プロジェクトセカイ feat  仮面ライダー   作:ミッツー116

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 短いお話と設定集なので一気に書いていきたいと思う今日この頃


第七話

 

 

 『〜〜〜♪』

 

 

 ストリートのセカイに音楽が響く。MEIKOの店の前でViVidsとBAD DOGSの4人がその音の中心でマイクを持ち息を整えるとまずはこはねから歌い出す。

 

 

 「あれが小豆沢達の想いで出来た歌って奴か」

 「僕らがあの巨大ロボと戦う前に出来てたらしいね。確か…とーやんとアッキーが仲直りしたくらい」

 「……アッキー?」

 

 

 唐突に聞き慣れない呼び名に龍我が固まったあと振り向く。

 

 

 「東雲くんのあだ名だよ、彰人だからアッキー」

 「あれ、仲悪いと思っててんけど。どういう心境の変化?」

 「こないだのとーやんとの仲直りは良かった…やれば出来ると見直したね」

 「何処から目線だ」

 

 

 カウンターに並んで駄弁っていると目の前に料理が運ばれてくる。

 

 

 「はい、新メニューのカレーとオムライスお待ち」

 「うわ〜美味しそう!」

 「…あんまり同時に出るタイプの新メニューではないよな」

 「あら、気になる?」

 

 

 首をかしげる龍我の姿にMEIKOが笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

 「ツカイは新しい子がセカイに来たら好物をメニューに増やしてるのよ」

 「へ〜!」

 「おい、余計な事言うな」

 「そう言えば俺が来た時もちょっとしたらスイーツの種類が増えたな」

 

 

 もしかして少しでも楽しんでもらえるように気を使ってくれているのだろうか、意外な一面を感じていると翼が何かに気づく。

 

 

 「待って、どうやって知ったのそれ?」

 「……余計な事聞くな」

 「盗む聞きはやめた方がいいわよ、本当に」

 

 

 知りたくなかった一面も知ってしまった気がする。触れないようにして料理を4人が食べ始める中、曲が終わりセカイが大きな拍手をする。

 

 

 「ブラボーー!!」

 「えへへ、ありがとうセカイくん」

 「中々の手応えだったな」

 「俺らの想いで出来てるってだけはあるな、始めて歌った気がしねぇ」

 「私もー!何かピタッとハマる感じ!」

 

 

 和気あいあいと4人は店に入る。MEIKOが出してくれた冷えた飲み物を飲むと一息つき、杏が口を開く。

 

 

 「ねぇねぇ彰人、こないだ言ってたこと覚えてる?」

 「こないだ?何の話だ?」

 「ひっどーい、自分から言ったくせにー」

 「こいつ……!、あっ」

 

 

 わざとらしい態度で煽る杏に込み上げてくるのを抑えていると唐突に閃く。歌の終わったタイミングであることからしてあの話題だろう。

 

 

 「前にチームに誘ったやつか?お前断ったじゃねぇか」

 「そのことなんだけど、良い方法思いついちゃったんだよね〜」

 

 

 ニヤニヤと杏は笑う。見ていて腹が立つのでさっさと話して欲しいと彰人が思っていると冬弥が口を開く。

 

 

 「もしかしたら同じことを考えているかもしれないな」

 「何だよ冬弥、お前わかんのか?」

 「ちょ、ちょっと!私のアイデアなのに!」

 

 

 先を越されそうになり杏が焦り始めた時、こはねも遅れて気づく。

 

 

 「もしかして、4人でチームを組むとか?」

 「あ~!!」

 「なるほど、そういうことか」

 「私が言いたかったのに〜!!」

 「ご、ごめんね杏ちゃん…」

 「大丈夫!こはねは悪くないから!」

 「そうだな、勿体ぶったお前が悪い」

 「ムカつく〜!」

 「感情荒ぶりすぎだろ」

 

 

 コロコロと表情の変わる杏に呆れながら今の話を考える。今の4人で歌ってみた感覚、何より同じ目的を持つ人間は珍しい。それもこんな場所を生み出してしまうほどだ。

 

