プロジェクトセカイ feat  仮面ライダー   作:ミッツー116

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 ちょっと難産。次回もそうなりそうです。


第三話

 

 セカイに行った日の夜、影達はナイトコードに集まっていた。今回の事を整理するため普段ニーゴの活動に使っているものを教えてもらったのだ。

 

 

 『それじゃ、あの朝比奈って奴は自殺願望があるってことか?』

 「自殺願望とは違う気がするけど…」

 『根拠は?』

 

 

 自室から同じようにナイトコードに入っている満が疑問を口にする。途中から居なくなったとは言え無関係ではないためあの後の事を説明し参加してもらった。

 

 

 「想いで出来たセカイっていうなら、自殺したいならそれに準ずる道具とかありそうだなって。でもあそこには何もない」

 『そんな事言ったらそもそもなにも無さすぎないか?どんな想いだよ』

 『でも、よっぽど強く思わなきゃあんな場所できないよね』

 「うぅ~ん」

 

 

 瑞希の言葉に影も唸る。さすがに出会ったばかり過ぎてまふゆの事をなにも知らなすぎる。

 ニーゴの面々の意見から考えたいところだが彼女たちも活動以外の関わりはないらしい。

 

 

 『しゃあない、俺が調べるか』

 「調べる?」

 『同じ学校だしな、聞き込みってやつだ』

 

 

 そういえば制服も似ていたたような気がする。もっとも学ランとセーラーだったので憶測でしかないが。

 

 

 『大丈夫?素人が調査なんてできんの?』

 『まぁ無理な時の手段は考えとけよ。それじゃ俺そろそろ寝るから…あ、そうだ』

 『どうしたの?』

 

 

 話が固まったと感じたのか満が落ちようとするも踏みとどまる。

 

 

 『今週末、俺用事あって家に居ないからな。ちゃんと昼食えよ』

 『直に言いなさいよ』

 

 

 第三話 「求道者」

 

 

 翌日、宮益坂学園ー

 

 

 「さて、聞き込みって言ってもどこから始めるか」

 「どうしたの?満くん」

 「…おまえでいいか」

 

 

 軽い気持ちで言い出した事だが何の取っ掛かりも無かった。そんな時話しかけてきたえむを見て彼女に聞くことにする。

 顔も広く特にこちらを不審に思うこともないだろうし丁度いいだろう。

 

 

 「おまえ、1個上の朝比奈って奴のこと知ってるか?」

 「朝比奈先輩?有名だよね〜」

 「どんなやつか教えてくれ」

 「え〜っとね〜」

 

 

 天井を見上げながら少し考えると笑顔を浮かべながら元気よく口を開く。

 

 

 「すっごく頭良くて!すっごく運動できて!すっごく優しくて!すっごく綺麗って噂だよ!」

 「アバウトにべた褒め」

 

 

 余りにも情報としては弱い気がする。もう少し具体的な情報は何かないだろうか。

 

 

 「あとは〜弓道部だって!」

 「弓道部…それは悪くない情報だな」

 「朝比奈先輩がどうかしたの?」

 「いや別に?サンキュー」

 

 

 ーーーーーーー

 

 

 放課後、弓道部の道場を入り口からこっそりと覗く。その中にはまふゆの姿は無い。

 他の部員が練習しているところから見て休みの日ではないはずだが。

 

 

 「あら?見たことない子ね、もしかして入部希望の人かしら!」

 「え、あ、いやその、うす」

 

 

 突然後ろから聞こえてきた声に戸惑いながら振り向く。制服姿の女子生徒はおっとりとした様子で続ける。

 

 

 「でも、今日は顧問の先生がお休みなの。入部届出せないわ。」

 「え、あ〜…それは残念だな〜。あ、見学とか出来ます?」

 「もちろん!それじゃあ準備しましょう!こっちに着いてきて」

 

 

 女子生徒の案内に従い更衣室に通されると体験用の道着に着替えさせられる。

 慣れない袴姿に戸惑いながらも弓を渡されると射的場に立たされる。

 

 

 「いい?弓道は姿勢が大事。まずは足を開いて…」

 「う、うす…あ、え〜と先輩…ですよね?名前…」

 「あら、ごめんなさい!あまり体験のお手伝いをしないから忘れていたわ!」

 

 

 女子生徒は指摘に慌てるとおしとやかに礼をする。束ねた水色の髪をなびかせる姿がとても絵になっており思わず見惚れると女子生徒は名前を名乗る。

 

 

 「私は2年の日野森雫。最近は比較的顔を出しているから、よかったら仲良くしてくれると嬉しいわ」

 「俺1年の日向満です。下の名前で呼んでくれたら助かります」

 「満くんね。それじゃあ続きを始めましょうか」

 

 

 雫の指導を受けながら弓を引き狙いをつける。プルプルと腕が震えながら手を離すと矢はあらぬ方向に飛んでいき、距離すら届いていない。

 

 

 「意外にむずい…!」

 「弓道は思ったより筋力がいるし、型を守ることも必要なの。でもその分きちんと出来た時は気持ちいいわよ」

 「しっ!もう一回…」

 

 

 その後も指導を受けながらチャレンジしていく。コツを掴んだのか段々的に届くようにはなっていき、次は中心を狙おうとしているタイミングでチャイムが鳴り始める。

 

 

 「あら、もうこんな時間!」

 「まじか…いやでも案外楽しかっ…あ」

 「どうしたの?」

 

 

 目的を忘れてずっと矢を放っていたことに気付く。気まずそうに頭を掻きながら更衣室に向かう。

 さすがに何も聞かないわけにもいかず途中で雫に話しかける。

 

 

 「いや〜、むずいっすね。誰か参考にしたほうがいい先輩とかいます?例えば…噂の朝比奈先輩とか」

 「あら!それはいい考えね!朝比奈さんはとっても上手だからいいお手本になると思うわ!」

 「へぇ~、どんな感じなんすか?」

 

 

 どうやら上手くツボをつけたらしい。雫は満の質問に嬉しそうな顔をすると口早に続ける。

 

 

 「そうねぇ、いつも真面目に練習していて後輩の子達にも慕われているわ。頼み事もいつも嫌な顔一つせず引き受けてくれるから、きっと教えてってお願いすれば聞いてくれるわよ!」

 「お、おぉ…具体的にべた褒め」

 「ただ…本当にいつも頑張っているから時々無理をしているんじゃないかって心配にはなってしまうのよね。本人は大丈夫って言ってくれるんだけど」

 

 

 少し暗い表情を浮かべる雫に申し訳ない気持ちが湧いてくる。しかし手掛かりらしき情報は手に入った。

 用は済んだので帰る前に一言お礼を言おうとする。

 

 

 「皆ごめんね!旦那の病院早く終わったから部活見に来たよ!」

 「あ、先生!入部希望の子が来てくれたんです!」

 「ほんと!?待っててね!すぐ入部届出すから!鞄にあるから!」

 「あ、うす…」

 

 

 ーーーーーーーーーー

 

 

 お昼時、影は自室で作業をしていた。まふゆやライダーの事は気掛かりだが生活のために仕事をしないわけにはいかない。

 パソコンに向き合っていると動画サイトからオススメ動画の通知がくる。時計を見ると大分長時間作業をしていたようだ、ここらで休憩にしようかとその動画を開いてみることにする。

