1話と連続して書いているので、指が疲れました。
よっしゃ!100億%作戦成功だ!
その日、凛は千空と友達になり、内心めっちゃうきうきで家に帰った。
「これであとは幼馴染ポジションをキープすれば、3700年後も優先的に起こしてくれるはずだ」
ベッドにダイブし、天井を見つめる。
計画は順調だ。千空の隣に、最も効率よく潜り込めた。
だが、ただ待っているだけじゃつまらない。石化の光がいつ来るか、正確な日時は原作知識があっても予測しきれない。それに、千空の隣に居続けるには、ただの「可愛いだけの置物」じゃ務まらない。
「そして俺⋯いや、僕は考えた。アニメにはアニメで対抗すればいいのでは?と」
ここはアニメの世界だ。ということは、ほかのアニメの理論持ってこれるんじゃないかと。
凛はベッドから這い出し、床にスッと立ち上がった。
凛が思い浮かべたのは、前世で見た最強の術師・五条悟の「無限」だった。
これから石化やら何やら物騒なことが起きるストーンワールドで、痛い思いをするのは御免だ。
修行や特訓などは一切介さない。ただ、脳内の記憶にある「イメージ」を自分に重ね合わせる。
すると、
「……あ、これ、できてね?」
試しに、机の上にある鉛筆を持ってみる。
指自体は触れていないのに持つことができている。
足元を見るとどこかの狸型ロボットみたく浮いている。
結果から言うと成功だった。
おそらくだが、これが転生特典というものだろう。
神にはあったことはない、いや記憶を消されているだけかもしれないが。
結果から言うと、大成功だった。
おそらくだが、これが転生特典というものだろう。
神に会った記憶はない。いや、都合よく消されているだけかもしれないが、今の凛にとってそんなことは些細な問題だった。
「マジかよ。ぼーっとイメージしただけで、物理法則を上書きしちゃったぞ……」
驚きつつも、凛は確信する。
自分に備わっているのは、努力して積み上げる技術ではない。
前世の記憶にあるアニメの技を、イメージ一つでこの世界に引きずり出す『再現』。
それこそが、神代凛という存在に与えられた唯一無二の武器なのだ。
これなら、3700年後も生きられる。
しかし、大事なのはこの『再現』は、一体どれほどまでの物を再現できるのかだ。
凛はリビングに下りると、母親に「ちょっと公園に行ってくる」と告げ、五歳児らしい足取りで家を出た。内心のニヤけ顔を隠すのには、少々骨が折れたが。
近所の公園についた凛は、周囲に誰もいないことを確認すると、早速その能力の検証に入る。
今回『再現』するのは、あのアニメに登場した最強の剣士、継国縁壱のスペックだ。
彼が持つ常人離れした身体能力や、生物の体が透けて見える『透き通るの世界』。これを果たして「技」と呼ぶべきかは不明だが、今はただの性能検証だ。細かいことは気にする必要はないだろう。
先ほど何となくで使用した能力を今度は意識的に行う。
するとどうだろうか。
凛の体温は一気に上昇し、心拍数も爆発的に増えていく。だが、苦しさはない。むしろ、世界が止まって見えるほどの全能感が全身を駆け巡った。
試しに、公園の端から端まで、およそ50メートルほどの距離を走ってみる。
「……シィィィィッ」
独特な呼吸音が凛の口から漏れた。
瞬間、目標としていた地点に凜はいた。その間なんと1秒足らず。
凜はこの能力の強さに驚愕し、開いた口が塞がらないでいた。
やはりこの能力は『再現』でいいだろう。しかも何の代償もない。
もしかすると寿命などが減っている可能性もあるが、葬送のエルフの特性のみを再現すれば寿命も伸ばせて実質代償を無効化できるのではないだろうか。
凜はこの事実に歓喜していた。
いまはまだついていけているが、年齢が上がっていくにつれ千空の会話にはついていけなくなるだろう。そうなれば、千空とは次第と会話が減っていき幼いころの友達ほどの関係になってしまうかもしれない。
しかし、そんな事実もこの『再現』があれば問題ないだろう。
千空にこの能力を伝えても公にはしないはずだ。
凛は確信していた。
あのアホみたいに正直で、それでいて情に厚い天才科学者なら。
「……研究材料として、僕を千空に預けてみるのも悪くないな」
凛は不敵に微笑み、公園を後にした。
翌朝。
凛は鼻歌を歌いながら、いつも通り登園した。
その足取りは、昨日までよりもずっと軽く、自信に満ち溢れている。
理科室の扉を開ければ、そこには昨日と変わらず、試験管を振る千空の背中があった。
「……おい凛。お前、昨日から何でそんなにニヤニヤしてんだ? 100億%、ろくなこと考えてねぇだろ」
「ひどいなぁ、千空。これでも、君を驚かせる『最高の手土産』を用意してきたんだよ」
凛はそう言って、千空の隣に並んだ。
不敵に細められたその瞳には、五歳児には似つかわしくない、底知れない自信が宿っていた。
オリ主結構あほです。
それと次はもういきなり原作に飛びます。
早くチートで活躍させたかったので。