 

 「いいぜ、その話乗ってやる」

 「それじゃあ、まずは名前考えないとね!イベント出るなら必要だし!」

 「どんなのにするか」

 

 

 4人がこれからの活動について話し始めたのを機にテーブルから離れたセカイはミクのもとに向かう。

 

 

 「いや~、何だかんだ丸く収まって良かった良かった」

 「そうだね、それにしても…」

 

 

 セカイの言葉を肯定しながらミクはこはね達の方を見つめる。その姿に首を傾げているとミクはそのまま口を開く。

 

 

 「何だかいいね、相棒って。私も欲しくなってきちゃったな」

 「え、ま、マジ!?え、えっと、あのその…」

 

 

 予想外の言葉にセカイは立ち上がるとミクの周りを右へ左へと歩き回る。立候補したいが恥ずかしさと実力不足とが邪魔をしてウロウロすることしかできない。

 

 

 「やっぱ自分と同じくらい歌える人がいいよね」

 「あ、うす…そうですよね」

 

 

 その言葉にトドメを刺され椅子に座り直す。今の自分の実力では無理な話であった、練習の量を増やそうと誓いながら俯く。

 そのとき、肩を叩かれ横を見ると覗き込むような体勢になったミクがいたずらっぽく笑いながら言う。

 

 

 「だから早くもっと上手くなってね、セカイ」

 「〜〜!!お、おう!任せとけ!」

 

 

 顔を真っ赤にしながら勢いよく立ち上がるとドタドタと走りながらマイクを掴む。

 

 

 「じ、自主練!自主練にでも行こうかな!それがいいな!」

 

 

 心臓の鼓動を誤魔化すようにわざとらしく声を上げる。分かりやすい様子を笑うミクの顔にさらに顔を赤らめているとマイクが龍我にとられる。

 

 

 「あ、おい!何すんだよ」

 「食い終わった、腹ごなしに一曲歌う」

 「え?」

 

 

 思わぬ発言に気の抜けた返事をしてしまう。龍我はそれを気にもとめず音楽を流そうとしているが店の機械の操作が今イチ分からずMEIKOに確認を取っている。

 

 

 「あいつ歌えんのか?」

 「中学の頃にカラオケに一緒に行ったことあるけど上手だよ」

 「え!何それ聞いてないんだけど!!」

 「束縛が酷い」

 「……はっ!」

 

 

 各々が反応を示す中瑠璃は何かに気づくと万力のような形で翼の耳を押さえる。

 

 

 「いだだだだだだ!!何!何!?」

 「聞いちゃだめ〜!!」

 「何で!?何で!?」

 「瑠璃、忘れてるかもしれへんけど1週間前くらいまで入院してたんやで」

 「ヤッホー!仲直りしたよー!」

 「よかったじゃないか、なんか出してやるよ。おごりでな」

 

 

 騒がしくなっていく店内に音楽が鳴り始め、息を整える。相変わらずこの先自分がどう生きていくかは見えない、だが取り敢えず今やりたいことは決まっているのだからそれに従うまでだ。

 

 

 「ーーーー!!!」

 

 

 ストリートライダース編 完

 

 

 

 ストリートライダース短編①「イメチェンは計画的に」

 

 

 ある日、翼が町中を歩いていると美容院から龍我が出てくる。

 

 

 「お、奇遇。散髪?」

 「いや、髪を染め直してた。前に失敗してな」

 「失敗?」

 「いや前に学校で…」

 

 

 入学して間もない頃

 

 

 「う〜ん」

 「どうした太陽」

 「いや〜俺って髪とかセットしたことないんだけどさ、剣とか龍我見てたらやろうかと思ってきて」

 「いいんじゃない?」

 「でもマジで知識がないんだよな、他にオシャレ…龍我のカラコンは何処で買ったんだ?」

 「え」

 

 