 

 

 「ん…?これって」

 

 

 再生された動画はどうやら自主制作された楽曲のようだが既視感を覚える。既視感の正体を探ろうとしばらく考えて気付く、この曲はどこかニーゴの曲と似ている。

 

 

 「『OWN』か…この感じ…真似てるとかっていうよりは…」

 

 

 疑問を確かめるために一度ニーゴに確認してみようとナイトコードに送ってみることにしアプリを開く。

 すると画面には雪を除く3人がオンライン状態で表示される。

 

 

 「……?」

 

 

 もう一度時計を見る。カレンダーを見て今日が何曜日かも確認すると自身も通話に入る。

 

 

 『あれ?Cageじゃん!どうしたの?』

 「あぁいや…ちょっと聞きたいことがあったんですけど…」

 『なになに〜?何でもきいてよ〜』

 

 

 気楽に返すAmiaに遠慮なく甘えることにする。といっても今真っ先に聞きたいことは別のことになってしまった。

 

 

 「平日の昼間なんですけど皆さんなぜここに…」

 『それ、ブーメランだよ?』

 『いつもは深夜に集まってるんだけどね、昨日のことが気になっちゃって』

 「いやあの…学校とかは?」

 

 

 時間的には行っていかなければおかしい時間だ。年齢も恐らく学生で間違いない、実際まふゆと満は同じ学校と言っていた。

 

 

 『私夜間だから』

 『私は通信制』

 『サボり〜』

 「あぁ、なるほど」

 

 

 3人の返答に納得が言った影は本来聞こうと思った話題に移ろうとするもそれより先にAmiaが口を開く。

 

 

 『Cageの方はなんでいるの〜?もしかしてそっちもサボり〜?』

 「あぁいや、僕高校行ってないんで」

 『……え?』

 

 

 サラリと放たれた言葉を上手く飲み込むことができない。ポカンとしているAmiaに代わり今度はえななんが質問する。

 

 

 『もしかして…不登校とか…』

 「いやそういうのではなくて…中卒です」

 『『『…………』』』

 「お、お~い、聞こえてますか〜?」

 

 

 予想外の返答にニーゴは固まってしまう。人に気軽に話していい内容ではなかったことに気づいた影は空気を変えるために目的のOWNの楽曲を送信する。

 

 

 「そ、それより!この曲聴いてもらえますか!」

 『曲…?』

 『あ!これOWNの最新の曲じゃん!Cageも聴いてたんだ!』

 『確か…最近話題の人だっけ』

 

 

 それぞれの反応を示しながら3人は送られてきた動画を再生する。

 

 

 『へぇ…結構攻めた曲調…』

 『ちょっと僕らに似てるよね~。実際聴いてる人も僕らの動画にコメントしてる人と同じ人いたりするし』

 『でも…ちょっと私達の曲とも違う気がする。何だか冷たくて…言葉で刺してくるみたいな…』

 『お、えななんポエミーだね〜』

 『あんたいじってるでしょ』

 

 

 曲の感想を語るえななんを面白がるAmia。その後も2人は聞いた感想を語り合っていく。

 しかし、それとは対照的にKは黙って集中した様子で熱心に曲を聞いている。

 

 

 「Kさん、なにか気になることありますか?」

 『この曲…雪が作った曲に似てる』

 「それってニーゴの曲にってことですか?」

 『いや、そうじゃなくて…』

 

 

 自分と同じ違和感を感じたのかと思い問いかける。しかしKは否定すると詳しく話し始める。

 

 

 『昔、雪は一人で曲を作ってたんだ。私が誘ったのもそれを見て一緒に曲を作りたくなったから』

 「ってことは、これはその時の曲に似てるんですね。じゃあもしかして…」

 『うん、作ったのは雪だと思う』

 

 

 Kが至った結論にひとまず納得する。しかし、そうなるとまた新たな疑問もいくつか出てくる。そのうちの1つが動画のMVだ。

 

 

 「この動画…概要欄になんも書いてないんですよね。しっかりMVまで着いてるのに」

 『さすがに誰かにお願いしてたら載せないとトラブルになるよね。でもだとしたら…』

 『雪が一人で作ったってこと…?でもそんなの』

 

 

 この動画のMVのレベルはニーゴのそれと同等以上の出来だ。それを一人で作ったなどにわかには信じがたい。

 疑問に頭を悩ませていると影が口を開く。

 

 

 「あの、もう一回あの場所行ってみませんか?」

 『え、あの場所って…セカイってやつ?』

 「今なら雪さん学校ですよね。ミクさんに詳しく話を聞くチャンスじゃないですか?」

 『確かに…こないだは強引に追い出されたしね』

 

 

 どうして雪がそうしたかは分からないが今の自分達にもっと詳しい説明が必要なのは間違いない。

 結論を出した4人はそれぞれ『untitled』を開くも、えななんが問題に気付く。

 

 

 『でも、もし会えなかったらどうする?ミクに戻してもらわないと帰れないのに』

 「確認したら携帯のほうにも『untitled』が入ってたからそっちで入ったら大丈夫だと思います。皆さんにも入ってればですけど…」 

 『え〜と…大丈夫!入ってるよ!』 

 『よし…行こう…』

 

 

 Kの言葉を合図に曲を再生させ、光に包まれる。視界が晴れた先に見えるのは真っ白な空に鉄骨のような物が突き刺さった大地。

 何故か物悲しさと寂しさを感じさせ、なのにどこか落ち着く不思議な雰囲気の中周りを見回すと影はあることに気付く。

 

 

 「…誰も居ない。探すところからかこれ」

 

 

 別々の場所から入ったため出現場所も分かれてしまったことに頭を抱えるも、耳をすませて3人を探すのであった。

 

 

 ーーーーーーー

 

 

 同日、神山学園の2-A教室にて。全治郎は青空に絡まれていた。

 

 

 「今日は普通じゃないですか〜全くん、なんだったんですか昨日の?」

 「なんでもない、忘れてくれ」

 「放課後遊びに誘ってくれて嬉しかったのに帰っちゃうし、今日はいきましょうね!」

 「悪いな、今日は無理だ」

 「なんでー!」

 

 

 頬を膨らませながら不満気な様子の青空に対して無表情な視線を返す。そこに遅れて司もやってくると会話に参加してくる。

 

 

 「しかし本当になんだったんだ昨日は?まるで別人のようだったぞ」

 「…俺が聞きたいくらいだ」

 「どういうことだ?」

 

 

 首を傾げる司に対して全治郎は自身の鞄の中を確認する。その中に入ったドライバーを見つめながらしばらく考えていると机に誰かが座る。

 

 

 「もう少し愛想よくしてやったらどうだ?友達なんだろう?」

 

 

 机に座った人物、自分と同じ顔をしながらこちらを責めるように見つめてくる男に全治郎は驚いた様子を見せることはなく口を開く。

 

 

 「元はと言えばお前のせいだ」

 「いやいや、お前が普段から愛想よくしてればクラスで多少はしゃいだところでコイツらが不審がることもないだろう。他責はいけないな〜」

 「人の体を勝手に使って偉そうに言うな」

 「使われたのはお前の心が原因だ。あと…」

 

