烈の本名は『紅 烈怒 (くれない れっど)』らしい」
「レッド!?」
「あとあいつ素は関西弁だぞ」
「なにわ!?」
「素手で人体を破壊できるタイプみたいだ」
「…それは太陽くん以外みんなそうじゃない?」
「物騒なグループだ…」
どの秘密より守らなければならない秘密が出来た
BEYONDS短編集④「リーダー決め」
「俺たちのリーダーを決めよう」
「じゃあまずはやりたいやつ挙手で」
四人とも上げた
「やっぱ最初にライダーになった俺だろ」
「いやここはブレインたる僕だよ」
「アイドル知識の多さが肝ですよ」
「俺だけ2年生だぞ」
四人が争っていると遥が呟く。
「でもリーダーって打ち合わせに出たり責任増えるだけで特に楽しいことはないと思うよ?」
「「「「…じゃん負けで!!」」」」
太陽が負けた。
BEYONDS短編集⑤「兄弟と姉妹と兄妹」
「拳治と雫は剣と志歩の兄弟なんだよな」
「そうだぞ?」
「の割にあんま似てないっていうか…」
「このイケメンは俺譲りだと思うが…」
「そういう所は似てるけど…志歩と雫は?」
「まぁアイツラはあんまりか…」
廊下で駄弁る2人の前に丁度雫と志歩が揃う。
「しぃちゃん!」
「ちょ!抱きつかないで…」
「やっぱ似てないよなぁ…」
「雫…次の移動教室反対方向だろ…ったく」
呆れながら雫を連れて行く拳治を眺める、あいつらはあいつらで兄妹のようだ。そんなとき。
「しほちゃん!み〜っけ!」
「咲希…抱きつかないで」
「…あっちが兄弟なのでは?」
「あっちにはあっちでちゃんとお兄さんいるから、そっちは似てる」
「あ、イケメンの弟だ」
「?」
BEYONDS短編集⑥「好みのタイプ」
「炎上対策のために今後予想される質問への返答を考えときましょう」
「「「おけ」」」
『好きな異性のタイプ』
「動物好きな人かな」
「いいですね」
「好感度も上がりそう」
「烈は?」
「ドルオタを許容してくれる人です」
「無理だね」
「まぁ諦めてます」
「太陽くんは?」
「う〜ん」
腕を組みしばらく考える。
「一緒にはしゃぎたいし明るい人かな〜」
「気が合いそうだしね」
「でもクールな子も嫌いじゃない」
「恋人には自分にないものを求めるとか言うしな」
「年下の子にモテそうとかも言われるんだよ」
「優しいし相談事乗ってくれそうですしね」
「でも年上に引っ張ってもらった方がいいとも言われる」
「可愛がられるタイプな気もするぜ」
しばらく考えて葵が結論を出す。
「…誰でもいいってこと?」
「そうだな」
「ある程度可愛ければいいよな」
「絶対言わないでくださいね」
最後に拳治にも聞いてみた。
「おっぱいの大きい年上のお姉さん!」
「ダメな返事更新すな」
これで次回は再びキャラ紹介を挟んでストリートにいきます。そして一つのクラスがメンバー揃うのでそこの描写もします。
最後に私事ですが仕事が始まったので投稿頻度が落ちます。週2の休みに書き進めて多分週に1話になると思います。どうかお付き合いお願いします。