 太陽の言葉に固まる。見れば分かる髪のセットはともかくカラコンのことはバラしていない、オッドアイもいないわけじゃないはずだ。どうしてバレたのか分からず問いかける。

 

 

 「な、何で俺がカラコンって…」

 「いやだって…たまに左右逆だし」

 「髪もプリンみたいになってきてるし、そろそろ染め直せば?」

 「……!?」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 「あれ以来カラコンケースに左右書いたし2週間に1回美容院行ってる」

 「馬鹿すぎる」

 

 

 

 ストリートライダース短編②「嘘の匂い」

 

 

 「翼の特技の精度を確かめよう」

 「精度?」

 

 

 謙の店でルミが突然謎の催しを始める。そもそも特技がピンときていない龍我に対して説明を始める。

 

 

 「説明しよう!翼は相手の発言が嘘かどうか匂いで分かるのだ!」

 「あぁ、あのダサい紫パーカーに使ってたやつか」

 「酷い言い草だ」

 

 

 三田をディスる龍我はさておきルミは懐から瓶のようなものを取り出す。

 

 

 「この香水をつけて嘘をつき見分けられるかを試そう!」

 「嘘くさいって物理的にではないだろ」

 「いざ!」

 「聞かないし」

 

 

 勢いよく香水を振りかけていると胸を張りながら叫ぶ。

 

 

 「私は、巨乳!!」

 「見た目で分かる嘘ついてどうする」

 「君は馬鹿」

 

 

 

 ストリートライダース短編③「くーるびゅーてぃー」

 

 

 「キャー!ルミさん素敵〜!!」

 「ありがと、みんなも可愛いよ」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 「こはねちゃんって何か声ちょっとエッチだよね…」

 「ふぇ!?」

 「ちょっと!セクハラなんですけど!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 「悩み事?俯いてるのは似合わないよ」

 「ルミさん…!ありがとうございます…!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 「時速60キロ以上出せばおっぱいの感触が味わえるってやつさ!変身すればいけそうじゃない!?」

 「ベルト取り上げんぞ」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 「〜〜♪」

 「素敵な歌声…」

 「あいつ実は2人いるとか言われても俺驚かないぞ」

 「最低ドッペルゲンガー」

 「変態の方が本体じゃないことを祈る」

 

 

 

 ストリートライダース短編④「カワイイ担当」

 

 

 「こはね〜♡」

 「杏ちゃん、苦しいよ〜」

 

 

 MEIKOの店で杏がこはねに抱きついているのを男子4人が見つめる。特に彰人はドン引きなのを隠そうともしない。

 

 

 「あいつ…よく恥ずかしげもなくあんな事できるな…」

 「まぁこはっち可愛いし」

 「相棒同士仲がいいのはいいことだと思うぞ」

 「まじかお前ら…」

 「俺はお前に同意するぞ東雲」

 

 

 こはねの事が好きなのは分かるがなぜああなるのか。人目を気にする方の龍我には到底真似できそうにない、するつもりもないが。

 

 

 「お〜い、みんな〜。えっへへ〜」

 「ん?」

 

 

 声に振り向くとこちらに向かって手を振りながら走ってくる瑠璃を見つける。何時になく緩んだ頬は上機嫌なことが一目瞭然だ。

 

 

 「宝田、随分上機嫌だな」

 「えへへ〜これ見て〜」

 

 

 そういうとクルクルと回る。勢いに乗って上着がたなびく姿から察するに見てほしいのは服だろうか。

 

 

 「その服がどうかしたのか?」

 「これね、4人でお揃いの買ったんだ!」

 「4人?」

 「これ」

 

 

 そういうと翼は自分と龍我の上着を掴む。よく見ると色や柄に違いはあるとは言え全員ライダースジャケットを着ていることが分かる。

 

 

 「チームワークを向上させようと思って形から入ってみたよ」

 「なるほど、確かにユニフォームを統一させることで精神的な一体感は出るかもしれないな」

 「えへへ、仲良しっぽくていいよね!」

 「コホン」

 

 