 

 男は視線を横に移す。そこには司と青空が不安そうな表情を見せながら全治郎の方を見ていた。

 

 

 「えぇっと…突然誰に話し始めたんですか?」

 「俺の姿はお前にしか見えてない。話すなら気をつけろ」

 「疫病神め」

 

 

 本格的に迷惑に感じてきた。何とかするための対処法は1つ思い浮かんでいるが今実行するのは少し憚られる。

 出来れば放課後まで待ちたいところだ。

 

 

 「体力の回復がもうちょっとだな。また体を使えそうだ」

 「司、俺早退するわ」

 「なに!?」

 

 

 驚く司を置いて鞄を持つと教室を飛び出す。青空たちも急いで追いかけるも全治郎の足が速すぎてあっという間に振り切られてしまう。

 

 

 「どうしましょう」

 「どうするか…」

 

 

 一方の全治郎は校門では予想されると考え屋上に来ていた。鞄から携帯を取り出すと『untitled』を再生しセカイに入る。

 中に入ると再び男が現れつまらなそうにする。

 

 

 「なんだ、出てけってか」

 「当たり前だ」

 「やれやれ…」

 

 

 目の前の男が塵になって消える。すると体の内側を突き破るような衝撃が走り、光の玉のような物が飛び出すと人間になる。

 光が変わった人物、以前ドライバーを渡してきた男は自分の体を確かめるように両手を開けしめするとこちらに振り返る。

 

 

 「自分の体は嫌いじゃないが…こんなとこにしかいれないんじゃな」

 「だとしても人の体を乗っ取るな」

 「乗っ取られる方が悪い」

 

 

 悪びれた様子も無い男に怒りを覚えるも再び携帯に目を向ける。今がチャンスだ、このタイミングで外に出ればコイツを中に閉じ込めることができる。

 こっそりと『untitled』を停止させようとした時、いくつかの人影が現れる。

 

 

 「あの〜、ここの人ですか?」

 「!?」

 「ほぉ~?こんなところに客とはな、ちょっと開けている間に面白いことになったじゃないか」

 

 

 声をかけてきた人物、影とニーゴの3人は全治郎達に少し怯えたような表情をしながら様子を伺っている。

 

 

 「そんな顔するな、何もとって食ったりしない」

 「誰だ、ここで何してる」

 「ここについて詳しい話を聞きたくて…ミクさんを探してるんですけど」

 「ミクに聞くより…あいつに聞いたらいいんじゃないか?」

 

 

 そういうと男は横に向けて指を指す。その先にはまふゆがミクと並んで立っていた。

 

 

 「何で!?まだ学校の時間だよね!?」

 「昼休み」

 「しくりましたね…」

 

 

 まさかそんな短い時間を利用してまでここに来るとは思っていなかった。想定が甘かったことに影達が後悔している中ミクは男に近づく。

 

 

 「セカイ、どこに行ってたの?」

 「小旅行だ。コイツ使ってな」

 「…やっぱり」

 

 

 セカイと呼ばれた男の答えにまふゆが反応する。言葉の意味が分からない影達が聞くよりも先に問い詰めていく。

 

 

 「人の体を乗っ取れるなんて聞いてない」

 「言っとくがセカイの住人の誰もが出来るわけじゃないし、誰でも乗っ取れるわけじゃない。ドライバーを使うことが出来る人間で…なおかつ精神が弱ってる人間だけだ」

 「こ、ここってそんな事が出来るやつまでいるわけ?」

 

 

 思わず考えてることが口に出てしまった絵名に視線を向けるとセカイは少し表情を曇らせながら続ける。

 

 

 「俺が元いたセカイを形作った想いの源…そいつには人の体に取り憑いて行動する存在のイメージがあった。ここに来た時にそのイメージが引き出されたらしい」

 「…そんなことより」

 

 

 セカイの話を遮るように声を上げるとまふゆは奏達の方を見る。普段通話越しでも感じ取れていた穏やかな印象はすっかり消えており何を考えているか分からない無表情な瞳を向ける。

 

 

 「どうしてまた来たの」

 「どうしてって…あんな一方的な感じで納得出来るわけ無いでしょ!それにこれ!」

 

 

 まふゆとは対象的に感情を剥き出しにしながら絵名は携帯の画面を見せる。そこに『OWN』の動画が表示されているのを見るとまふゆは口を開く。

 

 

 「そっか、バレちゃったんだ」

 「バレちゃったって…じゃあやっぱりこれ…!」

 「私が作ったけど?」

 「………!?」

 

 

 なんでも無いことのように話すまふゆに開いた口が塞がらない。しかししばらくすると感情が追いつき、まくし立てるようにまふゆを責める。

 

 

 「あんたふざけてるわけ!?普通もっと説明があるでしょ!この場所のこともOWNのことも!」

 「え、絵名落ち着きなよ…」

 「説明って?なにが聞きたいのかちゃんと説明してくれる?」

 「あんたねぇ!!」

 

 

 無機質にこちらを煽ってくるまふゆに詰め寄ろうとすると遮るように全治郎が前に立つ。

 突然目の前に現れた巨体に絵名は戸惑い若干後ずさる。

 

 

 「な、なによ…」

 

 

 無表情な瞳でこちらを見つめる姿に勝ち気な態度を見せる。しかし、それに対して返答を返すことは無く全治郎はまふゆに振り返る。

 

 

 「まふゆ、なんの話なんだ」

 「お前も聞くのかよ」

 「そもそもあなた達誰なんですか?」

 

 

 状況に置いていかれることに耐えられなかったのか問いかける全治郎に思わずセカイがツッコむ。

 しかし2人が何者か分からず置いて行かれているのは同じだと影が絵名の横に並びながら口を開きそれに対して全治郎はまふゆと自分を交互に指さす。

 

 

 「幼なじみだ」

 「迷子〜」

 「いや肩書だけ明かされても…」

 「なんでどいつもこいつも説明が最低限なのよ!」

 

 

 語彙を縛っているのかと疑いたくなるほどの口下手さに絵名がまた怒る。このままではいつか爆発してしまいそうだしいつまでも話が進まない。

 向かい合い言い合う4人を放置すると奏はまふゆに近づいていく。

 

 

 「あの…別に怒ってるわけじゃなくて…どうしてまた一人で曲をつくったのかなって気になっただけなんだ」

 「…見つけられなかったから」

 「え?」

 

 

 絵名との会話とは違いまふゆは一瞬の沈黙を見せる。そこから放たれた答えに奏は思わず呆けた声を出してしまうがまふゆはそのまま続ける。

 

 

 「初めてKの音楽を聴いたときは、少し救われた気がした。だから、一緒に活動すれば何か見つけられると思った。でも駄目だった」

 「見つけられるって…何を?」

 「…あなた達には関係無い、私はもうニーゴに戻るつもりもないから」

 「なっ!!」

 

 

 瑞希の疑問に対する返答に絵名が反応する。聞き捨てならなかったのか全治郎達との言い合いを中断するとまふゆにまた向かい合う。

 

 

 「ちょっと!戻る気ないってなによ!」

 「そうだよまふゆ、ニーゴやりながらOWNとしても活動するんじゃ駄目なの?」

 「言ったでしょ。ニーゴにいても何も見つけられなかった、それならもういる意味なんか無いの」

 「さ、さすがにそんな言い方…宵崎さん?」

 

 

 2人はそれぞれ言葉を投げかけるもまふゆは一切揺らがず拒絶する。その様子に思うところがあったのか影も口を挟もうとすると奏の異変に気付く。

 奏はその華奢な細い体を少し震わせると顔を青くしている。どこか荒くなっている息の中、絞り出すように呟く。

 

 

 「また…救えなかった…?」

 「どうしました?大丈夫ですか?」

 「…大丈夫」

 

 

 膝を曲げ視線を合わせながら奏に呼びかける。こちらの声に気付くと息を整え自分の腕を握るようにしながらに答えてくる。

 影はその様子に不安そうにしながらも立ち上がると背中側に周り優しく擦る。

 その間にまふゆと話していた絵名はヒートアップしていく。

 

 

 「なによ!こないだは訳分からない事言って!今度は私達なんかいらないって!?一人で凄い動画作れるからって見下さないでよ!」

 「ちょ、絵名落ち着いて…」

 「落ち着いてられないわよ!」

 「……」

 

 

 もはやいつ掴みかかってもおかしくない様子に瑞希がなだめようとするも効く様子はない。

 そんな中再び全治郎は絵名とまふゆの間に入る。しかし、それによりむしろ怒りが増したのか事態が悪化していく。

 

 

 「あんたさっきからなによ庇っちゃって!何も知らないなら引っ込んでなさい!」

 「…どういう知り合いなんだ」

 「もう関係のない人」

 「あんた男の後ろで…!いいからどきなさい!」

 「……っ!!」

 

 

 絵名は全治郎を掴むと無理やりまふゆの前から剥がそうとする。体格差や筋力差もありなかなか上手くいかず業を煮やしたのか首元の服を思いっきり引っ張ると全治郎が顔を歪ませる。

 その様子に静止すると引っ張った服の隙間からまだ治りきっていない痣が見え絵名は思わず息を呑む。

 

 

 「あんた、これ…!」

 「っ!離せ!」

 

 

 気づかれたことに気づいた全治郎が無理やり絵名の手を払う。首元を隠すように襟を整えると後ろからセカイが現れ手首のリストバンドを指で引っ掛ける。

 

 

 「!」

 「せっかくだ、コイツも見せてやれよ」

 

 

 指を引き離そうと咄嗟に腕を引っ張るもセカイは器用にリストバンドを巻き取るとそのまま腕を掴み捻り上げる。

 

 

 「えっ」

 「ちょ、あんたそれ…」

 

 

 セカイによって晒された全治郎の腕を見た一同は言葉を失う。手首に幾つも刻まれた白い跡、リストバンドによって隠されていたその中には彼がつけたであろう自傷の証拠がのこっていた。

 セカイが自らが晒したそれをつまらなそうに見つめていると全治郎がその腹を強烈に蹴り飛ばす。油断していたセカイはそのまま地面を滑っていくと鉄骨に頭を打ち付け、全治郎はリストバンドを拾い上げ再びつける。

 

 

 「全治郎、それって…」

 「…なんでもない、気にするな」

 「なんでもないわけいでしょ!それっていわゆる…」

 「リスカ痕ってやつだ。それも何重にもなってんな」

 

 

 ここまで来ても話そうとしない全治郎の気持ちを踏み荒らすようにセカイはあっけなく晒す。

 鋭く睨みつけてくる視線など気にしないとでも言わんばかりに鉄骨に打ち付けた頭を擦る姿に全治郎が歯ぎしりする中、絵名が再び勢いよく口を開く。

 

 

 「リスカって…!なんでそんな事…!」

 「…別にお前らに話す必要はない。初対面の奴なんかにな」

 「じゃあ、私には話してくれるの?」

 「……お互い様だろ、ここはなんなんだ」

 「まだ言ってるよ…」

 

 

 よほど話したくないのか、それともここのことが気になるのか話をセカイの話題に戻そうとする。

 その様子を見たまふゆはしばらく黙ると諦めたかのように冷たい表情を浮かべる。

 

 

 「そう、分かった。なら何も言わないし聞かない、ミク」

 「…分かった」

 「何を…」

 

 

 突然近づいてきたミクに全治郎が首を傾げていると体に触れられ光になって消える。

 そのまままふゆが促すとミクは他の面々もセカイの外に出そうとする。

 

 

 「なっ!また追い出す気な」

 「ちょっと、まだ話しは終わってな」

 

 

 言葉の途中で絵名と影は外に出される。残った瑞希と奏に近づくと先に瑞希に触れ消したあと奏に触る、前になにかを話す。

 

 

 「ーーー」

 「!」

 

 

 ミクが奏の体に触れ、その体がこのセカイから消える。誰も居なくなったセカイでふとあることに気付く。

 

 

 「しまった、出て行きそこねたな」

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 「なんかパチンコみたいだなこれ」

 

 

 弓道部でもらった木の棒に太いゴムが付いた練習器具、ゴム弓を見つめながら満は帰路についていた。

 流れで弓道部に入ってしまったことに若干の後悔を感じながらも配信で話すネタにはなるかと切り替える。

 自身の言葉通りにパチンコのようにゴムを伸ばして遊びながら角を曲がると滑って指から勢いよくゴムが外れ、待ち伏せしていたスワンプに変身する男に直撃する。

 

 

 「いったぁ!?」

 「あ、わり」

 

 

 顔を押さえて悶える男の予想外の痛がり方に若干の申し訳なさと愉悦を感じる。

 こちらを煽るような喋り方しかしないこの男がこんな苦しみ方をしているのは少し面白い。

 そんな風に考えているとゴムで顔に赤い跡を残しながら男が口を開く。

 

 

 「この間の返事を聞きに来ただけなのにひどい目にあったよ」

 「…その話ならまだ保留だ、お前の事を信用したわけじゃない」

 「まぁそういうと思ったよ。だからまずは…親睦を深めようじゃないか」

 

 

 そう言うと男は背中を向けて歩き出す。真意がいまいち読めないがひとまずついていくことにする。

 目的地が分からずその間無言の時間が続くことを嫌ったのか満が口を開く。

 

 

 「そういや、お前の名前を聞いてないんだが」

 「奴が何処で聞いているかも分からない。ライダー名で呼び合おう、俺ならスワンプだ」

 「ライダー名…そんなの考えてないぞ」

 「なるほど」

 

 

 満の言葉に男、スワンプは顎に手を当てて考える。しばらく歩きながらそうしていると立ち止まり指を立てながら振り返る。

 

 

 「レイジ…なんてのはどうだい?」

 「…俺が夜更かしばっかしてるからか?」

 「いや0時ではなく」

 

 

 そんな事を言っている間に目的地に辿り着く。向かっていた場所は地下駐車場、暗闇に続く坂道を見下ろしながら満はスワンプに話しかける。

 

 

 「こんなところでどうやって親睦を深める気だ」

 「まぁついてきなよ」

 

 