 嬉しそうに笑みを浮かべながらまだ回り続ける瑠璃を見て翼は咳払いをしながら立ち上がると突然抱きつき龍我も頭を撫で始める。

 

 

 「瑠璃〜」

 「ふぇ!?//」

 「よしよし」

 「な、何!?//どうしたの二人とも//」

 「お前らもかよ」

 

 

 

 ストリートライダース短編⑤「セカイとミク」

 

 

 龍我からベルトを返されたあと、路地裏で1人セカイは室外機の上に座っていた。頭の中で龍我の言葉と顔が何度も浮かび上がり胸を締め付ける。

 

 

 「どうして気づけなかったんだ…」

 

 

 思わず口から後悔の言葉が浮かぶ。誰に向けたわけでもなく返事が返ってくるわけでもない、ただ項垂れることしかできない自分に嫌気がさしていると頭に何かを置かれる。

 顔を少し上げるとミクが水の入ったペットボトルを持っていた。

 

 

 「てっきり自主練してると思ったんだけどな、サボり?」

 「ごめん、そんな気分になれなくてな…」

 「…ちょっとそっち寄って」

 

 

 促されるままに横によるとミクが空いたスペースに座りペットボトルのフタを外してこちらに差し出してくる。それを受け取ると一口飲み、しばらく考えたあと口を開く。

 

 

 「俺、ここに来ない方がよかったのかな」

 「え?」

 

 

 彼らしくもない弱気な発言に驚く。何時も元気でこちらに笑いかけてくるセカイの暗い表情は見ているこちらが辛くなってしまう。

 

 

 「龍我は戦いを知らなければもしかしたら普通に悩んで前を向ける方法を見つけたかもしれない、だとしたら俺がその成長を奪ってしまったのかもしれない」

 「……」

 

 

 セカイの言葉にミクは黙ってしまう。それを見ると水に再び口をつけたあとフタを手から取り閉める。

 

 

 「ごめん、卑怯だよな。こんなの否定するしかないのに」

 「……うん、そうだね」

 

 

 気を使わせることしか出来ないであろう独白に付き合わせてしまったことを謝る。それを受けたミクは返事をしたあと少し考え口を開く。

 

 

 「まだ諦めるのは早いんじゃないかな」

 「え?」

 「龍我は考えるって言ってたんでしょ?だったら答えをだして帰ってくるかもしれない。ううん、きっと帰ってくるよ。だからセカイがやらないといけないのはその時に力を貸してあげることなんじゃないかな」

 

 

 ミクの言葉にセカイは呆気に取られたような表情を浮かべたまま固まる。それに対して両手を差し出して口を開く。

 

 

 「スフィア、出してみて?」

 「え、あぁ…」

 

 

 取り出したスフィアはパーツが外れ手のなかでバラバラになっている。その内の一つを手に取るとスフィアに押し付けるように当てる。

 

 

 「自動で直るって言ってたし、こうして2人で押さえてようか。早く直るかも」

 「わ、わかった」

 

 

 2人でスフィアを押さえながら過ごす。ミクの言葉のおかげでかなり楽になったこともあり余裕が出て来た結果少し恥ずかしくなり、様子を伺ってしまうと目が合う。

 思わずそらしてしまいそうになるが思い直し、そのまま見つめると口を開く。

 

 

 「ミク」

 「どうしたの?」

 「ありがとな」

 「ふふ、どういたしまして」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 『セカイ君!いる!?』

 

 

 龍我の声が響く、目の前の敵に対してドライバーを使って対抗しようとしているようだ。未だ迷いの中にいる彼に渡すかは少し悩んでしまうが、それでも決断する。

 

 

 「え!?わ、わかった!」

 

 

 自分が巻き込んでしまったのなら最後まで支えてみせる。その決意を胸に今日もセカイは彼と共に戦う。

 

 

 




 ストリートライダース編、完結です。
 ワンダショ編は全体的に明るい話になる予定。キャラも増えてきたのでゲスト的な出演も増えていくと思います。でもまだ変身はさせない。
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