 戸惑う満を置いてスワンプは歩き出す。暗闇に消えていく後ろ姿に若干ついていくのを躊躇うも気を取り直し追いかける。

 最小限の明かりで照らされた空間を進んでいくと立ち止まったスワンプを発見する。

 

 

 「あったよ、あれだ」

 「あ…?なんだあれ」

 

 

 スワンプが指を指す方向を見てみると天井からポタポタと泥が垂れて地面に泥溜まりを作っている。

 わざわざ地下まで来てこれが見せたかったのかと戸惑っていると泥溜まりから泥人間達が這い出てくる。

 

 

 「コイツら…!?」『ハカイドライバー!!』

 「彼らはキャントネイム、名前を持つことすら許されないものさ」『セカイドライバー!!』

 

 

 泥人間、キャントネイム達は2人に気付くと鈍い動きでこちらに近づいてくる。

 素早くドライバーを取り出した2人はそれぞれのベルトにスフィアを装填すると満は首を掻っ切り、スワンプはスフィアを装填した流れで片手を顔に持っていくと立てた中指で頬をなぞる。

 

 

 「「変身/変身!!」」

 『LETS ACTIVE AVENGE!!』

 『CHANGE THE JUSTICE!!』

 

 

 満は煙の中で骸骨を顔にはめ、スワンプは泥に包まれると仮面ライダーへとその身を変える。

 斧を取り出し構えようとしたレイジは隣に立つスワンプを見るとその容姿に驚く。

 

 

 「お前…その姿は!!」

 「おっと、早とちりはやめてよね。言ったでしょ?あいつは俺の姿を真似てるんだ、それに」

 

 

 臨戦態勢を取ろうとするレイジを手で静止するとスワンプは新たなスフィアを取り出す。

 レイジのスフィアと同じ紫のそれは牛の顔が描かれておりスイッチを押すと予想通りの名前を叫ぶ。

 

 

 『バッファ!!』

 『CHANGE THE BAFFA!!』

 『SET ZOMBIE』

 

 

 泥が吹き出すとスワンプの横に鎧を形成し、スライドするように装着される。

 紫を基調としたマッシブなサイズに鋭利な肩の棘、左手は巨大で不気味なオレンジの爪が生えている。

 最後に牛の角が生えたヘルメットが頭に被さるとスワンプはバッファセレクトに変身を完了させる。

 

 

 『READY FIGHT!』

 「こんな風に、姿なんていくらでも偽造できる」

 「…なるほどな」

 「さて、それじゃあ仲良く共闘といこうか!」

 『ジャスティスブレード!!』

 

 

 スワンプは右手に愛剣を逆手に持つとキャントネイム達に向かって走っていく。前方の集団を薙ぎ払うように切り裂くとそのさらに後ろの集団を左手の爪で引き裂く。

 数を減らすと突撃し別の集団を荒々しいファイトスタイルで殲滅していく。

 

 

 『ブレイクアックス!!』

 「オラァ!!」

 

 

 荒々しさならコチラも負けてはいない。斧を振りかざしたパワフルな一撃がキャントネイムを頭から粉々にする。

 力を重視した2人の戦闘スタイルは量産型の雑魚では相手にならず数もどんどん少なくなっていく。

 順調に戦いを進めていく中スワンプはジャスティススフィアを取り出すとレイジに投げ渡す。

 

 

 「ん?なんだ?」

 「最後は一緒にどうかと思ってね」

 「は!足引っ張んなよ!」

 

 

 投げ渡されたスフィアをレイジは斧にはめ込み必殺技の体勢に入る。それを見たスワンプもベルトからバッファスフィアを外し剣にハメると歯車を回す。

 

 

 「オラァァァァ!!!」『ジャスティススロー!!』

 「フンっ!」『アウェイキングスラッシュ!!』

 

 

 黒く染まった斧を投げつけ、毒の滴る斬撃が振るわれる。空中を縦横無尽に飛び回る斧に全身を斬りつけられ爆散し、例え生き残ったとしても毒の刃が突き立て体を溶かす。

 凶悪極まりない連携により全てのキャントネイムがただの泥に戻ると2人は変身を解除する。

 

 

 「楽勝!」

 「やったね」

 

 

 満がガッツポーズを取るとスワンプは片手を見せる。意図を理解し一瞬躊躇うも振り払うようにその手とハイタッチをする。

 小気味よい破裂音が駐車場に響きその場を後にしようと満は歩き出すがスワンプが立ち止まっていることに気付く。

 

 

 「行かねぇのか?」

 「ちょっと調べ物。あ、スフィアだけ返して」

 「あぁ、ほら」

 

 

 満が先ほどとは逆にスフィアを投げ渡す側に回る。スワンプはそれを受け取ると反対の手からバッファスフィアを投げ渡す。

 

 

 「あげるよそれ、復讐の成功を祈って」

 「…あっそ。まぁ貰えるもんは貰っといてやるよ」

 

 

 その言葉を最後に満はその場を去っていく。その姿を見送るとスワンプは足元に現れた泥溜まりに沈み怪人のセカイに入る。

 返されたジャスティススフィアを手の中で弄び、笑みを浮かべると誰に向けたわけでもなく呟く。

 

 

 「いけないな、人から貰ったものを無闇に使っちゃ」

 

 

 手に持ったスフィアが輝く。するとそこからスワンプの脳内に満の記憶が流れ込んでくる。

 かつて取り逃がした相手、その獲物を再び狙える機会なんてそうはない。

 最適な方法を探るために今回このような手段をとった。何故なら彼には特殊な力がある。

 

 

 「俺はドッペルノーネイム…他人に化ける為に記憶を読み取れる…はずだ」

 

 

 本来ならもっと簡単にすることが出来ること。しかし今では直に触れるかこのような変則的な方法でしか行うことが出来ない。

 その原因を取り除く為の努力もしているが達成には幾つかの問題もある。今は様子見、そう考えていると全ての記憶の読み取りが完了し笑みを深める。

 

 

 「面白いこと思いついた♡」

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 「クソクソクソ!」

 

 

 セカイから追い出され、絵名は自室で荒れていた。自分達など必要ないというまふゆの態度、そんな相手を心配していたことの馬鹿らしさ、そして何よりOWNの動画を見たときに圧倒された事についての怒りが収まらない。

 

 

 「あんな…あんなやつに!」

 

 

 楽曲としての完成度もさることながら、あの動画はMVも素晴らしかった。その一因として当然絵の魅力は外せない。自分の絵など比較にもならなかった。

 これは絵名にとって自分自身を否定するに等しい行為だ。胸の中の敗北感を払拭するために作業机に向かうとペンを取る。

 

 

 「バカにしやがって…!私だってあれくらい…!」

 

 

 一心不乱に液晶に向かってペンを走らせる。絵に関してだけは負けたくなかった。

 あの動画を越すものを…いや、誰もが認める作品を書いて馬鹿にしてきた相手を見返してやろうと描いていく。

 

 

 「色がピンと来ない…!でもこれ以上足すのは違う気がする…!」

 

 

 影の表現が上手くいかない、構図の魅せ方がこうじゃない気がする、デッサンは狂っていないのに何かに違和感がある。

 描けば描くほど浮かんでくる至らなさ、感情のままに走らせていたペンが止まる。

 

 

 「なんで…なんでよ…」

 

 

 ペンを握る手に力がこもる。止まっていても作品が出来ないことは痛いほど理解しているがこれ以上指が動かない。

 胸の中を埋め尽くす敗北感に思わず涙がこぼれてしまいそうだ。俯きながら堪えていると部屋のドアが開く。

 

 

 「絵名、そろそろ学校に行く時間じゃないのか」

 「っ!勝手に部屋入んないでよ!!」

 

 

 ドアから顔を覗かせる妙齢の男性に向けて絵名は怒りを剥き出しにして叫ぶ。

 その様子に慣れているのか一切動じない男は机の上の液晶に目を移す。

 

 

 「また描いていたのか」

 「何よ…才能の無い娘が絵を描いたら、天才さまに迷惑でもかかるの!?」

 「…いや、どんな境遇の人間がどんな絵を描こうと自由だ。学校には遅れるなよ」

 「うっさい!」

 

 

 その言葉を最後に父親は去っていく。怒りからか、それともまた別の原因からかプルプルと肩を震わせる。

 しばらくそうすると携帯を取り出し、カメラアプリを起動させる。胸元を少し腕で引っ張る。下着が写ったりははしない、鎖骨が少し見えるような角度に調整するとシャッターを切る。

 

 

 「…『自撮り女子』、とかでいっか」

 

 

 SNSのアカウントの1つにログインすると今とった写真を上げる。すぐに画面を引っ張り更新すると次から次にコメントがついていく。

 『可愛い』『好き』『才能の塊』といった称賛の言葉が面白いくらいに並んでいく。

 

 

 「ハハ…すご…」

 

 

 胸の中を埋め尽くす虚無感、そこに確かに混ざる高揚にゾクゾクと背中を走る快感に乾いた笑いが出てくる。

 ストレス解消に出来心で始めた自撮りアカウントはすでに絵のアカウントなど遥かに超えるフォロワー数を獲得していた。

 

 

 「…着替えよ」

 

 

 部屋着から制服に着替え、さっさと家を出る。父親のいる空間から一刻も早く抜け出したかった。

 まだ夏が遠くこの時間でもすでに暗い。一人で歩くのが少し怖い時期ではあるが1年通えば慣れもある。

 足早に学校に向かっていると意外な人物に出会う。

 

 

 「え、Cage…?」

 「ん?あ、えなな…いや、東雲さん…でしたっけ」

 

 

 前方を歩いていた長身の男子、その特徴的な白と黒が層になった髪型はそうそういない。

 思わずアカウント名で呼んでしまうとあちらも振り返る。

 

 

 「あぁ、ごめん。本名で呼ばなきゃだよね」

 「まぁ別に満さんいないし良いですけど…学校ですか?」

 「そうだけど?そっちこそ何してんの?」

 

 

 少し不機嫌さが残ってしまっているが何とか普通に会話しようとする。

 影はなんとなく何かあったのを察するも触れていいものか悩む、人付き合いの少なさが出てしまっている。

 

 

 「え〜っと…今日は1日作業する気なので夜食を買いに…」

 「作業…作業か…ねぇ」

 

 

 絵名は少し考えるとなにかを問いかけようとする。しかし次の瞬間、勢いよく影が後ろを振り向く。

 

 

 「え…?どうし」

 「危ない!」

 

 

 疑問に思った絵名が立ち止まると、影は突然叫びながら押し倒す。2人揃って地面に倒れ込み、前髪がかかってハッキリとは見えていなかった顔がしっかり確認出来るほど接近し戸惑う。

 しかし、次の瞬間2人が立っていた近くの街路樹が粉砕される。

 

 

 「な、なに!」

 「走って!」

 

 

 突然起きた超常現象に驚く絵名を無理やり立ち上がらせると手を引っ張り走る。

 夜道を逃げていく中周りが強烈な衝撃と共に破壊されていく。間違いなく以前見たホースノーネイムと同じように怪人の仕業だと逃げながら後ろを確認するが攻撃してきている犯人は見当たらない。

 

 

 「ちょっと!どうするのこれ!」

 「……あそこに!」

 

 

 絵名の言葉に立体駐車場を指差す。中に入ると影は何かを探すかのように周囲を見回しながら走る。

 

 

 「ちょ、今は逃げることに集中して…」

 「あった!」

 

 

 壁の一角の赤く塗りつぶされた部分、火災用の消火器が取り付けられているのを見つけるとガラスをたたき割り中から取り出す。

 非常ベルが鳴り響く中曲がり角に身を隠すと耳をすませる。

 

 

 「……今だ!」

 

 

 タイミングを見計らうと飛び出し、勢いよく消火剤を噴射する。白い泡が大量に飛び出すと何もないはずの空間に輪郭が浮かび上がっていく。

 

 

 『ンムムム!』

 「な、なにあれ!?」

 

 

 消火剤により浮かび上がった人型、しかしその臀部に異常に大きく泡がついており人間ではないことを示している。

 怪人が姿を透明にしていたことに気付くと次の瞬間、顔に当たる位置の泡が吹き飛ぶ。

 

 

 「っ!?危なっ!!」

 

 

 咄嗟に後ろに倒れ込むように回避行動を取る。視界の先の空間が歪んでいく中、自分の頭が合った位置の先の壁が粉砕されると同時に顔に何かの液体がつく。

 消火剤とも違うそれを指で拭き取り匂いを嗅ぐと強烈な刺激臭が鼻を刺す。

 

 

 「ヨダレ…?それに透明…カメレオンか!」

 『ンべッ!』

 

 

 怪人の正体を察すると共に再び空間を歪ませ攻撃が飛んでくるのを地面を転がり回避する。

 そのまま立ち上がると怪人の頭に向かい蹴りを放つも弾力のある感触に弾かれ、逆に殴り飛ばされ駐車場の床を滑っていく。

 

 

 「だ、大丈夫!?」

 「東雲さん…車の後ろとかに隠れててください。あいつは僕が何とかします」

 「なんとかって…」

 

 

 躊躇う絵名に影は服の中からドライバーを取り出してみせる。

 

 

 「これ貰ったんで…って実際仮面ライダーを観たことはないですよね」

 「あんたも戦ったことはないんでしょ!?無茶よ!」

 「いやでも…うわ!」

 「いいからあんたも逃げるわよ!」

 

 

 無理やり影を立たせると引っ張って行く。車の陰に入っていき怪人の視界から外れる。

 怪人は体の泡を振り落とす。すると空間が歪みその姿が徐々に現れる。

 丸く大きく飛び出した両目、先ほど異常に泡がついていた部位の正体である丸まった大きな尻尾。全身を覆う緑色は蠢くかのように周囲の色に合わせてうっすらと変化しては戻るを繰り返す。

 カメレオンノーネイムは走り出すと車を蹴り飛ばす。しかしその裏にいるはずの絵名たちの姿は無い。入るところを見たこの車の陰から移動した2人を探し他の車の陰も次々と確認していく。

 

 

 「そんなに長くは稼げないですねこれ…」

 「あぁもう…!何なのよこれ…!」

 

 

 離れた位置の車の陰からカメレオンの様子を伺いながら不満を口にする。時間の問題なのか止まっている車の数もさほど多くない、それに出口もカメレオンを超えた先だ。

 影は懐からスフィアを取り出す。まだ色のついてないそれを見つめながら打開策を考えていると絵名が苛立ちを口にする。

 

 

 「なんでこんな上手くいかないわけ?どうして…!」

 「し、東雲さん、落ち着いて…」

 「うっさいわね!あんたに何がわかんのよ、あんたに…雪にだって…」

 

 

 勝ち気な言葉を使いながらも震えた声を上げる絵名の様子に影は異変を感じ取る。

 彼女の目には涙まで浮かんでおり精神的に追い詰められていることが伝わってくる。

 

 

 「いいわよねあんたは…才能があって、皆に認められてて…曲を上げる度に評価されて…」

 「そんなこと…東雲さんの絵だって皆良いって言ってくれてるじゃないですか」

 「あれはニーゴの曲ありき。私が別名義で上げたイラストは全然伸びない」

 

 

 それすらもOWNの動画に及ばない、他ならぬ自分がそう感じてしまった。

 

 

 「あんたもあのクソ親父も…なんで才能ってこんな不平等なわけ…?あたしだって…」

 「…才能があるから、音楽をやってるわけじゃないです」

 

 

 自らを卑下し、他人を羨み涙を流す絵名の言葉に影は静かに口を開く。その声には先程までのこちらを心配していた時の優しさも普段の気弱な印象も無く明確な意志が込められている。

 

 

 「音楽しか…僕にはない」

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 「聴覚が異常に発達している…ですか」

 「えぇ、息子さんは耳が非常に良いようです。少しの騒音で取り乱してしまうのはそれが原因でしょうね」

 

 

 まだ小さい頃、お母さんに連れられて病院に行った。原因は僕の落ち着きの無さ。

 町中で突然パニックになり蹲ったり家の中で耳を塞いだまま動かなくなったりすることが頻繁にあったからだ。覚えてないけど、赤ん坊の頃も突然泣き始めたりしたらしい。

 

 

 「えっと…いわゆる聴覚過敏ということですか?」

 「厳密には違います。あちらは小さな音に過剰に反応してしまうことですが、息子さんには実際に我々では聞き取れないような音でも聞こえる。なんなら試してみましょうか」

 

 

 医者の人はそう言うと僕に隣の部屋でやっていることを聞いてきた。隣の部屋では医学生達が専門的な用語でなにかを話していて、言葉の意味がわからなかったから言っていることをそのまま繰り返した。

 

 

 「その、どうすればいいでしょうか。息子は人付き合いも苦手みたいでして」

 「この子からすれば普通に会話している相手の声は怒号に聞こえるでしょう。それ抜きでも雑音が多すぎて会話に集中も出来ないでしょうし。長い目で見ていくことをオススメします、要は慣れです」

 

 

 診察が終わって家に帰る途中のお母さんの不安そうな顔をよく覚えてる。自分の子供が普通の子供とは違うのだからしょうがない。

 それでもお母さんは僕に優しくしてくれた。これからすぐ、お母さんは僕に高いヘッドホンをくれた。

 

 

 「はい、これをつけていれば少しは音がましでしょう?」

 

 

 正直、あまり変わらなかった。壁越しにすら様子が分かり、目の前の人間の心臓の鼓動すら聞こえる僕にはヘッドホンくらいでは耳栓にはならなかった。

 でも、このヘッドホンは僕の人生を変える出会いをくれた。なんとか有効活用がしたくてお母さんから借りたパソコンに繋いだ。

 動画サイトを開いて何か再生しようとした。あまり知識がないからヘッドホンを音楽を聴くための道具だと思ってて、適当に再生してみた。

 

 

 「!!!」

 

 

 それは、初めての事だった。普段音楽なんてテレビやお店で流れているという認識しか無く、僕を苦しめる雑音の一つでしか無かった。

 でもその時聴いた音楽は違った。母さんから聴いた物が高品質だったのか、それとも曲の完成度が高かったのかあるいは両方か。

 作り込まれた調和の取れた音だけが耳の中に入ってくる感覚。雑多な音に苦しんできた頭が1つのものに染め上げられ鮮明になっていった。

 そこから、僕が音楽に虜になるのに時間はかからなかった。

 

 

 「もっと色々聴きたいな…自分でリストを作れるんだ…それなら」

 

 

 動画サイトを回って色々な曲を聴いた。人と関わらない僕にとって誰かがつくった音楽だけがその人や世界を知る唯一の手段になっていった。

 様々な曲を聴いていくうちに、中にはパソコン1つで作った曲を趣味で上げている人たちがいることを知った。

 

 

 「僕も作ってみたい…自分の曲…」

 

 

 生まれて初めて親になにかをねだった。2人とも驚いた様子だったけど喜んで僕にパソコンを買ってくれた。

 そこからはただ夢中だった。来る日も来る日も曲を作り続けた。ヘッドホンをして音楽に向き合っていればこの人間社会の中の雑音も気にならなかった。

 年齢制限があるからお母さん名義でアカウントを作って、声はバーチャルシンガーに最初は任せてた。

 中学生になって年齢制限をクリア出来るタイミングで名義を自分に変えてに歌を肉声に変えた時には、僕の曲は世間に認められるようになっていた。

 

 

 ーーーーーーーーーーー

 

 

 「僕に才能があるって言うのは、否定できないと思います。でも…才能が無かったら音楽をやってないって言うなら…それは絶対に違う」

 

 

 音楽と出会ったことで人生が変わった。それまで何も手につかず、生きる理由を見いだせなかった。

 音楽と出会って曲を作り始めて、初めて何かに打ち込んだ。自分の中の何かをぶつけるように作った曲が出来上がる度にどこか救われるような気がした。

 

 

 「僕が音楽をやるのは、音楽が好きだからです。才能があるからじゃない」

 「そんなの…私だって…!」

 「絵が好きなんですよね、東雲さん」

 「!」

 

 

 言おうとした言葉を先取りする影に絵名が目を見開く。ドライバーを腰に巻くと立ち上がり車の陰から出る。

 

 

 「だから、こんなところで死ねない。家に帰って、お互い好きなことにちゃんと向き合いましょう!」

 「日向…」

 

 

 手に持ったスフィアに色が着く。音楽に人生をささげた影の想いがその色を青く染める。

 影が姿を表した事に気づいたカメレオンがこちらに向き合うのを見ながらスイッチを押す。

 

 

 『シャドウ!!』

 

 

 刀の刃にスフィアをハメると鞘を閉じる。両手を使ってエアギターを披露すると流れるように腕を回転させ、左手で挑発的にカメレオンを指すと指で手招きする。

 

 

 「変身!!」

 

 

 叫びと共に空いた右手で刀を抜刀する。霧が立ち込め、影の姿を完全に覆い隠す。

 わずかな電灯と車のライトだけが照らす夜の立体駐車場は薄暗く他のライダーが変身した時より霧による視界の遮断が働いており不気味な印象を受ける。

 霧の中に浮かぶ人型のシルエット、それが波打つように揺らぐと一気に広がり霧が真っ黒に染まる。

 

 

 『START ABILITY SHADOW!!』

 

 

 音声と共に斬撃音が鳴り響き、霧が斬り払われる。そこに立つのは宿す力とは対照的な白と青の戦士。

 白い体に入る糸のように細い何本もの線、所々に入った絵の具を垂らしたような染み、マスクにはヘッドホンが取り付けられたヘルメット、そのバイザー越しに見える縦のラインが入った複眼はよく見るとひっくり返した4分音符になっている。

 全身で楽譜を表現したような姿をした戦士、仮面ライダービートの変身が完了するとベルトの背部に2本の短剣が現れる。

 ビートはそれを手に取ると持ち手同士を接続し双刃刀に変形させる。

 

 

 『ツインエッジ!!』

 「よし、行くぞ…!」

 

 

 戦うことへの恐怖を抑え込みながらカメレオンに向き合う。目の前に現れた戦士にカメレオンは警戒をしているのか近づかずに透明になる。

 

 

 「消えた!どうすんの!?」

 「……」

 

 

 姿が見えなくなったカメレオンに絵名が焦る中ビートはその場で腰を低くして構える。

 カメレオンは構えたまま動かないビートに対し有効な対抗策が見つからないのだと判断する。しかし一応念のために背後に回る。

 怪人の筋肉がメキメキと音を立てながら膨張しビートの後頭部に向けて振るわれようとした時、その体に向けてツインエッジの刃が突き立てられる。

 

 

 『ビビッ!?』

 「メキメキ…うるさいっ!」

 

 

 突き立てた刃を思いっきり斬り上げる。強烈な火花と裂傷を生じさせながら悲鳴を上げるカメレオンに二撃、三撃と追撃を浴びせると最後に一回転しながら振るった刃で吹き飛ばす。

 

 

 「うそ…あんた、どんだけ耳良い訳!?」

 「これくらいしか取り柄がないので」

 

 

 透明化を破られたカメレオンは姿を現す。すると開いた口から勢いよく舌が伸びビートの片手を拘束する。

 

 

 『ビッビッビビ』

 「日向!」

 「…ふん!」

 

 

 片手を封じられたビートはツインエッジの持ち手を捻る。すると再び分離され双剣になるとカメレオンの舌を切り離す。

 

 

 『ビビビ!?』

 「姿を隠して襲われる気分…今度はそっちに味わってもらう!」

 

 

 ビートが体の線を指でなぞると弾むように軽快な音がなる。すると足元の影が伸びるとともにドームのように広がりカメレオンと自分を閉じ込める。

 完全に外部からの光を遮断した空間でお互い何も見えなくなる中、ビートはベルトから取り出したスフィアをツインエッジに装填すると双刃刀に戻し持ち手を捻る。

 

 

 「影縁流転…」

 『シャドウタクティクス!!』

 

 

 外から中の様子を探ることも出来ず、絵名には中の様子は分からない。

 内部にいても光のない空間では何も見ることは出来ない。それが意味することは1つ、ここで動ける存在が1人だけということだ。

 ドームが内部から飛び出した斬撃により切り裂かれ、崩壊する。そこには武器を振るった体勢で固まったビートと体に光る斬撃痕を刻まれたカメレオンの姿。

 

 

 「完全決着」

 

 

              完

   

 

        全           決

 

 

              着

 

 

 

 ツインエッジを分割させるとベルトに戻す。それを最後にカメレオンが爆散する風を背中に浴びながらビートは息を吐く。

 

 

 「は〜、疲れた〜…」

 「日向!」

 

 

 緊張の糸が切れた様子のビートに絵名が駆け寄る。それに対して軽く手を振ると近づいて来ると共に体のあちこちを触りながら確認する。

 

 

 「あんたどうなってんのこれ…!怪我とか大丈夫なわけ!?」

 「は、はい…あのあんま触られると…」

 

 

 心配からか遠慮など少しもない様子であちこち確かめてくる様子にビートはタジタジになる。

 最近まで人と関わるなど満だけだった彼にここまで近い距離でそこまで親しくない、それも女子に来られるとどうすればいいか分かるわけもない。

 彼の内心も知らずに絵名は確認を続けると満足したのか一歩下がる。その様子にビートも安心しベルトに手をかけ…ツインエッジの片方を入り口の方に突き出す。

 

 

 「誰だ!!」

 「へ、な、なに!?」

 

 

 警戒を露わにしたビートに絵名は驚きながらも背中に隠れる。入り口の方には逆光で見えないが誰かが立っている。

 その人物は両手を広げながらこちらに近づくと拍手をし始める。

 

 

 「あれって…確か…」

 

  

 近づくにつれて電灯の光で徐々に姿が露わになっていく。何処でも売っていそうな無地の黒いシャツにジーンズ姿、首からネックレスを下げた癖っ毛気味な黒髪の青年。

 セカイで見た人物、常世全治郎と同じ顔をした青年に絵名は驚く。

 

 

 「確か、雪の幼なじみの…」

 「違う…手をみてください!」

 「手…?あっ!?」

 

 

 ビートの言葉に絵名は青年の手を見る。なんてことはない普通の両手。

 しかし、傷一つないその両手こそが異常な事を2人は知っていた。

 

 

 「リスカの跡が消えてる…!?」

 「ん?何の話だ…?」

 「双子だったりします?あなた」

 

 

 絵名を庇うようにしながら武器を向け警戒を続ける。その言葉を受けると青年はつまらなそうな表現を向け懐に手を入れ何かを探し始める。

 

 

 「なんだ、あっちと知り合いか…んじゃ、やり方をかえようか」

 『セカイドライバー!!』

 「それは…!」

 

 

 ドライバーを腰に巻くと男、スワンプはジャスティススフィアを取り出し起動させると装填する。

 

 

 「変身…♪」

 『CHANGE THE JUSTICE!!』

 

 

 今度は先程とは対象的に楽しそうな笑みを浮かべるとその体が泥に包まれる。

 噴き出した泥が人型に変形していくとその姿を仮面ライダーに変化させる。

 

 

 「さぁやろうかぁ!」

 『ジャスティスブレード!!』

 「絵名さん、下がってください!」

 

 

 初戦闘を終え肉体的にも精神的にも疲労が残る中、日向影は怪人だけではなく仮面ライダーとの初戦闘も体験することになった。

 これが、スワンプの悪意ある作戦の始まりとは知らずに。

 

 




 設定
 仮面ライダービート
 影の変身する仮面ライダー。自身の体に刻まれだ楽譜『シャドウライン』をなぞることで発声する音楽は聴いたものを自身の影に閉じ込める事ができる。

 
 仮面ライダースワンプ バッファセレクト
 仮面ライダーバッファの力を宿した姿。左手の鉤爪が加わったことでより苛烈な攻撃を加える事が可能。

 
 カメレオンノーネイム
 カメレオン型の怪人。透明化能力を使った戦闘を得意とする。スワンプの命令で影を狙っていた。


 次回予告
 「さて、今日も頑張って可愛くしよ!」
 「カッコいい〜〜〜!!」
 「ウザい」
 「さぁ、ヒーローの出番かな!?」

 第四話 『部外者』
 「アーイムウィナ〜〜!!」
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